装甲車は市販されているのか疑問に思ったことがあると思います。なぜなら、日本国内でも本物の装甲車を所有していたり、車検をとって公道を走らせている人がいるからです。

彼らは、どのようにして装甲車を手に入れたのでしょうか?

そこで今回は、市販されている装甲車が存在するのか調査してみました。また、個人が装甲車を所有するための方法についてもお伝えしていますので、ぜひ最後までチェックしてください。

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1. 装甲車は市販されている?

1-1. 日本だけでなく海外でも装甲車の市販はされていない

まず日本国内において、各国の軍や自衛隊で使用されているような装甲車は市販されていません。

しかし、日本国内には装甲車を所有していたり、公道を走らせている方々がいます。これは、市販車ではなく軍から払い下げられた本物の装甲車(中古車)を海外から輸入しているのです。

また、海外市場を覗いても、軍で使用されるような装甲車は市販されていません。インターネット上では、マローダーと言われるカザフスタン軍やヨルダン軍に提供されている装甲車を購入できる可能性を伝えていますが、実際には政府にしか提供されていないため、個人での購入はできません。

1-2. 装甲化された市販車(特殊車両)の販売がある

一方で、国内外には市販車をベースに「装甲化」された車両を販売するメーカーが存在しています。こちらを利用すれば、外観こそ市販車と見分けがつきませんが、防弾性能の高い特殊車両が手に入ります。日本では官邸やVIPが購入し使用しています。

例えば、メルセデスベンツGクラスやレクサスLXなどがベース車両となっています。

また、海外には装甲性能を備えた高級SUVが製造、販売されています。この後詳細をお伝えしていきますが、その外観はまるで自衛隊の軽装甲機動車のようです。

1-3 軍払下げ装甲車を中古で購入して個人所有する

以上のように、一般に向けて市販されている本物の装甲車はありません。しかし、市販車をベースに装甲化した車両は国内外で製造、販売されています。「装甲性能」を持った車両、例えば防弾機能を持つ車両が欲しい方は、こうした特殊車両の購入を検討されるといいでしょう。

一方で、本物の装甲車が欲しいという方も多いと思います。その場合には、軍払い下げの装甲車を中古で購入することが可能です。

ただし、こうした車両を扱う業者は主に海外にあるため、輸入しないと手に入れることができません。当然ですが、武装解除している必要がありますし、複雑な輸入手続きも必要になります。つまり、個人での輸入は非常にハードルが高いのです。

そのため、日本国内で軍事車両の売買を行なっていたり、海外へ買い付けに行っている業者がありますので、こちらに一度相談してみることをおすすめします。

詳しくは、「装甲車を中古で購入する方法と販売店・値段情報まとめ」でお伝えしていますので、ぜひチェックしてみてください。

2. 日本で装甲車(特殊車両)を市販しているメーカーと車種・値段

2-1. 株式会社セキュリコ(SECURICO)

株式会社セキュリコは、東京新橋に本社を持ち、防弾技術を初めて市販化・実用化した会社です。そのサービス内容は、

  • 装甲化された特殊車両の開発・製造・販売・修理
  • 現金輸送車などの警備特殊機材などの開発・製造・販売・修理
  • 建物の防弾・セキュリティ工事
  • 防弾ガラス・防弾盾の販売
  • アメリカ装甲車メーカーとの業務提携による国内販売店代理業務

このようになっています。

装甲車に関しては1996年より販売開始され、アフガニスタンやイラク等の紛争地域へも納車しています。その他、政府官邸をはじめ各国のVIPに納車してます。

そのため、最低限の情報しか公開されておらず、値段も公表されていません。レクサスベースの装甲車両の場合には3,000万円程になると言われています。

2-2. 日本で市販されている装甲車(特殊車両)一覧

株式会社セキュリコで販売されている車両は次の通りです。

ラインナップ 仕様 ベース車両
ARMORED LAND CRUISER 4WD装甲車(防弾・防爆仕様) TOYOTA LAND CRUISER
ARMORED G-CLASS Mercedes Benz G-Class
ARMORED BENZ

(ドイツ国立火器査定局認定防弾装甲車)

VIPセダン(重装甲・耐爆仕様) Mercedes Benz S-Class
ARMORED LEXUS LEXUS LS460/460L
SECURICO ESCORT VIPセダン(軽装甲仕様) LEXUS LS460/460L
SECURICO ESCORT TCY-5000 TOYOTA CENTURY
SECURICO GUARDIAN TOYOTA LAND CRUISER
SECURICO STAFF-GUARD TOYOTA ALPHARD/HIACE
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3. 海外で装甲車(特殊車両)を市販しているメーカーと車種・値段

3-1. Paramount Group

Paramount Groupは南アフリカを拠点としたメーカーで、装甲車を製造、販売しています。2006年のMarauder(マローダー)の開発に始まり、現在はカザフスタン軍やヨルダン軍にも使用されている本物の装甲車です。

また、装甲車以外にも戦車、高速巡視船、迎撃船、高性能偵察軽飛行機、無人偵察機、戦闘支援ヘリコプターなども販売しています。

日本では一般人でも装甲車が購入できると紹介されていますが、実際には下記にあるように各国の政府のみに提供されています。そのため、軍払下げ車両を中古で購入できる可能性はありますが、新車を一般人が手にすることはできません。(中古へリンク)

また、値段も公に公表されていませんが、Marauder(マローダー)は30万英ポンド(約4,400万円)とイギリスのテレビ番組「Top Gear」で紹介されています。

The military vehicle makes light work of rough terrain, despite weighing up to 20 tons when fully kitted-out with protective casing.The Paramount Group, who make the vehicle, have received thousands of enquiries from members of the public eager to buy one of the Marauders - but the company only sells them to governments.

※下線部分の約:「政府のみに販売しています。」

引用:Paramount Group

MARAUDER(マローダー)

出典:Paramount Group

2006年から開発が始まり、日本でも知られているのがMARAUDERです。STANAG 4569Level3の装甲性能を持ち、7.62mmから14.5mmまでの様々な銃を搭載する事も可能です。

MBOMBE 4

出典:Paramount Group

MBOMBE4はMRAP(Mine Resistant Ambush Protected:対地雷伏撃防護車両)タイプの装輪装甲車です。また、武器の搭載も可能だったり、最高時速は150km/hにもなるように、走破性の高い装甲戦闘車となっています。

MBOMBE 6

出典:Paramount Group

MBONBE6は戦闘装甲車両です。装甲性能はSTANAG 4569Level4の優れた性能を持ち、銃撃、榴弾砲、地雷の爆発から守ることができます。

武装に関しては、7.62mmの機関銃から30mmの自動キャノン、ミサイル砲塔まで装備することが可能です。

MAVERICK

出典:Paramount Group

MAVERICK(マーベリック)は、警察や法執行機関向けに作られた車両です。装甲された車両は弾道保護だけではなく、内部セキュリティも強化されています。乗員は最大14名となります。

MATADOR

出典:Paramount Group

MATADOR(マタドール)は、最大14名の隊員を運ぶ装甲輸送車です。装甲性能はSTANAG 4569 Level 3とされ標準的な防弾機能と地雷などへの耐爆能力を持っています。

3-2. Conquest Vehicles

Conquest Vehiclesはカナダトロントに本社があり、超高級SUVを製造しているメーカーです。その外観はSUVのレベルを超え、まさに装甲車のような存在感を示しています。

その理由は、装甲性能だけではなくデザインにまでこだわった車両づくりを行っているからです。また、装甲性能はアメリカの弾道試験機関であるHP White Laboratoryによって調べられています。

KNIGHT XV

Conquest Vehiclesが市販している装甲車がKNIGHT XVになります。こちらは、V10、6.8リットルのSUVとされていますが、まるで自衛隊の軽装甲機動車のようです。(自衛隊へのリンク)

先にご紹介したように、市販車といっても装甲化されており、その性能はNIJ規格のレベルⅢ・Ⅳとなっています。これは、7.62mmNATO弾MFJや.30-06M2徹甲弾を防ぐことができます。

価格は80万米ドル(約8,700万円)になります。

3-3. INKAS®️

INKAS®️はカナダトロントに本社を置く装甲車製造メーカーです。法執行機関や法人顧客、個人用として提供されてきました。こちらでは装甲車の製造、販売、輸出、整備、スペアパーツの販売などを行なっています。

INKAS®︎HURON APC

出典:INKAS®️

HURON APCは装甲兵員輸送車(APC)です。その装甲性能はNIJ規格レベルIIIとなり、7.62×51 SC弾薬、7.62×51 M80 NATOボール弾薬を防ぐことができます。武器の装備はありません。

価格は63万米ドル(約6,900万円)になります。

その他には、メルセデスベンツGクラス、キャデラックエスカレード、ランドローバーディフェンダー、レクサスLXなどの市販車ベースの装甲車両も販売されています。

3-4. Alpha Armouring

Alpha Armouringは市販車をベースに装甲車両を製造しているドイツのメーカーです。その歴史は30年以上にも渡り、900台以上の車両を製造してきました。

こちらがベース車両として扱っている市販車は以下の通りです。

  • メルセデスベンツGクラス
  • レクサスLX
  • トヨタランドクルーザー

3-5. Texas Armoring Corporation

Texas Armoring Corporationはアメリカテキサス州にあるメーカーです。こちらでは市販車を持ち込み、装甲化するサービスを行なっています。

3. 日本や海外で市販されている装甲車情報まとめ

いかがだったでしょうか。今回お伝えしてきたように、市販されている装甲車はありません。しかし、市販車をカスタムして防弾性能などを纏った特殊車両が市販されています。これらは主に要人保護のため政府が所有していたり、VIPが購入しています。

一方で、本物の装甲車を手に入れたいという場合には、軍払い下げの装甲車を海外から輸入することが可能です。

ただし、個人輸入は非常にハードルが高いため、軍事車両の輸入・販売等を行なっている業者に相談するのがおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、あなたの希望を叶える装甲車を手に入れてください。

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