企業として自動車を維持している場合、避けても通れないのが「確定申告時の経費処理」。オイル交換やガソリン代はわかりやすいですが、洗車をした場合はどのように計上したらよいかわからない、という方もいるはず。

この記事では、洗車をした際の経費処理の方法をご説明します。

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1. 社用車の洗車したときの勘定科目はどうなるの?

1-1. そもそも勘定科目って?

まずは勘定科目について意味を押さえておきましょう。これは複式簿記の仕訳や財務諸表などに用いる表示金額の名目をあらわす科目のことです。

単に「科目」や「勘定」と呼ばれることもあります。勘定科目は細分化すると沢山あって複雑に見えてしまいますが、大まかに分けると勘定科目の種類は以下の5種類に分類できます。

また、「資産、負債、純資産」の3項目を合わせたものを「貸借対照表」といい、これを読み解くことによって会社のその時点での財務状態がわかります。

これに対し「収益、費用」の2項目を合わせたものを「損益計算書」といい事業年度単位の儲け(利益)がわかります。 簡単に言うと、会社の経営状態をある時点という「ポイント」として見るのが貸借対照表で、一定期間の流れという「直線上」で見るのが損益計算書です。

・資産

企業が持っている財産です。具体的には、以下の3点のようなものを意味します。

1:現金 現金はお金以外でも、お金と同一の性質がある郵便為替証書や小切手などがあります。

2:売掛金 取引先に対する未収入金のことを売掛金といいます。また、売り上げに基づいて発生した手形債券のことを「受取手形」といい、これも資産として計上します。

3:物的資産 住宅やビルなどの建物やそれに付属する設備、機械装置、営業用に用いる車両、土地なども資産となります。

・負債

これは企業が負っている債務です。具体的には、以下の2つのようなものを指します。

1:借入金 銀行などから借り入れたお金については、借入金として計上します。

2:買掛金 商品の仕入れや物品の購入に対して発生している未払い金のことをそのように呼びます。

・資本

資産から負債を引いたものを指します。

・費用

地代や家賃、通信費、消耗品費などの必要経費のことを指します。

・収益

売り上げなどの収入のことを指します。

1-2. 車両費って何?

車両費とは、業務に使用する自動車やバイクなどにかかる費用を仕分けする科目で、自賠責保険や任意保険などの保険料やオイル交換にかかった費用、自動車税や修繕費などといった、車両に関するもの全般の経費のことをいいます。

会社によっては営業活動などで車やバイクをを使用することがありますが、その際には支出している費用を「車のために使った費用(=車両費)」として会計する際に用います。

それでは、この記事のタイトルである「社用車を洗車した場合の勘定科目はどうなるのか」についてご説明します。この場合は洗車の金額と頻度により異なります。

社用車の洗車をした場合、その洗車代は社用車という資産を維持するための費用と考えられることから、資産維持費となります。資産維持費に関しては次の項目で説明します。

オイル交換など、車両に係る費用が多い場合は、車両費の勘定項目を設けてそこに計上しても良いでしょう。仮に金額が少額であり、頻度も少ないようであれば、資産維持費や車両費の項目として計上しても問題ありません。会社(事業)の経費計上に合わせて選択しましょう。

1-3. 資産維持費って何?

資産維持費とは、自動車や不動産などの有形固定資産を維持するための費用を管理するための勘定科目のことを言います。同義の勘定科目として「修繕費」が挙げられます。

これは建物などの固定資産の修理や改良などのために支出した金額のうち、当該固定資産の通常の維持管理のため又は毀損した固定資産の原状を回復するために要したと認められる部分の費用を処理するための費用勘定のことをます。

ですので、事業所によっては修繕費の代わりに使用しているところもあります。資産維持費と修繕費は同じ意味と考えて大丈夫です。

1-4. 資産維持費勘定又は車両費勘定を設けていない場合は?

もし企業(法人)の決算処理を行うにあたり資産維持費や車両費という科目がなければどのようにすれば問題ないのか、ということですが、その答えは明確です。その際には「修繕費か雑費」として計上すれば何ら問題ありません。

社用車の洗車に限らない話ですが、勘定科目上でどの科目にすべきか悩んだ場合は、雑費として計上すれば大丈夫です。

2. オイル交換の場合の勘定科目は?

次に、車のメンテナンスで重要項目の一つであるオイル交換の費用はどのように計上すればいのでしょうか。もちろん資産維持費として計上しても問題ないですが、次にご紹介する3つの方法が賢明です。

1:車両費で一括処理

一番簡単なのが、車やバイク等に関係する全ての費用を「車両費」という一つの勘定科目として統一処理するやり方です。車両に関する出費が一目でわかりますが、その内訳については帳簿を細かく確認しないとわからないですね。

2:科目を細分化する

これは、オイル交換の費用を「車両維持費」として、車両費から枝分かれさせて何にお金を使ったかを明確にさせる方法です。これの見た目は非常に分かりやすくなりますが、仕分けが大変になるというデメリットがあります。

3:別の勘定科目にいれる

車は使っているが滅多に出費をしないパターンを想定すると、車に関する費用を一般科目に当てはめることも可能です。オイル交換といった費用は「修繕費」というように、もともとある科目に振り分けて処理をすることができます。

この中で企業に合った内容で計上すれば大丈夫です。

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3. ガソリン代の場合の勘定科目は?

では、車両を走らせる際に最も必要である「ガソリン代」の勘定科目についてご説明します。これを計上するにあたり、オイル交換と同様で方法は3つあります。

先ほどのパターンに当てはめていきましょう。1のパターンで言うのであれば、車両費で計上できますね。

2のパターンで想定すると、ガソリン代は「車両燃料費」として計上できます。その名の通りですので後々になって確認したとしても非常にわかりやすいです。

3のパターンはでは、「ガソリン代=交通費」と想定できます。ですから「旅費交通費」として計上しましょう。

4. 確定申告の決算書を作成するにあたって注意したいこと

このように、車両関係の費用については、多様な仕分けの方法があります。

社用車は会社にとっての“資産=財産”なので資産維持費として計上するもよし、車にかかった費用をしっかりと明確化させたいのであれば車両費を設定して計上するもよし、会社の方針にのっとって計上するようにしましょう。

ただ、一度決めた勘定科目や計上する基準については必ず守る必要がありますので、車両費と資産維持費の両方に計上しないように、まずは取扱い方法を関係者の間で検討して明確に決めておくことが重要です。

5.まとめ

会社にとって車は財産です。その財産を運行、維持するためにかかった費用はもちろん経費として計上できます。

仮に営業車だとしたらそれは「会社の顔」になるわけですから常にきれいな状態を保たなければならないので洗車の費用も計上することができます。

これで安心して会社の費用として洗車することができますね。

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