車検費用は最低限の整備・点検だけで済む場合であっても、「法定費用」といって必ず支払わなければならない料金などもあります。
さらに修理が必要な場合は、修理にかかる費用や部品の交換などが費用に含まれます。そのため車の状態によっては、請求される車検費用の総額が高額になることもあります。
一括現金払いが出来る範囲内であればよいのですが、さすがに10万円以上の請求の場合は支払いが厳しいことも…。
そんな時に便利なのが、車検ローンです。車検ローンは、車検費用のために使うことが出来るローンです。カード払いとは違うためローンを取り扱っている業者によって違いはありますが、賢く利用すればかなりお得に利用できます。
そこで今回は車検費用をローンで組む場合のメリット・デメリットやその利用方法、もしも審査に落ちてしまった場合の対処法などをわかりやすく解説します。
1. 車検費用もローンが組める!
高額な車検費用を現金で支払いが出来ない場合は、「車検費用のために使えるローンを利用する」という方法があります。もちろん車検ローンにも種類があります。
そこでまずは「車検ローンとはどのような種類があるのか」、さらに「車検費用の相場」について解説していきます。
1-1. 車検ローン(マイカーローン)とは?
車検費用専用のローンはありませんが、車に関する費用に対応するローンはあります。それが「マイカーローン」です。
1-2. 車検ローンの種類
マイカーローンには、「金融機関のマイカーローン」と「信販会社のマイカーローン」の2種類があります。
金融機関のマイカーローン
銀行や信用金庫など金融機関が取り扱っているのが、「金融機関のマイカーローン」です。この場合は、ローンを申し込む金融機関の口座から決められた返済額が毎月引き落としされます。
ですから「マイカーローンを申し込む銀行(その他金融機関)に口座を持っている」ということが条件となります。
「金利が低い」というメリットはありますが、基本的に「融資」となりますので審査は厳しいです。またローンも申し込みも、申し込み者自らが契約しなければいけません。
コストを抑えるためにはおすすめですが、手続きに手間がかかることや審査が厳しいというデメリットがあるのが「金融機関のマイカーローン」です。
信販会社のマイカーローン
信販会社が取り扱っているのが「信販会社のマイカーローン」です。利用の仕方は車以外のローンと同じですので、審査さえ通れば「信販会社が一括で車検費用を支払い、利用者が月々決められた金額を返済していく」というシンプルな仕組みです。
信販会社によっても契約の手続き方法に違いがありますが、自動車会社と提携している信販会社の場合は審査の手続きも一括で行ってくれる場合があります。
また金融機関のマイカーローンと比べて、ローンの審査が比較的通りやすいというのもメリットにあります。
ただし信販会社の場合は、「金利が高い」というデメリットがあります。総額で見ると車検費用よりも高くなることもよくあるため、コストを抑えたいという人には向いていません。
1-3. 車検費用の相場
車検費用でローンを組む前に、まずは車検費用の相場について知っておきましょう。もしかしたらローン以外の方法での支払い方が、あなたにとってメリットがあるかもしれません。
車検を通すために必要な法定費用
軽自動車 | 小型乗用車 |
中型乗用車 (~1.5t) |
中型乗用車 (~2.0t) |
¥36,270 | ¥45,940 | ¥54,240 | ¥62,440 |
※エコカー減税対象外を想定しています
業者に依頼する場合の車検基本料金の相場
車検業者の種類 | 車検基本料金の相場 |
ディーラー車検 | ¥40,000~¥100,000 |
民間車検 | ¥25,000~¥80,000 |
カー用品店車検 | ¥25,000~¥60,000 |
ガソリンスタンド車検 | ¥25,000~¥60,000 |
※車検基本料金に修理・交換費用は含みません
2. 車検ローンを利用する方法
まずはあなたが「金融系マイカーローン」と「信販系マイカーローン」のどちらを利用するのかを決めます。利用するマイカーローンが決まったら、審査を申し込みましょう。
審査が通れば契約となり、車検費用が車検業者に支払われます。あとは決められた返済額を、毎月指定口座を通して支払いをしていくだけです。
ただし審査には時間がかかる場合があります。車検が切れてしまうと車に乗ることが出来ません。ですからマイカーローンでの支払いを希望している場合は、車検が切れる期限内に全てが終わるように進めていくことが大切です。
3. 車検ローンのメリット・デメリット
車検ローンはどうしても車検費用が準備出来なかった時、「審査さえ通ればすぐにお金が準備出来る」というのがメリットです。
ただし逆に言えば「審査が通らなければ利用が出来ない」とも言えます。これは車検ローンのデメリットといえます。
また信販系のローンの場合は、どうしても金利が高くなります。総額で見ると車検費用よりも割高になることも多いので、コスト面を抑えたい人にとってはデメリットになります。
4. 車検ローンが組めない、通らない場合はどうする?
「車検ローンの審査が通らない」ということは、「車検ローンが組めない」ということです。この場合は用途に制限がない「フリーローン」を利用するのがおすすめです。
フリーローンは限度額の範囲であればどのような目的でローンを利用しても構わないので、車検費用として利用することもできるのです。
しかも「主婦やアルバイトでもOK」など審査基準が比較的緩やかなので、マイカーローンで審査が通らなかった場合でもフリーローンではOKの場合がよくあります。
さらに審査までにかかる時間も短いのも特徴にあるため、よほどの事情がない限り審査申し込みの当日に結果が分かります。
4-1. 車検ローンの審査基準
車検ローンの審査では、基本的に「年収」「年齢」「勤続年数」「雇用形態」「借入額(現在別のローンを利用している場合)」を審査します。ただしあくまでもこれは基本的な審査項目であり、ローン会社によって審査の判定基準に違いがあります。
金融系のマイカーローンを利用する場合は、これらの基本審査基準が高めに設定されています。そのため年収に応じて融資する金額の上限が厳しく設定されています。
また年収に対して融資できる金額の範囲も決められています。ですからたとえ雇用形態が「正規雇用」であっても、審査に落ちる可能性がないとは言い切れません。
ちなみに「自己破産したことがある人」「過去に債務整理をしたことがある人」は、車検ローンの審査にはほぼ通りません。
4-2. クレジットカードの分割払い
車検ローンを使わなくても、現金以外の支払い方法はあります。それがクレジットカード払いです。このカードで支払う場合は、「一括払い」と「分割払い」の2つがあります。
もちろん車検費用であっても、分割でカード払いすることは出来ます。ただし注意しておきたいのは、車検ローンとは違いカードの場合は「車検にかかる総額を対応してもらえない」ということです。
車検費用には、車検業者に支払う費用と法定費用の2つがあります。カード払いの場合のほとんどが、「車検業者に支払う費用」には対応していますが「法定費用」には対応していません。
もちろんカードの種類によっては「法定費用までOK」という場合もありますが、これはかなり珍しいケースです。ですからカードで分割払いを利用する場合は、「法定費用は現金払いとなる」と思っておいた方が良いでしょう。
5. 車検ローンの特徴と利用方法まとめ
車検ローンは、ローンの審査さえ通ってしまえば利用することは出来ます。またどのタイプのローンを利用するかによって、支払総額を抑えることも出来ます。
いずれにしても審査が通るまでに時間がかかりますので、車検のためにローンを組もうと考えている場合は早めに準備するようにしてくださいね。