タイヤホイールは地面にもっとも近いこともあり、走れば走るほどほど汚れていきます。放置しておけばだんだんと黒ずみ、錆びてくると茶色になってやがてこびりついてしまいます。

ホイールが汚れる主な原因は『ブレーキダスト』と呼ばれる、ブレーキパッドとローターの摩擦によって生じる鉄粉です。この鉄粉を除去するにはどうしたらいいのでしょうか?原因と洗浄方法をお届けします。

スポンサーリンク

1. ホイールはなぜ汚れるのか?

ホイールを見てみると、細かい黒や茶色の汚れが付着しています。この汚れは主にブレイーキダストといわれる鉄粉です。ブレーキダストとは、ブレーキを踏む時にローターとの間に生じる摩擦で、ブレーキパッドがすり減って出てくる金屑です。

摩擦が生じると高温になります。高温時にダストがホイールに飛び散って付着しますが、そのまま放置しておくと錆びてこびり付きます。付着してすぐであれば水洗いでも取れますが、放置しておくと固着してしまいます。

とくに欧州車はスピードを出すことを想定されて作られています。その分ブレーキバードが柔らかくすり減りやすくなっていますので、ブレーキダストもたくさん出てきます。なので国産車と比べ、かなり汚れやすいですから、こまめな洗浄が必要になってきます。

1-1. ホイールの鉄粉付着のメカニズム

洗車してきれいになったと思ったのに、触ってみるとザラザラとしていることがあります。それは細かい鉄粉が塗装面に突き刺さっているような状態です。塗装面に軽くこびりついているだけのものもあれば、くい込んでしまっている鉄粉もあります。

鉄粉が上に乗っかっているだけの状態の時に洗浄してしまえば、流されてきれいになりますが、そのまま放置しておくと、表面上にこびりついていただけだった鉄粉が、酸化して錆びてしまい、塗装面にくっついていたりくいこんだりします。

最初は黒色ですが、そのまま置いておくと錆びてきますので茶色にになってきます。錆びて付着してしまうと簡単には取れなくなり、それを取り除く作業が必要になります。

この鉄粉はコーティングをしていても付くものです。適度に洗浄が必要となります。洗浄時にそのダストを取ろうとしてゴシゴシと磨いてしまうと、細かな傷がたくさんできてしまい、愛車にダメージを与えてしまいます。大きな鉄粉が取れると穴があきます(といっても小さなものですが)。それを放置しておくとそこにまた汚れが付着します。

2. ホイールの鉄粉除去のすすめ

もし今お使いの車のホイールが黒ずんでいたり、茶色っぽくなっているのなら、早めに鉄粉除去されることをお勧めします。

黒ずんでいる段階でしたらまだ簡単に取れる確率が高いで、早めにされるといいでしょう。それで取れなかったら鉄粉除去剤の登場です。最悪の場合は再塗装になりますので、そこまで放置されないことをお勧めします。

鉄粉は「刺さる」という言い方をしますが、実際には鉄粉が塗装面に突き刺さっているのではなく、酸化して錆びついています。

普通に洗浄しても取れないときは、まずはボディへの影響の少ない鉄粉除去剤を使ってみましょう。

それでも取れないものに関しては、トラップ粘土を使って除去します。

2-1. 鉄粉除去剤とはどういうもの?

鉄粉除去剤とは、その名の通り、塗装面やホイールについた鉄粉を除去するための液剤です。

鉄粉除去剤を用いると鉄粉が溶けてなくなると思っている人が多いですが、液剤をかけて紫色になって水で流れるのは錆びていた部分です。つまり酸化している箇所は鉄粉除去剤で分解して流してしまえます。芯まで錆びていたら溶けてなくなりますが、芯がまだ酸化していなかったらそのまま残ります。

錆が取れ、茶色い色が水で流されてしまうので鉄粉がなくなったように思いますが、錆びてない鉄の部分は錆び部分が取れることにより、取れやすくなるか、そのまま残るかします。なぜなら鉄粉除去剤は鉄そのものを分解するわけではないからです。

酸化した部分だけを除去するとはいえ、ずいぶんときれいになります。

2-2. 鉄粉除去剤を選ぶときのポイント

鉄粉除去剤には大まかに2つのタイプに分かれます。一つは除去剤を塗ると紫色になる溶剤、もう一つは無色のままのものです。前者は中性が多く、後者は酸性が多いようです。鉄と液剤が反応すると色が紫色になります。

無色タイプはプロ用です。一般的には紫色に変わる除去剤を使いますから、そちらの除去剤を選ぶ方が無難でしょう。

鉄粉除去剤は、スプレーやシャンプーがあり、液体で分解していきます。スプレー型のものはスプレーするだけで鉄粉を溶かして落としくれます。その後シャンプーで洗い流せば、ずいぶんきれいになり、お手軽です。

市販の鉄粉除去剤を使うときは弱めのものから使っていきます。それでも汚れが落ちなかったら、だんだん強めの除去剤を用います。鉄粉除去剤はまだそんなに錆びてこびりついていない鉄粉の除去に向いています。しっかりこびりついた鉄粉には不向きです。

市販の鉄粉除去剤を購入するときは、鉄粉除去したいホイールに合った鉄粉除去剤を選びましょう。アルミホイールならアルミホイールにも使える除去剤ということですね。

違うタイプのものを使ってしまったり、鉄粉除去剤によっては鉄粉除去成分が多いですので、素材の色が変色してしまうこともあります。

ドイツ製の車は時速200kmの速さに耐えうるブレーキを備えているため、ブレーキダストが多く、ホイールがすぐ汚れます。そのため、ドイツ製のクリーナーには高い洗浄力を持ったものがあります。

お店の人に聞いたり、インターネットショップでお客様の声を調べてみたりして、自分のホイールにあったものを購入しましょう。

2-3. 鉄粉除去剤を使っても取れない汚れはトラップ粘土で

鉄粉除去剤を使っても取れないこびりついてしまった鉄粉は、トラップ粘土を使います。粘土クリーナー、鉄粉除去粘土などとも呼ばれますが、同じものです。水をかけながら粘土で磨いていきます。

この方法は慎重にしないと表面にすり傷をつけてしまいます。粘土を使うときは必ず水を流しながら力を入れず、軽く表面を滑らせるようにして除去しましょう。

気温が低くなると粘土が固まることがあります。その場合は、粘土をお湯に入れて温めてから用いると柔らかくなります。

トラップ粘土を用いるときは、炎天下とボディに熱があるときは避けましょう。

だんだんホイールのザラザラ感がツルツル感に変わって光沢が出てきます。

2-4. ホイール鉄粉除去の頻度はどのぐらい?

これは車の状態によっていろいろです。コーティングをしているしていないもありますし。しかしどんな車でも鉄粉の汚れを防ぐことはできません。鉄粉は表面に付着して、時間がたてばたつほどどんどんと塗装に付着して錆びついていきます。

コーティングをしていたとしても鉄粉除去をしないのであれば、そのうち塗装にも侵食してしまい、取るのに大変苦労します。

コーティングをしていなかったら2~3ヶ月に1回、コーティングと洗車をしていたら半年に1回ぐらい鉄粉除去を行いたいものですが、頻度は環境や使用状況などによって違ってきます。ご自分の車の様子を見ながら行ってください。

スポンサーリンク

3. ホイールに鉄粉を付着しにくくするにはコーティングがおすすめ

早めに鉄粉を除去し、塗装面が傷つかないようにコーティングをされることをお勧めします。一番いいのは、新車購入時やホイールの交換時に洗浄したのち、コーティングをしてしまうことです。鉄粉が着く前にコーティングをしてしまえば、その後のメインテナンスが楽になります。

コーティングをしても洗浄は必要となりますが、つきにくいし、取れやすくなりますので、水洗いでかなりきれいになるでしょう。

ホイールの表面にコーティングを施すと、汚れや傷がホイールに着くのを防いでくれます。ホイールコーティングをしておくと、水洗いでブレーキダストなどの汚れが落ちやすくなります。コーティングにも色々な種類がありますが、市販のコーティング剤を用いて自分で気軽に施工することもできますし、業者に頼むこともできます。

もしホイールを洗浄して鉄粉除去をされたのであれば、丁度いい機会ですので、ホイールコーティングもされると、その後のメインテナンスがもっと楽になります。

コーティングは塗装面に皮膜を作って覆うことですので、ホイールに汚れが残ったままコーティングしてしまうと汚れが取れなくなってしまいます。コーティングをする場合は、しっかりと汚れや鉄粉を取り除いた後でするようにしましょう。

4. まとめ

ホイールの汚れは走ればどうしても生じるものです。その都度洗車を行い、常にきれいな状態のままで保てるように地道にきれいにしていくことです。

コーティングをすれば洗浄は楽になりますが、どちらにしろ洗車は必要になるので、日々のメインテナンスを怠らないことが大事です。鉄粉が錆びてしまうとそれを取り除くに労力が要ります。そうなる前にきちんと対処しておきたいものです。

鉄粉除去の溶剤タイプと粘土は、どちらを使うかは好みに分かれます。溶剤で全ての鉄粉が取れるわけではないのですので、取れない場合は強めの鉄粉除去剤を使うことになり、変色などのダメージが気になる方もいます。

粘土も使い方によってはダメージを与えうるので、自分にとっていいと思うものを選んで使いましょう。愛車をもっと大切に扱いたい場合は専門店に相談するほうがいいでしょう。

やはり素人は素人です。うまくやっているつもりでも専門家の目から見たら悲惨な状態かもしれません。

あなたが愛車にそこまでの完成度を要求しないのであれば、自分で施工するので十分です。市販の鉄粉除去剤もいろいろ出ていますし、簡単に扱えるものもたくさんあります。ぜひ自分のニーズにあった車のメインテナンス法を見つけてください。

スポンサーリンク
おすすめの記事