バイクに乗っている方は、マフラーやエキパイの変色や錆汚れに悩まされている方が多いでしょう。車とは違い、どうしても目につく部分ですし、外観を左右する重要なパーツなので、汚れが気になるのも当然です。また、日頃からメンテナンスやカスタムをしている方も多いため、自分で綺麗にしたいと考えていると思います。

この悩みを解決するためには、耐熱コーティングが有効です。錆汚れを防ぐだけではなく、錆びたマフラーの補修をすることもできるからです。市販品も数多くありますので、自分でメンテナンスすることもできます。

ただ、一言で耐熱コーティングと言っても、耐熱塗装、耐熱ガラスコーティング、耐熱ワックスなどの種類があります。そして、マフラーの状態や目的に応じて使い分けることで満足な結果が得られるため、作業を行う前の下調べが重要です。

そこで今回は、マフラーの耐熱コーティングをする前に知っておきたい5つのことをお伝えしますので、満足なコーティングができるように、ぜひチェックしてください。

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1. なぜ「耐熱」コーティングが必要なのか

耐熱コーティングとは、耐熱性のあるコーティング剤を塗布することをいいます。特に、バイクのマフラーやエンジンなどの高温になるパーツには必要となります。なぜなら、通常のコーティング剤では、熱によって分解されてしまうため、変色したり、効果を失ってしまうからです。

耐熱コーティングなら、高温にも耐えることができるシリコンやガラス成分で作られているため、マフラーにも施工することができるのです。

マフラー以外にも、オーブンやガス器具といった家庭用品から、焼却炉、ボイラーなどの工場で使用されていることからも、熱に強いという特徴がよく分かると思います。

2. マフラーに耐熱コーティングをするメリット

なぜ、マフラーに耐熱コーティングが必要なのでしょうか。一言でお伝えすれば、愛車を綺麗に保つためです。

耐熱コーティングの効果は、「錆防止」と考えている方が多いと思います。しかし、現在は様々な耐熱コーティング剤が登場しているため、他にも次のような効果があります。

  1. 錆、腐食防止
  2. 錆びたマフラーの補修
  3. 耐候性、耐水性、撥水効果
  4. 傷防止
  5. ツヤ出し

つまり、傷や汚れから守る効果があるため、愛車をいつまでも綺麗に保つことができるのが、耐熱コーティングのメリットです。また、市販品を利用すれば、自分でメンテナンスできることもメリットの一つと言えるでしょう。

それでは、それぞれの効果を詳しく確認していきましょう。

① 錆、腐食防止

バイクの外観を損ねる原因として、マフラーやエキパイ、エンジンなどの金属パーツの錆汚れがあります。特にネイキッドバイクに乗っている方は悩まされているでしょう。

こうした金属パーツには、あらかじめ防錆処理がされていますが、高温・多湿という過酷な環境で使用されるため防ぎきれずに錆汚れが発生してしまいます。また、道路に撒かれている融雪剤なども錆の原因になります。

さらに、錆汚れをそのままにしておくと、金属が腐食して穴が空いてしまうこともあります。そうなれば、外観だけの問題ではなく、機能性や安全性も失ってしまう危険があります。バイクに楽しく安全に乗るためには、錆や腐食防止のためのメンテナンスは欠かすことができないのです。

そこで役に立つのが、耐熱コーティングです。耐熱コーティングには、錆止め、腐食防止の効果がありますので、バイクのメンテナンスには必須とも言えるでしょう。

② 錆びたマフラーの補修

先ほどもお伝えしているように、防錆対策がされていても、完全に錆を防ぐことは難しいものです。しかし、錆を放置していると腐食の原因となりますので、取り除くことが必要になります。

その際には、真鍮ブラシやサンドペーパー、錆取り剤などを使用しますが、削ったり磨いたりして錆を落とすため、防錆処理のされていない金属がむき出しになります。そのため、改めて防錆対策として耐熱コーティングが必要になります。

また、錆汚れや傷みのひどい場合には、錆び取りが困難な場合もあります。そうした場合には、耐熱塗装によるコーティングで補修することもできます。つまり、錆防止だけではなく、錆びてしまったマフラーの補修作業にも役立つということです。

③ 耐候性、耐水性、撥水効果

金属が錆びてしまう主な原因としては、高温・多湿という環境です。つまり、バイクのマフラーやエキパイ、エンジンなどは、錆びやすい過酷な環境にあるということです。

耐熱コーティングには、こうした環境から守るための、耐候性、耐水性、撥水効果などもあるため、錆や腐食を防ぐ効果が高まります。

④ 傷防止

耐熱コーティングは、マフラーの表面に保護皮膜と言われる薄い膜を形成するものです。そのため、マフラー本体への傷を防ぐ効果もあります。特に、ガラスコーティングは硬い保護皮膜を形成するため、防傷効果にも優れています。

⑤ ツヤと光沢が出る

耐熱コーティングによる主な効果は、錆や傷から大切な愛車を守ることです。さらに、それ以外にも、ツヤや光沢を出すという効果もあります。

マフラーの錆を取り除いて綺麗にしても、くすんだようになってしまうことがありますし、熱劣化で曇ってしまうこともあります。そんな時に、耐熱コーティングで仕上げれば、ツヤや光沢を取り戻すこともできます。

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3. マフラーの耐熱コーティングに関するデメリット

マフラーのメンテナンスには欠かすことができない耐熱コーティングですが、次のようなデメリットもあります。特に、自分で施工する場合には注意が必要です。

  1. マフラーを外したり錆び取り作業も必要
  2. 耐久性は施工技術に左右される
  3. 種類が豊富でどれを選べばいいのか迷う

施工後に後悔しないためにも、デメリットについてもしっかりと確認していきましょう。

① マフラーを外したり錆び取り作業も必要

耐熱コーティングを自分で施工する場合、ある程度のバイクのメンテナンスに関する知識や技術が必要になります。

安全で効果的なコーティングを施工するためには、少なくともマフラーの着脱作業が必要になります。また、すでに錆汚れがある場合には、コーティング前に錆び取りが必要です。錆びたままではコーティングが定着しませんし、満足な効果も得られないため、大切な作業になります。

ただ、知識や技術といっても、自分でよくメンテナンスをしている方なら問題ないでしょう。これから始めていきたいという方は、今回の記事も参考にしていただきながら、入念に下調べをしておきましょう。

これからも自分でメンテナンスをする予定がない方は、愛車を守るためにも、業者へ依頼してコーティングしてもらう方がいいでしょう。

② 耐久性は施工技術に左右される

耐熱コーティングの耐久性は、コーティング剤の種類やバイクの使用状況、走行環境によって変化しますが、もっとも影響するものが施工技術です。

正しい手順で施工することはもちろんですが、技術力に応じて耐久性も長くなります。施工技術が高ければ、1年以上も防錆効果が持続することがありますが、技術力がなければ、1ヶ月も持続しない場合もあります。

ただし、技術力に不安がある方でも、何度も施工していれば技術が向上し、作業にも慣れてくるでしょう。

③ 種類が豊富でどれを選べばいいのか迷う

施工技術の次に重要なのがコーティング剤選びです。なぜなら、種類によって特徴が異なるため、目的に応じた使い分けが必要になるからです。

しかし、数多くの耐熱コーティング剤が販売されているので、どれを選べばいいのか迷ってしまいますし、間違えて選択してしまうと、期待していたような結果が得られません。

そこで、このような不安を解消するために、耐熱コーティングの種類と目的別の使い方について、この後詳しくお伝えしていきます。そちらを確認していただければコーティング剤選びで迷うことはなくなるでしょう。

4. マフラーに使える耐熱コーティングの種類と使い方

耐熱コーティングの効果についてはお伝えした通りですが、使用するコーティング剤の種類によって効果に違いが出てきます。そのため、目的に応じて使い分けることが必要になります。

最適なものを選ぶためにも、耐熱コーティング剤の種類について詳しくチェックしていきましょう。

① 耐熱ワックス

マフラーは、熱劣化や錆汚れでツヤや光沢がなくなってしまうことがあります。また、補修作業でくすんでしまうこともあります。そうした時には、耐熱ワックスを利用することで、ツヤや光沢を取り戻すことができます。

もちろん、防錆効果もありますので、日頃のメンテナンスに利用するといいでしょう。

② 耐熱塗装

耐熱塗装は、マフラーの補修後に使用するといいでしょう。錆汚れを取り除いた後に塗装してください。

綺麗に錆が取れる場合には、クリアー塗料を利用すればそのままの外観を維持することができます。もし、錆汚れが綺麗に取り除けないようでしたら、ブラックやシルバー塗料を利用して再塗装すれば補修することも可能です。

ただし、他の金属パーツと色が合わないこともあるため、事前に仕上がり具合を確認するといいでしょう。ツヤありとツヤなしもあるので、購入時には注意してください。

③ 耐熱ガラスコーティング

ガラスコーティングは、他のコーティング剤よりも効果の持続期間が長くなるため、新車購入時や新しいマフラーへの施工がいいでしょう。または、サビ汚れのないマフラーへの施工がおすすめです。

バイクや車のボディーやホイールコーティングの主流となっているため、様々な種類が用意されていますが、マフラーなどの高温パーツにも対応しているものを選ぶようにしましょう。数は少ないですが、市販品を利用して自分で施工することも可能です。

また、マフラーだけではなく、その他のパーツへの施工も可能です。業者に依頼すれば、バイク全体をコーティングすることもできますし、精度の高い施工により、メンテナンスも楽になるのでおすすめです。

④ 耐熱スプレー

耐熱スプレーとは、スプレータイプのコーティング剤のことです。ほとんどのコーティング剤はスプレータイプになっていますので、インターネットで「耐熱スプレー」と検索すると、塗料も、ガラスコーティングもワックスも検索されてしまいます。

使用する目的に応じて、コーティング剤の種類を選びましょう。

5. マフラーに耐熱コーティングする際の注意点

① マフラーに対応しているか確認

耐熱性のあるコーティング剤といっても、耐熱温度はそれぞれ異なります。特に、エキパイ部分はもっとも高温となるため、マフラーにも対応しているものを選ぶようにしてください。

バイク専用ではないコーティング剤もありますが、使用方法や効果を考えると、バイク専用のものを選ぶ方がいいでしょう。

② 洗車、下地処理をしてから施工する

どのようなコーティング剤を使用する場合でも、まずは洗車や下地処理が必要になります。マフラーが汚れたままでは綺麗にコーティングすることができませんし、その効果も発揮されずに無駄になってしまうからです。まずは洗車で汚れを綺麗に落とし、錆び取りや脱脂を行なってからコーティング剤を塗るようにしましょう。

自分では綺麗にできないようなひどい錆汚れや、腐食してしまったマフラーの場合には、バイクショップやコーティング業者へ相談するのがいいでしょう。無理に作業を進めれば、マフラーに穴が空いてしまったり、安全性が損なわれる可能性もあります。

もし、信頼できる業者がいなければ、この機会に探してみるのもいいのではないでしょうか。今後のメンテナンスのことも考えると、安心してバイクを楽しむことができます。

③ 焼き付け作業で硬化する

特に、耐熱塗装の場合には、塗料を塗った後に、焼き付け作業を行うことでコーティングが完成するタイプがあります。これは、焼き付け作業によって、乾燥と硬化が得られるためです。完全に硬化するまではすぐに剥がれてしまい、コーティング効果を発揮することができないので注意してください。

焼き付け作業は、乾燥後にアイドリングによる暖気で可能としているものがありますので、そうしたものを利用してください。自宅のオーブンを利用するという情報もありますが、危険ですので避けたほうがいいでしょう。

また、マフラー塗装を得意としている業者もありますので、一度相談してみるのもいいでしょう。

まとめ

マフラーに耐熱コーティングをした時の一番の効果は、錆を防ぐことです。特にバイクの場合には、マフラーやエキパイ、エンジンなどの高熱パーツが錆びてしまうと、せっかくの愛車も外観を損ねてしまうため、必須のアイテムと言えるでしょう。

ただし、耐熱コーティングといっても、塗装、ガラスコーティグ、ワックスなどの種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、目的に応じて使い分けると効果的です。

例えば、錆汚れやダメージがひどい場合には、耐熱塗装で補修するといいでしょう。錆汚れのない新品や綺麗なマフラーなら、ガラスコーティングをすることで、予防効果が発揮できます。また、熱劣化によってくすんでしまった場合には、耐熱ワックスを利用することでツヤや光沢が取り戻せます。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、マフラーのメンテナンスも自分でできるようにしていきましょう。

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