うっかりして車検が切れてしまったということ、ありますよね?もちろんそのままだと車を公道で乗ることは出来ません。だからといってそのまま廃車にするなんてもったいない!
もちろん車検が切れたとしても、ちゃんと車検を通せば特に問題はありません。でも車検が切れてしまっているからこそ、注意しなければいけないことや方法、また追加で必要になる費用などがありますのでご紹介していきます。
1. 車検が切れた車を車検に出す方法
車を所有する限り、必ずやらなければいけない義務があります。それが2年に1度(新車の場合のみ初回車検は3年後)の車検です。
車検は「安全に走らせることが出来る車の状態なのか」ということを検査するもので、オーナーである以上必ず行わなければいけない義務です。
でもうっかりして期限が切れてしまうことも、たまにはありますよね?そんな時でもちゃんと車検を通せば、そのあとも乗り続けることが出来ます。
ただし問題なのは「車検が切れた」ということです。車検を受けるということは法律で決まっているため、違反をすればもちろん罰則があります。
2. 車検げ切れの車を移動させる場合の注意点と罰則
まず初めに知っておいてほしいのが、「違反をした場合の罰則」です。車検に関する法律に「道路運送車両法」というものがあります。
この法律には、「自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査表彰を表示しなければ、運行の用に供してはならない。(『道路運送車両法第66条第1項』より抜粋)」とあります。
ここで問題になるのは、「自動車保険証」の解釈です。都合よく考えれば、「車検が切れていてもちゃんと車に車検証があれば問題ない」とも取れます。
でも法律で書いてある以上、そんなに都合よく解釈できるはずはありませんよね?
もちろんその通りです。ここで言う「自動車保険証(車検証)」は、期限が切れていないことが条件として付いています。つまり期限切れの状態ではダメだということです。
この状態で車を走らせると、「無車検車運行」となり法律違反になります。そのため「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」「30日間の免許停止」が科せられるうえに、前歴がなかった場合でも違反点数が6点付きます。
つまり車検を受けるためだとしても期限切れの状態で車を運転すれば、ものすごく厳しい処罰を受けてしまうのです。
このような場合は「車検業者を利用する」「仮ナンバーをとる」という方法があります。
車検切れの場合は自賠責も切れていることが多い!
実は車のオーナーに対する義務にはもう1つあります。それが強制保険といわれる「自賠責」の加入です。そもそも自賠責は強制保険ですから、車検を受ける時に併せて加入するのが基本です。
つまり車検が切れてしまったということは、オーナーの義務である自賠責の期限も切れているということになります。
もちろん自賠責に関する法律もあります。自賠責に関する法律には「自動車損害賠償保障法」があり、これに違反した場合の罰則についても書かれています。
自賠責が切れているのが見つかると「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられるうえに、前歴がなかった場合でも違反点数が6点付きます。
車検&自賠責の期限切れだとどうなる?
車のオーナーの2大義務である「車検&自賠責」が切れた状態で車に乗っているとなると、「道路運送車両法違反」と「自動車損害賠償保障法違反」の2つがかかってきます。
もちろんこうした法律の違反罰則は、悪質であると認められるほど重い処罰が科せられます。
ちなみにどれだけ重い処罰になるかというと、「1年6カ月以下の懲役または80万円以下の罰金」「90日間の免許停止」だけでなく、前歴がない場合でも違反点数が12点も付きます。
これは「うっかり忘れてた!」では済まないかなり厳しい処分です。
もう逃げられない! 車検切れ車両を取り締まる新システムが2018年に導入開始!
これまでは「取り締まりに捕まらなければ、車検が切れていても大丈夫だったよ」という人もいるでしょう。でも2018年からはそうもいっていられなくなります。
何しろ日本では未だに約20万台の「車検&自賠責切れ」の車が走り回っているというのですから、これを取り締まるために警察だって黙ってはいません。とはいえ検問による検挙には限界があります。
そこで2018年から導入が開始されるのが、車のナンバーをカメラで読み取り自動的にMORAS(「自動車登録検査業務電子情報処理システム」の略)にデータを転送し一気に取り締まる「ナンバー自動読み取り装置」です。
このシステムで車検切れの車だと判定されると、その先で待ち構えている警察官に止められそのままレッカーで移動されてしまいます。
しかもこの取締法はナンバー自動読み取り装置が入ったノートパソコンとカメラさえあればどこでも取り締まりが出来るのですから、これまでのような甘い考えは通用しません。
「車検&自賠責切れ」で事故を起こすともっと悲惨!
車検&自賠責切れでも十分に厳しい処罰が科せられますが、もっと怖いのはその状態で事故を起こしてしまった場合です。
そもそも自賠責は「事故の被害者を救うための保険」だからこそ、強制加入が法律で定められています。自賠責に加入していないオーナーが、自賠責よりも金額の高い任意の保険に入っていることはまずありません。
ですからあなたがおこした事故に対して、誰も何の保証もしてくれません。それどころか自賠責の補償もすべて自己負担になりますから、最悪の場合は自己破産しか道はありません。
ちなみに任意保険に入っていた場合も、原則としては「車検&自賠責が切れていない」が前提です。
ですからこれに反した場合は、たとえ任意保険に加入していたとしてもまず補償してもらえないと思っておいた方が良いでしょう。
3. 車検切れの車を引き取りに来てくれる車検業者を利用する
車検&自賠責が切れた車でも、「公道」さえ走らなければ問題ありません。でもそのままでは車検を受けることは出来ませんよね?そんな時は、車検業者に引き取りに来てもらえばOKです。
ただし引き取りには専用の車が必要になります。そのため引き取りに応じてくれる業者と応じない業者があります。
また費用に関しても「車検を依頼するなら無料」の場合もあれば、「車検を依頼しても別途請求」もあります。
多少の時間はかかっても費用を抑えたいのであれば、その点についてもあらかじめチェックしておくことが大切です。
4. 車検切れなら仮ナンバーを取得してユーザー車検に持ち込み
出来るだけ費用を抑えたいのであれば、ユーザー車検にするという方法もあります。ユーザー車検の場合は自分で整備・点検を行い、直接陸運支局などに持ち込むわけですから費用はグッと抑えられます。
ただし問題なのは、陸運支局等に車を持ち込む際の移動方法です。でもこの問題も「仮ナンバーをとる」という方法を使えばクリアします。
仮ナンバーはあなたが住民登録をしている市区町村の役場で取ることが出来ます。必要な書類が揃っていれば、申請した当日には発行してもらうことが出来ます。
5. 車検切れの車を車検に出す場合の費用
「業者に無料で車を引き取ってもらい車検を通す」でも「仮ナンバー&ユーザー車検」でも、自賠責が切れた状態では車検を受けられません。そのため最低でも自賠責1ヶ月分の費用が別途必要になります。
自賠責の加入期間は、1か月単位から受け付けています。
本来であれば車検と同時に加入するので24カ月契約となるのですが、車検を通すために必要になるのが自賠責保険証になるためどうしても1ヶ月分の保険料が別途かかります。
ちなみに自賠責の保険料は予め決まってて、普通乗用車の場合は1ヶ月で5870円です。
車検に通す前提なら25ヵ月で契約した方がお得
車検に通す前提で契約をするのであれば、「1ヶ月契約+24ヶ月契約」にするよりも最初から「25カ月契約」とした方が1カ月当たりの保険料はグッと下がります。
そもそも24カ月契約の場合の保険料が25,830円ですから、これに1ヶ月分の保険料を加えると自賠責だけで31,700円になります。
これに対して25カ月契約だと保険料は26,680円ですから、1カ月当たりの保険料は約1067円となります。
6. まとめ
たとえ期限が切れてしまったとしても、ちゃんとルールを守って車検を通せば何の問題もなく車に乗り続けることが出来ます。
でも期限が切れているからこそ、ちょっとしたポイントを押さえておくことが費用を抑えるポイントになりますよ。