普通車は2年に1回(新車の場合は初回3年)、商用車は1年に1回(新車の場合は初回2年)訪れる車検。税金や自賠責、整備費用など・・・意外と大きな出費になりますよね。車検のことをすっかり忘れていて、車検費用の用意が厳しいなと思っている方もいるかもしれません。
車検は10万円近くかかるので、一度に大きな費用が出てしまうと困るから分割にできないかな?と思う人もきっといるでしょう。そして出来るなら車検の費用をできるだけ安くしたいと思われているかもしれません。
そこで今回は、車検費用を分割する方法とメリット・デメリット、車検の費用を安くする方法を紹介します。
1. 車検費用を分割払いする方法
まずはじめに、車検費用を分割できるのか?という疑問にお答えします。答えは「YES」です。
一口に分割できるといっても手段(方法)が複数あるのです。その方法とは「クレジットカード」と「車検ローン」の二種類。ですが、車検費用すべてを分割払いできるわけではないので注意が必要です。
車検の費用の内訳は、
車検費用=「 法定費用 」+「 点検・整備料金と代行手数料 」
このようになっていますが、いわゆる法定費用と言われる部分の「重量税」「印紙代」「自賠責保険料」は現金での支払いを求められるケースの方が多いようですので、法定費用分はあらかじめ現金を用意しておきましょう。
ちなみに、法定費用は、トヨタヴィッツ、アクア、ホンダフィットなどの小・中型車で約4万円〜5万円。ミニバンクラスでは約5万円〜6万円の費用がかかります。この金額が分割できる対象にならない費用になります。
それ以外の「点検・整備費用」は分割できる対象になります。
では、それぞれのクレジットカードの分割払い、車検ローンの支払いのやり方、メリットとデメリットをご紹介します。
1-1. クレジットカードの分割払い
クレジットカードでの分割払いが、いちばん身近で手頃な支払い方法と言えるでしょう。カードで買い物をした際に「お支払い回数は何回にしますか?」と聞かれたことも多いでしょう。
その時に「〇〇回払いでお願いします」と伝えて決済すれば手続き完了!というお手軽さ。支払う金額の上限は「カードの利用限度額内」であればOKなのでわかりやすいのも特徴ですね。
このような手軽さから、クレジットカードを持っている人であれば使ってみる価値が大いにあります。
メリット
クレジットカードでの車検費用の分割払いの最大のメリットは「手軽さ」です。普通のクレジットカード払い時に「支払回数を指定する」だけで分割払いにできる部分では最強の手軽さであると言えます。
このご時世、ディーラーやカー用品店、整備工場などでクレジットカード決済に対応しているお店は大半と言っていいほどの数なので、クレジットカードを使った分割払いは最適な選択肢かもしれません。
クレジットカードを使うことにより「カード会社のポイント」も貯めることができることもお得な点です。貯まったポイントで別の買い物をしたり旅行に行ったりと他の楽しみ方ができることもいいですね。
デメリット
手軽さがウリのクレジットカードでの車検費用の分割払いですが、やはりデメリットがあります。それは「金利がかかること」です。分割で支払うのでもちろん利息が発生します。手軽なクレジットカード決済は、手軽な分金利が高めに設定されていることが大半のパターンであります。
例として、三井住友カードの金利で計算をしてみます。三井住友カードでは、支払い回数ごとに金利が決められています。
公式ホームページの情報によると、3回、5回、6回、10回、12回、15回、18回、20回、24回の分割金利が記載されています。
それぞれの金利が、12.00、13.25、13.75、14.25、14.50、14.75、14.75、14.75、14.75(それぞれ実質年率 %表記)で金利がかかるとしています。
回数(回) | 金利(%) |
3 |
12.00 |
5 |
13.25 |
6 |
13.75 |
10 |
14.25 |
12 |
14.50 |
15 |
14.75 |
18 |
14.75 |
20 |
14.75 |
24 |
14.75 |
もし仮に、50,000円の車検整備費用を12回払いしたと仮定すると、支払い総額が54,078円となり、月々の支払いが4,507円となります。金額が高くなるにつれて金利も高くなるので注意が必要ですね。
1-2. 車検ローン
2つ目の車検費用を分割払いする方法は「ローンでの支払い」です。ローンと言っても様々なところが提供していますね。
ディーラーやオートバックスなどのカー用品店も提供していますし、意外なところで銀行などの金融機関も車検向けのローンを提供しています。
「銀行=お金を借りるところ」というイメージから連想しやすいですが、車検費用などの少額でも借り入れすることができるのです。
車検費用の分割払いを検討するときは、こういったところも検討してみるといいでしょう。
メリット
車検ローンで車検費用を分割払いする際の最大のメリットは「金利の安さ」でしょう。これがクレジットカードでの分割払いとの大きな違いであると言えます。
たまにですが「最大〇〇回まで金利手数料当社負担(借り手の金利負担ゼロ)」といったお店独自のキャンペーンを使って車検入庫を促進しているお店もあったりもします。
もし金利がゼロであれば、「車検で掛かった費用を単純に分割払いできる」ということが実現できるのです。前述のカード払いと同じシミュレーションをしてみましょう。
車検費用が50,000万円かかり、それを12回払いした場合は、単純に5,000円を12回分割して支払うといったことになります。クレジットの分割払いと比較をすると4,507円もおトクになるという計算になります。
こういったキャンペーンは、カー用品店で行われていることが多く、ディーラーではまず無いと言ってもいいでしょう。銀行での車検ローンの場合はたいてい3%台の金利でお金を借りることができます。
もし銀行で住宅ローンを借り入れしていて、同じところから借り入れをする場合は金利が優遇されたりもするので、問い合わせをしてみましょう。
デメリット
車検ローンもクレジットカード払いと同様にデメリットがあります。それは「借り入れをする際に所定の審査がある」という点です。
やはり「ローン=借金」なので、返済できる能力がない人にはローン会社も金融機関もお金を貸してくれません。車検費用という少額の借金ではありますが、注意が必要です。
クレジットカードの支払いが滞っていたり、最近以外と多い携帯電話の端末代の支払い遅延がある場合は審査に通らない場合がありますので気をつけてくださいね。
あと借りるところにもよりますが、提出が必要な書類があったりもしますので、手続きが少々面倒になることがあるので、これもデメリットともいえるでしょう。
2. 車検費用を理解して、できるだけ安くする
クレジットカードの分割や、車検ローンは、誰かにお金を借りて支払いをすることになります。借りる金額は数万円かもしれませんが、できれば借金はまぬがれたいところです。
車検費用を出来るだけ安く抑えて、分割しなくても車検費用を支払えるように工夫してみましょう。
ディーラー車検はなぜ高いのか?
一般的に、ディーラーで車検をすると高くつくことがあると言われていますが、なぜ高くなるのか、その内訳を知っていれば、どうすれば車検の費用を安く抑えることができるのかがわかります。
車検の費用は、
法定費用+点検・整備料金と代行手数料=車検費用
という内訳になっており、どこで車検をやっても同じ額がかかる法定費用を除いた「点検・整備料金と代行手数料」によって価格差が生まれます。
ディーラーの場合は、車の販売以外でも利益を出す必要があり、車検などのサービスでできるだけ金額を高くして利益を出そうとしています。一方、民間車検はそのようなディーラーに対抗して車検を行なっているため、企業努力でできるだけ安くしようとしています。
また、ディーラーでは「予備整備」という、車を安全に乗るための整備も行います。安全に乗るためと聞くと聞こえが良いですが、場合によっては過剰整備になることもあります。
例えばワイパーを例に挙げると、「まだ使えるけどゴムがすり減っていて、車検後に交換が必要になりそう」という状況の場合、予備整備としてワイパー交換を勧められる場合があります。
ワイパー交換程度であれば数千円で済みますが、予備整備でタイヤ交換を勧められた場合は10万円以上追加で費用がかかることになるので、一気に値段が跳ね上がります。
このように、車検には直接関係は無いけれど、諸々の整備を勧めてくることがありますが、これらの予備整備は断ることができるので必要以上にお金をかけることはありません。
余計なオプションにも注意!
さらに、ディーラー車検の場合は、見積もりに余計なオプションを盛り込んで費用が上がることもあります。
例えば、洗車、コーティング、防錆処理などのオプションは車検には関係ありませんので、追加で費用を払う必要がありません。
3. 車検の見積もりを複数とって、費用を比較する
車検の費用は法定費用で少なくとも約5万円ほどかかるくらい高額な出費になりますが、それ以外の費用でディーラー車検と民間車検で数万円の価格差があるのが事実です。ディーラー車検だけが全てではなく、民間車検の安い業者もあることを知っていれば、業者を比較して適切な方を選ぶことができます。
このように、複数の業者で車検の見積もりをとって比較することが、できるだけ費用を抑える1つのコツなのです。もし予算が少ないのであれば、ディーラーに車検を持って行く必要はなく、できるだけ安い業者に依頼すれば安く抑えることができます。
例えば、楽天車検では、自宅の郵便番号を入力すれば近くの車検業者一覧を出すことができ、順番を「金額の安い順」に並べ換えることができます。楽天車検の中で出てくる業者を比較しても約2万円もの差があるくらい、車検費用には差があるのです。
法定費用+1万円を謳っている「ニコニコ車検」や、地域密着型で安く展開している業者なども探すことができるので、値段の比較にはおすすめです。
4. 車検費用の相場・平均額をチェック!
最後に、実際に車検費用はいくらぐらいかかるのか把握して、どのような車検を検討するのか判断材料にしていただければと思います。車種別に概算してみましたのでご覧ください。
法定費用
まずは法定費用です。前述しましたが、ここには「重量税」と「印紙代」、「自賠責保険料」の3つがかかります。
車種別に金額をご紹介します。(2018年6月現在)
■軽自動車
重量税 | 6,600円 |
印紙代 | 1,100円 |
自賠責保険料(24か月分) | 25,070円 |
法定費用合計 | 32,270円 |
■普通車(車両重量1,000kg以下)
重量税 | 16,400円 |
印紙代 | 1,100円 |
自賠責保険料(24か月分) | 25,830円 |
法定費用合計 | 43,330円 |
■普通車(車両重量1,001kg以上1,500kg以下)
重量税 | 24,600円 |
印紙代 | 1,100円 |
自賠責保険料(24か月分) | 25,830円 |
法定費用合計 | 51,530円 |
■普通車(車両重量1,501kg以上2,000kg以下)
重量税 | 32,800円 |
印紙代 | 1,100円 |
自賠責保険料(24か月分) | 25,830円 |
法定費用合計 | 59,730円 |
■普通車(車両重量2,001kg以上2,500kg以下)
重量税 | 41,100円 |
印紙代 | 1,100円 |
自賠責保険料(24か月分) | 25,830円 |
法定費用合計 | 68,030円 |
点検・整備料金と代行手数料
次は点検・整備料金ですが、この中には「法定24か月点検」をはじめとした点検整備費用や継続検査手続きの代行費用などが含まれています。
これは、車種や年式、走行距離や整備内容によって費用が変わってきますが、平均ですと軽自動車で50,000円、普通車で70,000円くらいかかるようです。※整備費用はあくまでも概算
ただし、民間車検の中には整備費用が一律で1万円で済む業者
もあるなど、平均よりもかなりお得に車検ができる業者もあります。
車検費用の分割方法とメリット・デメリットまとめ
以上が、車検費用の分割支払い方法のご紹介とメリットとデメリットです。
車検の費用を分割にしたり、車検ローンを組んだり、支払いを遅らせることはできますが、その前に根本的に車検をできるだけ安く済ませることができることも、ぜひ覚えていただければと思います。
これまで思っていた車検費用では支払いが厳しいかもしれませんが、最安の業者を選べばローンを組まずに済むかもしれません。ローンを組んだり、キャッシングを勧めたりしているサイトも多くありますが、借金はどうしても必要な最後の手段として考えてください。
もし仮にローンを組むことになったとしても、自分に合った支払いプランを見つけ、無理のない支払いをしていきましょう。