工事のせいで車が汚れたとなれば腹が立ちますし、責任をとってもらいたいですよね。また、長期間に渡る工事を我慢し続けるストレスは避けたいはずです。
でも、具体的にどうやって対処すればいいのかわからないのではないでしょうか。近隣とのトラブルは避けたいですし、汚れを綺麗にするための負担金を請求できるのかも気になると思います。
そこで今回は、工事で車が汚れる被害にあった場合の解決方法をわかりやすくご紹介します。これで、毎日イライラすることもなくなり、綺麗な愛車を取り戻すことができるでしょう。
1. 工事による車の汚れ被害を確認
まず、工事によって車が汚れる被害とはどのようなものがあるのでしょうか。被害状況によっても対応が異なってきますので、その詳細を確認しておきましょう。以下のような工事の種類ごとにお伝えします。
- 道路工事による車の汚れ
- 解体工事による車の汚れ
- 新築、マンション建設、リフォーム工事による車の汚れ
それぞれ該当するものをチェックしてください。
1-1. 道路工事による車の汚れ
自宅や職場の近くで道路工事を行なっていると、騒音や渋滞でイライラさせられてしまうと思います。ただ、こればかりは仕方がないのである程度は我慢できるかもしれません。しかし、大切な愛車が汚れる被害は放っておくことはできませんよね。
道路工事による車の汚れ被害には次のようなものがあります。
① アスファルト乳剤
アスファルト乳剤とは、道路表面の処理に使われているものです。これが車に付着すると黒い斑点状の汚れとなってしまいます。新しく舗装された道路を走っても付着することもあり、一般的にはピッチやタールと言われています。
こうした汚れは通常の洗車をしても洗い流すことができません。専用のピッチクリーナーが必要になるのですが、汚れがひどかったり範囲が広ければ素人の作業では対応できず、業者などで補修してもらう必要が出てきます。
② ホコリや粉塵
道路工事の場合には、古くなった舗装を剥がしたり地面を掘り起こしたりすることがあります。こうした作業では周囲にホコリや粉塵が舞ってしまうため、愛車が真っ白になる程汚れてしまうケースがあります。
この汚れは洗車をすれば取り除くことができますが、工事が終わるまではイタチごっこになってしまうでしょう。
③ 小石などが飛散して傷が付く
ホコリや粉塵と同じように、小石や砕いたアスファルトなどが飛散する可能性もあり、これらが車に当たって傷が付くという事例もあります。当然、修理や補修が必要になります。
1-2. 解体工事による車の汚れ
自宅や駐車場の近くで解体工事が始まると不安ですよね。愛車の方に倒れてこないか、解体した物が落ちてこないかなどハラハラしてしまうのではないでしょうか。
ビルや建物の解体工事による車の汚れ被害には次のようなものがあります。
① ホコリや粉塵
解体工事を見ているとよくわかりますが、相当な量のホコリや粉塵が発生します。水をかけながら解体している様子を目にしますが、これはホコリや粉塵を抑えるために行なっています。しかし、それでも車に汚れが積もってしまう被害がよく見られます。
洗車をすれば綺麗になりますが、すぐに汚れてしまいますので何度も洗車を繰り返す羽目になってしまいます。
② コンクリート片などの飛散による傷
重機を使って解体工事をしていれば、コンクリート片などが飛び散ってしまいます。これらが車に当たれば傷ができてしまいますし、塗装まで剥がれてしまったという事例もあります。
また、コンクリートに含まれている石灰は、雨に濡れるとボディに固着しやすく、洗車をしても落とせなくなることもあります。
1-3. 新築、マンション建築、リフォーム工事による車の汚れ
隣近所で始まった戸建ての新築工事やマンション建設、リフォーム工事によって車が汚れてしまう被害もよくあります。ご近所様ですので揉め事を起こしたくもありませんし、お互い様という気持ちもあると思います。ただ、そうはいっても大切な愛車が汚れてしまうのを見過ごすわけにもいきませんよね。
こうした車の汚れ被害には次のようなものがあります。
① ホコリや粉塵
よく見られる被害は、工事によるホコリや粉塵が車に積もって汚れる事です。日常的にもホコリで汚れる事はありますが、工事になると度を越して真っ白になってしまうというケースもあります。
ホコリや粉塵は洗車をすれば洗い流すことができます。しかし、戸建ての新築の場合なら少なくとも2〜3ヶ月は工事が続きますし、マンション建設なら年単位になってきます。こんなにも長期間に渡り被害に悩まされ続けると考えたら腹が立つのも当然です。
② 塗料やコンクリートの付着や傷
リフォームや補修で外壁塗装が行われますが、この場合には塗料が飛散して車に付着するという被害があります。塗料ですので洗車をしても洗い落とす事はできませんし、車の再塗装が必要になったというケースもあります。
また同じようにコンクリートが付着する被害もあります。固まったコンクリート片が当たれば傷になったり塗装が剥がれてしまうこともあります。
2. 苦情を出す前に工事現場と車の養生を確認
ここまでお伝えしたような工事による車の汚れ被害があったとしても、頭ごなしに苦情を怒鳴りつけても効果的とは言えません。事前の対策は万全だったのかも確認するようにしましょう。被害を訴える際の説明にも使えるからです。
通常は、工事現場周辺に被害を出さないために、次のような養生(予防策)が取られているはずです。
2-1. 工事現場の養生はされていますか
解体工事や新築、リフォーム工事の場合には、建物周囲を囲むようにシートで養生されます。これは、ホコリや粉塵の飛散や道具や材料の落下を防いだり、防音するためのものです。
車が汚れる被害にあった時、こうした養生はされていたでしょうか。
2-2. 車専用の養生(ビニールシート)はありましたか
また、近隣に駐車されている車にも被害が予想される場合には、車を覆うビニールシートで予防策を取ります。この場合、もちろん勝手にビニールシートをかけることはできませんので、事前に現場監督などから説明と確認がされるはずです。
このような対策はされていたでしょうか。
2-3. 工事前の挨拶などはありましたか
通常、工事現場周辺には事前に挨拶周りがされます。工事内容や期間の説明と同時に、近隣への被害を防ぐ予防策についての説明もあります。そして、信頼できる業者の場合には、工事に関する不都合なことがあった場合の連絡先も渡されるでしょう。
こうした事前の挨拶はあったでしょうか。
3. 工事で車が汚れる被害にあった時の対処法
それでは実際に車が汚れてしまう被害にあった場合には、どのように対処したらいいのでしょうか。詳しく確認していきましょう。
3-1. 現場の作業員へ苦情を伝えてもダメ
まずポイントとなるのは、現場の作業員へ苦情を訴えても効果的ではない事です。なぜなら、現場の作業員は下請け業者であり、元請け業者からの指示で工事を進めているからです。指示通りにやっているだけだといわれたり、真剣に取り合ってくれないこともあるでしょう。
3-2. 現場監督に被害状況の報告と確認を
車の被害と工事現場の状況を確認した上で、まずは現場監督に被害状況の報告をしましょう。そして、実際の被害状況を一緒に確認してください。
信頼できる業者であれば、被害状況に応じて適切な対応がされるでしょう。また、なるべく早めに伝えるようにしてください。その場ですぐに対応できるものばかりではありませんし、我慢する必要もないからです。
実際の被害状況を正しく説明し、それに応じて必要となる賠償や対応をとってもらえるように伝えてください。すごい剣幕で怒鳴りつけるように訴えれば、クレーマーだと扱われて対応が遅れたり正しく対処してもらえないこともあります。もちろん腹が立ちますが、冷静に対処しましょう。
3-3. 元請け業者へ連絡
現場監督へ話をしても被害が続いたり、満足な対応がされない場合もあります。そうした場合には、工事の元請け業者へ連絡してください。現場監督へ相談したことも伝えるといいでしょう。連絡先は事前の挨拶周りで渡されていたり、工事現場の看板を確認すればわかります。
車が汚れないための対策を強化する事はもちろんですが、洗車代の負担や場合によっては車の塗装塗り替えを負担してもらったといった事例もあります。
4. まとめ
工事によって車が汚れる被害にあってしまうことがあります。当然腹が立ってしまいますが、冷静に対処していきましょう。洗車代や補修にかかった費用を負担してもらえることもあります。
具体的には、まず汚れ被害の状況を現場監督と一緒に確認してください。一方的に苦情を言うよりも事実確認をしていきましょう。その上で、適切な対処をとってもらうように伝えてください。
もし、現場監督では話が進まない場合には、工事の元請け業者へ連絡しましょう。
工事による被害を我慢する必要はありません。適切に対処すれば被害もなくなりますし、綺麗な愛車を取り戻すことができるでしょう。