最近注目されているユーザー車検ですが、ほとんどの人が業者に依頼することが多いためなかなかその実態が分からないのではないでしょうか?
もちろんユーザー車検には、メリットもあればデメリットもあります。費用に関しても「どんな費用がかかるのか具体的にわかりにくい」ということもあります。
そこで今回はユーザー車検に関する疑問をメリット・デメリットの両面から解説していきます。
1. 車検費用を計算!ユーザー車検はどれくらい安い?
業者に見積もりを依頼すると悩んでしまうのが、「見積額の違い」ではないでしょうか?確かに業者によって見積額も費用もそれぞれ違います。その点が「車検業者選びの難しさ」といってもいいでしょう。
これに対してユーザー車検というのは、グレーゾーンである車検の基本料金の内訳が明確になるという点が最大のメリットといえます。でもすべてを自分で行わなければいけない分、こまごまとした費用についてわからないことが多いのがデメリットといえます。
そこでまずは実際にユーザー車検にする場合に、車検にかかるお金の内訳について説明しておきましょう。
1-1. 普通車のユーザー車検費用
必ずかかる費用
普通車の車検を通すためには、どうしてもカットできない費用があります。それを「法定費用」といいます。その内訳は「自賠責保険料」「重量税」「印紙代(検査手数料)」の3つです。
自賠責は「強制保険」ですから、車検のタイミングで更新をするのが原則です。車検の期間は2年間ですので、保険の加入期間も24ヶ月(2年間)とします。
重量税は、車の重量によって5つの種類に分かれています。また「エコカー」「非エコカー」でも金額が変わります。
最後に検査手数料ですが、こちらもあらかじめ決められています。支払いは印紙で行いますのが、検査窓口で購入することが出来ます。
予備検査場を利用する場合
自分で整備・点検をしたとしても、一発合格となるとやはりハードルは高くなります。しかも専用の機械を使わなければ整備・検査が出来ないものもあります。
専用機械が必要になる検査項目というと、「排ガス検査」「ブレーキ検査」「スピードメーター検査」「サイドスリップ検査」「ライト(光軸)検査」があります。
これらはさすがに専門の機械で調整が必要になります。もちろんこれらの検査で不合格が出た場合は、再整備・再検査となり追加費用となります。
予備検査場は民間業者が運営していますから、利用する場合は有料となります。でも利用料金も2,000~3,000円前後と比較的手ごろな値段なので、「安心のために利用する」という人も多いです。
1-2. 軽自動車のユーザー車検費用
軽自動車の場合は、「軽自動車検査協会」が検査を運営しています。ですから検査場も「軽自動車検査協会」になります。
車検にかかる費用は、必ず支払はなければいけない料金(法定費用)と整備・点検にかかる実費となります。
1-3. バイクのユーザー車検費用
バイクも普通二輪車であれば2年毎に受けなければいけません。もしも切れた状態のまま公道を走れば、かなり厳しい処分が待っています。
もちろんバイクもユーザー車検を利用することが出来ます。バイクの場合も必ずかかるお金(法定費用)と整備・点検費用が必要です。ただし整備・点検は自分で行いますから、かかる費用も実費のみです。
2. ユーザー車検にかかる費用の内訳
車検を通すために必要なお金は、整備や点検にかかる実費だけではないということが分かったと思います。そこで今度はさらにその内訳について詳しく説明していきましょう。
2-1. 法定費用
普通車の場合
まずは重量税がかかります。あなたの車のタイプを確認してください。
~500㎏以下 | ~1000㎏以下 | ~1500㎏以下 | ~2000㎏以下 | ~2500㎏以下 | |
エコカー | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 20,000円 | 25,000円 |
非エコカー | 8,200~
12,600円 |
16,400~
25,200円 |
24,600~
37,800円 |
32,800~
50,400円 |
41,000~
63,000円 |
次に自賠責の保険料です。金額は一律27,840円(24カ月契約)となっています。
2-2. 手数料
検査手数料はワンストップサービス申請手数料が1000円、窓口申請手数料が1200円ですから、合計2200円です。
2-3. 整備・部品交換費用
車の状態や交換部品によって異なります。新車で購入した場合の初回車検の場合は、ほとんど交換の必要がありません。ですから基本的な整備・点検のみでほとんど通ります。
ただし「交換部品が多い」「整備個所が多い」「年式が古い」場合は、整備や修理箇所も増えます。そのため金額もかなり高くなります。
ちなみに車検の保安基準は「安全が確認できる」ということが前提にあります。ですから車検を通すためだけであれば、中古部品を使って通せばかなり費用を抑えることが出来ます。
3. ユーザー車検を受けるメリット
安心・安全をモットーにしているディーラーの場合は、その他の業者の中でも費用相場はかなり高いです。かといってその他の業者の場合は、整備・点検内容も業者ごとにバラバラですのでどこに頼むのかによってかなり悩みます。
そのため最近では自分で整備・点検・検査まで行う「ユーザー車検」に注目が集まっています。なぜ人気なのかという理由は、メリットを見てみると分かってきます。
・車検費用が安く住む
業者に依頼すれば、必ずそこには人件費がかかります。さらに車検業者にとって車の整備・点検は最も大きな売り上げです。ですから最低限の整備よりは、一つでも多くのオプションを取りたいというのが本音です。
そのため車検を通すために必要のないオプションまで薦められ、気が付くと見積額よりも大幅に金額が上がっているということもよくあります。こうしたことがないのがメリットといえます。
・料金に納得できる
とにかく自分ですべてを行うのですから、かかる費用について納得できるということは大きなメリットといえます。
・時間に振り回されなくて済む
業者にお願いをするとなると、どうしても予約が必要になります。車検が込み合うタイミングにあたってしまうと、予約が取れず時間も業者の言いなりになってしまいます。
でもユーザー車検ならそんな不満はありません。自分の空き時間を利用すればよいので、時間に関するストレスからも解放されます。
・余裕をもって車検が受けられる
車検場の予約は1か月前から受け付けています。ですから早めに整備・点検をしておけば、期限に追われることもなく余裕をもって検査を受けることが出来ます。
・車への愛着がわく
自分で整備をするということは、その分車に対する愛着がわきます。長く乗り続けようという気持ちにもなりますし、運転そのものも自然と優しい運転に変わっていきます。
4. ユーザー車検のデメリット
費用が安いというメリットがありつつも、未だに車検業者に依頼する人の方が多い理由にはユーザー車検のデメリットが関係しています。
・手間がかかる
全てを自分で行うわけですから、どうしても手間がかかるのは仕方のないことです。検査に関する整備・点検項目はあらかじめ決められていますから、「普通に走れれば合格できる」ではありません。
きちんと決められた基準をクリアしなければいけませんから、どうしても手間はかかります。
・平日でなければ検査は受けられない
実際に検査を受ける検査場は、平日の昼間にしか開いていません。ですから週末しか休みが取れないという人には、ユーザー車検は向きません。
・ある程度の知識・技術が必要
自分で整備・点検が出来るといっても、全くの素人が出来るようなものではありません。やはりある程度の車の知識や技術は必要になります。
・一発合格は難しい
よほど慣れているヘビーユーザーであれば問題はありませんが、初めてユーザー車検を利用する場合は1回で合格するのはかなり難しいです。
1つでも不合格となれば、整備をし直してもう一度検査を受ける必要があります。もちろん再検査を受ける際には、改めて検査料を支払います。
・専門の機械がなければ検査・調整できないものもある
いくら車に詳しい人であっても、車検に必要になる検査の中には専用の機械を使わなければ調整が出来ないものもあります。
ですから自分で整備をするといっても、専門機械が必要なものに関しては予備検査場などを利用する必要があります。もちろん有料ですから、費用として計算しておく必要があります。
5. ユーザー車検の費用とメリット・デメリットまとめ
金額を出来るだけ抑えたいのであれば、一度は検討してみる価値があるのがユーザー車検です。
でも良い事ばかりではなく、面倒なことやデメリットもあります。費用だけでなくこうした面も十分に検討してみることをお薦めします。