エンジンオイルに添加剤を入れる事で、パワーアップしたり、燃費が向上したり、エンジンの寿命が伸びたりと、エンジンに良い効果がたくさんもたらしてくれます。
しかし、良い効果を実感できたという例が多数ある一方で、エンジンオイル添加剤が原因でエンジンオイルの性能が悪化したりエンジントラブルが発生したという声も少なからずあります。
エンジンの調子を良くする為の添加剤なのに、どうして調子が悪くなってしまうのでしょうか。
エンジンオイル添加剤によるトラブル例
エンジンオイル添加剤を入れた事でトラブルとなる原因や症状にはいくつかの種類があります。その症状別に考えられる原因を確認していきましょう。
振動や騒音が大きくなってしまう
ハイブリッド車やエコカーなど、環境問題と省エネ化への取り組みによって技術が進歩するのと同時に、低粘度のエンジンオイルを推奨している車種が増加傾向にあります。
このような低粘度エンジンオイルが指定されている車に向けた添加剤を、スポーツタイプの車や通常粘度のエンジンオイルが指定されている車に入れた場合、エンジンの振動や騒音が大きくなってしまうケースがあります。
低粘度が指定されている車は、設計段階で粘度が低くても問題が発生しないように設計されている為、添加剤によって粘度が高くなる事で異常をきたしてしまうケースがあります。
燃費が悪くなる
先の項と同じシチュエーションで低粘度が推奨されている車に、エンジンの密封性や保護性能を向上させるような高粘度向けの添加剤を入れる事で、燃費が悪くなってしまう事があります。
僅かな差であれば計測する環境によっても誤差はありますが、極端に燃費が悪くなっている場合は、更なるトラブルへと発展してしまう可能性もあるので注意が必要です。
始動性が悪くなる
添加剤を入れる事でエンジンのかかりが悪くなったり、暖機運転中の騒音や振動が大きくなる場合があります。
エンジンオイルは、気温が低いと粘度が高くなる性質があります。添加剤を入れた事で始動性が悪くなったり、暖機運転中のエンジンに不調が見られる場合、粘度が高すぎる事が原因である可能性があります。
気温が低くなる事で更にエンジンオイルが硬くなり、負荷が大きくなってしまうので、季節を考慮して必要があればエンジンオイルの交換で対処する必要があります。
エンジンが故障してしまう
先程までの軽微なトラブルであれば、エンジンオイルを交換したり次回の添加剤の使用を控えたり別の物にする事でも改善する事ができます。しかし、添加剤を使用した事で起こるトラブルの中には、エンジンが故障して動かなくなってしまうというケースも少なからず存在します。
この場合、即座にエンジンオイルを抜き取って新油を注いだとしても手遅れとなり、分解整備が必要となってしまい高額な出費が発生してしまいます。
主な原因としては、下記のようなケースが考えられます。
- 大きく目的が異なる添加剤を使用
- 添加剤の相性が悪かった
- 製品自体に問題があった
製品自体に問題があるという原因は殆どありませんが、過去にはメーカーが自主的に回収した事例もあります。添加剤を使用する場合はそういったリスクも少なからずあるという事に注意をしておかなければなりません。
エンジンオイル添加剤によるトラブルが起きた場合の対処法
エンジンオイル添加剤を入れた事によってトラブルが起きた場合、そのトラブルによっても対処法は異なります。
添加剤を入れた後に振動や騒音が大きくなった場合、あきらかに悪化したと実感できる程度であれば、大事をとってエンジンオイルを交換するべきです。走行には問題がなくとも、更なるトラブルへと発展する可能性があります。
そして、エンジンが故障してしまった場合は、大がかりな整備が必要となります。整備工場で整備をしてもらう前に、エンジンオイル添加剤を入れた事で不具合が起こった旨を説明して、原因を特定してもらいましょう。
エンジンオイル添加剤が原因であり、且つこちらの製品選定に不備が無い場合は、販売元及び製造元へ責任追及しましょう。ただし、取り合ってくれない可能性もあり、そういったリスクも含めてエンジンオイル添加剤を使用する場合は慎重にならなければなりません。
まとめ
多くのメリットを生むエンジンオイル添加剤ですが、少数ではありますが重大なエンジントラブルを起こしてしまうケースもある事が分かりました。
添加剤の使用を検討している場合は、対象の車に適した製品を選ばなければ、修理が必要となる事態にもなり兼ねないという点には注意が必要です。
しかし、車・エンジンオイル・添加剤と、それぞれの相性がぴったりと合う事で、高品質なエンジンオイル並みの効果を発揮する事もあるので、リスクだけは排除して慎重に選びましょう!また、エンジンオイル選びには、こちらの「エンジンオイル添加剤おすすめランキングTOP5」も参考になります。