楽天損保は、2018年の7月に朝日火災海上保険を楽天が買収し、社名を変更して誕生した保険会社です。
今回は、そんな楽天損保の自動車保険にクローズアップし、インターネット上の悪い評判の真意や、事故対応やロードサービスの内容、おすすめポイントなどについて解説していきます。
自動車保険選びで迷っている方、楽天損保の自動車保険が候補に入っている方などは是非ご覧下さい。
1. 楽天損保の事故対応は評判が悪い!?
インターネット上で”楽天損保 自動車保険 評判”などのように検索しますと、結構な比率で悪い評判が書かれているページにヒットします。
そのため、インターネット上の評判を全て真に受けてしまうと、「楽天損保は評判悪そうだから避けよう」という思考に繋がってしまうわけですね。
しかし、こういった評判に関しては、上記の検索ワードの”楽天損保”の部分を他社に置き換えても同じような検索結果になり、大体は悪い評判が目立ちます。
これはインターネットの匿名性が持つ性質で、”良い評判よりも悪い評判の方が書かれやすい”事に起因し、例えば「きちんと対応してくれた」場合と、「対応に不満があった」場合では後者の方が”書き込みをする”という動機に繋がりやすいわけです。
「きちんと対応してくれた」というのは、「保険会社として当たり前の事をしてくれた」という解釈にもなりますので、それをインターネット上に書き込むという人は必然的に少なくなるという事ですね。
さらに、匿名性がある事によって、不満に関する部分を誇張して書く人も現われ、余計に悪い評判が目立つようになってしまいがちです。
そのため、”悪い評判が多い=悪い保険会社”という認識をせず、情報の取捨選択をする事が大切です。
評判はあくまで”ひとつの意見”として捉え、自動車保険の内容やプランなどが自分に合っているかどうかを最優先にして考えましょう。
次項では、楽天損保の事故対応について解説していきますので、参考にしていただけたらと思います。
2. 楽天損保の事故対応の口コミ・評判
2-1. 良い口コミ・評判
手放しで事故処理解決
事故対応の早さ、ロードサービスの対応の早さに関する評判が多く見受けられました。
担当者が親切かつ丁寧に対応してくれたため、加入者側はほぼ何もせずに事故解決まで至ったという書き込みもありました。
実際に事故を起こしてしまうと、「何からやったらいいんだろう?」と不安になるものですし、全て保険会社側で済ませてくれるというのはありがたいですよね。
相手が任意保険未加入の事故対応
車同士の事故を起こした方からの評判ですが、相手方が任意保険に加入していなかったため、「修理代の請求は難航するかも…」と思っていたそうですが、保険会社から相手方に綿密に連絡を行なってもらえ、スムーズに修理代を回収出来たとの事でした。
解決までの間の状況報告も細かく連絡をくれたため、非常に満足度の高い対応だったそうです。
保険に詳しくなくても分かりやすい説明
60代の加入者の方からのコメントですが、対応がとても丁寧で、専門用語を並べるような話し方ではなく、分かりやすく事故後の流れなどを説明してくれたそうです。
その他にも、初めての任意保険で初めて事故を起こしてしまった20代の加入者の方から、終始丁寧に説明してもらえ、「警察に連絡をしないと保険が降りない」という初歩的な事から親切に教えてくれたという評判もありました。
保険に関する用語は難しいものが多いですので、分かりやすく説明してくれるというのはありがたい事ですよね。
良い評判を見ていると、こういった”親切さ”や”丁寧さ”について書かれているものが最も多く見受けられました。
正当な過失割合で対応してもらえた
事故を起こした場所が2車線でセンターラインが無い道路だったため、事故当初は過失割合が5:5という比率になっていたそうです。
状況的に相手側に否がある事故だったため、その旨を担当者に話したところ、相手側の保険会社と折り合いをつけて7:3の過失割合に訂正してもらえたそうです。
他にも、「面倒な相手との交渉をスムーズにまとめてくれた」など、対応力に対する高い評価は多く見受けられました。
2-1. 悪い口コミ・評判
連絡が繋がらず、態度が大きかった
事故を起こした相手側が楽天損保の加入者だったという方からの評判ですが、被害者側の立場から示談交渉の為に電話をしたところ、全然電話が繋がらず、やっと繋がったと思えば上から目線の対応されたとの事でした。
対応の内容についても書かれており、被害者として連絡したのに、まるで加害者のような扱いをされたそうです。
”相手側が楽天損保で対応が悪かった”という評判は他にもいくつか見られ、中には「いきなりタメ口で話された」などのような内容のものもあり、「相手側から連絡が来た時はわざと態度を悪くするように教育されてるのでは?」と疑う声もありました。
代理店との連携が取れていない?
事故を起こし、加入者自身の補償、相手側への連絡などは問題無かったそうですが、経過を伝えてくる際に、別の担当者から同じ内容を数回確認されたとの事です。
事故処理を終えた後も、事故処理が済んだ事について数回連絡が来る始末で、「連携や伝達がきちんと出来ていないのでは?」と疑問に思ったそうです。
その他にも、「代理店と楽天損保の両方に連絡を取り次ぐ仲介役のような形になってストレスだった」という加入者からの評判が見受けられました。
事故処理に時間が掛かりすぎ
事故受付の連絡から、事故処理が完了するまでに2ヶ月以上掛かったという評判もありました。
状況によっては長期間掛かってしまう場合もあるかと思いますが、その評判の内容を見ますと、「保険会社側からの連絡は、最初の1回と完了を知らせる連絡しか無かった」との事で、その間は自ら問い合わせないと状況を教えてもらえなかったそうです。
営業所が無く、自分で修理の手配をする事に
単独事故を起こした際に事故対応の依頼をした方からの評判ですが、とりあえずロードサービスを派遣してもらおうとしたところ、「その地域には営業所が無く、工場などの案内が出来ません」という回答が返ってきたそうです。
加入者側で修理工場を手配して修理の依頼を行い、保険会社から修理工場に連絡をする事で見積もりを出してくれるという話だったそうですが、依頼を出した後の連絡は「工場と連絡がつきました」という内容のみで、見積もりに関しては連絡が無かったそうです。
修理が全て完了してから金額を伝える連絡があったらしく、担当者に訊ねると「修理が完了してから報告するつもりだった」と言われるのみで、当初の見積もりに関する話は一切なかったとの事でした。
営業所の件も然ることながら、対応の悪さについても言及された評判ですね。
3. 契約前に要チェック!楽天損保の事故対応(初期対応)やロードサービス内容とは?
3-1. 事故対応(初期対応)の内容
24時間365日対応の”楽天損保あんしんダイヤル”
事故を起こした際、まずは楽天損保あんしんダイヤルに電話をする事で、状況確認やその後の対応などについて相談に乗ってもらえます。
電話番号はフリーダイヤルの”0120-120-555”となっており、土日祝日関係なく24時間365日の対応となっています。
レンタカーの手配、病院の手配などの初期対応
事故受付の際に契約内容の確認を行ない、レンタカー(代車)の手配、病院や修理工場の手配などを行なってもらえます。
事故状況や損害状況の確認、必要書類の確認なども同時に行なう形となっています。
相手方への対応
必要に応じて、相手方の応急処置や病院の手配、修理工場の手配なども行なってもらえます。
また、示談などの対応などについても、楽天損保から相手側に説明を行なってもらえます。
3-2. ロードサービスの内容
ロードアシスタンス特約
事故やトラブルなどによって、契約車両が自走不可能となった場合に、上限20万円までの補償を受けられるサービスです。
車両の牽引や搬送、落輪時のクレーン引き上げ、修理後の引取り費用などを含めて20万円までの範囲で補償されます。
故障時緊急修理サービス
契約車両にトラブルが起こった際に、”現場にて30分程度で終了する作業”として以下の作業がサービスされます。
- キー閉じ込み、紛失時の開錠作業
- バッテリーあがり時のジャンピング作業
- タイヤパンク時のスペアタイヤ交換作業
- 各種オイル漏れ時の補充作業
- 冷却水の補給作業
- ロープで引き上げられる範囲の落輪引き上げ作業
- ガス欠時の燃料配送(10リットルまで無料)
- その他、現場で行える軽作業
注意点としては、バッテリーのジャンピング作業と燃料の配送サービスについては、1年度内に1回のみという回数制限がある事でしょうか。
また、ガス欠時に関しては、契約車両が電気自動車の場合はレッカーサービスが適用される形となります。
臨時代替交通費用サービス(ASAP限定)
契約車両が、事故やトラブルによって自走不可能となった場合、もしくは盗難の被害に遭った場合に、乗車人数1名につき上限2万円の交通費が補償されるサービスです。
臨時宿泊費用サービス(ASAP限定)
契約車両が、事故やトラブルによって自走不可能となった場合、もしくは盗難の被害に遭った場合に、トラブル当日の宿泊費用を乗車人数1名につき1万円を上限に補償されるサービスです。
臨時ペット宿泊費用サービス(ASAP限定)
契約車両が、事故やトラブルによって自走不可能となった場合、もしくは盗難の被害に遭った場合で、臨時宿泊費用サービスを利用した際に、契約車両に搭乗しているペットのペットホテル費用が上限1万円で補償されるサービスです。
4. 楽天損保の自動車保険が選ばれる理由
楽天損保の自動車保険には、個人用自動車保険であるASAPと、総合自動車保険であるPAPという2種類の形式が存在します。
ASAPは”個人用”と銘打たれている程ですので個人用、PAPは個人と法人の両方で利用可能な自動車保険となっており、そういった手広い対応力が多くの顧客を集めているとも言えるでしょう。
楽天損保の特徴としては、一般的に自動車保険は1年ごとの契約更新を行う形となりますが、楽天損保には長期の契約となる”ASAP6”というプランがあり、毎年契約更新をする手間が省け、1年更新のASAPよりも保険料が安価である事から、ASAP6を選ぶという方も多いです。
”楽天”というと大手通販サイトですので、通販型(ダイレクト型)というイメージを持ってしまいがちだと思いますが、全国に代理店を持つ代理店型の自動車保険となっていますので、インターネット上での契約ではなく、担当者ときちんと相談しながら契約する事が可能です。
また、”楽天”というネームバリューも選ばれる理由に繋がっていると言えるでしょう。
旧業態である朝日火災海上保険に関しては、有名企業ではありますが、保険に関する知識が無い人にとっての知名度は若干低いように思えます。
しかし、楽天といえば保険の知識が無くても知っている企業ですし、「有名な会社=信頼できる」という選び方をする人もいるようですので、選ばれている理由の1つと言って過言ではないでしょう。
5. 楽天損保の自動車保険はこんな人におすすめ!
5-1.「毎年更新するのが面倒」という人
前述もしましたが、楽天損保の自動車保険において最も特徴的なポイントは、”ASAP6”というプランの存在です。
6年間の長期契約で、1年間の契約よりも保険料が安くなるというメリットがありますので、「毎年更新するのが面倒くさい」という人には打ってつけの自動車保険であると言えます。
保険料の支払いに関しても、6年分の一括払いだけではなく、年度や月で分割して払う事が可能ですので、「6年契約だから6年分を一気に払わないと…」と不安を感じる必要もありません。
5-2. 等級ダウンによる保険料アップ経験がある人
ASAP6は”契約期間中に保険料が上がりづらい”というのもポイントです。
一般的な自動車保険ですと、保険期間中に事故を起こしてしまった場合、等級ダウンによって翌年の保険料が上がってしまいます。
しかし、ASAP6の場合は、契約期間中に事故を起こしてしまっても、6年の契約期間中は等級ダウンの影響を受けないとされています。
過去に事故による保険料アップを経験された方にとって、このシステムは非常に有用といえるのではないでしょうか。
また、保険契約時にゴールド免許だった場合、6年の間でブルー免許になってしまっても、契約期間中はゴールド免許を適用した保険料になるという点もメリットですね。
上記とは逆で、契約時にブルー免許、契約期間中にゴールド免許になった場合は、ブルー免許で計算された保険料のままとなりますので注意が必要です。
5-3. 通販型(ダイレクト型)に抵抗がある人
楽天損保の自動車保険は、”楽天”という名称から通販型(ダイレクト型)のように思われがちですが、れっきとした代理店型自動車保険です。
「インターネット上で全て済ませるのは不安」
「インターネット自体が苦手」
「ダイレクト型に良いイメージが無い」
上記のような方におすすめと言えますね。
ホームページ上で全て完結するのも手軽で良いですが、よく見ないと不要な特約が付帯されたりしてしまいますので、担当者と話し合ってプランを立てられるのはメリットと言えるでしょう。
5-4. 災害に対する補償も充実させたい人
ASAP6のような長期契約の存在以外で特徴的な点として、地震などの災害に対する補償範囲の広さが楽天損保の強みであると言えます。
他社の場合は”全損した場合のみ補償”というケースが多いですが、楽天損保の車両保険に付帯する事が出来る”車両地震特約”の補償は、全損でない場合にも損害額が補償されます。
何かと災害の多い昨今ですので、楽天損保の車両地震特約は重宝される存在と言えるのではないでしょうか。
6. 楽天損保の事故対応の評判まとめ
楽天損保の自動車保険について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
後半はASAP6の宣伝みたいになってしまいましたが、それだけ特徴的なプランですので、安い保険料での長期的な契約を視野に入れている方はチェックしてみてほしいですね。
保険料に関しては、通販型(ダイレクト型)自動車保険と比較すると高く、代理店型の中では安い部類といったところでしょう。
評判については、全体的に見ますと通販型(ダイレクト型)自動車保険各社の評判よりは良い評判が多く、代理店型の他社と比べても遜色ないように見受けられましたので、平均的な満足度は高めと言えるのではないでしょうか。
少しネックに感じる要素を挙げるとすれば、悪い評判の項目で触れた代理店数の少なさや、楽天系列のサービスの定番ともいえる”登録すると楽天ポイント○○ポイントプレゼント”というキャンペーンが無く、保険料支払いによるポイント発生なども無いという事くらいですかね。
自動車保険選びの参考にしていただけたら幸いです。