県外に引っ越しをした場合、車検証にかかれている住所と現在の住所が違っていますよね。そうなると「もしかしたら車検が受けられないかも?」とか「以前住んでいたところでないと車検が受けられない?」など不安に思うはずです。
でも車検は県外に住んでいても、ちゃんと受けることが出来ます。もっと大きく言えば、「日本全国どこにいても車検は受けられる!」が正解なのです。
ただし県外ナンバーのままで車検を受ける場合や住民票を移していない場合などでは、普通に車検を通す時よりも注意しなければいけないことがあります。
そこで今回は、県外で車検を受ける時に「車検を受けるために必要な書類」以外にどんな書類が必要なのか、また県外ナンバーで車検を受ける時の方法や注意点など、県外で車検を受ける時に知っておきたい基本的なことをわかりやすく解説します。
1. 県外ナンバーのまま車検を受ける方法
車検は期限内に必ず受けなければいけないものです。何しろどんな理由があったとしても、車検が切れた車は公道を走ることが出来ないからです。
ただ引っ越ししたばかりだと、荷物の整理や引っ越しに関する様々な手続きをこなすだけでも大変です。ようやくひと段落したと思った頃に「車検がそろそろ切れる!」ということに気が付いたとしたら、あなた自身もかなり焦りますよね?
でもそんなに心配しなくても大丈夫です! 実は県外ナンバーのままでも車検を受けることは出来るのです。
1-1. 車検を受けるための必要書類
車検を受けるためには、どのような場合であっても必要になる書類があります。そのため県外ナンバーのままで車検を受ける場合にも、まずは「車検に必要な書類」をきちんとそろえることが大切です。
車検証(自動車検査証)
一般的に「車検証」と呼ばれているのが自動車検査証です。新車の場合は3年目で最初の車検が来ますが、2回目以降になると2年毎の車検が必要になります。
車検が切れた状態で公道を走らせると、違反となり罰則及び罰金などの対象になります。そのため車検の期限内に新たに車検を受ける必要があります。
ただし車検を受ける際には、今あなたの手元にある車検証が必ず必要になります。車検の期限が切れている場合も、車検を受けるためには必要です。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書は、国が車の所有者に義務付けている「自賠責保険」に加入していることを証明する書類です。自賠責保険は「強制保険」とも言われており、必ず加入しなければいけません。
そのため車検を受ける際には、「ちゃんと自賠責保険に加入していますよ!」ということを証明するために「自賠責保険証明書」が必要になります。
自動車納税証明書
自動車税の納付も、車の所有者の義務とされています。自動車税の納付時期になると、あなたの自宅に「自動車税納付書」が送られてきます。これをもって自動車税を納付すると、その場で自動車納税証明書が発行されます。
この自動車納税証明書も、車検を通す上では必ず必要になります。ただし納税した後に管理し忘れやすいので、紛失しないようにきちんと車検証と合わせて管理しておくのがおすすめです。
自動車重量税納付書
自動車重量税も、車の所有者が納付する義務があります。
ディーラー車検や民間車検など車検業者に車検をお願いする場合は、「法定費用」という項目で自動車重量税が含まれています。手続きそのものは車検業者が行いますから、ユーザーが自動車重量税納付書を準備する必要はありません。
ただしユーザー車検の場合は自分で自動車重量税を納付しなければいけませんから、納付後に発行される自動車重量税納付書が必要になります。
自動車検査表
車検で行われる検査項目は、国が定める保安基準をもとに細かく設定されています。そのため車検を受ける際には、きめられた自動車検査表を使って検査する必要があります。
車検業者に車検をお願いする場合は、きめられた自動車検査表をもとに整備・点検をします。ですからユーザーがわざわざ準備する必要はありません。
ただしユーザー車検の場合は、車検を受ける際に必要になります。そのためあらかじめ自動車検査表を準備する必要があります。
継続検査申請書
車検は基本的に2年毎に受けなければいけません。そのため車検業者に車検をお願いする場合は、車検の手続きをする際に「継続検査申請」も併せて行います。そのためユーザーが自分で継続検査申請書を準備する必要はありません。
ただしユーザー車検の場合は、継続検査申請書を準備し自分で申請手続きを行う必要があります。ですから「継続検査申請書」の準備も必要になります。
1-2. 住民票を移している場合の注意点
県外で車検を受ける際に一番問題になるのが、「自動車納税証明書」になります。自動車納税証明書を発行してもらうためには、あなたの自宅に「自動車税納付書」が届かなければいけません。
でも住民票を移している場合は、自動的にあなたの自宅に自動車納税証明書が郵送されてきます。そのため「自動車税の納付が出来ない」ということはありません。
ただし住民票を移している場合でも、注意しなければいけない点があります。それが車庫証明です。車庫証明は「車を違法な場所に停めていません」ということを証明するものです。
そのため県外に引っ越しした場合は、必ず車庫証明をとる必要があります。車庫証明はあなたの住んでいるエリアを管轄する警察署で申請すれば取ることが出来ますが、車庫証明をとるために必要な書類があります。
しかも申請しても、その場で発行してもらうことは出来ません。そのため車検を受ける前に、時間に余裕をもって車庫証明を取っておく必要があります。
1-3. 住民票を移していない場合の注意点
住民票を移していない場合は、自動車税の納付のために必要な自動車税納付書があなたの自宅に届かない可能性があります。これではいくら車検業者に依頼したとしても、自動車納税証明書がありませんから車検を通すことは出来ません。
ただし郵便局に郵便物の転送依頼をしておけば、引っ越し後1年以内に限り旧住所に郵送された郵便物を新住所に転送してもらうことが出来ます。こうすれば自動車税の納付書があなたの現住所に届きます。
とにかく住民票を移していない場合は、「車検に必要になる自動車税を納付するための納付書が自宅に届かない」ということが一番の問題です。この問題さえクリアすれば、その他については「住民票を移している場合の注意点」と同じです。
2. 自動車納税証明書を紛失した場合の再発行手続き
自動車納税証明書を紛失した場合は、「きちんと納付しましたが証明書だけ失くしてしまいました」と申告してもダメです。でも大丈夫です。自動車納税証明書はちゃんと再発行をしてもらうことが出来ます。
自動車納税証明書は、あなたが現在住んでいる都道府県の県税事務所で申請します。県税事務所はほとんどの場合、市区町村役場となっています。
そのため役所に行き必要な申請書類に記入をして申請をすれば、その場で再発行をしてもらうことが出来ます。
3. 車検後も県外ナンバーのままで大丈夫?
県外でも車検を通すことが出来るということは、県外ナンバーのままでも車検は通るということです。でもあなたの中では「車検後も県外ナンバーのままにしていても大丈夫?」という不安があるはずです。
もちろん県外ナンバーのままで乗り続けることは出来ます。車検が通っている車であれば県外ナンバーのままであっても法律上全く問題ありません。
4. 県外ナンバーの変更手続き
県外ナンバーを変更するためには、変更手続きに必要になる書類を準備する必要があります。申請窓口は運輸支局または自動車検査登録事務所になりますが、手続きをする場合には手数料がかかります。
また新しいナンバーが発行されると、古いナンバーを返納する必要があります。
県外ナンバーの変更手続きに必要になる書類
- 変更登録申請書
- 住民票(発行から3か月以内のものに限ります)
- 車検証(自動車検査証)
- 車庫証明(発行から1か月以内のものに限ります)
- 手数料納付書(申請時に受け取ることが出来ます)
- 印鑑(認印でOK)
※「ローンが残っている」「リース車である」の場合は、あなたの車の所有者はローン会社またはリース会社となっています。この場合は別途「所有者の委任状」が必要になります。
5. 車検は県外でも受けられる!納税証明書の準備を忘れずに!
県外に引っ越しをして車検証の住所と違っていたとしても、車検を通すことそのものには何の問題もありません。とにかく車検は、日本全国どこでも受けられます。
ただし県外で車検を受ける場合は、「納税証明書の準備」のことを忘れがちです。自動車税の納付書は5~6月に届きますので、それタイミングで確実にあなたの自宅に納付書が送られてくるように手配をするようにしてください。
納税証明書の準備さえ忘れなければ、一般的な車検を通すときの注意点とほとんど同じですよ!