雨の日のドライブなどで視界をクリアにするために欠かせないのが、フロントやリアに装着されたワイパーです。ワイパーにはゴムがついているのですが、ゴムは消耗品なので定期的な交換が必要です。それならば出来るだけ自分で交換して、メンテナンスにかかる費用を節約したいと思いませんか?
でもいざ自分で交換するとなると、交換のタイミングや交換時期の目安、交換方法や愛車にあったワイパーゴムの探し方など気になることが次々と出てきますよね。そこで今回は、ワイパーゴムの交換に関する基礎知識から、初めてでも自分で簡単にできる交換方法まで紹介します。
1. ワイパーのゴムを自分で交換する方法
1-1. 交換時期の目安は?
ワイパーのゴムは消耗品です。ですからワイパーを使う頻度が高ければ、その分交換する頻度は増えます。一般的には「ワイパーのゴムの交換時期の目安は1年」といわれていますが、メーカーの説明書などを見ると「半年を目安に交換してください」という記述もあります。でも実際にはワイパーの使用状況や気象条件によっても劣化のスピードは変わりますので、1年以上たっても保存状態が良い場合もあります。
ということはワイパーゴムの劣化状態を自分で判断できるようになれば、「良い状態を保ちながらも無駄なくワイパーゴムの交換が出来る」ということになります。そのために知っておきたいのが、「ワイパーゴムの交換を知らせるサイン(症状)」です。
ワイパーゴムの交換を知らせるサインの中で代表的な症状なのが、「すじ状の拭き残し」です。これはワイパーのゴムが劣化してうまく拭き取ることが出来ていないために起こる症状で、ワイパーゴムの交換を知らせる典型的なサインです。
他にもワイパーゴムの交換のサインには、「部分的に拭きムラが出来る」「ワイパーを使ってもフロントに水がにじむ」などの症状があります。
1-2. 適合ワイパーゴムの探し方
自分でワイパーのゴムを交換するとなれば、車にあったワイパーのゴムを探すことも必要になります。ワイパーゴムにはいくつかの種類があり、太さにも種類があります。そのため新しいワイパーゴムを探す前には、必ず今乗っている車のワイパーブレードをチェックする必要があります。
ちなみに市販されているワイパーのゴムは「ミリ単位」で販売されていますので、きちんとメジャーなどを使ってサイズを測ることが大切です。もしも事前にサイズを測ることが出来なければ、ワイパーのゴムを車から取り外し直接カー用品店に持ち込んで車に合うものを探す方法もあります。
もしもサイズが図れない上にワイパーゴムを取り外すことが出来ない場合は、車検証をもってカー用品店へ行きましょう。ワイパーゴムを探すときに必要なのが「車の名称」と「車の年式」または「車の型式」であり、これらがすべて記載されているのが「車検証」なのです。
ですから「サイズを測るのが面倒」「ゴムを取り外せない」場合でも、カー用品店に車検証を持ち込めば、そこに記載されている年式や型式などから自分の車に合ったワイパーゴムを見つけることが出来ます。
2. ワイパーゴムを交換してみよう!
2-1. ワイパーの各部名称
ワイパーは、大きく分けると「ワイパーアーム」「ワイパーブレード」「ワイパーゴム」の3つに分かれています。ワイパーを動かすためには、その動力となるワイパーモーターが必要なのですが、ワイパーモーターにつながっているのが「ワイパーアーム」といわれる部分です。
ワイパーアームはワイパーの性能だけでなく車全体のデザインとも関係してくるため、車や車種によって取り付ける角度などが異なります。そのため自分で取り換えようとしても、大型カー用品店に行ってもワイパーゴムのように在庫が揃っているということはありません。
でも洗車などでワイパーを立てる時に掴む部分がワイパーアームなので、イメージがしやすい部分ですね。
次が、フロントガラスやリアガラスに直接触れる部分である「ワイパーゴム」です。ワイパーゴムはゴムでできていますから、雨や摩擦だけでなく日光などの熱によっても劣化が起こりやすくなります。そのため定期的な交換が必要になる部分です。
最後が、ワイパーアームとワイパーゴムを繋ぐ「ワイパーブレード」です。ワイパーブレードは、緩やかな弓状をしているのが特徴です。このカーブがついていることによってワイパーゴムはしっかりとガラス面に押し付けられ、きれいに水を拭き取ることが出来るようになっています。
2-2. 基本的交換方法とは
基本的な交換方法はそれほど難しい作業はありません。ですから初めての人でも、基本の手順さえわかっていれば簡単に交換することが出来ます。でも初めて交換する場合は、次のような方法で作業を進めていくことをお薦めします
①ワイパーブレードの取り外し
交換経験がある場合はもっと簡単な方法がありますが、あなたが初めて交換作業を経験するのであれば、「もしも失敗して壊してしまったらどうしよう?」という不安もありますよね?そんな時は先にワイパーブレードを取り外してから作業をするようにしましょう。
ワイパーアームにある取り外しボタンを押しながら引き抜くと簡単に取り外すことが出来ます。ですからまずはワイパーアームの取り外しボタンを見つけてください。見つかったらボタンを押しながら、ゆっくりとスライドしながら取り外していきます。
先端部分の取り外しは注意が必要です。ワイパーアーム先端は鍵状のフックのようになっています。このフックは「U字フック」と呼ばれています。スタンダードなワイパーの場合はこのU字フックが先端についているのですが、ワイパーの種類によってはついていないワイパーもあります。
ちなみに取り外す際にU字フックを壊してしまうと、ワイパーそのものが使えなくなってしまいます。
②外すときは向きが重要
ワイパーゴムの片側には、ストッパーがついています。ストッパーを外すときは、ストッパーが自分の方(手前)となるようにしてゴムを引き抜きます。ストッパーの反対側から引き抜こうとしても、ストッパーがかかっているためゴムは取れません。
向きさえきちんと合っていれば、それほど力を入れなくても簡単にゴムは取り外せますよ。
③金属レールに新しいゴムに取り付ける時
スタンダードなワイパーゴムの場合は、ゴムに金属のレールがついています。この金属のレールは、再利用することもできます。そのためカー用品店などで新しいワイパーゴムを購入しても、その中に金属のレールがついていないのが一般的です。
もちろん金属のレールごと交換する方法もありますので、再利用をしたいと考えているのであれば古いワイパーゴムを処分する際に金属のレールは取り分けておくようにしましょう。
金属のレールを取り付ける時は、ワイパーゴムの向きと金属レールの反りが合っていることを必ず確認しましょう。反りが合っていない状態で金属のレールをゴムに取り付けると、ワイパーゴムの破損の原因となります。
④ワイパーブレードに装着する
ワイパーゴムをワイパーブレードに取り付ける時には、ストッパーの位置を確認してから始めます。ストッパーの形はワイパーの種類によっても異なるのですが、どれもワイパーブレードの先端部分についています。
ワイパーアームのストッパーの位置を確認出来たら、その部分を自分の方(手前)に向けワイパーゴムを差し込んでいきます。差し込む向きさえあっていれば、それほど力を入れることなくゴムを差し込むことが出来ます。
ただしストッパー部分だけは、少し入りにくくなっています。スタンダードなワイパーであれば、そのまましっかりとゴムを差し込んでいけばきちんとストッパー孔にはまり、ストッパーがかかります。
ストッパー孔にきちんとはまっていない場合は、作動中にゴムが外れてしまいますので注意しましょう。
⑤ワイパーアームに装着する
ここまでできたら、あとはゴムをアームに取り付けます。やり方は①と逆の順序となります。
2-3. 注意したいこと
注意のポイントとしては3つあります。
・まずは、金属レールを再利用したい場合の注意点です。新しく購入したワイパーゴムの中身を確認してほしいのですが、一般的に市販されているワイパーゴムには交換用の金属のレールはついていません。
金属のレールは破損や変形が起こることが少ない部品なので、ワイパーゴムのような定期交換の必要はありません。そのため、市販されているワイパーゴムには金属レールがついていない状態で販売されています。
ですから再利用をしたいのであれば、「古いゴムから金属のレールを取り外した後に新しいゴムをワイパーブレードに取り付ける」ということを覚えておきましょう。
・2つ目は、自分の車に適応しているワイパーゴムを購入するということです。ワイパーゴムの種類は多いので選ぶ時に迷うかもしれませんが、値段や性能を見る前に自分の車に適応している製品なのかを確認することの方が大切です。
ワイパーゴム製品には適用表がありますので、車検証に掲示されている車の車種や年式・型式を確認し、車に適応しているワイパーゴム製品を選ぶようにしてください。
・3つ目は、ワイパーゴムを交換する時には必ずアームを立てて作業することです。ワイパーアームを立てて作業をするのは、作業効率を上げるためだけではありません。作業中に誤ってガラス面を傷つけてしまわないための防止策でもありますので、必ずアームを立てて作業をするようにしましょう。
3. 種類別! ワイパーゴム交換の注意点
3-1. ノーマル
初めて交換する場合は、ワイパーゴムの向きに気を付けるようにしましょう。ワイパーゴムの向きに気を付けておけば、ストッパーの位置や差し込み方向を間違えることなく交換することが出来ます。
他のワイパーと比べて作業そのものがとても簡単なのがノーマルワイパーなので、初めての人でも説明通りに作業を進めていけば短時間で交換できます。きちんと作業が終わっているかを確認するためにも、交換が終了したらウォッシャー液を出しながらワイパーを作動させてみましょう。
作業の方法が間違っている場合は、上手く拭き取れなかったり作動中にゴムが取れてしまったりします。こうした症状が見られたときは、もう一度作業をやり直すようにしてください。
3-2. デザインワイパー
デザインワイパーは「エアロワイパー」とも呼ばれています。デザインワイパーは名称から見てもわかるように、ノーマルワイパーと比べてデザインの良さが特徴として挙げられます。デザインワイパーは車全体の見た目のバランスが良いこともあって、純正品としても使われることが多くなっています。
この場合の注意点は、車に合ったデザインワイパーのゴムを準備することです。市販されているワイパーゴムの種類は多いのですが、デザインワイパーの場合は専用のワイパーゴムでなければ取り付けることが出来ないことがあります。
また車の年式が古い場合は、車両の仕様変更などによって適用表と現状が異なる場合もあります。
このように適用表と照らし合わせてみても自分の車と遭わない可能性が考えられる場合は、ワイパーブレードを直接カー用品店などに持ち込んで確認してみるとよいでしょう。
3-3. ブレードロック
ブレードロックタイプの場合、ワイパーゴムの交換そのものはとても簡単です。ゴムの向きやストッパーの位置を確認しなくても、ロックを解除すればゴムを取り外すことができます。しかも取り付ける時の向きは関係ありませんから、どちらの向きから差し込んでも正常に取り付けることが出来ます。
ただしブレードロックタイプの場合はゴムに突起部分(爪のようになっています)があります。この部分がきちんとワイパーアームにはまっていないと、正しく装着できたとは言えません。作動中にゴムが取れてしまう原因にもなりますので、気を付けましょう。
3-4. 山形トンネル
山形トンネルタイプのワイパーゴムの場合、基本的な取り付け方法はノーマルタイプと同じなのですが、先端部分の作業に注意点があります。
まず山形トンネルタイプのワイパーは、特殊な爪がついています。これがストッパーとなっているのですが、他のワイパーゴムと違い山形トンネルタイプの場合はゴムの断面そのものが特殊です。ただゴムの断面とワイパーブレードの先端部分がきちんとはまれば、他の作業は一般的なワイパーゴムの交換方法と変わりません。
山形トンネルタイプのワイパーゴムを取り外す際は、ワイパーゴムを手前に引き寄せワイパーブレードの先端部分を出しストッパーを外します。取り付ける時はこの逆になります。
3-5. フリーカットタイプ
フリーカットタイプのワイパーゴムの特徴は、「自分でカットして使うこと」にあります。そのため、ゴムをカットする時に注意点があります。
まずワイパーゴムをカットする時は、ゴムをワイパーにつけた後にカットするのではなく、取り付ける前にカットします。金属レールを再利用する場合は、ノーマルタイプ同様必ず古いゴムから取り外してください。
実際にゴムをカットする場合は、取り出した金属レールを使用します。金属レールの長さに合わせてカットをしていくのですが、同じ長さでカットするのではなく2mm程度長めにカットするようにしてください。
4. まとめ
今回は初めての人でも簡単にワイパーゴムの交換できる方法や注意点を紹介してみました。ワイパーゴムの劣化スピードは季節によっても変わってきます。ですから自分で交換が出来れば、効率よくしかも節約しながら使うことが出来ます。みなさんもぜひ参考にしてみてくださいね。