車のハンドル汚れは、車に乗るたびに目についてしまいます。また、ベタベタしたりツルツル滑るハンドルでは、気持ちよく運転することもできません。
さらに、こうした汚れを放置していると、2万円近くかけて補修しなくてはならない状態になってしまうこともあります。
そうなる前に汚れを取り除いて、気持ちよく運転できるハンドルを取り戻しましょう。
今回は、そのための具体的で簡単なクリーニング方法をご紹介していきます。
本皮、合皮、樹脂、バックスキン、スエード、アルカンターラなど、どのような素材のハンドルにも対応していますので、あなたの愛車にあった方法がみつかるでしょう。
こんな車のハンドル汚れが気になりませんか?
- ハンドルを握るとベトベトする
- 黒ずんで不潔
- ツルツル滑るようになる
- テカテカして格好悪い
- 部分的に変色したり擦り切れている
- 傷ができてしまった
- ガサガサになって剥がれ落ちる
こうした汚れを解消したい場合には、今回の記事をご覧いただくとスッキリ解消することができます。
車のハンドルが汚れる9つの原因
ハンドルの汚れと言っても様々なものがありますが、一体何が原因なのでしょうか。これがわかると、ハンドルを綺麗にする方法もよく分かります。
直接手で握る部分の汚れについては、次のようなものが主な原因になります。
- 手垢、皮脂
- 手の汗
- ハンドルの塗装が剥げる
- 傷がついたり擦り切れる
- 経年劣化
さらに、意外と汚れているのがクラクションを押したり、オーディオ類のスイッチがついているハンドルの中心部分です。特に、輸入車や高級車の場合には、ベタベタしたり、触ると手が黒くなったりしてストレスを感じている方もいらっしゃるでしょう。
この部分の汚れの原因には、次のようなものがあります。
- 塗装の劣化
- タバコのヤニ
- 飲みこぼし
- 咳、くしゃみ
こうした原因ごとに対処していけば、新車時のように綺麗で肌触りのいいハンドルを取り戻すことができます。
また、ハンドルに使用されている素材には、主に革(本革、合成皮革)と樹脂(硬質ウレタン)がありますが、高級スポーツカーやハンドルを交換している場合には、バックスキンやスエード、アルカンターラなどが使用されています。
それぞれ汚れを落とす方法が異なりますので、タイプ別に具体的な掃除方法をご紹介していきます。
本革ハンドルの汚れを落として新車の肌触りを取り戻す方法
まずは高級車に使われていたり、オプションで選択することができる本革ハンドルの汚れを取り除く方法をご紹介していきます。
特に本革ハンドルの場合には、新車時にはしっとりとした肌触りだったのが、ベトベトしたり滑りやすくなってしまい、運転にも悪影響となることがあります。また、テカテカして見た目も格好悪くなってしまうという悩みもあるでしょう。
こうした汚れを綺麗にするには、次の方法を試してみましょう。
ステップ1:濡れタオルで拭く
本革ハンドルの基本的な掃除方法は、濡らしたタオルを硬く絞って拭くことです。定期的に行う掃除の場合には、この方法でさっと汚れを拭き取るようにしましょう。
ステップ2:本革シートクリーナーで拭く
手垢や皮脂、汗が原因となっている場合には、ベトベトになったり、テカテカになってしまいます。こうした油汚れの場合には、水拭きだけでは取り除けないことがあります。
そんな場合には、革シートクリーナーを使用しましょう。シートにも本革を使用している車なら併用していただくことができます。
ただし、艶出しや保護剤としてシリコンが含まれているものをハンドルに使用してはいけません。なぜなら、ハンドルが滑ってしまうからです。併用する場合には、ノンシリコンタイプのクリーナーを選ぶようにしましょう。
また、シボ加工(凸凹した加工)がされている場合には、隙間の汚れを取り除くために、柔らかいブラシを用意するといいでしょう。歯ブラシで代用しても構いません。
ステップ3:中性洗剤を使う
ハンドルは本革でも、シートは別の素材ということもあります。そんな場合には、本革クリーナーでは容量が多いため、費用対効果が悪くなってしまいます。
そこで、家庭用の中性洗剤を代用するのがおすすめです。
家庭用中性洗剤1に対して、水100で薄めたものを用意してください。これをタオルに濡らして硬く絞り、ハンドルを拭きあげましょう。
シボ加工がされている場合には、革用ブラシや歯ブラシを併用するといいでしょう。
ステップ4:メラミンスポンジを使う
ここまでご紹介した方法でベタつきやテカリが取れない場合には、メラミンスポンジを使う方法があります。
ただし、汚れを落とす効果は高いのですが、革を傷めてしまう可能性があるので注意が必要です。メラミンスポンジには研磨作用があるので、強く磨きすぎてしまうと革が傷ついたり破れてしまうからです。
また、本革ハンドルには表面に塗装がされているのですが、これを剥がしてしまうと汚れや劣化を早めてしまう原因にもなります。そのため、最終手段として知っておくといいでしょう。
実際に使用する場合には、水に濡らしたメラミンスポンジで撫でるように拭いてください。力を入れなくても綺麗になるので慎重に行いましょう。
ステップ5:仕上げはベビーオイルで保湿する
汚れを落としたら、革の保湿も行いましょう。肌触りをよくして劣化を防ぎます。その際は、革製品用のものは避けた方がいいでしょう。艶出しや保護剤が含まれているとハンドルが滑るようになってしまうからです。
そこでおすすめなのが、ベビーオイルです。これならハンドルが滑ることなくしっとりとした気持ちのいい肌触りが取り戻せます。
本革ハンドルの汚れを落とすおすすめ本革クリーナー7選
SOFT99 ( ソフト99 ) :本革拭くだけシート
シュアラスター(SurLuster):レザーケアフォーム
Leather Honey (レザーハニー):レザーコンディショナー
AUTOGLYM(オートグリム):レザー・ケア・バーム
ソフト99(SOFT99): 本革クリーナー
STONER:レザークリーナー&コンディショナー
Angelus (アンジェラス):レザー デグレイザー
樹脂や合成皮革ハンドルの汚れを素早く取り除く方法
樹脂(硬質ウレタン)や合成皮革(合皮)のハンドルの場合には、次の方法で綺麗にしていきましょう。
ステップ1:水拭き
カー用品店に並んでいるケミカル品は、汚れを落とす効果には優れていますが、ハンドルに使うと滑りやすくなってしまう危険があるのでおすすめできません。基本的には水拭きで掃除をしましょう。
ステップ2:中性洗剤もしくはセスキ炭酸ソーダ
黒ずみやベタつきがある場合には、中性洗剤を薄めたものを利用してください。もしくは、セスキ炭酸ソーダがおすすめです。セスキ炭酸ソーダは油汚れに強いので、ハンドルについた手垢や皮脂を落とすために有効です。
セスキ炭酸ソーダはスプレータイプになっているものや粉状のものがあります。スプレータイプのものはそのまま使用できますが、粉の場合には、水500mlに対して小さじ1杯分5gを混ぜて、タオルに濡らして拭きあげてください。
バックスキンやスエード、アルカンターラハンドルの汚れを傷つけずに綺麗にする方法
高級スポーツカーやハンドルを交換している方の中には、バックスキンやスエード、アルカンターラが使用されていることがあります。こちらのタイプも、汗や皮脂によって起毛が潰れてテカリが出て硬くなってしまい、肌触りも高級感も失ってしまいます。
そうした場合には、次の方法でメンテナンスをしましょう。
ステップ1:お湯で洗浄
まずはバケツにお湯を用意して、タオルを濡らしてハンドルを拭きあげましょう。優しく繰り返し拭いてください。
この後、ブラシを使った方法もご紹介しますが、素材に傷をつけてしまう可能性があるので、できるだけタオルで拭き上げてメンテナンスしましょう。何度も繰り返すことで綺麗になります。
ステップ2:ブラッシング
お湯で拭いても綺麗にならない場合には、ブラッシングをしましょう。スエード専用ブラシを使うのがおすすめです。
まずは毛を逆立てる方向にブラッシングをしてから、次に毛の流れに沿ってブラッシングをしてください。また、必ず革が乾いている時に行うようにしてください。
ハンドルの中心部分の樹脂パーツ汚れを綺麗にする方法
ハンドルのクラクションやオーディオ類のボタンがついている中心部分は、主に樹脂パーツでできています。こちらは、ハンドルの握る部分と違い、滑らないように気をつける必要のない部分です。そのため、他の樹脂パーツと同じ方法で綺麗にすることができます。
また、輸入車や高級車の場合には、ベトベトして触ると指が黒くなってしまうようなことがあります。これは、プロテイン塗装と言われる塗装の劣化が原因です。
こうした樹脂パーツ汚れの掃除方法については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、こちらを参考にしていただけるといいでしょう。
ハンドルのリペアが必要な場合とは?
ここまでご紹介してきた方法でハンドルが綺麗にならない場合には、ハンドルのリペアが必要になるかもしれません。特に、本革ハンドルを使用している場合に多くなります。
具体的には、次のような状態が当てはまります。
- 破れたりステッチがほつれている
- 擦り切れて下地が見えている
- ガサガサになっている
- 塗装が剥がれて部分的に黒ずんでいる
- 色落ちしている
本皮ハンドルの表面には塗装がされているのですが、これが劣化したり剥がれ落ちることによって、こうしたダメージが生じてきます。これらは、リペア(補修)が必要な状態ですので、一度専門業者に相談するといいでしょう。費用の目安は1万円から2万円と考えてください。
また、革自体のダメージは少なく、色落ちだけ補修したいという場合があると思いますので、ご自分で補修する方法もご紹介します。
革ハンドルの色落ちをDIYでリペアする方法
本皮ハンドルの色落ちをリペアするためには、革を染め直す必要があります。通常の塗料では塗装できませんので、革製品にも使える「染めQ」などを使うといいでしょう。
必要な道具は次の通りです。
- マスキングテープ
- 脱脂剤
- プライマー
- 塗料(染めQなど)
- クリアー塗料
それでは具体的な手順を確認していきましょう。
ステップ1:ハンドルを取り外す
今回は塗装作業になりますので、ハンドルを取り外して行う方がいいでしょう。難しい場合には、十分にマスキングをして、換気を忘れずに作業を進めてください。
ステップ2:マスキング
塗装面以外をマスキングしましょう。ハンドルを取り外さない場合には、運転席全体をマスキングしてください。
ステップ3:脱脂、プライマー
塗装前の下地処理として、脱脂をしてからプライマーを吹いてください。また、もし色を変えて塗装する場合には、ベースコートを吹いてから塗装するようにしましょう。
ステップ4:塗装
プライマーが乾いたら塗装をしていきます。繰り返し薄く塗っていきましょう。
ステップ5:クリアー塗装
最後にクリアー塗装を行なって終了です。色落ちを防いだり、紫外線焼けを防ぐ効果もあります。
車のハンドル汚れを防ぎ清潔に保つおすすめの3ツール
ここまでご紹介してきたように、車のハンドル汚れの主な原因は手垢や皮脂、汗です。これらが蓄積して、革の傷みやテカり、樹脂ハンドルの黒ずみやベタつきになります。
つまり、素手で直接ハンドルを握る以上は、完全に防ぐことができないので、こまめな掃除が最も効果的だと言えます。ウェットティッシュなどを常備しておくのもいいでしょう。
さらに、次のような予防策を取れば、掃除の頻度を減らしたり、清潔に保つことができますので、試してみてはいかがでしょか。
【必須】手を洗ってからハンドルを握る
当たり前かもしれませんが、そもそも手が綺麗な状態であれば、ハンドルの汚れが少なくて済みます。例えば、車内でファストフードなどを食べて、指に油が付いたままハンドルを握ることはないでしょうか。こうしたことを減らすだけで、ハンドルの汚れも少なくて済みます。車内にウェットティッシュなどを用意しておくといいでしょう。
【簡単】ハンドルカバーを付ける
二つ目の方法は、ハンドルカバーを付けることです。ハンドル自体は汚れたり傷んでも簡単に交換することができません。仮に交換をすれば高くついてしまいます。しかし、ハンドルカバーを付けていれば、ハンドル自体は汚れませんし、安く交換することもできます。
ただ、ハンドルが太くなったり、見た目が気に入らないという方もいらっしゃるでしょう。その場合には、次の方法がおすすめです。
【おすすめ】ドライビンググローブを着ける
運転用のグローブを着用すれば、手垢や汗の付着を防ぐことができます。また、ハンドル操作がしやすくなるというメリットもあります。
指先が出ている半指タイプのスポーティーなものから、フォーマルなタイプ、女性用のおしゃれなものなど、ファッションを崩さないものもあります。
冬には保温効果もありますので、ドライビンググローブはレーサーやタクシードライバーくらいしか使わないものだと決めつけず、一度探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、ハンドルの汚れを綺麗に取り除く方法を詳しくご紹介してきました。
主な原因は手の汗や皮脂、手垢などですが、ハンドルに使われている素材によって、そのクリーニング方法が異なります。
今回ご紹介したハンドルタイプごとのクリーニング方法を試していただければ、ベタつき、テカリ、黒ずみなどが綺麗に落とせるので、気持ちよく運転することができるようになるでしょう。
もし、綺麗にならない場合には、ハンドルのリペアが必要かもしれません。業者に依頼すると、およそ1万円から2万円の費用がかかりますので、そうなる前にこまめな掃除を心がけましょう。