雨の翌日に車に乗ろうとした時に、ドアノブから縦に伸びた黒いスジ汚れが気になるという方がよくいらっしゃいます。また、洗車時に拭き取ろうと思っていたのに、全然綺麗にならなかったという経験もあるでしょう。
その汚れの正体は「水垢」です。
この水垢汚れは素早く取り除かないと、ボディーに固着してしまい、洗い流すことができなくなります。さらに、そのまま放置すれば、塗装やコーティングを痛める原因にもなりかねないので油断できない汚れです。
そこで今回は、効果的な水垢落とし方法をわかりやすくお伝えしていきます。車の状態によって洗車方法が異なりますので、あなたの愛車の状況に合わせて読み進めてください。
さらに、ドアノブと言えば、爪で引っかいた白い傷も気になると思います。今回は、この傷を簡単に消す方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 車のドアノブ汚れの原因
効果的にドアノブ汚れを綺麗にするためにも、まずはその原因について確認していきましょう。なぜなら、原因ごとに対処方法が変わってくるからです。さらに、汚れを防ぐ方法もわかるようになります。
具体的には、次の2つがあります。
- 水垢汚れ
- 爪の引っかき傷
それぞれの特徴を理解すると、汚れが落ちないと困ることもなくなるでしょう。
1-1. 黒いスジは水垢汚れ
ドアノブから縦に汚れている黒いスジ汚れは水垢が原因です。特にボディーの色が白や淡色系だと目立ってしまうでしょう。雨に濡れた後には、すぐに水垢汚れができてしまいます。
何度拭き取っても繰り返し汚れてしまうのでなんとかならないかと思っている方や、洗車をしても洗い流せず困っている方もいらっしゃると思います。
なぜ、ドアノブには水垢汚れができやすいのでしょうか。それは、ドアノブが可動するための隙間が原因です。ここに汚れが溜まってしまい、雨とともに流れ出してしまうのです。
ドアノブに溜まった汚れとは、砂やホコリだけではなく、排気ガスの油分など、目には見えないような細かな汚れが原因になります。これらがドアノブの隙間に入り込んでしまうのです。
また、ドアノブの可動部分に塗られたグリース(潤滑油)が流れ出してしまうということもあります。こうした汚れが雨に流され、ボディーに流れ出てしまうことで水垢となっているのです。最近はボディーコーティングをされている車も多くなりましたが、コーティングをしていても水垢汚れはできてしまいます。
特に、ガラスコーティングをすれば汚れることはないと思っていた方もいらっしゃるかも知れません。しかし、高額なガラスコーティングをしても、水垢を100%防ぐことはできないため、油断していると水垢がこびりついてしまいます。そうなる前に、今回お伝えする方法で綺麗に取り除いていきましょう。
また、ワックスがけやご自分で簡易コーティングをされている方は、水垢汚れには特に注意が必要です。なぜなら、ワックスやコーティング剤の油分と、水垢に含まれる油分が固着しやすいからです。こうした場合の洗車方法についても詳しくお伝えしますので、じっくり読み進めていただくといいでしょう。
1-2. 白いスジは爪の引っかき傷
もう一つのドアノブ汚れとしては、爪の引っかき傷があります。特に黒や濃色のボディーカラーの車の場合には目立ってしまいます。
これは、爪で引っかかないように気をつければいいのですが、いくら注意していても防ぎきれないものです。自分は気をつけていても、小さなお子さんや同乗者が傷つけてしまうこともあるでしょう。
この傷は洗車をしても取り除くことはできないので、傷消しをして補修する必要があります。今回は、その詳しい方法についてもご紹介しますので、水垢落としと一緒に作業を進めていきましょう。短時間でできる簡単な方法ですので安心してください。
2. 愛車のドアノブから流れ出た水垢汚れを取り除く方法
それでは早速、水垢落としを進めていきましょう。今回は、ガラスコーティング施工車の場合と、ワックスや簡易コーティング施工車の場合の2タイプに分けてお伝えしていきます。愛車の状態に合わせて読み進めていただければいいでしょう。もし、何も施工されていないという場合には、後者の方法をご覧ください。
また、タイプ別の洗車方法をご紹介する前に、水垢落としのポイントもお伝えしますので、こちらもぜひ確認してください。
2-1. 水垢落としのポイント
水垢落としのポイントは、汚れたらすぐに拭き取る、洗車することです。先ほどもお伝えしましたが、水垢汚れの原因はドアノブから流れ出た汚れです。すぐに拭き取ったり洗い流せばしつこくこびりついてしまう心配もありません。
雨が上がったり、屋根付きの車庫に駐車できる場合には、水垢汚れが付く部分の水分をすぐに拭き取ってしまいましょう。そうすれば、黒いスジができて愛車が汚くなることもありません。洗車用の吸水クロスやマイクロファイバークロスなどを常備しておいてもいいでしょう。
また、水滴がボディーに残っていると、イオンデポジットと言われるウロコ状の白い汚れの原因にもなりますので、可能であればボディー全体を拭き取るといいでしょう。
ただ、そうは言っても雨のたびに洗車をしたり、タイミングよく雨が上がることも少ないと思いますので、その場合には次からご紹介する方法を実践してみましょう。
2-2. ガラスコーティング施工車の場合
ガラスコーティング施工車の洗車をする場合には、コーティングを傷めてしまうのではないかなどの不安があると思いますが安心してください。ガラスコーティング施工車に対応した方法をご紹介していきます。
まず、そもそもガラスコーティングには、汚れを付着しにくくする効果があります。正しく施工されていれば、基本的には水洗いだけで、水垢汚れも落とすことができます。
ただし、いくらガラスコーティングをしていても、水垢がついたまま長時間放置してしまうと、水洗いだけでは落ちなくなってしまいますので注意が必要です。
それでは、ガラスコーティング車の場合の水垢落とし方法を詳しく確認していきましょう。
ステップ1:素早く水洗い
雨が降った後には、できるだけ早く洗車をしましょう。手洗い洗車がおすすめです。洗車機を使ったとしても、結局、残った水分を拭きとらなければ、また水垢になってしまうからです。ガラスコーティングが施工されていれば手洗い洗車でも、短時間で終わらせることができます。
まずは、ホースや高圧洗浄機などを利用して、車の上から下に向かって汚れを洗い流していきます。車を丸ごと洗車する時間がないけど水垢汚れが気になるという場合には、ドアだけの洗車でもいいでしょう。
そのあとは吸水クロスやマイクロファイバークロスを使って水分を拭き取っていきましょう。もし、水洗いをしても取れないような状態になっている場合には、次のステップに進みます
ステップ2:メンテナンスクリーナーで洗車
ガラスコーティングを施工されている場合には、メンテナンスクリーナーが付属していることがあります。水洗いだけでは落ちなかった場合には、こちらを利用しましょう。
使用方法は取扱説明書もしくは、施工店に確認するといいでしょう。ガラスコーティングと言っても様々な種類がありますので、施工されたコーティング剤に適したメンテナンス方法も教えてもらえるでしょう。
ガラスコーティングが効果を発揮していれば、メンテナンスクリーナーを使えば水垢は落ちるはずです。もし綺麗にならない場合には、ガラスコーティングが効果を発揮していないことも考えられますので、一度施工店に相談するといいでしょう。
また、ガラスコーティングにも対応しているカーシャンプーもありますが、業者でコーティングを施工している場合には注意が必要です。指定のメンテナンスクリーナー以外を使用すると、保証の対象外となる場合があるからです。
ご自分でガラスコーティングを施工された場合には、専用のメンテナンスキットやシャンプーがないかを調べて見るといいでしょう。もし、見当たらないという場合には、ガラスコーティング対応のカーシャンプーを使用してください。
ステップ3:ガラスコーティング対応水垢除去剤
ステップ2まで行っても水垢が落ちない場合には、ガラスコーティング対応の水垢除去剤もあります。
ただ、こちらを利用するのは、自分でガラスコーティングを施工された方のみにおすすめします。先ほどもお伝えしたように、業者で施工している場合には、保証対象外となることがあるからです。
2-3. ワックスがけ、簡易コーティング施工車の場合
ガラスコーティング施工者とは異なり、ワックスがけや簡易コーティングを自分で施工されている肩の場合には、こちらの方法を実践して下さい。
ステップ1:カーシャンプーで洗車
まずは普段通りの洗車をしましょう。それでも水垢が取れないという場合には、次のステップに進みます。
ステップ2:水垢落としシャンプーや水垢除去剤を使う
ドアノブだけではなく、その他の部分にも水垢汚れが目立つ場合には、水垢落としシャンプーで洗車をしましょう。ドアノブを部分的に綺麗にしたいという場合には、水垢除去剤を利用するのも便利です。
ステップ3:ワックスがけ、コーティング再施工
水垢落としシャンプーや除去剤を利用すると、ワックスや簡易コーティングも一緒に取り除いてしまいます。そのため、再度、ワックス、もしくは簡易コーティングを施工してください。
水垢の部分だけ施工するとムラになりますので、ドア1枚分を施工するようにしましょう。
3. ドアノブの水垢汚れを簡単に防止する方法
ここまでお伝えしてきた方法を実践していただくことで、水垢を取り除くことができ、綺麗な愛車が蘇るでしょう。しかし、雨が降るたびに水垢はできてしまいますし、長時間放置していると、除去することが難しくなります。
そこで、水垢汚れの防止策を行うことをおすすめします。特に、今までワックスがけや簡易コーティングを自分で施工されている方には、ぜひ確認していただきたいと思います。
3-1. 水垢汚れが簡単に落ちない理由
水垢汚れは簡単に落ちなくて困っている方が多くいらっしゃいます。その原因は、ドアノブから流れ出した汚れに含まれている油分と、ワックスや簡易コーティングに含まれる油分が強固に固着してしまうためです。同じ油という性質上、簡単に洗い流すことができなくなってしまうのです。
3-2. ガラスコーティングで水垢汚れを予防
ここまでお伝えしてきた内容から、ドアノブからの水垢汚れを予防するためのポイントをまとめると、次の2つになります。
- 汚れをすぐに拭き取る
- 水垢を固着させない
この2つのポイントを押さえるためには、ガラスコーティングを施工することがおすすめです。なぜなら、ガラスコーティングには、汚れが付きにくくなる効果があるからです。
また、水垢汚れができたとしても、ワックスなどと比べると固着しづらいため、取り除きやすくなります。つまり、ガラスコーティングは、水垢汚れの防止策にもなるということです。
ガラスコーティングに関する詳しい情報は、「車のガラスコーティングのメリットとデメリット」でお伝えしていますので、合わせて確認していただくといいでしょう。
すでに、ガラスコーティングについてすでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、より専門的にご紹介していますので、改めてチェックしていただくと参考になるでしょう。
4. 短時間でできるドアノブの傷消し方法
水垢汚れが気になってドアノブ周囲を見ていると、爪で引っ掻いて白くなった傷も目につくことがあると思います。また、以前から気になっていた方もいらっしゃるでしょう。
せっかくですので、水垢と一緒に傷も無くしていきましょう。時間もかからず簡単な方法ですので、安心して読み進めてください。
ステップ1:汚れを洗い流す
まずはドアノブ周辺をしっかりと洗い流しましょう。ドアノブの奥は作業しづらいですが、丁寧に洗ってください。
ステップ2:傷消しコンパウンドで磨く
コンパウンドとは研磨剤のことです。爪の引っかき傷は、コンパウンドを使って磨くことで綺麗になります。粒子の粗いコンパウンドだと傷が増えてしまいますので、粒子の細かな傷消し用を選ぶようにしてください。コンパウンド剤で磨くだけですので、非常に簡単な作業です。
ステップ3:ドアノブの傷防止
傷を消したとしても車を使っていれば、どうしてもまた引っ掻いてしまいます。引っかき傷が気になるという方は、防止策を行いましょう。中には、ドレスアップになるものもありますので、詳しくチェックしていきましょう。
傷防止シート、フィルム
スマートフォンの画面に貼る保護フィルムのように、ドアノブに貼るものがあります。透明のものなら目立たず外観もそのままです。また、カーボン調のものなどもありますので、ドレスアップにもなるでしょう。
また、綺麗に貼り付けるためには、家庭用の中性洗剤を水に薄めたものを用意しましょう。施工場所とシート接着面に吹きかけておけば、すぐに貼り付かないので、位置決めが簡単にできるからです。水100に対して洗剤1の割合が目安です。
シートを貼り付ける際には、気泡ができないようにシートの中心から外側に向かって貼り付けるようにしてください。吹きかけた水分が乾燥するとシートがしっかりと張り付きます。ドライヤーなどで暖めてもいいでしょう。
ドアノブガード、プロテクター
シートやフィルムよりもドレスアップ効果もあるドアノブガードやプロテクターもあります。メッキやカーボン調のものがあり、ドアノブに両面テープで貼り付けるタイプですので、車種専用設計のものを選ぶようにしましょう。
5. まとめ
ドアノブから縦に伸びた黒いスジ汚れの正体は水垢です。ドアノブに溜まっていた汚れが、雨に流されてしまうことが原因です。
この水垢汚れは、ガラスコーティング施工車であれば、基本的には水洗いで落とせます。
しかし、長時間放置していたり、コーティングの効果が発揮されていない場合には、いくら洗車をしても取り除くことができません。そうなる前に、今回の洗車方法を実践してみましょう。
また、ワックスがけや簡易コーティングを自分で施工されている場合には、特に素早く水垢を落とすようにしましょう。水垢が固着しやすいからです。洗車をして水垢を落としたら、再度、ワックスやコーティングを施工してください。
もし水垢汚れが気になったり、頻繁に洗車をするのが面倒だという場合には、ガラスコーティングの施工も考えてみましょう。水垢汚れが付きにくく、洗車も楽になり、頻度も少なくできます。
また、ドアノブについた爪の引っかき傷の消し方と防止策についてもご紹介してきました。
ぜひ今回の記事を参考に実践していただき、ドアノブ汚れの悩みをすっきり解消していきましょう。