車のコーティング後にできる水垢の原因と落とし方まとめ
最近は、車のコーティングをする方が増えています。新車、中古車に限らず、ディーラーや店員から勧められて施工する方も多いでしょう。クルマ好きの方なら、専門店に依頼したり、自分でコーティングした方もいると思います。

どのような場合であっても、車にコーティングをした理由は、いつまでも綺麗な車に乗りたいからだと思います。また、コーティングをすることで、車が汚れなくなるため、洗車しなくてもいいと期待していた方もいるでしょう。

しかし、せっかくコーティングしたはずの車に「水垢」ができてしまい、こんなはずじゃなかったと悩んでいるのではないでしょうか。

例えば、コーティングすれば水洗いだけで汚れが落ちると言われたのに、何度洗車しても綺麗にならなかったり、コーティング後すぐに水垢だらけになったりして、疑問を持たれている方もいると思います。それは、コーティングや水垢に対する間違った説明や対処法が原因かもしれません。

そこで今回は、車にコーティングした後の水垢の原因と、その落とし方について詳しくお伝えします。市販品の水垢落としもありますが、正しく使用しないとせっかくのコーティングを無駄にするだけではなく、塗装を傷めてしまう原因にもなりかねません。いつまでも水垢のない綺麗な車に乗るためにも、ぜひ今回の記事をチェックしてください。

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1. 車にガラスコーティングした後に水垢ができる理由とは

車にコーティングをすれば、汚れることがないと思っていた方もいるかもしれません。特に、最近主流となっているガラスコーティングの場合によくある勘違いです。

ディーラーや施工業者から、「ガラスコーティングすればいつまでも綺麗な車を維持できます」「水洗いで簡単に汚れが落ちます」「ワックスがけの必要もありません」など説明をされれば、「ガラスコーティングをすれば汚れはつかない」と勘違いしてしまうのも仕方ありません。

また、「○年保証付き」という言葉を聞いて、何もしなくても綺麗な状態が保てると思っていた方もいると思います。

しかし、そのような謳い文句の反面、せっかく高い費用を払って車にコーティングをしたのに簡単に水垢で汚れてしまうのでしょうか。また、なぜ水洗いや洗車をしても水垢は落とせないのでしょうか。

ガラスコーティング施工後もメンテナンスが必要

コーティングとは簡単に言うとボディの保護膜であり、ボディに直接汚れや傷ができるのを防いだり、汚れを落としやすくするためのものです。スマホ本体を汚れや傷から守るカバーと同じようなものだと考えるとわかりやすいと思います。
つまり、スマホカバーも触っていると指紋や汚れがつくのと同じように、ガラスコーティングをした車も、洗車や手入れをしなければ、水垢もできてしまうということです。

コーティングの効果やその後の手入れについて正しく説明しないディーラーや不親切な専門店のせいで、間違った認識や対処をしてしまっているのです。

ノーメンテナンスの本意とは?

「ガラスコーティング はノーメンテナンス」と謳っているコーティング剤もありますが、その本意を紐解くと、ガラス皮膜自体はノーメンテナンスでも剥がれ落ちたち劣化したりしないしないけど、定期的に洗車をしないと汚れはつきやすくなる、ということです。

つまり、ガラス皮膜の維持と、耐汚性に対しての維持は別物ということになります。

2. 車にコーティングした後にできる水垢の原因と種類

それでは、なぜコーティングをしていても水垢で汚れてしまうのでしょうか?原因がわかると水垢の落とし方もわかるようになります。

まず、水垢といっても、原因が異なる3つの種類があり、それぞれ呼び方も異なります。具体的には、次の3つです。
  • 水垢、水ジミ、雨ジミ
  • イオンデポジット
  • ウォータースポット(クレーター)
一つずつ詳しくお伝えしていきますので、あなたの車についた「水垢」がどれに当てはまるのか確認しながら読み進めてみてください。

①水垢

水垢とは雨が降った後の黒いスジ状の流れのことをいいます。

水垢になってしまうのは、実は、泡だらけ洗車による過剰カーシャンプーの残留成分が原因です。車業界の中でさえまだ気づかれていませんが、泡をもこもこにして行う洗車が水垢の原因を作ってしまっているのです。

カーシャンプーの残留成分は車に付着した汚れと混ざり、水と一緒に流れ落ちるとそのスジを辿って水垢ができてしまいます。その証拠に、泡だらけシャンプー洗車をやめて水だけ洗車を数回繰り返すと、同じように雨が降っても、黒スジ水垢が劇的に減って薄くなっています。

また、縦に長い汚れ以外にも、水玉や魚のウロコのような汚れはないでしょうか。これらは、次のお伝えするイオンデポジットやウォータースポットと言われる汚れの場合もありますので、続けて確認していきましょう。

②イオンデポジット

イオンデポジットとは、ボディーにできた水玉状の汚れのことです。魚のウロコのようにも見える、白い汚れが特徴です。この原因は、雨に含まれる有害物質や、洗車時に使う水道水に含まれているミネラルなどの成分です。

車を濡れたままにしておくと、水分だけが蒸発して、その中に含まれている有害物質やミネラルなどが残ってしまうのです。塩水が蒸発すると、その中に溶けていた塩だけが残るのと同じです。

特に気温の高い日には、車のボディー自体も熱くなっているため、すぐに水が蒸発してしまい、イオンデポジットができやすくなります。雨に濡れたままにしていたり、洗車後すぐに水分を拭き取らないと生じます。

また、洗車時に使ったカーシャンプーが、しっかりと洗い流されずに残っていた場合にも、同じような理由でイオンデポジットができてしまいます。

イオンデポジットは新しくできたものであれば、洗車で簡単に落とせる場合もありますが、洗車で落とせない場合には専用クリーナーなどで落とす必要があります。

長時間そのままにしておくこと、こびりついた汚れが化学変化を起こしてしまうため、コーティングや塗装を傷める原因にもなってしまいます。

③ウォータースポット(クレーター)

ウォータースポットとは、ボディーに残った水滴が蒸発する際、レンズのような働きをして、ボディに焼き付いておこるシミのことです。車にとっての水滴は雨です。

それも近年はPM2.5や黄砂を含んだ劣悪な酸性雨です。雨の蒸発時には、それらの成分を残して焼き付かせてしまいますので、放置すれば、ボディが侵食して、クレーター状に凹んでボコボコになってしまいます。

※イオンデポジット、ウォータースポットは、科学用語とかではなく業界用語ですので、明確な定義がありません。雨ジミと言われたりもします。現場では、イオンデポジットがひどくなった状態を、ウォータースポットと呼んでいることが多いです。

ウォータースポットは、塗装面を侵食してしまいクレーター状になってしまいます。侵食がひどくなると、クリーナーなどでは取れず、プロがポリッシャーを使用して時間をかけ平坦に磨かないと取れません。

また、酷くなり過ぎたウォータースポットは、ポリッシャーで磨いても平坦になりきらずクレーターが残ってしまします。そうなると、板金屋さんでの再塗装が必要になってしまいます。

そうならないためにも、雨に降られたら後は、

  1. すぐ洗車をすること
  2. 水滴を残さないこと

が大切になります。

洗車では汚れが取れなくなりうるため、ボディーを磨いたり、コーティングをやり直したりするなど、専門的な施工が必要になってしまいます。つまり、ウォータースポット(クレーター)となってしまう前に、水垢を取り除いておくことが必要になるのです。
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3. 車にコーティングした後にできた水垢の取り方

では、実際にできてしまった水垢を落とすにはどうしたらいいのでしょうか。その詳しい方法についてお伝えしますので、順番に確認していきましょう。

3-1. ディーラーや専門店で車のコーティングを施工した場合

ディーラーや専門店で、コーティングの施工をした場合には、保証がついていることがあります。まずは、その保証内容を確認してみましょう。

特に、施工後すぐに汚れが目立つような場合には、施工自体に問題があることもあります。

保証を受けるためには、定期的なメンテナンスを受けることが定められていたり、洗車方法などの細かい契約内容が記載されているとは思いますが、一度施工店に問い合わせてみましょう。

また、コーティング剤に合わせたメンテナンスキットを渡されていることもあります。

そのメンテナンスキットを使って水垢を落とすことができる場合もありますので、詳しい使用方法がわからなかったり、不安だったりする場合にも問い合わせてみてください。

不明なままメンテナンスを始めて、余計にボディにダメージを与えてしまうことも少なくありません。わからなければ見切り発車をせずに、しっかりと確認をしてから実行するようにしましょう。

3-2. 自分で水垢を落とす方法

水垢を自分で落とす方法もありますが、ディーラーや専門店で施行された場合には、保証の有無を確認した上で試すようにしてください。

保証対象外となる方法で水垢を落とそうとした場合には、保証が受けられ無くなることがあるからです。

また、コーティングをしている車に対して、むやみに市販品の水垢落としを使用すると、コーティングや塗装を傷めてしまう原因にもなりかねませんので注意しましょう。それでは、水垢を自分で落とす具体的な方法をお伝えしていきます。
※今回は、専用のメンテナンスキットなどが無い場合の水垢の落とし方をご紹介しています。

ステップ1:水洗い洗車

水垢のなかには、水洗いだけで落ちるものもあります。まずは水洗いで取れる汚れか確認してみましょう。その時のポイントは、気温の低い日や朝方、さらには風の無い日に行うことです。

気温が高いと、すぐに水が蒸発して水垢の原因になったり、風が強いとホコリや砂でコーティングやボディーに傷をつけたりするからです。また、洗車後には、十分に水分を拭き取るようにしましょう。

洗車は、やわらかいフカフカ状の豪華なマイクロファイバーがおすすすめです。セーム革は、吸水性は優れていますが、硬い素材の物も多いので洗車キズが付かないか注意が必要です。一般に人気のあるムートンも、見た目やわらかそうですが、プロが使うポリッシャー磨きの一番粗い(深いキズを取る)磨き工程で使用するウールバフと同等素材なので、やわらかいスポンジよりも硬く、洗車キズが付きやすいです。

それでも落ちない水垢の場合には、次のステップに進みます。

高性能なコーティングを施工して、水洗い洗車だけで軽く落ちるようにしておくのが、ノーリスクでベストな洗車です。



ステップ2:カーシャンプーで洗車

水垢は油が原因となる場合がありますので、水洗いだけでは落ちないことがあります。そうした時には、カーシャンプーを使って洗車をしましょう。この時に使用するカーシャンプーは、研磨剤などの入っていない中性のものを選ぶようにしてください。研磨剤が入っているものは、コーティングを削り落としてしまうため注意が必要です。

また、食器用の中性洗剤を薄めて使う方法もありますが、泡切れが悪いため、洗い残しが水垢の原因になることがありますので、カーシャンプーを使用することをお勧めします。

カーシャンプーをしっかりと泡立ててから、やわらかいフカフカ状のマイクロファイバーでなでるように洗いましょう。汚れたスポンジを使ったり、ゴシゴシと強くこすると傷の原因になります。カーシャンプーでも落ちないような汚れの場合には、無理に落とそうとしないで次のステップに進みます。

ステップ3:水垢落としで洗車

カーシャンプーでは水垢が落ちない場合には、市販の水垢落としを利用しましょう。水垢落としを選ぶ時のポイントは、研磨剤の含まれていないもの、もしくは微粒子の研磨剤タイプにしましょう。研磨剤の含まれているものは、コーティングまで削り落としてしまうからです。

水垢落としを使う時のポイントは、狭い範囲で効果を確認しながら試していくことです。水垢落としでも落ちない場合もありますので、むやみに使用したり、強くこすったりして傷つけるようなことは避けましょう。

ステップ4:ボディーを磨く

水垢落としを利用しても落ちないような汚れの場合には、表面に付着した汚れではなく、へこんで傷になっている場合があります。

このような場合には、ポリッシャーなどの工具を利用して磨いたり、コーティングの修正が必要になったりします。つまり、専門的な知識や技術が必要になるということです。

自分で無理に水垢を落とそうとすると、逆にボディーを傷めてしまう可能性もあります。一度、洗車やコーティングの専門店に相談してみることをおすすめします。

4. 車にコーティングした後にやるべき水垢を防ぐ5つの対処法

せっかくの愛車も、何度も水垢を落とすことになってしまっては、手間も時間も、そして費用もかかってしまうため、愛着も薄れてしまうかもしれません。
そうなる前に、水垢を防ぐための対処法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

4-1. 定期的な手洗い洗車

水垢を防ぐために一番効果的なことは、こまめな洗車です。軽い汚れであれば、洗車で落とすことができますし、水垢の原因となるボディーの汚れも落とすことができるからです。

洗車の際は、手洗いで行うことをおすすめします。洗車機を利用すると、洗車傷がついてしまいますし、手洗いなら細かい部分まで目が行き届きますので、異常があればすぐに気づくことができるからです。

4-2. 洗車機を利用して洗車

頻繁に手洗い洗車ができなかったり、簡単に洗車を済ませたいという方もいるでしょう。そんな場合には、洗車機を利用しましょう。

ただし、洗車機に入れる前に必ず施工したお店に「洗車機に入れても良いか?」という確認を取りましょう。洗車機入れても差し支えないコーティングと、洗車機に入れるとキズだらけになるコーティングがあります。

洗車機に入れてはいけないコーティングの場合、洗車機に入れることで保証の対象外になってしまうこともあります。

また、洗車後にはしっかりと水を拭き取るようにしましょう。拭き残しは、水垢の原因になってしまうため要注意です。

4-3. 洗車専門店を利用する

自分ではこまめな洗車ができないけど、洗車機に通すことも不安な方もいると思います。洗車傷ができたり、コーティングを傷めてしまうことがあるからです。そんな時には、洗車専門店を利用してみましょう。

費用はかかりますが、車を預けるだけで綺麗に洗車してもらえます。また、コーティングのメンテナンスも含めて相談できるメリットがあります。

最近は、ガソリンスタンドでも洗車サービスがありますし、専門店でも3,000円〜程度の費用で可能です。ひと月に1〜2度の洗車なら、費用も負担にならないという方は、検討してみてはいかがでしょうか。

洗車は数十分で終わりますし、台車を貸してくれるところもありますので、手間もかけずに車を綺麗にしたい方にはおすすめです。

ただし、こちらも注意が必要で、一見丁寧に洗車しているように見える泡もこもこ洗車も実は車に傷をつける原因になってしまいます。

いずれにせよ、どのように洗車をすれば良いかをコーティングを施工したお店に確認を取るようにしましょう。

4-4. 車コーティングの種類を変える

車のコーティングには、ワックス、ポリマー加工、ガラスコーティングなどの種類があります。ワックスは油分が多く耐久性が低いため、こまめな洗車やメンテナンスをしないと、水垢の原因となるだけではなく、塗装を傷める原因にもなります。

ポリマー加工は、ワックスよりは機能性に優れていますが、最近の主流はガラスコーティングです。

ガラスコーティングは、コーティング性能や耐久性に優れ、汚れの付着を防いだり、洗車で落としやすくなります。そのため、水垢の予防にもなります。また、ガラス特有の透き通った艶が美しいです。

ただし、ワックスがけやポリマー加工と比べると、施工費用が高くなるため、信頼できる施工業者を選ぶことが大切です。

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4-5. 車庫やガレージで保管する

すべての方に当てはまる方法ではありませんが、車の保管場所を車庫やガレージにすることも水垢の予防になります。雨に濡れたり、紫外線に当たることを防げるからです。

5. コーティング車にできる水垢の原因と落とし方のポイントまとめ

せっかく車にコーティングをしたのに、水垢ができて困っていると思います。よく、コーティングをしていれば、汚れないと言われることがありますが、それは間違いです。特に水垢の場合には、ちょっと油断するだけですぐにできてしまうのです。

例えば、雨に濡れたままにしたり、洗車後にしっかり水を拭き取らなかっただけでも水垢になってしまいます。また、一言で水垢といっても、原因の異なる4つのタイプがあります。

その原因に合わせた対処方法がわかれば、愛車を汚くしている水垢を取り除くことができます。

原因ごとに具体的な水垢の落とし方についても詳しくお伝えしましたので、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、いつまでも綺麗な愛車で楽しんでください。
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