基本的に信用情報の状態がブラックだと、ETCカードやクレジットカードは作れません。しかし、手に入れる方法はあります。

最も確実なのは「ETCパーソナルカード」です。

ETCパーソナルカードは審査の必要がなく、デポジット(保証金)を入れておけば入手することができます。しかし、このデポジットの最低金額が40,000円と安くはありません。

今回はETCパーソナルカード以外でも、信用ブラックの人が作れるETCカードについてご説明します。

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1. ETCパーソナルカード以外に信用ブラックでも作れるETCカードはある

通常、ETCカードを発行するにはクレジットカード会社へ申し込みが必要です。すでに利用しているクレジットカード会社がETCカードを発行していれば、審査をすることなく入手できます。

しかし、信用情報がブラックでクレジットカードを一枚も所有していない場合は、新たにクレジットカードを取得するのは困難です。過去の信用情報が参照され、審査に落ちる可能性が高いからです。

そこでお勧めできるのがETC機能のみのカードです。なかでも、信用情報がブラックな人がETCカードを求めるのなら、ETCパーソナルカードがお勧めです。

しかし、理由は後述しますが、全ての人がすぐに入手できるとは限りません。その場合はETCパーソナルカード以外の手段を選ぶ必要があります。

1-1. 信用ブラックとは

「信用情報がブラック」というのは、過去にクレジットカードの返済が滞った場合や破産を行った人物として信用情報を扱う会社の「ブラックリスト」に登録されたとされる状態です。

クレジットカードやローンなどの借金に対して、きちんと返済できているか、滞った経験があるか、滞っても何ヶ月で返済したかなどの履歴が全て残っているのです。

こうした信用情報を扱う会社があり、その情報を頼りに金融機関や消費者金融、クレジットカード会社は新規カード発行の審査をします。

具体的にいえば、下記のケースで信用ブラックになるとされています。

  • 3ヶ月以上(61日以上)の支払遅延がある
  • 民事再生、自己破産、任意整理・特定調停・個人再生などの債務整理を行った

近年信用ブラックが増えている原因で多いのが、携帯電話の本体代を分割払いして支払いが3ヶ月以上止まった場合です。携帯電話の通信料ではなく、本体代の支払い遅延が問題になるので、注意してください。

一度信用情報がブラックになると、最長7年はブラックのままです。

1-2. 基本的にETCパーソナルカードがお勧めな理由

信用ブラックの人がETCカードを求めるなら、ETCパーソナルカードをお勧めします。審査がなく、デポジットを入れると誰でも入手できるのがその理由です。

デポジットは最低40,000円と安くありませんが、ETCパーソナルカードの利用を終える時に全額返還されます。実質のリスクはないのです。

申し込みからおよそ2週間程度で入手でき、高速道路を便利に使うことができるようになります。

ただし、デポジットの他に年会費が1,234円かかることや、デポジットの金額が安くないことから、ETCパーソナルカードを好まない人もいます。

ETCパーソナルカード以外にも選択肢を持っておきましょう。

2. ETCパーソナルカード以外で最も取得しやすいのは家族カード

ETCパーソナルカード以外に最も取得しやすいのは「家族カード」です。

家族カードは、クレジットカードを最初に契約した人(本会員)に安定収入があれば、その家族の分もクレジットカードを発行および利用することができるサービスです。

この際に発行されたクレジットカード自体を「家族カード」と言ったりもします。

ポイントは、あくまで審査されるのは最初に契約した人(本会員)なので、信用ブラックの人が審査対象になるわけではないことです。

ただし、家族カードの発行条件の一つに「同居している家族」とあるので、別々の住居に住んでいる場合は対象外になります。また、家族カードを利用した際、本会員には全ての利用明細が見えてしまいますので注意しましょう。

2-1. イオンカード

家族カードの中でも特に入手しやすいのは「イオンカード」です。

イオンカードはクレジットカード内では流通系カードと分類できます。

流通系カードとは、百貨店や大型スーパーなどが発行しているクレジットカードで、自社店舗内のサービスなら優遇して利用できる特徴があります。自社製品をより流通させるためのカードといえます。

家族カードにはETCカードを発行しないところも多い中、イオンカードはクレジットカードとETCカードのどちらも家族のために発行できます。

イオンカードは年会費や発行手数料などが無料で、非常に使いやすいです。発行元がイオンという大企業なため、優遇利用できるサービスや店舗が多いことも利点です。

2-2. セゾンカード

セゾンカードもクレジットカード、ETCカードともに年会費や発行手数料が無料の超優良カードです。

セゾンはクレジット会社のクレディ・セゾン株式会社が発行しています。全国の百貨店にあるセゾンカウンターで発行できる場所があるなど、その信用力は折り紙付きです。

セゾンカードは旅行や車関係をはじめ多くの提携先があり、優待利用ができます。

ただし、通常の審査は厳しいのであくまで家族カードのお勧めとなります。

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3. 法人にもETCパーソナルカード以外の選択肢がある

法人としてETCカードを利用するなら、ETCパーソナルカード以外にも選択肢があります。

自営業を営む個人事業主や法人登記している企業は、通常法人用のクレジットカードとETCカードを申し込みます。

ただ、その審査は個人用カードより厳しいです。

起業してすぐの会社や自営業者の信用力はサラリーマン以下なのが常識です。なぜなら創業から5年以内の会社は、その85%が倒産あるいは廃業してしまうためです。

ETCパーソナルカードを発行すれば問題ないのですが、法人用のETCカードでもお勧めできるものがありますのでご紹介しましょう。

3-1. ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードはNEXCOが大元となり、運送業などの大口利用を前提とする事業者向けのETCカードです。

首都高と阪神高速で最大20%の割引や深夜割引があるなど、大口利用の事業者向けメリットは大きいです。

発行のための費用は発行を申し込む団体によるためバラバラですが、発行手数料や年会費ともに617円(税込)のところもあります。カードの発行手数料は一枚につき支払う必要があるので注意してください。

組合を通して発行する場合、組合に加入するために10,000円の出資金が必要ですが、組合を脱退するときに全額返還されます。

また、カードごとに利用できる車が登録されてしまい、いくつかの車両で使い回す事はできませんのでご注意ください。

3-2. 法人ETCカード

高速情報協同組合が若い企業や個人事業者でもETCを利用できるように発行しているのが法人ETCカードです。

こちらは審査がありますが、組合規定の審査として若干甘めな審査と言われています。

カード年会費とカード発行手数料としてそれぞれ540円(税込)が発生します。発行手数料は初年度のみです。

こちらも組合に加入するための10,000円が出資金として必要ですが、組合脱退時に返金されます。

また、業績によっては少額のデポジット(保証金)や、ETC利用見込額の10%の積立金を求められる場合もあります。とはいえ、こちらも脱退時に全額が返金となりますのでご安心ください。

4. 個人がどうしても自分名義でETCカードが欲しい場合

ETCパーソナルカードや家族カードではなく、どうしても自分の名義のETCカードが欲しい場合は、審査がとてもゆるいクレジットカードに申し込み、同時にETCカードを取得しましょう。

クレジットカードに付帯するETCカードは、ETCパーソナルカードや家族カードと違って年会費や準備費用がなく、発行までの期間が短いのが魅力です。

可能であれば審査がゆるいクレジットカードに申し込むのをお勧めします。

ただし、審査がゆるいと言ってもブラックの人では通らない場合や、ブラックリスト入り以外の理由で通らない場合もあるため、確実な方法とは言えません。

一度自身が本当にブラックなのかを確認し、審査が通りそうだと判断してから申し込みましょう。

4-1. 楽天カード

審査がゆるいクレジットカードの筆頭は「楽天カード」です。

楽天市場をはじめとする楽天グループのサービスで優遇され、楽天ポイントへの高い還元(通常は還元率1.0%、楽天グループのサービスは還元率4.0%)もあることから非常に使いやすい流通系カードであると言えます。

楽天カードは年会費が無料ですが、楽天ETCカードには540円(税込)の年会費がかかります。年会費が有料の楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードの場合、ETCカードの年会費は無料になります。

より確実に審査を通過するには、楽天カードに「キャッシング枠」を付けないことです。キャッシング枠をつけるとキャッシング用の審査が追加されてしまい、難易度がぐっと上がってしまうためです。すぐにETCカードを入手したい場合は注意しましょう。

4-2. オリコカード

オリコカードは年会費が永年無料で、入会から6ヶ月間はポイント還元率が2%になる優良クレジットカードです。ポイント還元の対象にはETCカードの利用料金も含まれるので、高速道路をよく利用するのであれば効率よくポイントをためることができます。

学生や専業主婦といった無収入の人でも審査を通過した実績があるほど、審査が非常にやさしいのが特徴です。

最短25分で審査結果がわかり、早ければ8営業日ほどでカードが発行されます。カードが自宅へ郵送されてくるまで2週間前後をみておきましょう。

楽天カードと同様に、審査を確実にするには「キャッシング枠」を付けないことがポイントです。

4-3. VIASOカード

ETCを多く利用する人に特にお勧めしたいのがVIASOカードです。なぜなら、VIASOカードは携帯電話やプロバイダなどの支払いの他に、ETCの利用でもポイントが2倍獲得できるためです。

VIASOカードのポイントは1ポイント1円で自動キャッシュバックされるため、非常にお得です。わざわざポイント交換をして換金する手間がないのも利点のひとつです。

クレジットカードとETCカードはともに年会費は無料ですが、ETCカードのみカード発行手数料が1,080円(税込)かかります。しかし、登録無料の自由型支払いサービス「楽Pay(らくペイ)」に申し込めば1,000円分のポイントキャッシュバックがあるため、実質消費税分だけ支払えばいいと言えるでしょう。

他社のクレジットカードで審査に落ちた人でも、VIASOカードは取得できたというケースもあ流ほど審査がやさしく設定されています。

ただ、登録する電話番号は確実に通じるものにすることがポイントです。理由は、電話番号の有無が支払い能力の有無として審査対象にされているからで、固定電話の番号で登録した方が良いとされています。

他のカードと同じく、「キャッシング枠」を申し込まない方が審査が通りやすいです。

5. まとめ

ETCパーソナルカード以外にも、信用ブラックの人が入手できるカードはあります。個人であれば家族カードを、法人であれば「ETCコーポレートカード」や「法人ETCカード」を取得しましょう。

どうしても自分名義の、自分だけのETCカードが必要であれば審査のやさしいクレジットカードに申し込みましょう。

これで入手できないようなら、やはりETCパーソナルカードを利用することをお勧めします。信用がどれほど傷ついていても、デポジットを入れておけばETCが利用できます。

どんな信用状況でもETCを利用する手段はありますので、各ETCカードの取得申し込みにチャレンジしていきましょう。

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