ホイールコーティングを自分(DIY)で施工する場合には、スプレータイプのコーティング剤がおすすめです。なぜなら、ホイールに吹きかけるだけだからです。初心者の方でも、その使い方に困ることはありません。
ただし、満足な効果を得るためには、ちょっとしたコツがあります。
例えば、ブレーキダストを防いだり、水洗いだけで汚れが落ちるようにするためには、コーティング剤の選び方や施工手順が重要になるのです。
そこで今回は、スプレータイプのコーティング剤を正しく選ぶ方法から、効果を発揮するための詳しいDIY方法までご紹介してきます。
1. DIYホイールコーティングにはスプレー式をおすすめする3つの理由
ホイールのコーティング剤には、スプレータイプのものと液体タイプのものがありますが、DIYにはスプレータイプがおすすめです。その理由は以下の通りです。
1-1. 誰でも簡単に施工できる
スプレータイプのコーティング剤を使う最大のメリットは、誰でも簡単に施工できることです。詳しい使い方はこの後ご紹介していきますが、基本的にはスプレーを吹きかけるだけですので、初めてホイールコーティングする方でも困ることはないでしょう。
1-2. 費用を抑えることができる
市販のコーティングスプレーを使用すれば、業者に依頼した場合と比べても大幅にコストダウンすることができます。
市販のものは、1,300円ほどの価格から購入することができますが、業者に依頼すると1万円から4万円ほどするものまであり、その差は、10倍以上開くこともあるからです。
1-3. 1本で繰り返し施工できる
使用するコーティング剤によっては、スプレー1本で80本分のホイールコーティングができます。
つまり、これ1本持っていれば、20回分の施工ができるということです。(ホイール4本×20回=80回分)毎月施工したとしても、2年近く使えることになります。
業者に依頼した場合と比べると、一回あたりの効果の持続期間は短くなりますが、そのデメリットを回数でカバーすることができます。
2. スプレー式ホイールコーティング剤のデメリット
スプレー式のホイールコーティング剤なら、誰でも安心してDIYが可能です。ただし、満足な効果を得るためにはデメリットについても確認が必要です。
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないように確認していきましょう。
2-1. 3つの作業工程が必要
満足なコーティング効果を得るためには3つの作業工程があり、一つ一つの作業は難しいものではありません。
しかし、自分で施工するとなれば、全ての工程を一人で行うことになります。コーティング作業に慣れるまでは、手間と時間が必要です。
2-2. コーティング効果は下地処理に左右される
ホイールコーティングの効果の違いは、使用するコーティング剤よりも、下地処理に左右されます。
下地処理というのは、コーティングする前に、汚れやブレーキダストを取り除いたり、脱脂を行なうことです。
この下地処理を行う技術の差が、コーティング効果の差として現れるため、施工者によって違いが出ると言えます。
当然かもしれませんが、初心者の方と比べると作業に慣れている方や業者の方が高い効果を発揮することができます。
ただし、今回は初心者の方でも満足な効果が出るように詳しくお伝えしていますので安心してください。今回の方法では満足できない場合には、専門業者に相談してみるといいでしょう。
2-3. 価格差は効果の違いに現れる
自分で施工すれば業者に依頼した場合と比べて10分の1の費用で済ませることもできます。この価格差は、下地処理を含めたコーティング技術の差です。業者に依頼すると、技術料や作業工賃が含まれるため、価格が高くなっているのです。
つまり、価格差はコーティング効果の差に現れるということです。費用はかかりますが、専門業者に依頼した方がコーティング効果は高くなります。
ガソリンスタンドで行っているような2,000円から3,000円程度のホイールコーティングなら、自分で施工することをおすすめしますが、価格よりも効果を重視する方の場合には、専門業者に依頼する方がいいでしょう。
自分で施工される場合には、このあとお伝えする施工方法を丁寧に行うことで効果が高まりますので、しっかりと確認していきましょう。
3. ホイールコーティングの効果
スプレー式のホイールコーティング剤の特徴をまとめると、誰でも簡単に施工することができますが、正しいDIY方法を知らないと満足な効果が得られないということになります。
それでは、ホイールコーティングにはどのような効果があるのでしょうか。ここで改めて確認しておきましょう。
3-1. ブレーキダストや汚れを防ぐ
車のホイールは、ボディーと比べても汚れやすいパーツです。車を走らせる以上は、泥や砂で汚れたり、雨に濡れれば水垢やシミができます。また、ホイール汚れの代表でもあるブレーキダストで真っ黒になったホイールもよく見かけます。
また、ホイールは走行していると熱を持つため、こうした汚れが焼き付いてしまい、洗車では取り除けないことがあります。
そのため、頻繁にホイール洗車をしないと、すぐに輝きを失ってしまいます。
しかし、ホイールコーティングをすれば、こうした汚れを防ぐ効果があります。コーティング剤自体に、防汚性能や撥水性能があるからです。コーティングをすれば、ホイール汚れの心配が少なくなるのです。
3-2. 水洗いだけで汚れが落ちる
コーティングには汚れを防ぐ効果がありますが、全く汚れないわけではありません。コーティング無しと比べると、その差は明らかですが、それでも時間とともに汚れは付着してしまいます。
しかし、こうした汚れも、コーティングをしておけば、水洗いだけで簡単に綺麗にすることができます。ホイールが汚れた時こそ、コーティングの効果が発揮されると言ってもいいでしょう。
3-3. ホイールのツヤと光沢が出る
コーティング剤の種類によっては、ツヤや光沢を出す効果もあります。汚れを落として綺麗にするだけではなく、より一層輝きのあるホイールになります。
また、細かな傷を消すこともできます。コーティング剤が傷を埋めてくれるからです。
3-4. 効果の持続期間は1ヶ月から3ヶ月
スプレータイプのホイールコーティングの場合、効果の持続期間は1ヶ月から長くても3ヶ月程度です。
使用するコーティング剤の種類や車に乗る頻度や環境によっても違いがありますが、これを目安としてください。また、今回は、効果を長持ちさせる方法についてもご紹介していきますので、そちらも確認していただくとコストパフォーマンスも高くなります。
4. ホイールコーティング剤を選ぶコツ
それではいよいよ実際にホイールコーティングに取り掛かっていきましょう。まずは、コーティング剤選びが大切になります。
スプレー式のホイールコーティング剤は何種類も販売されているため、どれを選べばいいのか迷ってしまうと思いますが、選び方のポイントは「適応ホイール」を確認することです。なぜなら、コーティング剤の種類によっては使用できないホイールがあるからです。
特に、メッキ加工やポリッシュ加工などの特殊加工がされている場合には注意が必要です。マット仕上げになっている場合にも、ツヤや光沢が出てしまうため、ホイール本来の魅力を失ってしまいます。
また、塗装されているホイールも同様です。例えば、黒や濃色の塗装がされているものは、白く曇ったような仕上がりになってしまうことがあります。
適応ホイールについては、商品の取扱説明書や注意事項に記載されていますので、十分に確認してから購入するようにしましょう。
5. スプレー式ホイールコーティング剤を使ったおすすめのDIY方法
それでは、DIYでもしっかり効果が得られるおすすめのコーティング方法についてお伝えしていきます。
基本的な考え方は、ホイール汚れを取り除いてからコーティングを行います。丁寧に汚れを落とすことで効果が高まり、長持ちさせることができますので、いきなりコーティング剤を塗らないことが肝心です。
次の道具を用意してから作業にかかりましょう。
- カーシャンプー
- 洗車用スポンジ
- 吹き上げクロス
- 鉄粉除去剤(ホイールクリーナー)
- スプレータイプのホイールコーティング剤
ステップ1:ホイール洗車
まずはホイールについている汚れを洗い流していきます。コーティング後は水洗いでいいのですが、コーティングをする前にはカーシャンプーを利用して、しっかりと綺麗にしていきましょう。
使用するカーシャンプーは、ホイール専用でなくても構いません。ただし、コンパウンド(研磨剤)が含まれていないものを選ぶようにしてください。コンパウンドが含まれていると、ホイールに傷がついてしまうからです。
また、磨き傷が付かないように、洗車用の柔らかいスポンジも用意しましょう。
ホイール洗車の具体的な方法は次の通りです。
① ホースで水をかけて汚れを落とす
まずは、水だけで洗い流せる泥汚れや砂、ホコリなだを取り除きます。水圧で洗い流すイメージです。
こうした汚れを落とす前にスポンジで磨いてしまうと傷の原因になりますので、十分に水をかけて洗い流してください。
② カーシャンプーで汚れを落とす
次にカーシャンプーを利用して、ホイールを洗っていきましょう。バケツにシャンプー液を作り、スポンジにたっぷり含ませながら磨いていきましょう。
その際は、磨き傷ができないように優しく洗磨いてください。スポンジが届かないような場所は、使い古した歯ブラシを使ったり、ホイール専用の細くなったスポンジなどを活用すると便利です。スポークの隙間やナット穴などの細部まで綺麗にしていきます。
ただし、カーシャンプーでは落ちないブレーキダストや鉄粉汚れがあります。こうした汚れは次のステップで取り除いていきますので、強引に洗う必要はありません。
ステップ2:鉄粉除去
ブレーキダストや鉄粉は、通常のカーシャンプーでは落とすことができません。こうした汚れは、鉄粉除去剤を利用しましょう。
ホイールクリーナーと呼ばれるホイール専用の鉄粉除去剤がありますので用意してください。スプレータイプのものがおすすめです。
鉄粉除去方法は次の通りです。
① ホイールクリーナーを吹きかける
ホイールクリーナーをホイールに吹きかけていきます。この時に、ホイール以外にはかけないようにしてください。ボディーはもちろんですが、ホイールの奥にあるブレーキ(ローターやブレーキパッド)にもなるべくかからないようにします。
② 化学反応で汚れが溶け出す
スプレーを吹きかけてしばらくすると、汚れが溶け出してきます。紫色に変色するものがありますが、汚れが落ちている証拠ですので安心してください。
スプレーを吹きかけてからの待機時間は、商品ごとに違うため、取扱説明書を確認してください。
③ ホースで洗い流す
所定時間を待機したら、ホースを使って洗い流します。すすぎ残しはシミなどの原因になりますので、十分に行ってください。
④ 拭き上げる
十分にすすいだら、柔らかいクロスなどを利用して水分を拭き上げてください。隙間の水滴まで取り除いていきましょう。
ステップ3:コーティング
鉄粉除去までできれば、コーティング作業に取り掛かります。
① 脱脂する
脱脂とは油汚れを落とすことです。コーティング剤の定着を良くして長持ちさせるためにも、必ず行いましょう。
脱脂剤やシリコンオフが販売されていますので、こちらを使ってホイールを拭き上げていきます。
② コーティング剤をスプレーする
脱脂が終わったら、ホイールコーティング剤をスプレーしていきます。ムラができないように、均一に吹きかけていきましょう。
商品によっては、吹きかけるだけでコーティング作業が終わるものや、クロスで磨いていくものがあります。商品説明をしっかりと確認して作業を進めてください。
③ 乾燥、硬化させる
コーティング剤は、スプレーした直後から効果を発揮するわけではありません。乾燥したり硬化することによって、コーティングの完成となります。こちらも商品ごとに必要な時間が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
所定時間が過ぎるまでは、車を走らせないようにしてください。コーティングが完成する前に汚れが付着しては意味がなくなってしまいます。
また、雨や水に濡れるとコーティングの完成が不十分となるタイプもありますので、使用方法を十分に確認しましょう。
6. ホイールコーティング後の注意点
コーティング後には、次の注意点を守って頂くと、その効果を長持ちさせることができますので、忘れずにチェックしてください。
6-1. こまめな水洗い洗車が効果を持続させる
コーティング後には、洗車が必要ないと言われることもありますが、これは間違いですので注意しましょう。こまめにホイール洗車を行うことで、効果を長持ちさせることができます。
コーティングをしていれば、水洗いだけですので30分もあれば綺麗になるでしょう。
6-2. 洗車機やホイールクリーナーは使用しない
洗車機を利用するとコーティングまで剥がしてしまうため、手洗い洗車をしましょう。その際は、水洗いをして下さい。ホイールクリーナーや強力なカーシャンプーを使用すると、コーティングまで洗い落としてしまうからです。
定期的に洗車をしていても汚れが落ちなくなってきた場合には、コーティングの効果がなくなっていますので、再度施工するようにしましょう。
7. ホイールコーティングにスプレー式をおすすめする理由とDIY方法まとめ
スプレータイプのホイールコーティング剤の最大のメリットは、誰でも簡単に施工できることです。ホイールにスプレーするだけで汚れを防いだり、水洗いだけで汚れが落ちるようになります。さらに、ホイールのツヤや光沢まで出すことができます。
ただし、コーティング剤の選び方や施工方法にはコツがあります。DIYでホイールコーティングをすれば、業者に依頼するよりも費用を抑えることができますが、今回お伝えしたコツを知らなければ無駄になってしまうのでよく確認しながら施工してみましょう。
また、DIYでのホイールコーティングに満足できない場合には、専門店に相談してみるのもいいでしょう。その際にはガラスコーティングがおすすめです。防傷性能、防汚機能、耐久性に優れているため、大切なホイールをいつまでも綺麗に維持することができますし、ブレーキダストも簡単に落ちるようになります。