ホイールは路面に一番近く、汚れも傷もつきやすい箇所です。車が走ればブレーキダストが出ますので、ホイールは汚れやすいです。ホイールコーティングをしておくと洗浄が楽になりますが、ホイールのコーティングには何を使うがいいでしょうか?

自分で施工する場合、たくさんの市販のコーティング剤があるので、自分の用途に合わせて必要なものを購入されれば良いと思いますが、最近はガラスコーティングをする人が増えてきています。

ディーラーさんにガラスコーティングを勧められたことがある人も少なくないと思いますが、ガラスコーティングと他のコーティングはどう違うのでしょうか?

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1. ガラスコーティングとはどういうものか?

ガラスコーティングは、ガラス(ケイ素)の成分を化学結合させて塗装表面を覆い、皮膜を作り、定着させます。硬度が高く、耐熱性にも優れています。形成された膜が長持ちしますので、細かい傷などがつきにくく、耐久性があり、長持ちしますので、メインテナンスの頻度は減って楽になります。

ガラスコーティングは親水性で、コーティングされている分子が水と馴染んでから、水の重みで分離して流れていきます。その時に水と一緒に汚れも流れていきます。汚れと一緒に水が離れるので、汚れが落ちて表面がきれいになるという仕組みで、汚れがつきにくくなります。

ただしコーティングが劣化してくると撥水性となってきます。そうなると汚れと一緒に水が流れ落ちることがなくなり、そのまま乾燥してしまえば、汚れが付着してしまいます。コーティングと混じり合っていますので、その後取り除くことが大変になり、ウォータースポットとして残ります。

ガラスコーティングをしたらもう洗車しなくてもきれいなままだと思っている人がいますが、それは違います。どんなコーティングでもメインテナンスを怠ると汚くなります。コーティングをしたら汚れなくなるのではなく、汚れはつきます。なので洗車は必要です。

ガラスコーティングは硬度が高いですから、傷や汚れがつきにくく、落ちやすいです。

細かい擦り傷は見えなくなりますが、長持ちする分、コーティング前にきちんと磨いて傷をなくしておくといいでしょう。

コンパウンドやポリッシャー、バフなどを使って、きれいに磨こうと思うとそれなりの技術がいります。手間もかかりますし、自分でするよりも専門業者に頼む方が仕上がりもきれいになります。

一回のコーティングで1~5年ぐらい持ちます。だいたい年1回ぐらいと思えばいいでしょう。

1~5年とはずいぶん差があるじゃないかと思われるでしょうが、どこをどのぐらい走るか、どのようにメインテナンスをしているか、どこで保管するかなどにより違ってきます。雪国で融雪剤が道路に巻かれているような地域では劣化も早くなります。

コーティングを施工している業者によっては、3~10年保証を行なっているところもあります。

コーティング専門業者でなくても、カーディーラー、ガソリンスタンドなどでも施工しています。

ガソリンスタンドは早くて安いですが、ポリマー系やガラス系コーティングの場合もありますので、確認が必要です。

1-1. ガラスコーティングのメリット

ガラスコーティングを施工することで得られるメリットは、ブレーキダストなどの汚れや傷がつきにくくなることと洗浄が容易になることがあります。汚れがつきにくくなり、落ちやすくなるので、少ないメインテナンスで車をきれいな状態に保つことができます。

コーティング皮膜が長持ちし、ワックスをかけなくてもツヤが持続します。

1-2. ガラスコーティングのデメリット

ガラスコーティングは他のコーティングと比べると費用がかかります。

業者に頼む場合は、2万円ぐらいから20万以上と金額の幅は広いです。車種やメーカー、大きさ、どのぐらい乗っているのかなどによっても違ってきますが、5~10万ぐらいが妥当でしょう。

完全硬化まで時間がかかりますので、業者に頼む場合は数日かかることがあります。

自分で市販のガラスコーティング剤を買って行う場合は数千円で買えますので、費用はかなり安くなりますが、事前の洗浄や傷消し作業の手間があります。

2. ガラスコーティングにはどんな種類があるのか?

ガラスコーティングにもいろんな種類があります。

親水性、撥水性、渇水性、疎水性、超撥水性などがあります。

完全なガラスコーティングは親水性で、耐久性が他のコーティングよりも長く、持続性が全然違います。

市販されているガラスコーティング剤はプラスチック容器ではなく、ガラスのビンに入っています。化学反応で硬化しますのできちんと保護する必要があるからです。またスプレーになっているものもありません。

スプレー商品で「ガラス繊維配合」「ガラス繊維配合」と書いてあっても、それはガラスコーティング剤ではないので気をつけましょう。

購入する前に、専門業者に聞いたり、インターネットで買うなら、お客のレビューを読んでいい評価のあるものを選ぶなどして、自分に合うものを探しましょう。

2-1. ガラスコーティングとガラス系コーティングの違いは?

ガラスコーティングは親水性なので、水を撥水することはありません。水が馴染んで汚れと混ざり合い、水と一緒に落ちていくので汚れがつきにくくなります。

ガラス系コーティング剤には、シラン、ポリシラザンベース、ガラス繊維ベースや、シリコンベースなどがあります。

市販のガラス系コーティング剤には、ポリマーにガラス繊維が入ったものが多いようです。この場合は樹脂なのでガラスコーティングほどの耐久性はありません。

その他には、ガラスコーティングに他の成分が入ったものがあります。

中にはガラス系と称しているだけで、成分が違うものもあります。あまりに安価な商品や聞いたことのない商品を買ってボディにシミが残ったりするよりは、大切な愛車を守るためにしっかりとコーティング剤を調べてから購入したいものです。

ガラスコーティングは、ガラスの主成分の二酸化ケイ素が塗装表面と化学反応を起こすことで皮膜を作り、硬化します。もちろんガラスコーティングの方がガラス系コーティングより硬化度も高く、耐久性があります。

ガラス系コーティング剤もポリマーコーティングやフッ素系と比べると、持続性、耐久性に優れています。

ただし市販のコーティング剤は粗悪なものから品質の優れているものまでいろいろですので、購入時にはよく注意して買いましょう。

また業者によっては、「ガラスコーティングをします」と言いつつ、実際は「ガラス系コーティング」の場合もあります。その点、注意しましょう。

2-2. ガラスコーティングとポリマーコーティング、ワックスとの違いは?

ガラスコーティングとポリマーコーティングとの大きな違いは、その耐久性にあります。

ガラスコーティングのコーティングは硬く傷がつきにくく、耐久性があります。そのため、メインテナンスの頻度がポリマーに比べると楽になります。半年~1年に1回ぐらいです。しかし値段は高くなります。

ポリマーコーティングはシリコンやフッ素などの樹脂を使用しています。

艶が出るので傷が目立ちにくくなります。傷がついたとしてもポリマーを塗ると傷が目立たなくなります。ガラスコーティングと比べると劣化が早く、環境によって違いますが、持続性は3ヶ月~半年ぐらいです。市販のコーティング剤も多く、自分でも簡単に施工でき、業者に頼んだとしてもかかる費用も安くなります。

ワックス系コーティングの主成分は油脂ですから、熱に弱くなります。

コーティング自体、弱いです。熱で溶けたところにゴミが付着してしまいます。そして、夜や日陰など気温が下がると、溶けたワックスが硬化します。その時にワックスと一緒にゴミが硬化してしまいます。そしてどんどんと黒ずんできて、拭き残した部分がわかるようになります。

月に何度も手入れをしないときれいな状態が長続きしませんので、面倒くさいです。耐久性もありません。

主成分が油のワックスやポリマーは水をはじき返します。

その時に水玉ができて、それが乾いてくと、ウォータースポットとなっていきます。

ガラスコーティングは水玉を作る代わりに、混ざり合って流れ落ちるので、塗装面へのダメージが少なくなります。しかし、ガラスコーティングも汚れがついてくると撥水性になっていきます。そうなると同じことが起きます。

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3. ホイールコーティングに適したコーティング剤は?

ホイールは地面と接触していて、車の中でも一番衝撃を受けやすいところです。飛び石が当たったり、ブレーキダストも出ますので、汚れや傷がつきやすい環境にさらされています。

ホイールに傷をつけたくない、硬い皮膜でホイールを守りたいという場合は、ガラスコーティングがいいでしょう。また欧州車の場合はブレーキダストの汚れがかなりですから、ガラスコーティングをしておくことで汚れをつきにくくすることができます。

ホイール専用の高硬度な皮膜を形成するガラスコーティング剤もあります。ボディに施工するガラスコーティングよりも、硬度が高い皮膜で覆います。ガラスコーティング剤に含まれるケイ素の分量もいろいろですので、ケイ素量が高いものを選ばれるとより高硬度となります。

光沢や艶が欲しい場合は、ポリマーコーティングか、ワックス系がいいでしょう。

4. ホイールガラスコーティング剤の施工方法

購入されたコーティング剤の使用方法をよく読んで行ってください。

ここには1例としてあげておきます。だいたい同じ流れになるでしょう。

  1. ホイールをシャンプーでしっかりと洗い、汚れや油脂を落としてきれいな状態にします。
  2. その後、水分をしっかりと拭き取ります。プラスチック容器ではなく、ビンに入っているガラスコーティング剤は、水分を含むと定着しなくなります。完全に吹き上げて、十分に乾燥させましょう。コーティング中に水が落ちてこないようにします。
  3. ペーパークロスや専門のスポンジにコーティング剤を含ませ、できるだけ薄めに塗り伸ばしていきます。塗り残したところや液が厚く塗られたりたまったりしないよう薄く塗り伸ばしていきます。
  4. 塗り終わったら、乾いたクロスでよく吹き上げ、皮膜を均一化させます。ムラにならないようにしっかりと吹き上げて、コーティング剤を拭き取ります。
  5. 硬化させるのに必要な時間はホコリや水がつかないように気をつけます。気温が低いと効果も遅くなります。少なくとも1日は雨のあたらない屋内に置いておきましょう。
  6. コーティングを重ね塗りする場合は、日をおいて、また手順の1から行います。一度に厚塗りするとムラになりやすいです。

5. ガラスコーティング後のメインテナンス

ガラスコーティングを施工した後は、普通の汚れは水洗いで落ちます。ひどい汚れはシャンプーなどで洗浄しましょう。汚れがこびり付いてしまう前に洗浄するようにすると、コーティングも長持ちします。

シャンプーをする時は多めに水をかけて汚れを浮かせ、泡だてたシャンプーを車に塗布します。強くこすらないように気をつけ、汚れを落とします。その後、水をかけてシャンプーを落とします。シャンプーが残って乾いてしまうとシミになりやすいですので、きれいに洗い流しましょう。

そして水分を拭き取ります。水滴が残るとウォータースポットの原因になりますので、残らないように吹き上げます。この時も強くこすり過ぎないように気をつけましょう。

6. まとめ

ガラスコーティングは傷がつきにくくなることと、洗浄がしやすくなることがメリットとなります。デメリットは金額が高くなることです。

ガラスコーティングをしても洗車は必要ですので、間違えないようにしましょう。

ガラスコーティングをしてもメインテナンスをしなければ、その効果は持続しません。汚れはその都度洗い流すようにしていると、ガラスコーティングの効果も持続し、愛車がいつもピカピカの状態になります。

コーティングはポリマー系がいいという人もいますし、人それぞれニーズが違います。自分の用途にあったコーティングを求められることをお勧めします。ガラスコーティングに興味がある人は専門店に行って相談されるといいでしょう。

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