- コーティングで重要なのは実は「下地処理」
- DIYにおすすめのコーティング剤を紹介!
- 下地処理とコーティングの手順
車の艶出しや車を綺麗に保つために、車のコーティングを考えている方がいらっしゃると思います。これまでは単なる洗車だけだったり、ワックスで車にツヤを出していた方も、コーティングの評判を聞いて気になっているかもしれません。
コーティングは専門業者に依頼して質の高いガラスコーティングを施工する場合は数万円〜20万円以上のものもありますが、市販のコーティング剤でDIYで施工すれば、ざっと1万円〜2万円以内でDIYでは十分なくらいのガラスコーティングが施工できます!
この記事では、コーティング専門業者に任せるのではなく、自分(diy:do it yourself)でやってみよう!という方のために、車をdiyでコーティングする方法と概要を解説していきます。
- コーティング費用を抑えたい
- 自分で大切に車を綺麗にしたい
という方におすすめです!
1. 自分でコーティングする前に押さえておくべき3つのこと
①作業の流れ
まず、自分でコーティングを施工する際の全体の流れを解説します。全体の流れをある程度把握することで、作業に必要な時間の確保や、どんなアイテムが必要かわかるようになります。
- 下地処理
- コーティング施工
- 施工後の定期メンテナンス
大まかには3つの流れになりますが、それぞれに要する時間は、
コーティング施工:1〜2時間程度
定期メンテナンス:1時間程度を月に1回
DIYコーティングが初心者の方は、このくらいの時間を想定しておくと良いです。普段から洗車などのメンテナンスを行なっている方は、これよりも短時間で施工できると思います。
ここからは、
- 下地処理
- コーティング施工
- 施工後の定期メンテナンス
それぞれの目的と作業の手順をお伝えします。
②コーティングは「下地処理」が最も大切
コーティングをする前に、車の状態を綺麗に整える「下地処理」を行いましょう。「下地処理」をしっかりやらないと、コーティング剤の定着が悪くなってしまったり、コーティング剤の本来の効果を発揮させることが出来なかったり、仕上がりに悪影響を及ぼしてしまいます。
これはDIYに限らず専門店でも同じで、たとえ質の良いコーティング剤であっても、下地処理の状態が悪いと効果が全く変わってしまいます。
この下地処理ですが、専門業者にお願いすると5万円~10万円程費用がかかってしまいます。そのくらい職人による手間がかかる作業なのです。
ただ、DIYでもコーティングの施工に影響がないくらいの下地処理は十分に可能です。ピカピカレインなどのガラスコーティングでは、カーシャンプー(普通の洗車)のみでOKというコーティングもあるので、安心してください。
下地処理の主な工程
- 洗車(水垢落とし)
- イオンデポジット除去
- 鉄粉除去
- 磨き
- 脱脂
この5工程です。
新車や普段からメンテナンスをしっかりしているなど、ある程度ボディの状態が良い車の場合は、下地処理の手間は軽減されます。
新車でも下地処理は必要?
新車の場合でも下地処理は必要です。ディーラーの在庫時の状態にも左右されますが、細かい埃や砂などや、ワックスなどの油脂はどうしても付着しているので、しっかり下地処理で落とす必要があります。
コーティングは、コーティング剤を車のボディ(クリア層)に密着させて皮膜を作ります。そのため、ボディに付着物が残っていると、液剤の密着度が弱くなり、コーティングの性能が落ちてしまうのです。
③市販のコーティング剤のタイプ
2. 自分(diy)で下地処理をする手順を解説!
①洗車
最初に水洗いで、泥汚れなどを大まかに落とします。その後カーシャンプーを使って水洗いでは落ちなかった汚れを落とします。
よく、ガソリンスタンドなどで大量のカーシャンプーをもこもこ使ってゴシゴシ洗車をしているシーンをみかけますが、必要以上のカーシャンプーの使用はオススメしていません。
カーシャンプーはしっかりと流し落としたと思っても実は残留物が多く残ってしまいます。流しきれなかったシャンプーの残留物は黒ジミや汚れの原因になってしまうので、極力残したくはありません。
残留物を残さないためには最初から使いすぎないことが一番です。車の汚れは水洗いだけで落ちるものも多いので、まずは水洗いで落ちる汚れを落とします。そのあと、水洗いでも落ちなかった汚れを落とすために少量のカーシャンプーを使って洗車を行います。
一般的に洗車は洗車用のスポンジを使いますが、スポンジは目の粗さによってはボディに傷をつけてしまうので、オススメしていません。
なので、洗車は傷がつきにくい「洗車用マイクロファイバークロス」を使うことで、傷がつきにくく、かつ汚れが落ちるようになります。
②イオンデポジット除去
③鉄粉除去
鉄粉とは、鉄分が含まれる埃や塵のことを言います。鳥の糞や小動物や虫の死骸など、粉塵、アスファルト、砂が砕けて生成されます。こういった鉄粉は、塗装面に食い込んだ状態で付着しているため、専用の粘土でないとなかなか落とすことができません。
手間をかけれない方は、鉄粉除去用のシャンプーも存在しますので、①の作業と同時に鉄粉除去をすることも可能です。ただ、確実に鉄粉を除去したい場合は、やはり粘土を使うのがおすすめです。
粘土の使い方は、まず扱いやすいサイズにちぎって、手で揉んで柔らかくします。そして、ボディに水をかけながら、粘土を塗装面に対してやさしく滑らせるように軽くこすります。この時、粘土を同じ方向に滑らせることで鉄粉によるひっかき傷がつきにくくなります。
これをボディ全体、細かい所までやり、塗装面を触ってみてザラザラしなくなったら除去できているということになります。
④磨き
車の塗装面には、洗車傷など細かい傷がついています。この傷でできた凸凹を均すのが、コンパウンド剤による磨き作業になります。コンパウンド剤を使って、塗装面を薄く削り、傷を目立たなくするということです。車の塗装面へのコーティング剤の密着度を高めるために、この凹凸をならして平面化するのです。
磨き作業は下地処理として省いても差し支えない工程ですが、よりコーティングの性能を引き出し、ボディをピカピカに仕上げたい場合は、この磨き作業は行いましょう。
こちらは実際に磨き作業を行なった車です。ビフォーアフターの写真をご覧いただいてわかると思いますが、磨き作業だけでもボディに輝きが戻っているのがわかると思います。
磨き作業は市販されているコンパウンドを使えば初心者でも作業は難しくはありません。一般向けにボディが傷つかないような液剤を使っているので安心して作業ができます。
・マスキングテープで、ゴム周りやライト周りを保護する
コンパウンド剤はゴムや樹脂部分に残りやすいため、事前にマスキングをしておくと、磨く時に細部の注意を払わなくてすむので楽になります。
・細かい範囲で徐々に磨いていく
スポンジ等にコンパウンド剤をつけ、力を入れて磨いていきます。一般的には、30㎝平方程度の範囲で少しずつ磨いていくとうまくいきます。鉄粉除去の時とは異なり、縦と横の両方向で磨いていきます。(ポリッシャーを使う場合は例外となります)
・拭き上げる
磨いていくうちに、コンパウンド剤が乾いてきます。細かい範囲を磨き終わったら、コンパウンド剤が残らないように、別のクロス等で拭き上げていきます。吹き上げた後、まだ傷が残っていたら、もう一度コンパウンド剤をつけて磨きます。
【中級者向け】電動ポリッシャーを使う
コンパウンドで磨く作業は力を込めて磨く作業なので、疲れやすく、何より時間がかかります。その解決策としては「電動ポリッシャー」を使うことで作業性が良くなります。
そもそも、この磨き工程は、小さい傷でできた凹凸を均すための工程です。電動の場合、均一の力で磨くことができるので、磨きムラをなくし、より綺麗に均すことができます。
疲れず、短時間でできることと、金額も家庭用はそれほど高いものではないので、磨き工程をされることを考えているのであれば、持っておくのをお勧めします。
・コンパウンド剤の選び方
この磨き工程がdiyでもうまくいくかどうかは、コンパウンド剤選びにも関わります。磨き作業はコンパウンド剤で車のクリア層の表面をかなり薄く削るので、初心者の場合は、粒子が細かいものを選ぶと良いでしょう。粒子が細かいコンパウンドは力を入れても簡単には削られないので、傷を増やしてしまうこともなく、失敗しにくくなります。
④水洗い洗車
最初の洗車を行なってから、ボディにはカーシャンプーやイオンデポジット除去剤、コンパウンドなどの溶剤が付着しています。その都度拭き取ったように見えてもボディには残留物があるので、しっかりと水洗いで流し落とします。
この水洗いの工程でもマイクロファイバークロスを使ってボディを撫でるようにして洗うと、残留物をより落としやすくなります。
⑤脱脂
脱脂は車のクリア層の油分を除去する工程です。クリア層にはこれまでに施工したワックスやコーティング剤、その他油汚れが必ず付着しています。新車の場合も、輸送や移動の間で油分が付着してきますし、経年車や中古車は古い油汚れが付着しています。
また、下地処理で使ったカーシャンプーやコンパウンドの中にも油分が含まれているので、それらの油分を落とすためにも脱脂作業は必須の工程です。そして、脱脂作業は下地処理の中でも一番重要な工程になります。
綺麗に油分が取り除かれていれば、クリア層にコーティング剤がぴたっと密着し、よりコーティング剤の性能が高まります。光沢や艶の出方が変わってきますし、持続期間にも影響します。
脱脂は洗車後に行います。コンパウンドをする場合はコンパウンド後に洗車した後にする必要があります。
簡単に済ませたい場合は脱脂シャンプーを使う手もありますが、「シリコンオフ」などの脱脂剤を使うのが一般的です。マイクロファイバークロスを何枚か用意し、クロスに脱脂剤を染み込ませてボディを拭いていきます。
その後濡れた状態が乾いてしまわないうちに、感想しているクロスで脱脂剤を除去していきます。この作業も小さい面積毎に除去すると作業がやりやすいです。
3. 自分(diy)でコーティングを施工する方法
下地処理が終わったらいよいよコーティングの施工です。通販や量販店などで自分でコーティングを施工するための液剤が販売されていますが、選ぶポイントは「コーティングの性能×施工のしやすさ」です。
コーティングの効果が高くても、一般の方が施工できない液剤ではDIYにならないですし、一般の方が施工しやすくてもコーティングの効果がなければこちらも意味がありません。我々の市場調査では、市販品は後者の「施工しやすいけど効果が薄い」という商品が多いです。
そんな中で「コーティングの性能×施工のしやすさ」のバランスが良いのがピカピカレインを使ってデモ車のヴィッツを施工た際の手順を解説します。
ガラスコーティング剤のコーティング手順
①準備
市販されているコーティング剤は、「スプレータイプ」か「液体を塗布する」タイプに別れています。それぞれ、施工するにあたって必要なものは付属されているので、付属のアイテムを使って施工します。
「ピカピカレイン」「E-Drive」などの硬化型ガラス皮膜を形成するコーティング剤には、マイクロファイバークロスと施工用のスポンジが付属されています。
また、「ジェネシス」「シーシーアイ(CCI) 」などのスプレータイプには拭き上げ用のマイクロファイバークロスが付属されています。
②コーティング剤を塗布する
ここからは硬化型ガラスコーティング使った場合の施工方法を解説していきます。
まず、付属のスポンジにコーティング剤をつけて、小さい範囲(50㎝四方程度)で塗っていきます。小さなブロックごとに液剤を塗布していき、塗りムラが出ないようにしっかりとマイクロファイバークロスで拭き上げます。
※細かい施工方法は各メーカーが出しているコーティング剤によって異なるので、必ず施工マニュアルを確認してから施工するようにしてください!
③ボディ全体に液剤を塗布する
小さなブロックに分けながら、ボディ全体に液剤を塗布していきます。最初は慣れない作業なので時間がかかるかもしれませんが、半分くらい施工した頃には液剤の特徴や要領を掴めるようになるので、スピードも早くなってきます。
しかし、慣れてきた頃にはケアレスミスも起きがちですので、丁寧に施工することだけは忘れないでください!
④塗り残し、拭きムラがないか確認する
一通りボディの施工が終了したら、全体を見渡して塗り残しがないか、拭きムラがないか、もう一度確認します。この時、懐中電灯などを使って光を当てながらチェックするとより見やすくなります。
⑤施工終了、コーティング皮膜の硬化を待つ
施工が終了したら、液剤の仕様にしたがってコーティング皮膜の硬化を待ちましょう。ちなみに、ピカピカレインの場合は表面硬化するのに12時間かかります。表面硬化するまでは水に濡らさないように注意してください。
その他の商品も必ず注意書きがあるはずですので、確認するようにしてください。
ちなみに、「ピカピカレイン」「E-Drive」硬化型ガラスコーティングを施工した場合、一度施工に使用したスポンジとマイクロファイバークロスは2回目は使えなくなります。施工に使用したスポンジとクロスにはコーティング剤が付着しているので、繊維が硬化してしまいます。
二度目に使ってしまうと、硬化した繊維でボディを傷つけてしまうので注意してください。
結論:DIYコーティングはカーライフを充実させる!
コーティングを自分(diy)でやるには、まず、下地処理に力を入れた方がいいこと、ガラスコーティングは、初心者にはハードルが高いことを説明しました。下地処理では、脱脂作業が最も重要になります。①洗車②鉄粉除去③磨き④水洗い洗車⑤脱脂⑥コーティング作業という工程になります。自分(diy)でやることで、コーティングを安く施工することができます。