2年に一度の車検もついに13年目となると、「車検を受けるべきか」それとも「買い替えた方が得なのか?」と悩みますよね?噂では「13年目になると車検費用が高くなる」なんて話も耳にします。せっかく長く乗り続けてきた車ですから手放すのは勇気がいるものですが、もしも車検が高くなるという話がホントならちょっと心配です。
でも本当に13年目の車を車検に通すと高くなるのでしょうか?もしも車検に出すとしたら、事前に知っておかなければいけない注意点などはないのでしょうか?
そこで今回は、車検13年目の今だからこそ知っておきたい車検のポイントと買い替えの目安について解説していきます。
1. 13年目の車検を受ける時の注意点
こまめに整備をしてきた車でも、13年目となると細かな部分で整備が必要になります。もしもあなたの車がエコカー対応車でなければ、「エコカー減税対象車外」とされてしまい税金の負担も増えます。
でも13年も大切に乗り続けてきた車ですから、故障が原因でなければ最後まで乗り続けたいというあなたの気持ちも分かります。そこでまずは「13年目の車検」に関する注意点を見ていきましょう。
1-1. 13年落ちの車の車検費用
車検を通すということは、新しい車検証と古い車検証を交換するだけではありません。整備費用も必要ですが、陸運局で車検を受けるための手数料なども必要になります。実際にはこれら全てをまとめて「車検」というのですが、詳しくみてみると全部で5つの項目があることが分かります。
①自賠責保険料
自賠責保険料は、車を所有する人が必ず加入しなければいけない保険です。任意保険とは違い自賠責保険の場合は、「あなたが事故を起こした時の被害者に対する賠償のための保険」です。ですから車を所有する以上、どんな理由があっても必ず入らなければいけない強制保険です。
車検を業者に依頼すると車検費用の中に自賠責保険料が含まれているのですが、ユーザー車検の場合は自賠責保険の加入手続きも自分で行わなければいけません。ちなみに自賠責保険に加入したことを証明する自賠責保険証がなければ車検は通りませんので、自賠責保険料も車検費用の一部として考えます。
②検査手数料
ここで説明する検査手数料は、「陸運局で車検を受ける時の手数料」を言います。実際に検査を合格するための整備・点検などの手数料ではありませんので、これも車検費用として必ず必要になります。検査手数料は車の種別によって料金が異なります。
③登録手数料
陸運局での検査をクリアしたら車検を通ったことを証明する新しい車検証の発行をしてもらう必要がありますが、その手続きに必要となる手数料が登録手数料です。登録手数料は手続きの内容によって料金が異なります。
④自動車重量税
自動車重量税は、車の重量や種類、経過年数に応じて課税されます。自動車重量税は毎年支払うものではなく、車検または新規に車を登録する際に納めます。ですから車検の費用には、必ず自動車重量税が含まれます。
⑤整備料・車検代行料
陸運局での検査の基準はかなり厳しいです。そのため確実に1階で車検を通したいのであれば、基準よりもワンランク上の整備をしておく必要があります。しかも車検を通すには必要となる書類の数も多く、さらに手続きも複雑で手間がかかります。
こうした手間を一手に引き受けてくれるのが、ディーラー車検や民間車検です。ユーザー車検の場合は、全てを自分で行いますから業者への整備料や車検代行料などはかかりません。とはいえ陸運局自体が平日の昼間にしか開いていませんから、時間的に余裕がある上に車に詳しい人でなければユーザー車検を利用する人はいないでしょう。
そのため一般的には、「整備料」「車検代行料」も「車検費用の一部」として考えます。
1-2. 13年落ちでも車検は毎年ではなく2年ごと
「13年目の車の場合は1年ごとの車検になる」という噂をよく聞きますが、これは間違いです。たとえ13年落ちの車であっても、一定の基準をクリアしている車の場合の車検は2年おきです。
初回登録が昭和63年以前の場合は注意が必要
実は車検を通す期間を定めた法律が、昭和63年7月1日以降に変わりました。これによって現在では、最初の車検のみ3年間となり、その後は2年ごとの車検となります。
ただし昭和63年以前に初回登録した車については、新規登録をしてから10年経った車は1年ごとの車検となっています。ですから昭和63年以前に新車で購入した車に乗っている場合は、登録から10年を超えた車検は全て1年ごとに行う必要があります。
2. 13年目の車検費用が高くなる理由
13年落ちの車検となると、「これまでの車検よりも費用が高くなった」と感じる人が多いです。では13年目の車検費用が高くなる理由はどこにあるのでしょうか?
2-1. 車検時に払う自動車重量税が高くなる
13年目の車検であっても、車検の間隔が「2年→1年」になることはありません。でも13年目になると、車検を通す際に支払う自動車重量税が15パーセント高くなります。
例えば1000㎏以下の車を例に挙げてみましょう。
1000㎏以下の車の場合、新規登録から13年目までは16,400円です。ところが13年落ちの車になると自動車重量税は22,800円に値上がりします。軽自動車の場合は差額が6,400円で済むのですが、自動車重量税は排気量によって納税額が決められていますから排気量が多い車を持っている人ほど差額が大きくなります。
2-2. 13年経過後の自動車重量税早見表
13年経過後の自動車重量税の早見表は次のようになります。
車両重量 | 13年経過の車 | 18年経過の車 |
~500㎏以下 | ¥11,400 | ¥12,600 |
~1000㎏以下 | ¥22,800 | ¥25,200 |
~1500㎏以下 | ¥34,200 | ¥37,800 |
~2000㎏以下 | ¥45,600 | ¥50,400 |
~2500㎏以下 | ¥57,000 | ¥63,000 |
~3000㎏以下 | ¥68,400 | ¥75,600 |
2-3. 修理・交換費用が高くなる
こまめに点検・整備を行っていた車だとしても、13年もたてばいろいろな部品が劣化します。陸運局での検査は、どのような車であっても安全に走行できることを目的にしていますから、細かな部分も厳しくチェックします。
そのため13年落ちの車で普段の走行に問題を感じていない場合でも、様々な部分で部品の交換や修理が必要になります。しかも型式が古くなれば、あなたの車に使われている部品がすでに生産中止になっている場合も考えられます。
もちろんこうしたケースにも対応できるように、各整備工場では高い技術と経験を持ったメカニックがいます。でもいくら技術と経験があっても必要な部品を手に入れなければ、整備・修理はできません。陸運局での検査をクリアし、さらにあなたの車に合う部品を工場以外の場所で見つけるとなれば手間もかかります。ですから修理や交換の費用も高くなります。
つまり一言で説明するならば「低年式車は修理・交換費用が高くなる」ということです。だからこそほとんどの人が「13年目の車検を受ける・受けない」で悩むのです。
3. 13年目から自動車税も高くなる
実は13年目の車となると、自動車重量税以外にも高くなるものがあります。それが自動車税です。年式が古い車となると、その分燃費が悪くなります。つまり「燃費の悪い車=環境にも悪影響がある」ということになるため、年式が古くなるほど自動車税は高くなります。
通常のガソリン車の場合、自動車税が高くなるのが13年目の車です。ちなみにディーゼル車の場合は11年目の車から自動車税が重課されます。
3-1. 13年経過後の自動車税早見表
13年経過後の自動車税の早見表は以下のようになります。
車両重量 | 13年経過の車 | 18年経過の車 |
~500㎏以下 | ¥10,000 | ¥12,600 |
~1000㎏以下 | ¥20,000 | ¥25,200 |
~1500㎏以下 | ¥30,000 | ¥37,800 |
~2000㎏以下 | ¥40,000 | ¥50,400 |
~2500㎏以下 | ¥50,000 | ¥63,000 |
~3000㎏以下 | ¥60,000 | ¥75,600 |
4. 車検か買い替えどっちがおすすめ?13年目の車の維持費を比較
13年落ちの車を車検に通すべきか、それとも買い替えが良いのかについては「あなたの判断次第」です。でも買い替えをせずに車検を通すとなれば、買い替えた時の車の維持費に大きな違いが出てきます。
4-1. 13年目の車の維持費
13年目の車の場合は、自動車税が上がるため結果として維持費が高くなります。13年目以降からは、それまでの自動車税と比べて10パーセント重課(高くなる)されます。
自動車税は毎年納税しなければいけませんから、割高になった分負担は大きくなります。さらに2年ごとの車検時に納税しなければいけない自動車重量税も13年目以降と未満の車では大きな違いが出ますので、トータルで見てもかなり割高です。
4-2. 経過年数10年未満の車に買い替えた時の車の維持費
新車ではなく経過年数が10年未満の中古車に買い替えた場合は、こまめにメンテナンスを行っていれば新車を購入するよりも維持費はかなり抑えられます。ただし13年目以降からは自動車税などが重課されますので、買い替えのタイミングを計ることも大切になります。
4-3. エコカー対象車に買い替えた時の車の維持費
エコカー対象車の場合は、「エコカー減税」が受けられます。エコカー減税は「排出ガス性能」と「燃費性能」に優れた自動車が対象となっています。そのためエコカー対象車に買い替えると、購入した翌年の自動車税がエコカー減税によって安くなります。
またエコカー対象車は燃費性能が優れていますので、通勤・通学などで普段から車を使っているという人にとっては長期的に見てもかなりお得です。車の購入価格はエコカー対象外の車と比べて割高ですが、長く乗り続けていくことを考えているのであれば「もっとも維持費が安くなる」といえます。
4-4. 13年目の車は売れるのか?
13年目の車であっても、車の状態によってはきちんと売れます。「車の状態が良い」「経過年数の割には走行距離が少ない」「人気がある車種」のいずれかであれば、廃車にするよりも買取してもらった方が断然お得です。
ただし「走行距離が10万㎞以上」「状態が良くない車」の場合は、買い取りよりも下取りしてもらった方が得をすることもあります。
いずれにしても業者によって判断に違いがありますから、一度買取査定をしてみることをおすすめします。
5. まとめ
13年目の車は「車検を通す」「買い替える」を判断する良いタイミングです。13年以降は、毎年の自動車税も変わりますし車検時の重量税も変わります。今後の生活スタイルなどとも合わせて考えてみるのが、13年目の車の車検のポイントといえるでしょう。