新型車や高級車のヘッドライトにはLEDライトが使われることが当たり前になってきました。少し前まではレクサス、アウディ、メルセデス、BMWなどの高級車に搭載されて話題となりましたが、今では国産車にまで搭載されています。
きっとあなたも、かっこよくて高級感があり明るいLEDライトの車に乗りたいと密かに思っているのではないでしょうか。でも愛車がハロゲンランプだからといって簡単に新車を購入することもできませんよね。
それなら愛車のヘッドライトをLED化してみましょう。実は、初心者にもできるほど簡単に交換することができるのです。
ただ、これまでにも様々なカスタムを試してみたけど失敗も多く、無駄な出費になったと後悔されている方も多いので、今回は失敗したくないと考えていらっしゃるでしょう。
そこで、ここではヘドライトのLED化に失敗しないために必須な情報をわかりやすくお伝えしていきます。LED化の魅力から交換方法、失敗しないLEDバルブの選び方までわかるようになっています。
最後までご覧いただくと今すぐ簡単にLED化することができて、流行にも取り残されないかっこいい愛車に変身させることができるでしょう。
1. 新型車、高級車に使われているLEDヘッドライトの4つの特徴
LEDヘッドライトには、今までのハロゲンライトやHIDライトとは異なる特徴があります。高級車への搭載は常識となっていることを考えれば当然かもしれません。そんな流行のLEDヘッドライトには、次の4つの特徴があります。
1-1. 高級感がある純白の発光色
まず一つ目の特徴は高級感です。LEDヘッドライトは濁りの無い綺麗な純白の発光色になります。
黄色みのあるハロゲンランプと比べれば、その高級感は比べ物になりませんし、青みがかったHIDは上品さに欠けることもあります。
もちろん好みの違いはあると思いますが、高級車にも多く採用されていることを考えれば、高級感の演出を担っていると言ってもいいでしょう。
1-2. すぐに明るくなり寿命が長い
LEDヘッドライトはドレスアップ性だけではなく、機能性にも優れています。その一つがヘッドライトを点灯してからの立ち上がりの速さです。
特にHIDは立ち上がりが遅いといわれ、点灯から明るくなるまでに10秒ほどかかりますが、LEDヘッドライトは点灯直後から明るくなります。
そのため、例えばトンネルに入った時でもすぐに前方を明るく照らすことができるので、視界を悪くする危険がありません。
また、HIDの立ち上がりが遅いのは高電圧をかけて発光していることが原因ですが、最近のオートライト機能によるON、OFFの繰り返しによる負担が寿命を短くすると言われています。
一方で、LEDヘッドライトはこうした心配が無いため、HIDと比べてもライト自体の寿命が長い特徴もあります。家庭の電球をLED電球に交換するように勧められる理由と同じです。
1-3. 省電力、省エネで次世代のヘッドライト
最近は、各国の自動車メーカーがハイブリッド車から電気自動車の開発に力を入れています。日産のリーフを始め、メルセデス、アウディ、BMW、ボルボだけではなく、ポルシェでも開発されています。
こうした電気自動車は、消費電力を抑えることが航続距離を伸ばすためにも必要です。
ヘッドライトを比べてみると、LEDライトはハロゲンランプと比べて圧倒的に消費電力が抑えられ、技術の進歩によりHIDと比べても3~7割程度も省エネになると言われています。
今後、電気自動車が普及していくこと、そのためには消費電力を減らす必要があることを考えると、LEDヘッドライトが主流となるのも納得できます。
1-4. 低発熱の最新装置
LEDヘッドライトが登場した当初は発熱を抑えることが課題でした。この課題を克服しないと、いわゆる熱ダレと言われる状態となり、明るさが保てなくなるためヘッドライトの役割を果たすことができませんでした。
しかし、技術の進歩により現在ではハロゲンランプやHIDよりも発熱を抑えることが可能となり、ヘッドライトとしての性能が向上しただけではなく、汎用性も高まりました。
例えば、発熱量の高いヘッドライトを使用すると、周囲のプラスチック部品を溶かしてしまうなどの弊害がありました。発光量を明るくしようとすればするほど発熱量も高くなり、LEDヘッドライトが取り付けられない車もあったのです。
しかし、フィンやファンなどの冷却装置によってこの課題を克服することができたため、一部の車にしか使用できなかったLEDヘッドライトが、今では軽自動車にも採用されるほど高性能なものとなったのです。
つまり、ここまでお伝えした特徴をまとめると、LEDヘッドライトは高級感の演出だけではなく、省電力で寿命が長く次世代を担う高性能なヘッドライトだと言えます。
2. ヘッドライトをLED化するメリット
ここまでLEDヘッドライトの魅力についてお伝えしてきましたが、現実的にはまだまだハロゲンランプの車が多くなっています。これらの車のオーナーさんは、LEDヘッドライトに憧れているのではないでしょうか。
そこで、車好きの方はヘッドライトをLED化したいと考えます。これまでにもハロゲンランプからHID化した経験のある方も大勢いますが、満足な結果を得られた方ばかりではなく、思ったような効果が得られなかったり、粗悪品に騙されたという方が多いのも事実です。
ここからはヘッドライトをLED化することで得られるメリットについてご紹介しますので、後悔しないためにもしっかりチェックして行きましょう。
2-1. HID化よりも圧倒的に簡単な交換作業
まず一番のメリットとも言えるのが、HID化と比べてLED化は非常に簡単にできることです。
ハロゲンランプをHID化するためには、バルブの交換だけではなく、電圧を調節するバラストの設置や配線技術が必要でした。今までに経験のある方ならよくわかるでしょう。
しかし、LED化ならハロゲンバルブをLEDバルブに交換するだけでいいのです。
ハロゲンランプからのLED化は、DIY経験のある方のみならず、初心者の方でも簡単にできるカスタムなのです。
2-2. 明るさがアップして夜間も安心
ハロゲンランプの暗さや視認性の悪さを改善したいと考えている方が多いと思いますが、LED化すれば簡単に明るさをアップすることができ、夜間の走行もストレスがなくなります。
HID化は難しそうで手が出せないと思われていた方や、複雑なHID化をしたにも関わらず満足な明るさにならなかっという方でも、LED化ならわずか数十分の作業で明るいヘッドライトを手に入れることができるのです。
2-3. ドレスアップ性、実用性、安全性がアップ
LED化のメリットをまとめると、高級感と明るさを簡単にアップすることができることてす。
ただ、今までにもこうした話を聞いていたにも関わらず、いざカスタムしてみたら失敗だった、騙されたという悩みをよく耳にします。LED化はしてみたいけど、本当に大丈夫なんだろうかと不安もあるでしょう。
そこで、次からはLED化する際の注意点についてもご紹介していきますので、忘れずにチェックしましょう。
3. ヘッドライトをLED化する前に知っておくべき5つの注意点
3-1. 純正LEDヘッドライトとLED化の違い
まずはじめに知っておきたいことは、純正LEDとLED化には違いがあることです。
先にLED化からお伝えしますが、これはあくまで代用的な処置とも言えます。
例えば、ハロゲンランプが採用されている車のヘッドライトは、ハロゲンライトの使用に適した構造になっており、LEDヘッドライトへの交換を前提に作られてはいません。つまり、ヘッドライトの構造、性能ともに純正LEDヘッドライトには敵わないのです。
一方で純正のLEDヘッドライトは、ヘッドライトユニット全体がLED仕様になっているため、その特徴を最大限に発揮できる構造になっているのです。その詳細もお伝えして行きますが、ハロゲンランプのままと比べれば、ドレスアップ、明るさアップができると認識していただけるといいでしょう。
3-2. LED化をしてもHIDより明るくならない
実は明るさの点でいうと、LED化よりもHID化に軍配が上がります。ハロゲンランプからのLED化なら満足な明るさを手にできますが、HID化したものをLED化に変更すると暗くなったと感じてしまうでしょう。
これは、ライトの性能の違いによるものですので、現状ではゆるがない事実です。
しかし、純正のLEDヘッドライトの場合は話が違ってきます。なぜなら、デメリットを補うような構造があるからです。
例えば、レクサスの純正LEDヘッドライトには「三眼フルLEDヘッドランプ」が搭載されています。見た目は三眼ですが、実は片側で6個の高輝度LEDが使用されています。わかりやすく言えば、6個のLEDを使って照射範囲や明るさを確保しているということです。
つまり、純正のLEDヘッドライトはHIDにも勝る高性能な一つのユニットとして設計されているのです。
しかし、LED化の場合にはハロゲン仕様のユニットにLEDライトを組み込むため、純正のLEDヘッドライトと比べてしまうとがっかりしてしまうかもしれません。
ハロゲンランプの暗い、格好悪いという不満を解消するためのLED化であれば満足な結果が得られますか、明るさを求めるならHID化の方がいいでしょう。
3-3. 純正HID車のLED化はできない
ハロゲンランプからのLED化は非常に簡単ですし、純正LEDヘッドライトのようにはならないまでも、明るさの改善やドレスアップは可能です。
しかし、最近は純正HIDの車も増えていますので、純正HIDからのLED化を考えていらっしゃるかもしれません。最近はLED化キットが登場していますので、変更自体は可能になりました。
ただ、実用性を考えるとメリットは少ないと言えます。そもそもHIDとLEDでは構造が違うためポン付けで交換することはできず、ユニットの加工や配線技術が必要になるため、DIYでの交換は難しくなります。
また、上でもお伝えしたように、LED化したとしても明るさは落ちてしまいますし、レクサスの「三眼フルLEDヘッドランプ」のような視認性を確保する機能は得られません。実用性を考えれば、純正HIDからのLED化はできないと言ってもいいでしょう。
3-4. 取り付けスペースが必要
LEDバルブは発熱量を抑えるためのフィンやファン、もしくは併用されたコントローラーなどが一体となっているものが多く、バルブ自体が大きくなっています。
そのため、エンジンルームが窮屈な車の場合には取り付けスペースの確保が困難となり、交換できない場合があるため事前の確認が大切になります。詳細は後述していますので、そちらを確認してください。
3-5. 寒冷地、降雪地帯では雪が解けない
LEDライトは、ハロゲンランプやHIDと比べて発熱量が少ない特徴がありました。これにより、ヘッドライトユニットや車にかかる負担を軽減することができます。
しかし、寒冷地や降雪地帯にお住いの方は注意が必要です。発熱量が少なくなるせいで、ヘッドライトに積もった雪が解けなくなってしまうからです。
これでは前方を照らすこともできませんし、対向車からも確認できなくなり非常に危険です。ヘッドライトウォッシャーなどの装備がついていない車の場合には、LED化はできないと言えるでしょう。
4. ヘッドライトのLED化はハロゲン車のカスタムにおすすめ!
ヘッドライトのLED化は確かに魅力的です。しかし、ここまでお伝えしてきた内容をまとめると、カスタムできる車種はハロゲンランプ車、もしくはハロゲンランプからHID化している車に限られると言えるでしょう。純正HIDからのLED化はおすすめできません。
ポイントは「ドレスアップ性能」「実用性(明るさ)」「安全性(視認性)」です。
ドレスアップ性能を見れば、黄色いハロゲンランプから純白なLEDライトへの交換は、高級感を演出することができます。明るさも改善しますし、バルブを交換するだけですので初心者にもできるほど簡単ですので実用性があります。また、明るくなることで視認性がアップしますので、夜間走行時の安全性も向上します。
このように、ハロゲンランプからのLED化にはメリットが多くあります。
しかし、純正HIDからのLED化では、発光色が青みがかった白から純白な白に変わるくらいで、明るさは落ちてしまいますし、交換するためには加工も必要になるため、実用性や安全性を損なってしまいます。費用をかけて交換するメリットは少ないでしょう。
現時点においてLED化は、ハロゲンランプが暗い、かっこ悪いという悩みを解消するためのカスタムと考えていただけるといいでしょう。
5. 失敗しないLEDヘッドライトの選び方【5つのチェックポイント】
実際にLED化するとなれば、まずは最適なLEDバルブを選ぶ必要があります。粗悪品を選んでしまえば、すぐにバルブが切れてしまったり、十分な光量がなく車検に通らないばかりか、対向車に迷惑をかけてしまう危険もあるので注意しましょう。
失敗しないLEDバルブを選ぶためには、次の5つのポイントをチェックしてください。
5-1. 車検対応のLEDヘッドライトを選ぶ
現在は、数多くのLEDバルブが販売されています。2千円以下のものもあれば2万円もするものまであり、どれを選べばいいのか迷ってしまうでしょう。
できるだけ安いものを選びたいところですが、粗悪品ではないか、車検に通るのかといった心配があると思います。
実際に粗悪品になると、光量が不足していてヘッドライトの役割を果たさないものや、ただ明るいだけで照らす場所が乱れていたり、対向車に迷惑となる(グレアや散乱光)ような配光の取れていないものが多く出回っています。これらは車検にも通らないものです。
そこでまずは「車検対応」のものを選ぶようにしましょう。価格も大切ですが、かならずヘッドライトとしての性能をチェックしてください。
さらに、純正のハロゲンランプと同じような配光を再現しているものを選びましょう。これは粗悪品との差別化にもなっていますので、商品説明を詳しく確認すればわかるでしょう。信頼できるメーカー選びの基準にもなります。
5-2. 冷却性能に優れた耐久性の高いものを選ぶ
LEDヘッドライトは、明るさをアップさせることが課題でした。しかし、明るくするためには消費電力が大きくなり、ライト自体の耐久性を落とす原因になっていたのです。
そこで、現在のLEDライトには放熱機能としてのフィンやファン、もしくは両方がついています。これにより、発熱を抑えながら明るさを確保することができるようになりました。
つまり、LEDヘッドライトの性能と耐久性は冷却機能に左右されるとも言えますので、必ず確認するようにしましょう。
1年や3年保証のついているものもありますので、保証内容もチェックしてみるといいでしょう。
5-3. LEDバルブのサイズや適合形状をチェックする
現在のLEDバルブは、冷却機能などを一体化したものが多く、バルブの台座から後方部分が大きくなっています。
そのため、スペースが確保できない車の場合には、取り付けが困難な場合があります。必ず商品サイズの確認と、愛車の取り付けスペースの確認をしてから購入するようにしましょう。
また、車種ごとにヘッドライトの形状が異なりますので、適合するものを選ぶ必要があります。例えばH4、H11、HB3などと表記されています。
メーカーによっては車種別の適合表がありますので、こちらを確認すれば安心です。
5-4. ケルビンとルーメンで好みの色と明るさを選ぶ
ヘッドライトを交換する時には、色や明るさにもこだわりたいものですよね。でも、ファッション性だけを考えてしまうと車検に通らなくなってしまうので注意しましょう。
ヘッドライトの色は「白」と決められています。(保安基準第32条)ただし、平成17年12月31日以前の車の場合には「黄色」も可能です。
そこで確認するべきなのが、ケルビンやルーメンで表記されている数値です。
まずケルビンとは色温度(発光色)のことを表し、数値が大きくなるほど青くなり、数値が小さくなるほど黄色くなります。ただし、装着する車によっても色が変わるため、車検に通る明確な基準がありません。
そこで目安になるのが6500ケルビンです。LEDバルブなら最大でも7000ケルビンまででしょう。それ以上になると車検には通らない可能性が高くなるため注意してください。(※7000ケルビンでも車検に通らない場合もあります。)
一方でルーメンとは明るさを表す数値になり、数値が大きいほど明るくなります。
しかし、ケルビンとルーメンは相反関係にあり、ケルビン数を大きくするほどルーメン数は下がるのです。つまり、青みがかった発光色にするほど暗くなるということです。逆に、明るくしようとすれば黄色がかってくることになります。
なるべく白くて明るいバランスの取れたヘッドライトの基準が、先ほどの6500ケルビン前後と言えるため、こちらを基準に選んでいただくといいでしょう。
5-5. ハイブリッド車、アイドリングストップ車は対応品を選ぶ
ハイブリッド車やアイドリングストップ機能がついている車の場合には電圧の変化があるため、これに対応している商品を選ぶようにしましょう。商品説明を確認すればわかります。
6. ヘッドライトのLED化は簡単!6500ケルビンを目安に選べば車検も対応!
一部の高級車に使われてきたLEDヘッドライトですが、今では軽自動車にも使われるほどになりました。高級感のある純白な発光色でありながら、省電力で耐久性も高いため、今後の主流になると考えられます。
しかし、現実にはハロゲンライト車のオーナーさんが多くいらっしゃいます。LEDヘッドライトと比べて格好悪いだけではなく、暗くて視認性も悪いと悩まれているでしょう。
そんな場合には、ヘッドライトをLED化してみましょう。バルブを交換するだけで簡単にドレスアップが可能です。
気になる車検につては、6500ケルビンを目安に選べば心配ありません。ファッション性を重視して青みがかった色にしたい場合には、7000ケルビンが上限と考えていただければいいでしょう。
LEDバルブさえ購入すればすぐにLED化できますので、流行に乗り遅れないようにしていきましょう。