ポルシェドライビングスクールは、ポルシェオーナーしか参加できない特別なものです。その内容も他のスクールにはない質の高さと充実した内容になっています。

さらに、初心者から上級者まで一人一人に合わせたプログラムが選べるのも魅力の一つです。ポルシェオーナーなら誰でも一度は参加したいと考えるでしょう。

では、その気になる内容や費用はどのようになっているのでしょうか?中にはレベルの高さに驚いて参加を躊躇される方もいらっしゃいますので、その特徴と注意点も含めて確認していきましょう。

ぜひ公道では感じられないポルシェ本来の魅力を肌で感じながら、愛車を乗りこなすためのテクニックを身につけてください。

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1. ポルシェドライビングスクールの特徴とメリット

1-1. ポルシェオーナーなら誰でも参加可能

ポルシェドライビングスクールへの参加条件は「ポルシェオーナーであること」です。

初心者から上級者まで参加できるようなプログラム構成になっていたり、国内B級ライセンス・A級ライセンスなども不要ですので、ポルシェオーナーなら誰でも参加することが可能です。もちろん、女性の参加も心配ありません。

ただし、参加条件がいくつかありますので注意が必要です。その詳細は順次お伝えしていきますのでぜひ最後までチェックしてください。

1-2. スポーツドライビングの基礎から本格的なサーキット走行まで可能

ポルシェのドライビングスクールはオフ会やミーティングのような仲良しムードではなく、より本格的で実践的なドライビングテクニックを学びたい方を対象とした内容になっています。

かといって、スポーツドライビングに自信がない方や初心者の方でも参加できるように、入門、初級、中級、上級、最上級とクラス分けされているため、一人一人のレベルに合わせたトレーニングを受けることが可能です。

初心者ならスポーツドライビングの基礎が学べる「Warm Up 」や「Precision」、本格的なサーキット走行のテクニックを身に付けたいなら「Master」や「Fast Track」といったようにプログラム分けされています。以下の表も参考にしてください。

プログラム トレーニング内容
Warm Up スポーツドライビングの入門プログラム
Precision サーキット走行の基礎プログラム
Performance サーキット走行の中級プログラム
Master サーキット走行の上級者プログラム
Fast Track 公認タイムトライアル付きの最上級プログラム

1-3. 豪華講師陣から直接レクチャーが受けられる

さらに、当日は豪華インストラクター陣から直接レクチャーを受けることができます。例えば、2018年春季プログラムは次のようになっています。

田中 哲也

(チーフインストラクター)

  • 2011年 SUPER GT・GT300クラス(シリーズ2位)
  • 2006年 スーパー耐久・ST-class1チャンピオン(全レース優勝)
  • 2004年 スーパー耐久・class1(シリーズチャンピオン)
影山 正美
  • 2012年 SUPER GT・GT300クラス(シリーズ2位)
  • 2007年 スーパー耐久シリーズ・Class1(シリーズチャンピオン)
  • 1998年 全日本GT選手権・GT500クラス(シリーズチャンピオン)
高木 真一
  • 2018年 GT300(1位)
  • 2010年 GT300(2位)
  • 2002年 GT300(1位)
荒 聖治
  • 2014年 GT300(3位)
  • 2004年 ル・マン24時間耐久レース・LMP900クラス(総合優勝)
坂本 祐也
  • 2017年 Super Taikyu Series ST-X Class(シリーズ6位)
  • 2013年 Asian Le Mans SERIES "3 Hours of Fuji" GTCクラス(3位)
小河 諒
  • 2009年 SL全国大会(4位)
  • もてぎカートレースSSクラス(ランキング2位)
  • フェスティカカップSSクラス(ランキング3位)

1-4. ポルシェ本来の性能を堪能できる

また、普段日本の公道ではポルシェの性能を発揮することができませんが、ポルシェドライビングスクールではその性能を存分に発揮することができます。

サーキットでの高速走行はもちろんスラローム走行、コーナリングレッスン、レーシングコースでのタイムトライアルなど、日常では味わうことができないポルシェの魅力が堪能できます。

ドライビングテクニックだけではなく、ポルシェ本来の魅力を肌で感じることができるプログラムも魅力です。例えば、RR駆動の挙動がダイレクトにわかったり、ポルシェのブレーキング性能を実感することができます。

レース走行だけではなく、公道を走る際も安心してポルシェを操ることができるようになるでしょう。

ただし、参加するプログラム毎にトレーニング内容が異なっていますので、それぞれの能力に応じたプログラムを選ぶようにしましょう。

2018年春季プログラムの内容は以下のようになっていますので参考にしてください。また、各プログラムの詳細は後述していますので、そちらも確認していただくといいでしょう。

1-5. タイムトライアルでドライビングテクニックの上達がわかる

ドライビングスクールに参加しても、果たして本当にテクニックが上達したのか?こうした疑問を感じることもあると思います。

でもポルシェのドライビングスクールであれば、ポルシェ公認のタイムトライアルも可能ですので、テクニックの上達を数字で確認することができます。

ただ、こちらは最上級プログラムである「Fast Track」参加者のみですので、ここを目指してステップアップしていくのも楽しみの1つではないでしょうか。

2. ポルシェドライビングスクールのデメリットや注意点

2-1. 参加費用は高額

ここまでお伝えしたように、ポルシェドライビングスクールはポルシェを使った本格的なドライビングテクニックを学ぶ内容になっています。他のドライビングスクールと比較してもトップクラスの内容です。

その反面、参加費用もトップクラスです。国内にある他のスポーツドライビングスクールの相場は2万円〜3万円程度ですが、その5倍以上の参加費用が必要になります。

こうした費用設定もポルシェオーナーだからこそできるのではないでしょうか。具体的な費用は以下の通りです。

プログラム 費用(税込) 同伴者の費用(税込)
Warm Up 97,200円 9,720円
Precision 129,600円 5,400円
Performance 172,800円 5,400円
Master 194,400円 5,400円
Fast Track 216,000円 5,400円

※Warm Upには次のような割引制度があります。

Warm Upプログラムのみ、参加申込月より1年以内に正規販売店にて新車または認定中古車をご購入の方で、当ドライビングトレーニングに初めてご参加される方を対象に、参加費用を10%割引させていただきます。

引用:ポルシェ

こちらの割引適用には申し込み時に申請が必要になりますので該当する方は忘れないようにしましょう。

2-2. 参加申し込みは先着順

ポルシェドライビングスクールへの参加申し込みは、ポルシェのホームページから簡単にできます。ただし、先着順となりますので定員に達するとキャンセル待ちになります。

希望するスクールへ参加できなかった場合には、次回の開催情報を待たなくてはなりません。希望する日時に参加するためには、ドライビングスクール情報を随時チェックしていただくといいでしょう。

ポルシェドライビングスクール情報を入手する方法

ポルシェドライビングスクールの情報は、

これらのルートから入手可能です。気になる方はアンテナをはっておきましょう。

2-3. 開催場所や日時が限定される

開催場所は富士スピードウェイ(静岡県)が中心になりますが、参加するプログラムや年度によって変更になる場合もあります。

また開催日時は土日だけではなく平日にも行われています。特別なスポーツ走行体験に向けて日程やコンディションを調整しておきましょう。

2018年度の開催場所と日時は次のようになっていますので参考にしてください。

プログラム 開催日 時間
Warm Up Plus
(2018年特別プログラム)
6月16日(土)、6月17日(日) 8:00〜17:30
通常は午前、午後の2部制
Precision 6月18日(月) 8:00〜17:40
Performance 6月19日(火) 8:00〜17:40
Master 6月20日(水) 8:00〜17:40
Fast Track 6月21日(木) 8:00〜17:30

2-4. 車輌や能力別の参加条件がある

ポルシェドライビングスクールには、ポルシェオーナーなら誰でも参加することができますが、いくつかの参加条件がありますので忘れずに確認しておきましょう。

①参加資格

日本の普通免許を取得してから1年以上経過しているポルシェオーナーに限ります。初心者マークをつけている間は参加できません。

②参加車輌の条件

基本的には純正パーツを装着した正規輸入車のみが参加できます。タイヤも純正Nコードタイヤのみです。

ただ、2018年春季プログラムより以下のパーツの装着も認められるようになりました。

  • 保安基準適合のスポーツシート
  • スポーツタイプのブレーキパッド
  • 運転補助装置の装着(これに関わるその他の改造)

参加申し込み時に車輌チェック欄がありますので、必ず確認が必要です。また、当日規定違反が見つかった場合には、参加できなくなることがありますので注意しましょう。

③プログラム別参加条件

また、プログラム毎に参加できる条件がありますので、以下の表で確認しておきましょう。

プログラム 参加条件 車輌条件
Warm Up 初参加でも可能 全車種対象
Precision 初参加でも可能
Performance 初参加でも可能だが、Warm Up PlusやPrecisionからの参加を推奨

他のドライビングスクール参加経験者は可

マカン、カイエン、パナメーラは参加不可
Master Performance、Master、Fast Track、PRE、G-Forceに参加経験のある方に限る
Fast Track Performance、Master、Fast Track、PREに参加経験のある方に限る

※PRE:ポルシェレーシングエクスペリエンス
※G-Force:ポルシェスポーツドライビングスクール G-Force

2-5. 参加前にはメンテナンスが必要

ポルシェドライビングスクールは、通常の公道走行とは違ったスポーツドライビングになるため、車輌自体にも負担がかかります。そのため、事前にポルシェセンターでのメンテナンスが推奨されています。

その際のメンテナンス費用は別途必要です。メンテナンス内容としては6ヶ月点検レベルであり、こちらのPorsche専用のチェックシートを活用していただくことができます。

また、タイヤやブレーキパッドの交換などが必要になれば、部品交換費用が必要です。さらに、スクール参加後にもタイヤの摩耗による交換が必要になることもありますので、参加費用とは別に費用がかかることにも注意しましょう。

2-6. 参加時のトラブルは自己責任

ドライビングスクール参加時の車輌トラブルや事故、故障などは、現在加入されている自動車保険(車両保険)では適応とならない場合がほとんどです。参加を検討されている方は、必ず保険会社に問い合わせてから参加申し込みしましょう。

また、富士スピードウェイで開催される場合には、FISCO1日会員に入ることができます。会員特典として、万が一の事故による怪我や障害に対して見舞金が支給されます。

他にもサーキット専用のサーキット保険というものがありますので、事前にチェックされることをおすすめします。

2-7. ポルシェドライビングスクール以外の選択肢もある

ここまでお伝えしたように、ポルシェドライビングスクールは本格的なドライビングテクニックを学ぶトップクラスのスクールになります。そのため、テクニックに自信がない方や女性には敷居が高く感じることがあります。また、費用も高額になりますので参加を迷われることもあるでしょう。

一方で他のドライビングスクールが劣っているかといえば、そんなこともありません。まずは2〜3万円の費用で基本的なテクニックを身に付け、その後ポルシェドライビングスクールに参加するという方法もあるでしょう。

ポルシェドライビングスクールの質とレベルの高さはトップクラスですが、ご自身にふさわしい内容かどうかを見極めることも大切です。

その際は、やはりポルシェオーナーから直接情報を手に入れるのがいいでしょう。例えば、ポルシェ公認の「ポルシェクラブジャパン」や「ポルシェ356クラブ・オブ・ジャパン」といったコミュニティーに参加するのもおすすめです。

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3. ポルシェのオフィシャルドライビングスクールの概要

それでは、ここまでお伝えした特徴を踏まえ、ポルシェドライビングスクールのカリキュラムの詳細を確認していきましょう。

3-1. ポルシェトラックエクスペリエンス(PTE)のプログラム一覧

ポルシェのオフィシャルドライビングスクールは、「ポルシェスポーツドライビングスクール」という名称を改め、「ポルシェトラックエクスペリエンス(PTE)」というプログラム名で開催されています。

これには、

  • Warm Up
  • Precision
  • Performance
  • Master
  • Fast Track

以上の5つのプログラムが用意されており、その概要をまとめると次の表のようになります。(2018年現在)

ポルシェレーシングエクスペリエンスはFast Trackに統合

ポルシェレーシングエクスペリエンスとは、ポルシェに乗ってサーキットトライアルができるプログラムでしたが、現在はポルシェトラックエクスペリエンスの最上級プログラムであるFast Trackに統合されています。

3-2. 開催場所・日時

開催場所は富士スピードウェイ(静岡県)が中心です。平日に開催されるものもありますので注意しましょう。2018年春季プログラムの場合には、以下のようになっています。

Warm Up Plus
(2018年特別プログラム)
6月16日(土)、6月17日(日)
Precision 6月18日(月)
Performance 6月19日(火)
Master 6月20日(水)
Fast Track 6月21日(木)

3-3. ポルシェドライビングスクールへの参加方法

ポルシェドライビングスクールへの参加方法は、ポルシェのホームページより先着順の申し込みとなります。

また、車輌の貸し出しはないため、ご自身のポルシェで参加することになります。その際、車輌条件やプログラム毎の参加条件がありますので注意しましょう。

4. ポルシェドライビングスクールのカリキュラム

①Warm Up【入門プログラム】

・プログラムの概要と特徴

こちらのプログラムは入門レベルの内容となっていますので、初心者の方や女性でも安心して参加することができます。

走る・止まる・曲がるといったスポーツドライビングの基礎が学べるだけではなく、普段公道を走っている際の急ブレーキやABS作動時のステアリング操作など危険回避のテクニックが身につきます。

スポーツドライビングテクニック以外にもセーフティードライブに役立つ内容です。

・プログラムの内容

通常は半日のプログラムで、午前の部と午後の部に分かれています。

実践トレーニングではプロインストラクターのデモンストレーション後、一人ずつトレーニングに入ります。車種ごとに10人程度の小グループに分かれて行うため、待機時間も短く充実したトレーニングが受けられるので、満足度も高くなります。

また、トランシーバーが渡され、ドライビング中も直に指導が受けられるのもポルシェドライビングスクールの特徴です。

具体的なカリキュラムは次の通りです。

②Precision【基礎プログラム】

・プログラムの概要と特徴

こちらはWarm Upの応用編と言えるプログラムとなり、Warm Upの復習とコーナリングテクニックやサーキット走行の基礎が学べる内容となっています。

Warm Upからステップアップしてより実践的なドライビングテクニックを身に付けたい方はもちろん、初参加の方も申し込み可能です。

・プログラムの内容

丸1日のカリキュラムとなり、Warm Upのメニューに加えて以下のトレーニングが受けられます。

③Performance【中級プログラム】

・プログラムの概要と特徴

Performanceは中級者向けのプログラムとなり、レースコースでのドライビングテクニックが学べます。サーキット走行経験者や繰り返し参加される方も多い人気のプログラムです。

初参加の方やサーキット走行経験のない方でも申し込み可能ですが、Warm Up PlusやPrecisionからの参加が推奨されていますので注意しましょう。

また、マカン、カイエン、パナメーラでの参加はできません。

・プログラムの内容

午前中はコーナリングレッスンを中心に行い、午後からはサーキット走行のカリキュラムが組まれています。

④Master【上級プログラム】

・プログラムの概要と特徴

Masterプログラムでは上級者向けの本格的なスポーツドライビングテクニックが学べます。レーシングコースでの実践に加え、プロドライバー(インストラクター)の運転するポルシェに同乗して、そのテクニックを体感することまで可能です。

こうしたカリキュラム上、参加できるのはPerformance、Master、Fast Track、PRE、G-Forceに参加経験のある方に限ります。また、マカン、カイエン、パナメーラでは参加できません。

・プログラム内容

午前中はドライビングテクニックの基礎を確認し、午後からはレーシングコースでの実践的なトレーニングを行います。

⑤Fast Track【最上級プログラム】

・プログラムの概要と特徴

ポルシェドライビングスクール(ポルシェトラックエクスペリエンス)の中で最上級プログラムとなるのがFast Tracです。

ドライビングテクニックを身につけるだけではなく、ポルシェジャパン公認タイムトライアルなどのカリキュラムが加わり、速さを追求する本格的なスポーツドライビングトレーニングになっています。

こちらも参加条件は、Performance、Master、Fast Track、PREに参加経験のある方に限ります。また、マカン、カイエン、パナメーラでは参加できません。

・プログラムの内容

5. ポルシェドライビングスクール情報まとめ

ポルシェドライビングスクールはポルシェオーナーにしか経験できない特別なプログラムです。

ポルシェ本来の性能を肌で感じたい、愛車のポルシェを乗りこなしたい、スポーツドライビングテクニックを身に付けたい方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

ただ、自分のドライビングレベルで参加するのは気がひける、もう少し費用も抑えてじっくりテクニックを磨きたい、もしくはスケジュールが合わないような方は、他にも優秀なドライビングスクールがありますので、そちらを当たってみるのもいいかもしれません。

ぜひ今回の記事を参考にしていただきながら、最適なドライビングスクールを見つけてください。

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