自分でエンジンオイルを交換すると、使用後のオイル(廃油)が出てきます。廃油には決められた処理方法があり、不法に投棄してしまうと環境破壊に繋がるだけで無く、罰則を受けてしまう可能性もあります。
そこで今回は、使用後の廃油の処理方法について詳しくご紹介致します。自分でオイルを交換する方には参考になる内容ですので、ぜひ参考にして下さい。
目次
エンジンオイルを廃油処理剤で固めてゴミとして処分
エンジンオイルは、廃油処理剤で固めてゴミとして処分する事が出来ます。この廃油処理剤とは、廃油をゼリー状に固めるものです。身近な物ですと、揚げ物などで使用した油を廃棄する際に使用されています。
メリット
これから詳しくご紹介致しますが、廃油は自分で処理しない場合、カー用品店等に引き取ってもらう必要があります。しかし、オイルを自分で交換する方は、自宅で作業が出来るので、廃油処理の為だけに店舗まで行くのは非常に手間ですし、時間も掛かります。
しかし、廃油処理剤を使用した場合は、自宅で廃油の処分が出来る為、時間や手間が掛からないメリットがあります。
デメリット
反対にデメリットは、
- 廃油が冷えた状態では固まりきらない可能性がある
- 廃油処理剤と廃油の組み合わせによっては固まらない可能性がある
この2点となります。基本的に廃油処理剤で廃油を固める場合、事前に廃油を温める必要があります。その為、エンジンを充分に暖めてからオイル交換を行うか、冷えている状態でしたら一度熱する必要がある等、手間が掛かったり火傷の可能性もあります。
ゴミとして捨てられる為、手軽に処理が出来るメリットはありますが、この様なデメリットもありますので、使用方法には十分に注意しましょう。
おすすめの廃油処理剤
廃油処理剤を使ってみたい方には、セハージャパン社製のセハー油かためる『でポイ』が、コストパフォーマンスも高くおすすめです。その他、処理剤そのものも細かくなっているので、廃油に溶けやすく使いやすい事も特徴です。廃油処理剤を迷っている方はこの商品を使用してみましょう。
また、廃油処理剤はそれ程高い物ではありませんが、物によっては非常に高く、1度の廃油処理で1,000円以上してしまうこともあります。その為、購入する際には価格と内容量を確認した上で購入しましょう。
エンジンオイルの廃油の引き取り
ここまで、廃油処理剤を使用した処理方法をご紹介しましたが、この方法以外にも廃油を引き取ってもらう方法もあります。そこで、オイルを引き取ってもらう場合のメリット、デメリット、引き取り店舗についてご紹介致します。
メリット
エンジンオイルを店舗に引き取ってもらうメリットは、廃油処理をしなくて良い事です。
これまでにご紹介した様に、廃油処理剤を使用した場合、上手くいかない事もありますし、手間も掛かります。しかし、店舗に引き取ってもらう場合は容器に移し、持ち込むだけですので、この様な手間が掛かりません。
デメリット
反対にデメリットは、
- 引き取り店舗に行く必要がある
- 廃油用の容器が必要になる
この2点になります。先ほどもご説明した様に、オイル交換を自分で行う方は、家で作業を行う為、店舗に行く必要がありません。しかし、廃油を引き取ってもらう場合には、店舗に行く必要があり、時間が掛かります。
廃油引き取り可能な店舗
廃油の引き取りが可能な店舗はカー用品店やガソリンスタンドなどです。もちろん、それぞれに特徴がありますので、ご紹介致します。
オートバックスなどのカー用品店
カー用品店では、オイル交換時に出る廃油を貯めておく場所がありますので、廃油を引き取ってもらえます。
基本的には、断られることはありませんが、一部の店舗では引き取りが有料の場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
ガソリンスタンド
廃油はガソリンスタンドでも引き取ってもらう事が出来ます。ガソリンスタンドは車を使用していたら必ず利用するので、カー用品店で引き取ってもらう場合の様に、わざわざ店舗に行く手間が無く効率的です。
しかし、小さな店舗ではオイル交換などの作業を行わないことから引き取りをしていない所もあります。また、引き取りに料金が掛かる店舗もありますので、事前に確認しておきましょう。
【番外編】廃油ストーブでリサイクル
廃油は、廃油ストーブを使用しリサイクルする事が出来ます。廃油ストーブとは、名前の通り廃油を使用するストーブのことです。あまり一般的では無いため、売られている商品は高い物が多いです。しかし、安く済ませたい場合は、ペール缶などを使用し自作することも出来ます。
ただし、自作した場合は空気の量などを上手くコントロールできず、勢いよく燃えたり、黒い煙が大量に出てしまうこともありますので、注意しましょう。
この様に廃油ストーブは初期投資や手間が掛かります。しかし、オイル交換時に廃油を貯め、冬になったら廃油ストーブで使用すれば灯油の使用量を抑えることも出来ますし、手間の掛かる廃油処理もしなくて済みますので、自分でオイル交換を行う方は検討してみても面白いのでは無いでしょうか。
エンジンオイルの廃油処理の注意点
これまで、廃油処理の方法等についてご紹介しましたが、注意点もありますので、ご紹介致します。
廃油処理剤で固めてもゴミとして捨てられない地域がある
基本的に、廃油は処理剤で固めることで燃えるゴミとして捨てることが出来ます。しかし、地域によっては捨てることが出来ない事もあります。その為、廃油処理を行う前に自分の地域の決まりなどを良く確認しておきましょう。
また、料理用の廃油は捨てることが出来てもエンジンオイルなどの廃油は捨てられない事もありますので、注意しましょう。
廃油を温める必要があるため、火傷の危険がある
これまでにもご紹介した様に、廃油処理剤を使用する際は、廃油を温める必要があります。どのくらい温めるかは処理剤により異なりますが、80度まで温める必要がある処理剤が多くなっています。80度というと、素手で触ると火傷してしまう温度ですので、取り扱いには注意が必要です。
また、エンジンオイルは通常走行でも80度程度になりますので、しっかりとエンジンを暖めた直後でしたら、そのまま固めることも可能です。その場合は、素手で作業するのでは無く、軍手を二枚重ねにした上に、耐熱性のビニール手袋を使用するなど対策が必要です。
その他、ガスコンロなどを使用して温める場合は、廃油の蒸気の匂いの対策なども必要となります。
自分でエンジンオイル交換した後の廃油処理は慎重に!
以上が自分でエンジンオイルを交換した際の廃油処理方法となります。廃油処理剤を使用する方法や、引き取ってもらう等、様々な方法がありますので、自分に合った方法で廃油処理を行いましょう。
また、絶対にやってはいけないのは正しい処理方法をせずに捨ててしまうことです。廃油を不当に捨ててしまうと、土壌汚染になり、環境へ大きな影響を及ぼします。また、不法投棄を行った場合には罰金刑や懲役刑となる可能性もありますので、必ず適切な方法で廃油処理を行いましょう。