シェル(Sell)のエンジンオイルの中には、天然ガスを用いて独自に開発されたオイルをはじめ、さまざまなオイルがあります。その歴史は古く1900年から始まりました。1950年には世界で初めて「F1世界選手権」が開催されていますが、「フェラーリ」とのパートナーシップを結んだのは、それ以前のことです。

レースで培われた技術力を存分に活かし、現在もますます進化を続けているシェル(Sell)のオイルは高い評価を得ています。フェラーリとの長い信頼があることは知っていても、一体何がどのように他社とは違うのかを知らないという人もいるかもしれません。

そこで今回はシェル(Shell)の歴史と共に、その性能をご紹介していきます。

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シェル(Shell)のエンジンオイルとは?

元々は「昭和シェル石油」時代に石油元売り企業だった「昭和石油」と石油の輸入販売を行っていた「シェル石油」が合併してできたものです。そして2019年4月に「出光興産」と経営統合をした昭和シェル(Shell)石油は、現在「出光昭和シェル」に生まれ変わりました。

昭和シェル(Sell)石油の歴史は古く1900年に遡ります。当時、自動車や飛行機の発明に続き、世界で油田が発見されるなど石油時代の幕開けに沸く中、横浜で後にシェル(Sell)となる「ライジングサン石油」が設立されました。

以来、今日までシェルサービスステーションではオイルの規格や粘度はもちろんのこと、あなたの好みの走りに合わせたオイル選びをしています。購入にはサービスステーションに出向くか、インターネットでの注文になりますが、エンジンオイルのことを詳しく聞きながら選ぶには、サービスステーションを利用すると良いでしょう。

シェルのトレードマークにもなっている貝のマークは1833年に先代であるマーカス・サミュエル氏がロンドンに東洋の貝殻を扱う店をオープンしたことに始まりました。大きな黄色の貝が、かわいい雑貨の貝を意味していたとはちょっとした驚きですね。

シェル(Shell)のエンジンオイルの特徴と性能

シェル(Shell)の最も大きな特徴といえるのは「シェル ヒリックス」シリーズの中で「ウルトラ」「HX 0W-20」「HX7 5W-30」「HX8 0W-16」のベースオイルとして使用されている天然ガスを液化したものを独自で研究開発し、「Shell XHVI」という化学合成油を使用していることにあるでしょう。

鉱物油を使用したベースオイルと比較してみると次のような違いがあります。

粘度指数の高さ

ベースオイルの粘度は一般的にみると温度の変化に弱いものです。しかしShell XHVIを使用することで気温に左右されることのない粘度を保つことが可能になり、使用できる領域を広げることができました。つまり、低温度域であってもエンジン始動時の粘度抵抗による負荷が少なく、省燃費性能に優れているといえます。

せん断安定性能が良い

オイルの粘度がドロドロトとしていれば、エンジン部品であるピストン、シリンダー、ベアリングなどの金属に絡みつくことができるため、適度に潤滑させることが可能です。しかし高温になってくるにつれドロドロとしていたオイルがサラサラに変化してきます。すると、金属の間に絡みつくことが難しくなり油膜切れを起こすことになるのです。

サーキット走行のように車を酷使する状況が予測される場合には、初めから高粘度のオイルを使用しなければすぐに油膜切れを起こす可能性が高くなります。例えば、よく耳にするポリマーを混合したオイルは粘度低下を起こす可能性がありますが、Shell XHVIを使用することで、粘度の低下を防ぎ、強い油膜を形成することが可能になるのです。

熱・酸化安定性の良さ

オイルは空気や酸素に触れることで酸化劣化を起こします。しかしShell XHVIは不飽和炭化水素が少ないので、熱や酸素に左右されず安定してるため粘度低下を起こしにくいといえるのです。

蒸発損失が少ない

高速で作動しているエンジンは高温になると、ベースオイルや潤滑油は蒸発して外へ排出されることになります。つまりオイルが減る原因になるのですが、Shell XHVIは蒸発損失を少なくすることができるため、オイルの消費を抑えられます。

Shell XHVIは長い年月をかけて「採掘技術」「化学合成技術」「精製技術」を開発し、GTL(Gas To Liquid)を実用化へと結び付けてきました。今後さらなる発展が期待できるのではないでしょうか。

シェル(Shell)のエンジンオイルの評判

使用しているユーザーからはどんな声が聞かれるのかご紹介します。

  • さすがにフェラーリの純正品です。低回転では固めでしたが、高回転では粘度が保持されていました。
  • 高価格であることが気になりますが、エンジンの静寂性、スムーズな加速、けた違いなパワーに圧倒されます。
  • 3500回転でも滑らかな走りを感じられました。またエンジンの吹け上りも今までとは全く違い滑らかです。
  • 高回転まで回した時、若干の重たさを感じましたが、エンジンに絡んで重くなっているという感覚だったので、逆に安心して踏み込むことができます。サーキット走行後に油圧が落ちることもありません。ただ、真冬には固すぎるかもしれないのでオールシーズン万能という訳ではないような気がします。

などの声が聞かれました。使用してみたいと思っている人は参考にしてみてください。

シェル(Shell)と他社のエンジンオイルの違い

世界70カ国以上で展開しているシェル(Shell)は石油化学企業グループです。世界最高峰のレース「F1世界選手権」がスタートした1950年より以前から、フェラーリとのパートナーシップを結び、現在に至っている輝かしい歴史を誇っています。

F1で戦うフェラーリのエンジンを最高のポテンシャルに導く技術力は確かなものということができるでしょう。常時50人の技術者が移動実験室の中で開発を行っています。実験室は「F1」開催時にサーキットに設置することができ、レース中もリアルタイムにオイルの分析をすることが可能です。レースで培われたオイルをフィードバックした製品作りは、まさに世界最高峰と言い換えることができるかもしれません。

また、2015年6月には「BMW」から世界規模でエンジンオイルサプライヤーに指定されています。世界140カ国以上のBMWグループ、3500を超える販売店がシェル(Shell)製プレミアムエンジンオイルを使用することになりました。BMWに供給されるエンジンオイルはシェル独自の「Pure plus」を採用し、オイルの劣化を最小限に抑える技術が搭載されています。

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シェル(Shell)エンジンオイルといっても様々な種類があり、どれを選べば良いのか分からないかもしれません。自分が普段どんな乗り方をしているのか、どんな車に仕上げたいかによっても選ぶ性能は異なってくるものです。参考までにご紹介していきます。

Shell HELIX HX7 AJ-E 0W-20

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性能

0W-20という粘度の低さであることから、低粘度のエンジンオイルを基準に設計されたエンジンに性能を発揮します。摩耗や摩擦を軽減する特性に優れたオイルです。

エンジン内部のスラッジが生成しやすい環境に対して十分に対策を施しており、エンジン内を清浄性の高い状態に維持することができます。また日本車に最適な性能を満たした設計であることから、ハイグレードなエンジンオイルを使用したい人にはおススメです。

Shell HELIX HX5 AJ-E 0W-20

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性能

高度精製されたベースオイルに最適な添加剤を使用することで、エンジン内部に起こる抵抗や摩擦といった動力損失を低減させることを可能にしました。0W-20を推奨する車の省燃費性能を向上させることができます。

気になるコストを抑えた製品であるので性能と価格のバランスが非常に良く、使用しやすいエンジンオイルといえるでしょう。

Shell HELIX HX7 AJ-E 5W-30

性能

エンジンの保護性能や省燃費性に対して厳しい規格といわれる「ILSAC規格」をクリアした製品です。高いエンジン保護性能や省燃費性を持つことはもちろん、性能の維持を可能にしていることに特徴があります。

ターボ車が必要とする高温、高負荷なエンジンの状況に十分な油膜を保持するためには、高粘度の指数化が必要です。Shell HELIX HX7 AJ-Eは超高粘度指数のベースオイルにマッチする添加剤システムを採用していることから、ターボ車への使用も可能にしました。

普通車からターボ車まで幅広い車両に適合する高級エンジンオイルといえます。

Shell HELIX HX5 AJ-E 5W-30

性能

「アメリカ石油協会API規格」や日米の自動車工業会である「国際潤滑油標準委員会イルザック」がオイルの品質基準を定めた「ILSAC」に認定されたオイルです。厳しい基準をクリアした品質は確かな製品の証といえるでしょう。

高度精製されたベースオイルに最先端の技術で配合された添加剤によって、高い省燃費性と清浄性、耐摩耗性能を発揮します。

Shell HELIX Ultra 5W-40

性能

エンジンの高性能化はエンジンオイルにとっても高温、高負荷な状況下にさらされるということができます。

Shell HELIX Ultraはシェル独自の化学合成テクノロジーから誕生しました。高温酸化安定性と強靭な油膜保持を持ち、耐久性や耐摩耗性能に優れています。エンジン性能を最大限に引き出すことができるので、サーキットなどのスポーツ走行にも最適です。

日本車のみならず欧州車にも適合し、「BMW」「メルセデスベンツ」「フォルクスワーゲン」「ポルシェ」「ルノー」「フィアット」など多数の規格要求に応えることができました。

Shell HELIX HX3 AJ 10W-30

エスエール
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性能

米国石油協会規格である「API」のSMに相当するオイルです。SMというグレードは2004年に制定されたもので、2010年に制定されたSNよりはひとつ下になりますが、清浄性能、耐久性能、耐熱性能、耐摩耗性に優れています。ガソリン車への使用に適しており、品質とコストバランスが優れた製品です。

しかしながら性能の面からみるとロングライフには向いていないため、こまめにオイル交換をする必要があるといえます。

まとめ

シェル(Sell)エンジンオイルは、天然ガスを使用して独自の研究を重ね作り上げられたこだわりのエンジンオイルです。長い歴史の中でフェラーリとのパートナーシップを結び、「F1世界選手権」がスタートする以前から研究開発が進められてきました。

レース会場に移動実験車を持ち込み、リアルタイムにオイルの変化を分析する技術力の高さは、ストリート走行に対する開発にも十分フィードバックが活かされています。

シェル(Sell)エンジンオイルはサービスステーションや通販なので購入することができ、一般のショップなどでは手に入れることができません。サービスステーションでのオイル交換に関しては賛否両論ありますが、整備士に交換してもらえれば問題が起こることは少ないでしょう。

歴史に裏打ちされた確かな品質を一度試してみてはいかがでしょうか。

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