車検を通す時には、車検に必要な整備や点検だけでなく事前に準備しなければいけない書類もあります。整備や点検が車検の切れる前に終わっていても、車検を通すために必要な書類がそろっていなかったら意味がありません。
でも車検は2年毎に行うため、実際に車検を通すために必要なものがどれなのかよくわからない人の方が多いのでは? さらに場合によっては「車検を通すためにはあなたの住民票が必要ですよ!」といわれることも…。
さすがに車検を通すために、わざわざ仕事や学校を休んで役所に住民票を取りに行くのは時間的にも難しいですよね?
そこで今回は、「車検を通すために本当に必要な書類のチェックリスト」をもとに、「車検で本当に住民票が必要なのか?」「住民票が必要な場合はどんな時なのか?」についてもわかりやすく解説していきます。
1. 車検に住民票は不要!
車検証とは、正しくは「自動車検査登録証」のことを言います。基本的には2年毎に受ける必要があり、法律に基づいて細かな部分まで整備・点検が行われているかチェックします。
その上で車検を通すために必要な税金や保険料を支払っていることが証明されると発行されるのが、車検証です。
でも車検業者に車検をお願いする場合もユーザー車検の場合も、車検を通すために「住民票が必要」ということはありません。
1-1. 住所変更していなくても車検は受けられる
前回の車検から今度受ける車検までの間に住所の変更があったとしても、基本的には車検を受けることは出来ます。なぜならば、車検を通すために必要な書類の一覧には「住民票」が含まれていないからです。
ただし車検を通す際には、必ず準備しなければいけない書類があります。チェックリストを準備しましたので、それぞれの内容を説明しながら解説していきます。
1-2. 車検で必要になる書類一覧
車検証(自動車検査証)
車検証は普通自動車の場合は「陸運支局」、軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」が窓口となります。車検の検査は、「安全に2年後まで乗れる状態である」ということを確認するために行われるわけではありません。
あくまでも「法律に基づいた保安基準をきちんと満たしている車か?」ということを細かく検査するだけです。さらに車の車検を通すためには、細かな車の検査を行うだけではできません。
「法定費用」といって、車の所有者の義務とされている税金の納付や保険料の支払いなども必要です。
これらすべてがクリアしていることを証明するのが、車検証です。ですから車検を通すためには、以前受けた車検証(間もなく期限が切れる車検証のこと)が必要になります。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書は、車の所有者が必ず加入しなければいけない保険です。自賠責保険は、あなたが事故を起こした場合に被害者への補償を目的としているため、保険費用も必要最小限となっています。
ところが自賠責保険の契約期間が切れていると、車検切れの時と同じく「違法」となり違反点数や罰金などの対象となります。
そのため「車検を受ける時に自賠責保険に改めて加入する」が基本です。きちんと自賠責保険に加入すると、保険会社から保険証(自賠責保険証明書)が発行されます。この証明書が車検を通すときに必要になります。
自動車納税証明書
自動車納税証明書は、自動車税を納付すると発行されます。自動車税の納付書には納税証明書がついているため、金融機関やコンビニなどで納付するとその場で発行してくれます。
自働車納税証明書を失くしてしまった場合には、再発行手続きをして納税証明書を取らなければ車検は通りません。
自動車重量税納付書
ユーザー車検の場合に必要になります。自動車重量税の納付は義務付けられているので、たとえユーザー車検であったとしても必要になります。自動車重量税を納付すると、「自動車重量税納付書」が発行されます。
これでようやく「車検証の登録手続き」に進むことが出来ます。
自動車検査表
車検に必要な整備・点検は、法律によって細かく決められています。それぞれの項目ごとに検査が行われ、基準をクリアしていると合格印を押してもらうことが出来ます。
車検を通すためにはすべての項目に合格印を押してもらうことが必要になるのですが、検査項目はすべて法律で決められています。
そのためユーザー車検の場合は、陸運支局(または軽自動車検査協会)での検査を受ける前に、自動車検査表を準備する必要があります。
ちなみにディーラー車検や民間車検の場合は、自社で整備・点検をする時に必要になるので業者が準備をしています。
継続検査申請書
車を乗り続けるということは、「2年に一度車検を受け続けなければいけない」という意味です。言い換えれば「継続して検査を受ける義務が車の所有者にはある」ということです。そのため車検を申請する場合には、継続検査の申請も同時に行います。
車検業者に依頼する場合は継続検査の申請も代行してくれるので、所有者がわざわざ申請書を準備する必要はありません。ただしユーザー車検の場合はすべて自分で行わなければいけないため、継続検査申請書も必要になります。
2. 住所変更していなければ車検のタイミングで手続きを!
2年毎の車検ですから、その間に引っ越しをしたり結婚などで名前が変わることもあるでしょう。本来であればその時点で住所変更をしておけば、わざわざ車検のために住民票を取る必要はありません。
ところが住所変更や氏名の変更手続きをしていない場合は、そのままの状態で車検を通すことはできません。しかも2年間の間に2回以上引っ越しをしている場合は、前回車検を通した時の住所から今住んでいる場所までの間の住所がそれぞれ確認できなければいけません。
この場合は車の所有者の住民票だけでなく、引っ越ししたそれぞれの家の住所が確認できる「戸籍の附票」が追加で必要となります。
ただし2年間で2回以上の引っ越しをすることは、よほどのことがない限りありません。そのため住所変更手続きのために、住民票以外に戸籍の附票が必要になるということは滅多にありません。
とはいえ車検のタイミングで住所変更手続きをしていなければ、将来の車検で戸籍の附票が必要になることは考えられます。ですから車検期間内に引っ越しをした場合は、車検のタイミングで住所変更の手続きをするのがおすすめです。
3. 車検は県外でも受けられる
県外への引っ越しや単身赴任で県外に住むことになった場合でも、今住んでいる場所で車検を受けることができます。ただし1つだけ問題があります。それが自動車税の納付書です。
単身赴任で県外に引っ越した場合
車検を通すときに必要となる自動車税の納付書は、ご家族の住む住所(つまり車検証に登録されている住所)へ郵送されます。
そのため車の所有者であるあなたが単身赴任で県外に引っ越した場合は、あなたが車検を出そうと思っている市区町村で納税しないのであれば、改めて納付書を発行してもらう必要があります。
そのため手間をかけずに車検を通したい場合は、あらかじめ車検証の住所変更手続きを済ませておくことが大切です。こうすれば納付書もあなたの手元に届きますので、面倒な手間をかけることなく車検を通すことが出来ます。
県外に引っ越しをした場合
県外に引っ越しをした時は、車検のタイミングで住所変更の手続きをした方が良いです。引っ越しの際に行う役所手続きによって、引っ越し先の住所へ納付書が郵送されます。
ですから改めて取り寄せる必要があるのは、住所が変更したことを証明するための「住民票」となります。
4. まとめ
車検を通すためだけに住民票が必要になることはありません。ただし車検を通すために必要になる自動車納税証明書の関係があるため、引っ越しや氏名の変更があった場合は変更手続きをする必要があります。
ですが前回の車検と状況が何も変わらない場合は、車検だからといってわざわざ住民票が必要になることはありません。
大切なことは「車検に必要な書類がきちんとそろっているか」です。期限内に車検を通すためにも、ぜひチェックリストを参考に早めに準備をするようにしてくださいね。