おそらくあなたは、車の購入に合わせてコーティングも頼もうと思っているのではないでしょうか。しかし、車に詳しくないのでその価格について知りたいと思っていると思います。
もしくは、ディーラーに進められたコーティングの価格が予想外に高額で驚いているのかもしれません。その価格は妥当なのか、価格に見合った効果はあるのかと気になっていると思います。また、数千円のものから、10万円以上するものまであり、価格によるコーティングの違いについて知りたいのかもしれません。
そんな方のために、今回は車のコーティングの価格について詳しくお伝えします。特に、車のコーティング価格を決める要素や、価格による効果の違いがわかるようになるので、あなたに最適なコーティングを迷わず選ぶことができるようになります。
費用対効果の優れたコーティングを見極めることができるようになると言うことです。
実は、車のコーティングは、価格が安いから悪い、高価だから良いというものではないからです。
例えば、価格を抑えたコーティングを選んだとしても、いつまでも車を綺麗に保つことはできるのです。それでは、早速その内容を詳しく見ていきましょう。
1. 車のコーティング価格を決めるもの
車のコーティングと言っても、その価格帯は数千円〜10万円以上するものまであります。中には20万円を超えるような高額なものまであります。
なぜ、このようにコーティングの価格には大きな差があるのか疑問に感じている方も多いと思います。もしかしたら、「安い=悪い」、「高い=良い」と考えている方もいるかもしれません。
確かに、一般的に高価なものほど良いものであると言われます。車本体にしても、高級車になれば、外観やインテリアのレベルが違いますし、安全性能、走行性能、燃費も良くなります。
しかし、コーティングについては、安易に価格だけで決めてしまうと後悔することがあります。なぜなら、車のコーティング価格を決める要素には、次の2つがあるからです。
- コーティング剤の種類
- 下地処理
つまり、「コーティング剤の価格+下地処理費用」が、コーティングを施工するために必要な価格と言うことです。特に、車のコーティングの場合には、人の手によって施工されるので、施工者の知識や技術が大きく影響する「2.下地処理」が重要な要素になります。
しかし、ほとんどのディーラーでは、コーティングの価格についてそこまで詳しく説明することはありません。また、一部の専門店でも値段を提示するだけのところもあります。
つまり、「安い=悪い」「高い=良い」という基準でしか選ぶことができなくなってしまうのです。そのため、せっかく車を買うなら、コーティングも良いもの(=高いもの)を選んだ方が良いんじゃないかと悩んでしまうのです。
しかし、コーティングの価格を決めている要素について理解していただければ、そうした迷いもなくなり、あなたにぴったりのコーティングがわかるようになるでしょう。
それでは、その要素について詳しく確認しましょう。
1-1. コーティング剤の種類
コーティングの価格は、使用するコーティング剤の違いによって異なります。まずは、その違いについて確認していきましょう。
コーティング剤には、次の4種類があります。
- 油脂系コーティング(ワックス)
- 樹脂系コーティング(ポリマーコーティング)
- ガラス系コーティング
- ガラスコーティング
現在、一般的にコーティングと言われるものは、樹脂系コーティング(ポリマーコーティング)やガラス系コーティング、ガラスコーティングのことを指しています。
そして気になる価格は、樹脂系コーティング(ポリマーコーティング)<ガラス系コーティング<ガラスコーティングの順に高くなります。また、その性能や効果の持続期間も長くなります。
つまり、どの種類のコーティング剤を選ぶかによって、価格が変わってくるのです。下の表も参考にしていただけると、価格の違いがイメージしやすくなります。これだけ見ると、単純にコーティング剤の違いによって施工費用が変わってくるように見えます。
しかし、同じコーティング剤を使用していても、コーティングを施工するために必要な総額に違いが出てくるのです。なぜなら、コーティング剤の価格以外にも、下地処理を含む施工費用(作業にかかる費用)が含まれているからです。そして、ここにコーティング価格の大きな違いが出てくるのです。
1-2. 下地処理
車のコーティングは、車本体の塗装の上からコーティング剤を塗ります。しかし、車の塗装面には細かな傷や汚れ、油膜などが付着しているため、そのままでは綺麗にコーティングすることができません。そのため、これらを取り除く下地処理が必要になります。
そして、この下地処理の有無や精度の違いが、コーティングの仕上がり具合や効果、持続期間を左右するだけでなく、価格にも違いが現れる理由となっているのです。
つまり、下地処理を丁寧に行なっていれば、人件費も時間もかかるため費用が高くなり、全くしなければ下地処理費用がかからないということです。
例えば、3万円の同じコーティング剤を使うとします。A社は丁寧な下地処理も行いますが、B社は簡単な洗車しかしなかったとすれば、同じ価格のコーティング剤を使用していても、A社の方が総額が高くなるのです。
- A社:3万円のコーティング剤+下地処理費用
- B社:3万円のコーティング剤のみ
また、A社は高性能な5万円のコーティング剤を使用し、B社は2万円のコーティング剤を使用したとします。そして、A社は下地処理なし、B社は丁寧な下地処理をしたとします。
- A社:5万円のコーティング剤+下地処理なし(0円)
- B社:2万円のコーティング剤+下地処理費用(3万円)
すると、どちらも総額は5万円となります。
しかし、先ほどもお伝えしたように、車のコーティングは丁寧な下地処理を行なっていないと、その性能を発揮したり効果を持続することができません。
そのため、コーティングの目的である「いつまでも綺麗な車を保つ」ためには、コーティング剤は安くても、下地処理を丁寧に行なっているB社の施工の方が優れていることがあるのです。
つまり、コーティングの価格は、コーティング剤の種類と下地処理費用のバランスを考えて選ぶことが大切になるのです。
いくら高価なコーティング剤を使用していても、その施工が雑であれば無駄なお金を払うことになります。一方で、価格や性能を抑えたコーティング剤を選んでも、丁寧な施工をする業者に依頼すれば、コーティングの目的を果たすことができるのです。
そのためには、コーティング費用の内訳(下地処理の有無)と施工業者選びが重要になります。
また、ディーラーだから安心だという考えは危険です。なぜなら、外注して施工しているところが多いからです。ディーラーで依頼する場合にも、コーティング費用の内訳を詳しく確認することが、後悔しないためのポイントです。
2. 車のコーティング価格よりも大切なこと
車のコーティングは、単純に高いから良い、安いから悪いというものではないことは、ここまでの内容でお分りいただけたのではないでしょうか。
ただ、ここまでお伝えしてきたことは、コーティングの「施工」段階までのことです。重要なのは、「いつまでも綺麗な車を維持する」ことであることを忘れてはいけません。
つまり、コーティングの効果を長く持続させることが大切です。コーティングの価格だけに目が向いてしまうと、本来の目的を忘れてしまうことがあるので注意しましょう。
では、どうすればその効果を長く持続できるのでしょうか。そのポイントは、次の2つです。
- 定期的な洗車
- コーティング剤に合わせたメンテナンス
もしかしたら、コーティングをすれば、そのあとは洗車をしなくてもいいと思われていた方もいるかもしれませんが、それはディーラーや業者の間違った説明のせいです。
洗車やメンテナンスをしなければ、コーティングの効果は持続しないのです。高額なコーティング費用を払ったのに、得をするのはディーラーや業者だけということになりかねませんので、このポイントについても詳しく見ていきましょう。
2-1. 定期的な洗車
コーティングをすることで、車を汚れや傷から守ったり、汚れが落ちやすくなる効果があります。しかし、洗車をしなければ、こうした効果はすぐに失われてしまいます。
なぜなら、コーティング剤が劣化してしまうからです。
例えば、コーティングをした車に鳥のフンがついたとしましょう。いくらコーティングをしていたとしても、何もしなければ鳥のフンは車についたままです。そして、鳥のフンは酸性ですので、コーティングを溶かしてしまいます。その結果、コーティングは劣化して、その機能を失ってしまうのです。
つまり、お伝えしたいことは、コーティングをした後も、定期的に洗車をすることで、その効果を持続することができるということです。
コーティングをしていれば、洗車をしなくても良いというのは間違いです。もしそのような説明をされた場合には注意してください。これは、コーティングの価格には関係ありません。どれだけ高価なコーティングであっても洗車は必要です。
高額なコーティングをした洗車をしていない車よりも、価格を抑えたコーティングをして、こまめに洗車をしている車の方が綺麗な状態を長く保つことができるのです。
こまめな洗車ができるのなら、コーティングの価格を抑えても良いですし、洗車する時間がなかったり、苦手という場合には、コーティングの性能が高いもの(ガラス系コーティングやガラスコーティング)を選んだ方が良いでしょう。
車のコーティングは、安いから悪い、高いから良いと言うものではないのです。コーティングをした後の洗車頻度なども踏まえて選ぶことが大切です。
2-2. メンテナンス費用も考えたコーティング選び
洗車以外にも、コーティングの効果を持続するために必要なことがあります。それは、コーティングの種類に合わせたメンテナンスです。
コーティング剤の種類によって、その効果の持続期間が異なります。一般的にポリマーコーティングなら3ヶ月〜6ヶ月、ガラス系もしくはガラスコーティングなら1年以上となります。この期間に合わせて、コーティングの補修や塗り替えなどのメンテナンスが必要になるのです。
つまり、一度コーティングをすれば、そのまま5年も10年も綺麗なままだなんてことはないのです。もしかしたら、5年や10年保証がついているから大丈夫だと思われていた方もいるかもしれませんが、これらの保証は、定期的にメンテナンスを行なうことが前提となっています。
さらに、このメンテナンスのためには、別に費用がかかることがあるのです。そのため、コーティングを依頼する前には、メンテナンス費用の確認も忘れないようにしてください。
「保証」なのに、追加費用がかかるのは納得できないかもしれませんが、こうしたことを詳しく説明しないディーラーや業者がいますので注意しましょう。
まとめると、コーティングには施工費用だけではなく、メンテナンスにかかる費用もあると言うことです。コーティングの効果を維持するために必要なメンテナンス費用も含めて、あなたに最適なコーティングを選ぶことが大切です。
ただ、そうは言っても、専門的な判断は難しいと思います。そんな時は、施工を依頼するディーラーや業者に詳しく質問しましょう。一方的にコーティングを勧めてくるような業者はやめて、質問に一つずつ丁寧に答えてくれる業者を選びましょう。
3. まとめ
車のコーティングの価格は、数千円からできるものもあれば、10万円以上もかかるものまであります。
その価格の違いは、次の2つが原因です。
- コーティング剤の種類違い
- 下地処理の有無や精度の違い
一般的に、安いものは悪い、高いものは良いものだと思われていますが、車のコーティングの場合には、一概にそうとは言えません。下地処理の有無や精度によって、その効果や持続期間が変わってしまうからです。
いくら高価なコーティング剤を使用していたとしても、下地処理が行われていなければ、その効果を発揮することなく、高額な費用が無駄になってしまいます。一方で、費用を抑えたコーティング剤を使っていても、丁寧な下地処理を行なっている方が、綺麗な車を保つことができるのです。
つまり、車のコーティングを選ぶ時には、価格だけでは判断できないと言うことです。コーティング剤の種類と、施工過程(下地処理の有無)を確認した上で、予算に合わせたコーティングを選ぶことが大切です。
ご自分で判断することが難しい場合には、信頼できる施工業者を見つけると良いでしょう。予算だけではなく、車の状態や洗車やメンテナンスの頻度などを踏まえて、最適なコーティングを提案してくれるでしょう。