日本で生まれたスピードマスターのエンジンオイルは、レーシングユースからストリー トユースまで幅広く支持を得ています。使用目的に応じて最高のパフォーマンスを引 き出すことのできるラインアップは、オイルメーカーならではの品揃えといえるでしょ う。
エンジン本来の実力を体感できるスピードの頂点を目指して、今なお進化を続けてい る、それがスピードマスターです。
スピードマスターのエンジンオイルとは?
エンジンオイルにはさまざまな種類があります。重要なポイントになるのは、粘度、ベースオイル、品質規格になりますが、走り方や地域性、季節などによっても選び方は違ってくるものです。
スピードマスターはスポーツ系のチューニングオイルメーカーとして、採用された実績が数多くあります。1998年には「フォーミュラーニッポン」や「F3マカオグランプリ」を始めとする最高峰のレースに「スピードマスターレーシングチーム」として参加してきました。
最近の実績としては、次のようなものがあります。
実績 |
参戦車両 |
2019 D1 GPAND PRIX |
RX-7 FC3S 4ロータリーエンジン |
K4GP 7時間耐久 富士スピードウェイ |
チーム有馬農園SPM |
2019 JAF 全日本ジムカーナ選手権 |
SKIPDLWmSPMランサー |
2019 N-ONE オーナーズカップ |
SPMレイハートμ☆N-ONEより3台のエントリー |
このようにドリフト、全日本ジムカーナ、全日本ダートトライアル、全日本ラリー選手権などで現在も多数のレースサポートを行っているのです。
スピードマスターのエンジンオイルの特徴
エンジンオイルはエンジンに対して以下のような働きをしています。
潤滑作用 |
金属同士の摩擦を防ぎ、滑りを良くすることで運動性能を高めます。 |
防錆作用 |
油膜で部品を覆うことで酸素や水が触れることを防ぎ、錆びないようにします。 |
洗浄作用 |
オイルがエンジン内を循環することで金属片や異物を洗い流すことができます。 |
緩衝作用 |
オイルの油膜が部品を覆うことで緩衝材の役目をし、摩擦を防ぐことができます。 |
冷却作用 |
オイルパンで放熱し加熱するエンジンの熱を奪い、オーバーヒートすることを防ぎます。 |
気密作用 |
ピストンとシリンダーの隙間にオイルが入ることで、燃焼ガスがシリンダーの外に漏れないようにします。 |
このようなオイルの作用を熟知し、いかなる状況下でも最高のパフォーマンスをすることができるかが大切になってくるでしょう。
例えば、スピードマスターが誕生した1993年はチューニングカーの全盛期でした。高い耐久性を必要とする改造車に対し強靭な油膜効果を持ち、摩擦によって失われているパワーやエネルギーであるフリクションロスに対し、優れた性能を発揮していたのがスピードマスターズなのです。
また、モータースポーツに参加することで得られる数々のデータを基に開発を進め、一般ユーザーが使用できるようフィードバックした商品作りをしています。街乗りでも高性能な走りを実現することをはじめ、最近ではハイブリッド車に対応する商品も数多くなってきました。
スピードマスターのエンジンオイルの評判
レース車両、チューニング車両はもちろんのこと、一般ユーザーにも幅広く支持を得ています。
レースに使用する際には、ステアリングを切って車を旋回させるときにディファレンシャル(通称デフ)の差動がよかったという声や、エンジンの吹け上りがとてもよくなった、エンジン音が静かになったという声も聞かれます。ショップのデモカーに使用されているオイルがスピードマスターなので信頼を置いているという人もいるようです。
その反面、馬力のない車で使用するには少し硬いかもしれないという声もあります。他には、少し高価なのでコストパフォーマンスを気にしている人もいるようです。
用途や使用条件によっても変える必要があるエンジンオイルの使用感は、人それぞれに違う印象をあたえるでしょう。やはり、自分で確かめることが一番なのかもしれませんね。
スピードマスターと他社のエンジンオイルの違い
エンジンオイルはベースオイルと添加剤で決まります。ベースとなるオイルの種類には、以下の3つがあります。
化学合成油 |
潤滑させるうえで最適なオイルの分子を科学的に合成したものです。ベースオイルそのものがすでに優れた潤滑性を持っています。高価ではありますが、高性能、高品質を重視したオイルです。 |
部分合成油 |
鉱物油に化学合成油を混合して作ったものです。性能とコストのバランスが非常によくなります。 |
鉱物油 |
原油から不純物を取り除き、精製したオイルで、安価ですが酸化しやすく、耐熱性能も劣ることがあります。 |
日本でもベースオイルに化学合成油を使用することが一般的となってきました。スピードマスターのエンジンオイルは、化学合成油の中でも金属に反応し摩擦係数を減らせる物質のエステルを使用しています。
もうひとつの重要な働きをするのは添加剤です。ベースオイルの性能は良くても添加剤が不足していれば、摩耗を防ぎ寿命を延ばすことができなくなります。添加剤には粘度指数向上剤や酸化防止剤、摩耗調整剤などがありますが、スピードマスターは摩擦低減剤のSPL.FM剤を使用するなど常に進化した製品開発に取り組んでいます。
スピードマスターのエンジンオイルの種類と性能一覧
スピードマスターのエンジンオイルは使用する用途によって豊富な種類から選ぶことができます。レーシングユースからストリートユースまで幅広いラインアップを揃えているので確認していきましょう。
PRO RACING SPECIAL 5W50

性能
エンジンのさまざまな状況に対応する理想に近い特性を獲得しました。摩擦抵抗のフリクションロスを低減し、油膜の保持を高次元で両立することができます。長時間初期性能を維持し熱ダレを防止することができ、レーシングユースを重視した設計のフラッグシップモデルです。
F1PRO RACING SPECIAL 10W60

性能
油圧、油温の安定性に優れ、長時間に及ぶ過酷な状況下でもエンジンを保護します。パワー、レスポンスも向上させる耐久性重視のオイルです。
PRO RACING 5W30

性能
粘度からは考えられない油膜の強さがあるため、NAからターボ車まで0.01秒を争うタイムアタックで優れた性能を発揮します。
フリクションを極限まで低減し、レスポンスの向上を最重視したオイルです。
PRO SPECIAL5W40

性能
全回転域でのトルクの向上のためにベース配合を変更しました。排ガス規制に対応し、添加剤成分の見直しも行った新設計です。
RACING SPECIAL 5W50

性能
日常の街乗りからスポーツ走行まで幅広く対応します。特殊エステルを配合した高性能で、エンジンコンディションの寿命を延ばすことも可能です。最新規格適合で触媒装置への悪影響も心配いりません。
SUPER RACING 0W30

性能
低温流動性とアクセルワークに敏感な反応ができる潤滑性能は、スポーツ系NAに最適です。フリクションロスを抑え、レスポンス重視の設計になっています。
SPECIALSTAGE 5W40

性能
特にヨーロッパ車に適しています。車両メーカーが指定する粘度を持つ設計です。
RECORD 15W50

性能
大排気量ターボ車のような高温に晒されやすいエンジンの油膜保持に特化したオイルです。
CODE705 5W30

性能
低粘度指定車にも対応しています。潤滑性能の向上と省燃費の実現も確保できるような設計です。
CODE706 10W40

性能
トルクとレスポンスをバランスよく両立させています。ロングライフ性能を大幅に向上させ、あらゆる車に対応可能です。
CODE707 10W50

性能
ターボ車や大排気量のエンジンに最適な超ワイドレンジ設計です。
CODE710 5W30C3
性能
ACEA(アセア)はベルギーにあるヨーロッパ自動車メーカーの業界団体です。ヨーロッパ独自の添加剤規制が適用されていますが、ACEAにも対応する設計を実現しました。
CODE711 5W40C3
性能
ACEA対応で耐久性に優れたモデルです。
CODE901 0W20

性能
ベースオイルにエステルを配合し、低粘度オイルの弱点となる高温時の油膜保持を強化しています。新開発のダブルFM剤で摩擦抵抗を低減し、燃費、レスポンスの向上とスポーツ走行にも最適です。
NEXT STAGE 0W20

性能
新車から50,000㎞走行までのエコカーに最適な粘度設定です。ピストン清浄性と耐蒸発損失性能に優れた特性を持っています。
スピードマスターの偽物オイルに要注意!
最近では、スピードマスターオイルの中身を偽物にすり替え、安価で販売しているケースがあるようです。特に「ペール缶」と呼ばれる18リットルや20リットルの鋼鉄製の缶の被害報告が多いようなので、注意が必要です。
まとめ
日本の夏の異常な高温も、渋滞が多くストップ&ゴーを繰り返す環境も、エンジンやオイルに負担がかかることばかりです。日本国内で開発されたスピードマスターのオリジナルオイルは、日本という国を理解しているからこその品質といえるでしょう。
エンジン部品の細部にまで行き渡るなめらかな走りは、アクセルを踏み込んだ者にしか分からない体感です。
試すことで生まれる満足感を味わってみてはいかがでしょうか?