寿命をむかえ交換時期を過ぎているタイヤで走行することは、運転時の安全性に危険を及ぼします。ただし、具体的な交換を推奨する日付や判断方法がタイヤのどこかに書かれているわけではありません。

タイヤの交換時期を確認するには次の3つの目安によってチェックするのがおすすめです

  1. 走行距離
  2. タイヤの寿命・耐用年数
  3. タイヤの磨耗

それぞれ詳しく解説しますので、記事を参考に交換時期の参考にしてみて下さい。

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タイヤ交換の目安①走行距離

走行距離3万kmがタイヤ交換の目安

タイヤの溝は新品の状態では約8mmの深さがあります。このタイヤを車に装着して走行することで溝が減っていくわけですが、その程度はおおよそ5,000km走行するごとに1mmずつ減っていくとタイヤメーカーのホームページなどでも説明されています。

溝が減ったタイヤは交換する必要がありますが、溝の深さはスリップサインにて確認します。このスリップサインは残りの溝の深さが1.6mmで現れるようになっています。新品時の溝の深さである8mmから、スリップサインが現れる1.6mmには溝が6.4mm減ると達することになります。

このことから計算すると、6.4×5,000km=32,000kmと、約3万キロの走行距離で交換時期をむかえるという目安ができます。ただし、溝の減り方は車の使い方や走り方にも左右されます。チューニングにてエンジンの出力が上がっていたり、サーキット走行会などを楽しまれる方は上記の走行距離よりも早くスリップサインが現れる場合があります。

ですので、走行距離は一つの目安とし、日常の点検を行うようにすることが必要です。

タイヤ交換の目安②タイヤの寿命・耐用年数

タイヤにゴム製品ですので耐用年数があります。この年数を超えたタイヤはゴムが硬くなって走行中の段差による変形を吸収できず、ヒビ割れなどの劣化が生じる可能性が高くなります。

タイヤの耐用年数は4〜5年

長い間放置した輪ゴムを伸ばしてみるとすぐに千切れるのが確認できるように、タイヤのゴムも自然劣化します。ブレーキング性能、グリップ性能など製造時に設定された性能を維持できる期間は、4年から5年となっています。

しかし、車庫内保管と室外で恒常的に直射日光に晒されるなどの環境でも劣化の程度が違ってきますので一般的な状態での指標とし、こちらもやはり日常的な点検を意識してみて下さい。

タイヤの製造年の調べ方

タイヤの耐用年数は製造年月からの経過した年月で確認します。タイヤのサイド部、メーカー名が書いてある内側などに「1213」などと記載されています。この場合は「12週目、2013年」を表しています。もし、この製造年月を確認した月が2019年8月の場合、既に耐用年数を超えた6年以上が経っていることがわかります。

わかりにくい場合や不安な場合はタイヤショップやディーラーに相談してみれば確認してくれますし、その作業を見ることができれば次回からは自身でも確認できるようになります。

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タイヤ交換の目安③タイヤの磨耗

最もわかりやすいタイヤ交換時期の目安は、タイヤの溝が減る(摩耗する)ことによるものです。まだ使えそうに見える場合でも偏摩耗によって交換が必要な場合もありますので注意が必要です。

スリップサイン

タイヤの摩耗をチェックするにはスリップサインが役立ちます。このスリップサインはタイヤ溝が減ってくると現れるものです。タイヤの接地面の回転方向に刻まれた直線的な溝(ストレートグルーブ)の中に、タイヤ全周の4から9カ所に設置されています。

スリップサインの出ているタイヤは必ず交換しなくてはなりません。車検にも通りませんし、知らずに乗っていると違反になってしまいます。

もしスリップサインのことがよくわからない方は、「タイヤのスリップサインや溝の深さを確認する方法」こちらを必ずチェックするようにしましょう。事故を起こしたり、車検前に突然タイヤ交換が必要になって慌てないようにしてください。

タイヤの劣化・ひび割れ

耐用年数を過ぎたタイヤはゴムの柔軟性が失われ、変形することによって路面の段差を乗り越えた時の衝撃を吸収することが出来なくなり、最終的にはひび割れが生じしてしまうこともあります。

ひび割れが生じたタイヤで高速走行を行うと走行中のバースト(破裂)の危険もあります。徐々に空気が抜けていくパンクと異なり、バーストを起こすとタイヤがホイールから外れて車がスピンしたり、ハンドルが取られて道路を逸脱するなど大事故にも繋がります。

日常点検でタイヤの状態をチェックする習慣をつけるといいでしょう。

タイヤの偏磨耗

タイヤの変摩耗とは、部分的にすり減ってしまっている状態のことです。例えば、車重が重く車高も高いミニバンは車が左右へブレやすいため、タイヤの内側や外側だけがすり減ってしまうことがあります。他にも、空気圧の過不足や整備不良などでもこうした偏摩耗が起きています。偏摩耗が生じてしまうとタイヤの安全性能が低下したり、振動や異音が発生するだけではなく、タイヤの寿命を縮めてしまう原因にもなります。

こうしたタイヤの偏摩耗を減らし、寿命を伸ばすためにはタイヤローテーションが有効です。タイヤローテーションとは、タイヤの装着位置を変えることです。これにより、溝の減り方を均一化することで結果的に寿命を伸ばす効果があります。タイヤメーカーなどではおよそ5,000キロの走行を行う毎にタイヤローテーションを行うことを推奨しています。

車検のときくらいしかタイヤのチェックを受けていないという方は、もしかしたら本来より早くタイヤの寿命を迎えているかもしれません。つまり、タイヤ交換のために余計な出費をしているということです。無駄な出費を防ぐためにもタイヤローテーションをしてタイヤの寿命を伸ばしましょう。「タイヤローテーションのやり方【保存版】」でも詳しくご紹介していますので、こちらもチェックしておくことをお勧めします。

【補足①】タイヤ交換時期は車種や乗り方によって異なる!

タイヤの交換時期は今回詳しく説明した3つの目安の他にも、新車装着時のタイヤの種類やタイヤの基本性能によっても異なります。一般的にはスポーツカーにはゴムが柔らかくグリップが高めのタイヤ、エコカーには回転抵抗が少なく路面との摩擦係数が少なく多少硬めのタイヤが選ばれる傾向にあります。

今回取り上げた「走行距離」という点で考えると、スポーツカーのタイヤは3万キロ以下でも溝が減り、寿命をむかえることもあります。また、エコカーなどでも車庫入れ時など停車状態でのハンドルの据え切りが多い場合はリアタイヤに比べてフロントタイヤが早く減り、交換が必要になることがあります。

タイヤの交換時期はタイヤの種類や取り付けている車種によって異なりますが、日頃のメンテナンスや運転方法によって長持ちさせることも可能です。まずは給油時などに簡単に点検調整が可能な空気圧が低下していないか確認して調整して下さい。空気圧の低下は偏摩耗や燃費の悪化の原因にもなります。

運転操作に置いても急ハンドル、急ブレーキ、静止状態でのハンドルの据え切りはタイヤに負担をかけます。丁寧な運転を心がけることもタイヤの寿命を伸ばすのに有効です。

【補足②】スタッドレスタイヤの交換時期の目安

摩耗や走行距離よりも耐用年数をより意識する必要があるのがスタッドレスタイヤの特徴です。スタッドレスタイヤは雪道の走行や冬しか使用しませんので、溝が減って交換の必要が発生する可能性は低いかもしれません。しかし、溝が減っていないので交換の必要がないと思われ、気づいたら随分と長く毎年使っているということが多くあります。

スタッドレスタイヤはサマータイヤよりかなり細かい溝が刻まれ、タイヤの変形や排水性の向上によって雪道でのグリップを確保しています。そのため、ゴムの柔軟性が失われた状態のスタッドレスタイヤは所定の性能を満たしていないと理解する必要があります。スタッドレスタイヤに交換する際には製造年月からの耐用年数は問題ないか、より注意深く確認しましょう。

早速、タイヤ交換の目安をチェックして安全なカーライフを!

タイヤ交換時期の判断に有効な3つの目安を解説させていただきました。タイヤの状態は雨天時の排水性能、耐スリップ性能、停車時の制動距離など安全に車を走らせる上で多くの部分に影響を与えます。交換時期をむかえたサマータイヤでの雨天時の高速走行、耐用年数を過ぎたスタッドレスタイヤでの凍結路の走行は特に危険です。

また、交換時期に近づいたタイヤはロードノイズや乗り心地などの快適性も低下しています。そのために日頃からタイヤを長持ちさせるような丁寧な運転を心がけ、日常的に点検を行うことが安全なカーライフに繋がります。

是非、今回の記事を参考にして早速、タイヤ交換の目安をチェックし、より安心なドライブを楽しんで下さい。

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