スタッドレスタイヤに交換した時など、一次的にタイヤを保管する場合には正しい保管方法があります。間違った方法だとタイヤの寿命を縮めてしまうため注意しましょう。例えば、間違った環境で保管してしまうとタイヤが劣化してひび割れや亀裂の原因になります。これらはバースト(車を走行中に突然タイヤが破裂すること)の原因になるため交通事故に繋がる危険もあります。

なんだか大袈裟に聞こえるかもしれませんが、タイヤの保管方法は正しく行う必要があるということです。ただ、そうは言っても難しい話ではありません。自宅でも安全に保管することができますし、もし自宅に保管スペースがない場合には便利なサービスもあります。

それでは早速、正しいタイヤの保管方法を確認していきましょう。

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タイヤを保管する方法

タイヤを適切に保管するためには、要点さえ押さえておけば特に難しい知識は必要なく、自宅やガレージなどで保管しても問題はありません。また、タイヤを保管するスペースの確保が難しい場合には、有料のタイヤ預かりサービスを利用するという手段もあります。

どちらの保管方法であっても適切な環境であれば、お好みの保管方法を選択しても特に問題はないので双方のメリット・デメリットを見てみましょう。

自宅で保管する

タイヤを保管するための最低限の注意点さえ理解しておけば、誰でも簡単に自宅でタイヤを保管する事ができます。準備作業については後述していますが、簡単な作業なのでまずは自宅でタイヤを保管するメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

タイヤを自宅で保管する場合、最大のメリットは費用がかからないことです。また、ご自分の好きなタイミングでタイヤ交換することができます。有料のタイヤ預かりサービスを利用した場合には、費用が発生することはもちろんですが、スタッドレスへの交換時期などは混雑してしまうことがあります。

デメリット

タイヤを自宅で保管する場合、保管スペースの確保が必要になってきます。十分なスペースがあれば心配ありませんが、車庫や庭などで保管を考えている場合は、スペースが狭くなってしまうことがあります。後からご紹介するタイヤラックなどを上手に使って、スペースを有効活用できるようにしてみましょう。タイヤラックなどの保管用具を購入するための初期費用がかかりますが、簡易的に済ませるのであれば3,000円前後から用意できますので、費用面では大きな負担にはならないでしょう。

また、タイヤを保管する前には適切なケアが必要となり、自宅で保管する場合には、これらを自分で行う必要があります。詳細は後述していますが、特別難しいものではないものの、時間に余裕がないという方には不向きかもしれません。

タイヤ預かりサービスを利用する

タイヤ預かりサービスはディーラーやカー用品店など、身近なところでもサービスを提供しています。料金システムはサービスを利用するエリアや、保管してもらうタイヤのサイズによっても大きく変動します。

利用料金の目安

保管料金は月額コースか年間契約コースが用意されていることが多く、月額コースでは1ヶ月1,000円から2,000円程度年間契約コースでは20,000円から30,000円程度で提供されています。この料金はタイヤ径によって異なり、大きな径になるほど場所も取りますので高くなります。(ショップによっては半年コースが用意されている場合もあります。料金は年間契約コースの半額程度です。)

また、タイヤの脱着料金は保管料金とは別に必要な場合がほとんどです。年間契約コースで脱着料金が含まれている場合も1シーズンに1回となっていますので、それ以上の回数を行う場合も別途、脱着料金が必要になります。

さらに、倉庫会社などの一部では、最初に契約手数料が必要な場合もありますので良く確認してから利用するようにしましょう。

メリット

タイヤ預かりサービスを利用すれば、ショップが適切な方法で保管してくれるので、保管前のケアなどを自分で行う必要はありません。また、タイヤ交換サービスも行っていることが多いので、同時に任せることができます。

そのほかには、自宅のスペースを使う必要が無くなり、タイヤを保管するためのグッズを購入する必要も無くなるというメリットがあります。

デメリット

タイヤ預かりサービスを利用すれば、当然ですが費用が発生します。自宅で保管した場合と比較すると、最大で10倍ほどの価格差が生じることもあります。(自宅保管ならタイヤラックを3,000円程度から購入できますが、タイヤ保管サービスを利用すると年間2〜3万円の費用がかかります。)

自宅でタイヤを保管する方法6つのポイント

保管スペースがあったり、費用を抑えたい方は自宅でタイヤを保管するのがおすすめです。それでは具体的な方法を確認していきましょう。

タイヤを保管する場所

タイヤを保管する上で気を付けておきたいポイントは、劣化の原因となる要素を避ける事です。環境による劣化の主な原因は、太陽による紫外線や温度変化、雨などがあります。これらを防ぐためには、通気性の良い屋内が望ましいので、ガレージや物置などが適しています。

屋内保管が難しい場合は、雨や紫外線を遮断する事ができるタイヤ収納カバーで保護しましょう。

横積みする場合は風通しが良くなるように、床にダンボールやすのこなどを敷いてからタイヤを置く事をオススメします。

タイヤを保管する環境

タイヤを保管する際には温度と湿度にも気を付けなければなりません。極端に高温になってしまう場所であったり、湿度が高い環境で保管してはいけません。屋内であっても温度と湿度には注意してください。

保管前のタイヤ洗浄

タイヤに付着している汚れには油や鉄粉、化学物質など、タイヤに悪影響を与える物質が多く含まれているので、保管前に綺麗に水洗いしておく方が良いでしょう。洗浄の際は、タイヤを装着していると洗いにくいトレッド部分(路面に接地している面)も忘れないようにしましょう・

また、洗剤を使った方が綺麗にはなりますが、洗剤には化学物質が含まれているものが多く、これもまた劣化の原因となってしまうので、なるべく水洗いで綺麗にするのが鉄則です。もし汚れがひどく洗剤を使う場合は、念入りに水を流して洗剤の成分をきちんと落としてください。そして、洗浄後はしっかりと乾燥させてから保管するようにしましょう。

保管前のタイヤメンテナンス

洗浄してそのままタイヤを保管しても良いのですが、タイヤワックスを塗布する事でより一層タイヤの品質を保護する事ができます。ただし、タイヤワックスには大別すると二種類のものがあり、光沢や艶を出す目的の油性のものと、品質を保護する目的の水性のものがあります。保管前のタイヤメンテナンスとして塗布する場合は、水性のタイヤワックスを選びましょう。

タイヤの置き方

タイヤの置き方はホイール付きの場合と、タイヤのみの場合で異なります。

タイヤのみで保管する場合は、縦積み・横積みどちらでも問題ありません。ホイールにタイヤを装着している状態で保管する場合は、縦積みにして保管しておくとホイールの荷重がかかってしまい変形してしまうので、タイヤを積み上げるように横積みにして保管するのが望ましいです。

タイヤの空気圧

タイヤを保管する場合は空気を抜いてから保管する事で、タイヤへのストレスを軽減する事ができます。

タイヤの空気圧は車種や装着タイヤごとにそれぞれ規定値が設定されていますが、保管する際は規定値の半分を目安にして空気を抜いてから保管しましょう。再度タイヤを装着する時は必ず忘れずに空気を充填しましょう。

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タイヤの保管に便利なおすすめグッズ

自宅でタイヤを保管する場合には、次のような便利グッズを用意して適切に保管できる環境を整えましょう。

屋外保管にタイヤカバー

アイリスオーヤマ タイヤカバー 屋外 防水 劣化 汚れ防止 普通自動車用 (軽自動車/RV車) TE-700E シルバー

タイヤを保管する場所は屋内が望ましいですが、スペースの確保が難しかったり、やむを得ず屋外に保管したいといった時に役立つのがタイヤカバーです。タイヤを屋外で保管する場合には必須とも言えるアイテムです。太陽や雨はもちろんホコリや汚れからもタイヤを守ってくれます。

スマートに収納ができるタイヤラック

アイリスオーヤマ タイヤラック カバー付 普通自動車 幅59×奥行36×高さ127 耐荷重 120kg KTL-590C ブラック

タイヤ4本を保管するためには意外とスペースがとられてしまいます。そこで、上手に保管するためにはタイヤラックを用意しましょう。タイヤラックにはキャスター付きで移動も楽にできるものから、ショップで陳列しているタイヤのように縦置きで横に並べるもの、スペースをコンパクトに抑える事ができるものまで様々なものがあります。

タイヤラックの商品紹介写真では、ホイール付きのタイヤで紹介しているものが多くありますが、タイヤラックを利用するのはタイヤのみの場合です。ホイール付きのタイヤは横積みする事をオススメします。

ホコリや紫外線をガードするタイヤ収納庫

山善 物置き スチール収納庫 鍵付き 可動棚 幅150×奥行75×高さ114cm KSLB-1511

タイヤカバーは価格も手頃で便利なグッズですが、カバー自体が劣化したり破れてしまうことがあります。保管場所にもよりますが、1シーズごとに交換する場合もあります。また、保管中にカバーが破れていても気づかないこともあります。

そうしたデメリットが心配な方は、タイヤカバーよりも耐久性に優れているタイヤ収納庫を利用するのがいいでしょう。収納庫を設置するスペースを確認してから購入してください。

タイヤケアにはタイヤワックス

保管前のタイヤメンテナンスの項目で解説したように、タイヤを保管する前に水性タイヤワックスを使用することで劣化を防ぐためのケアになります。タイヤワックスは、水性か油性かをひと目で分かるように記載されていないものが多いので、購入時には間違えないように注意しましょう。

まとめ

タイヤは保管スペースさえあればビニールに入れて保管すればいいという訳ではなく、とてもデリケートなパーツである事が分かりました。

タイヤの劣化を抑えて品質を維持するためには、日々のケアやメンテナンスも重要ですが、保管する環境もタイヤの劣化に影響を与える重要なポイントです。タイヤの劣化には様々な原因があり、その中でも誤った保管方法は大きな原因とも成り得ます。

正しい保管方法と整った環境でタイヤを保管して、タイヤのコンディションをキープしましょう!

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