タイヤは類によって価格や性能が大きく異なります。新車装着時のタイヤはその車の求める性能に最も適合するタイヤが選ばれていますが、同じタイヤに交換しようとすれば費用が高くなりがちです。かといって、価格だけでタイヤを選んでしまうと乗り心地が悪くなったり、燃費にも影響してしまう可能性があります。

今回の記事ではタイヤの種類ごとに特徴を詳しくご紹介しますので、タイヤ選びの参考にして下さい。

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タイヤの種類・性能一覧

夏タイヤ(サマータイヤ)

①低燃費タイヤ(エコタイヤ)

転がり抵抗が低く燃費性能が向上するタイヤ

②車種別設計タイヤ

車種の特性に応じた専用設計のタイヤ

③コンフォートタイヤ

静粛性や乗り心地の向上を目的としたタイヤ

④スポーツタイヤ

グリップ性能やハンドリング性能アップを目的としたタイヤ

⑤Sタイヤ

サーキット走行用のハイグリップタイヤ

⑥ランフラットタイヤ

パンクしても一定距離を走行可能なタイヤ

冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)

雪道及び凍結路での走行性能、安全性向上を目的としたタイヤ

オールシーズンタイヤ(全天候型タイヤ)

夏タイヤを基本としながらも、降雪初期のシャーベット路面などもカバーできるタイヤ

アジアンタイヤ

アジア諸国で作られているタイヤ。国産タイヤより価格が安い。

夏用タイヤ(サマータイヤ)の種類

新車装着時に装着されている普通のタイヤが夏用タイヤ(サマータイヤ)と呼ばれるものです。その中でもさらに6種類に分けられます。

①低燃費タイヤ(エコタイヤ)

ハイブリッド車などに装着されているのが低燃費タイヤです。低燃費タイヤは表面のコンパウンド(ゴム)を改良することなどにより、タイヤが路面と接触して回転する場合に発生する転がり抵抗を低減するように設計されています。

低燃費タイヤはグレーディングシステムという基準に合致しているものがそのように呼ばれます。グレードにシステムでは、転がり抵抗性能が「AAA」「AA」「A」、ウェットグリップ性能がd以上を満たすものに「低燃費タイヤ統一マーク」が表示されています。

②車種別設計タイヤ

その車種に求められる特徴的な性能や、車種ごとの特性を改善することを目的に作られているのが車種別設計タイヤです。車種ごとに主な特徴をご紹介します。

軽自動車

軽自動車、特に最近主流となっている軽ハイトワゴン向けの車種別設計タイヤの特徴は、直進安定性を高めたりフラツキを抑える設計がなされていることです。

車高の高いハイトワゴンでは横風を受けた場合の直進安定性が低下したり、路面の段差やうねりなどで車が揺れた場合にふらつきやすい傾向にあるため、こうしたタイヤが効果を発揮します。

セダン・ワゴン

セダンやワゴンに用いられている車種別設計タイヤの特徴は、静粛性や乗り心地の向上を目的としたものが多くなっていることです。高級大型セダンや輸入セダン向けには新しいテクノロジーや素材を採用したタイヤが用いられています。

例えば、タイヤが発生するロードノイズを低減させるためにタイヤの内側に音を吸収するスポンジなどを装着したものなどがあります。そうしたタイヤでは販売価格も高くなりますが、セダンユーザーからは静粛性に対する要望が高いため需要があります。

ミニバン

ミニバンも軽ハイトワゴンと同様に車高が高いことによるフラツキが出やすい車種です。そのため、ミニバン専用タイヤもフラツキを抑えて、安全運転とドライバーの疲れを低減する設計がされています。また、ミニバンは車重が重く乗車人数、荷物の積載量も多くなりがちですので耐荷重性能も優れています。

SUV

SUV用のタイヤは舗装された道路(オンロード)だけではなく悪路・泥濘路(オフロード)での性能も持ち合わせる必要があります。そのため、溝が深くタイヤのトレッドパターン(表面のゴムの模様・形)を大きくして、オフロード走行時に石の角に乗り上げてもタイヤが損傷しないように設計されています。

また。最近ではオールシーズンタイヤ(全天候型タイヤ)が装着されることが多いのもSUVの特徴です。

③コンフォートタイヤ

コンフォートタイヤはコンフォート(快適)性の向上を目的として作られているタイヤです。コンフォート性能に大きく影響を与えるのは静粛性、乗り心地、路面の凹凸を乗り越えたときにも衝撃が少ないことです。

そのためにコンフォートタイヤではロードノイズを低減させるためのトレッドパターン(溝の模様)を採用したり、タイヤ側面のゴムの厚さを最適化して路面に凹凸があった場合やギャップを乗り越えた場合もしなやかに衝撃を吸収するように設計されています。

④スポーツタイヤ

スポーツカー向けに作られているのがスポーツタイヤです。スポーツタイヤではグリップ性能が最も重視されます。グリップ性能が良くなれば今までよりもスリップすることなく速いスピードでコーナリングすることが可能です。

また、路面との摩擦係数が高い(グリップ性能が高い)ことはブレーキング性能にも良い影響を与えます。結果的に短い制動距離で停止することが可能です。さらに、タイヤの側面を硬めにするなどしてステアリングを切った場合の反応・応答性を向上させクイックなハンドリングも実現しています。

⑤Sタイヤ

サーキット走行向きに作られているのがSタイヤです。スポーツタイヤよりも更に柔らかくグリップの良いコンパウンドが使用されています。また、トレッドパターンも溝が少なくブロックが大きくなっており剛性の高いものが採用されています。ただし、雨天時の排水性は他のタイヤよりも劣りますので、濡れた路面での走行には注意が必要です。

⑥ランフラットタイヤ

ランフラットタイヤはパンクして空気が抜けても一定の距離が走れるように作られています。その仕組みは、空気が抜けてもタイヤが完全につぶれないようにタイヤ側面のゴムを厚くするなどの工夫が行われています。これにより空気が抜けた状態でも60km/h程度の走行ではハンドリングを悪化させることなく、最寄りのタイヤショップやディーラーまで走行できるように作られています。

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夏用タイヤ(サマータイヤ)の選び方

夏タイヤには多くの種類や特徴を持ったタイヤがあることがわかりました。また、最近は車種別設計タイヤも多くのメーカーから発売されています。ご自身の車種や求める性能のタイヤを選ぶようにしましょう。どれを選べばいいか迷ってしまう場合には、次の4つをチェックしてみましょう。

  1. タイヤサイズ
  2. 価格
  3. 性能
  4. メーカー

詳しくは、「夏タイヤの選び方」こちらで紹介されていますのでチェックしておきましょう。

冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の選び方

結路や圧雪路、雪道で使用されることを目的に作られているのが冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)です。普段は雪の降らない地域にお住まいでも、冬にはスキー場にウィンタースポーツを楽しみに愛車で出かけたり、仕事で降雪地に行く場合にも冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)が必要になります。

冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)はタイヤの表面に細かい溝が刻まれているたり、ゴムの表面に小さい窪みを設けて接地面の水分を取り込むなど、排水性にとても優れたタイヤです。

どのタイヤメーカーの冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)も、タイヤと路面の間に水や氷が入り込んでもそれらを排水し、スリップすることなく走る事が出来るように工夫しています。冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)は毎年のように性能を向上させた新しいタイヤが発売されます。

長年使用しているとゴムが硬くなり、溝が残っていてもスリップしやすくなりますので3年を目処に新しいタイヤに交換するのがおすすめです。

詳しい解説は、「スタッドレスタイヤ交換マニュアル」で紹介されていますので確認してみましょう。

オールシーズンタイヤの選び方

夏用タイヤ(サマータイヤ)を基本に、降雪の初期などまだ路面が圧雪や凍結路になっていない場合でも走れるようにしたのがオールシーズンタイヤです。

年に数回しか降らない雪のためにスタッドレスタイヤを用意していた方にとっては、出費を抑えられる使い勝手の良いタイヤと言えます。詳細については「オールシーズンタイヤとは「万が一の雪にも対応できる」便利なタイヤ!」こちらを参考にしてください。

オールシーズンタイヤは装着例の増えているSUV用の大きいリム径サイズを中心にバリエーションが増えてきています。また、店舗の在庫も少ない可能性があるので注意してください。

国産タイヤと輸入タイヤ(アジアンタイヤ)の性能比較

中国や韓国、インドネシアなどの東南アジアで作られているタイヤがアジアンタイヤとも呼ばれる輸入タイヤです。最近の輸入タイヤは技術力の向上により日常使用では不満のない製品になっています。

また、アジアンタイヤの特徴は価格の安さです。安全運転を心がけているユーザーで、走行距離の長い方にはメリットとなるでしょう。対してコンフォート性能や低燃費タイヤの部分では国産タイヤにまだ優位性を感じます。性能と価格のバランスから、どの点を重視するかを考えて輸入タイヤを検討されてみても良いかと思います。

タイヤ交換費用を抑えたいと考えている方は、まずは「輸入タイヤ(アジアンタイヤ)と国産タイヤの性能比較」こちらで、その安全性能を確認しておくのがおすすめです。

タイヤの種類と性能を比較して最適なタイヤ選びを!

最近は昔のセダンように特定の車種ばかりが売れることなく、ミニバンや軽ハイトワゴン、SUVなど多くの車種がまんべんなく人気を集めています。それに合わせてタイヤも種類も多様化しています。また、種類が多すぎてどれを選んだら良いのかわからないユーザー向けに車種別設計タイヤも販売量を伸ばしています。

愛車に最適なタイヤを選ぶんで、より安全に楽しいカーライフを送りましょう。

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