タイヤ交換を検討する場合には、現在、愛車に装着されているタイヤサイズを確認する必要があります。タイヤサイズは数字とアルファベットの羅列で記載されていますが、表記の意味と法則を理解すれば自身でも簡単に確認できるようになります。
今回の記事ではタイヤサイズの見方と表記の意味・読み方を、表記例を基にして詳しく解説します。
愛車のタイヤサイズを調べる方法
愛車のタイヤサイズを調べるには、現在装着されているタイヤの側面に記載されているサイズ表記を確認します。特に、インターネットでタイヤを購入したいと考えている方には必須です。インターネットなら実店舗よりも安いタイヤを簡単に購入することができますが、愛車に適合するサイズを選ぶ必要があるからです。
一方で、実店舗でタイヤを購入しようと考えている方であれば、店員が最適なサイズを選んでくれますので、ご自身がタイヤサイズを把握していなくても問題ありません。
次章からは、ご自身でタイヤ選びをするために必要な知識をお伝えしていきますので、タイヤを安く購入したいという方は、このまま確認していきましょう。
車のタイヤサイズの見方(表記例)
今回は次のタイヤサイズの表記を例に、この表示の意味を確認してみます。
215/45R17 91W XL
①タイヤ幅
最初の「215」というのはタイヤ幅を表しています。
タイヤ幅とは
タイヤ幅とはタイヤの横幅のことです。タイヤの表面とサイド面まで含めた溝(トレッド)が刻まれた面の幅=タイヤの断面幅になります。
タイヤ幅の見方
タイヤ幅の表記単位はmmになりますので、この場合は横幅215mmになります。
②タイヤの扁平率
「45」はタイヤの扁平率を表しています。
タイヤの扁平率とは
タイヤ幅に対してタイヤの接地面からホイールまでの距離であるタイヤの高さ(タイヤ断面の高さ)の比率を表しているのが扁平率です。
扁平率はタイヤ断面の高さ÷断面幅×100にて算出されています。扁平率の低いタイヤほど、横から見た際にタイヤが薄くなります。
タイヤ扁平率の見方
表記例では「45」というのが扁平率です。この場合はタイヤ幅=断面幅215mmに対して断面の高さは45%という事になります。断面の高さは215×0.45=96.75という計算式から、96.75mmが断面の高さと算出できます。
③ラジアル構造
「R」はタイヤの構造を表します。「R」は「Radial」の頭文字で、ラジアルタイヤであることを意味しています。昔はラジアルタイヤとバイアスタイヤが混在していましたが、現代の車に標準装着されているのはほぼラジアルタイヤのみになってきています。
ラジアル構造とは
タイヤはゴムだけではなく、高強度の繊維などを組み合わせて作られています。表面のゴム(トレッド)を貼り付けるベースとなるのが内部構造です。内部構造を作る際は高強度の繊維を何層にも組み合わせてベースとなる丸い形状を作ります。
その際に、タイヤの回転方向に対して直交するように高強度の繊維を配置したのがラジアルタイヤです。
④リム径
今回の参考例の「17」がリム径になります。
リム径とは
リム径とはタイヤをホイールに装着する場合の径で、ホイール径と同一です。
リム径の見方
リム径は参考例の「17」のように、ラジアルタイヤを意味する「R」の次に表記された数値です。単位はインチです。ですので今回の場合は17インチのリム径に適合することを表しています。15インチの場合は195/65R15というように表記されます。
⑤ロードインデックス(荷重指数)
参考例の「91」というのがロードインデックス(荷重指数)を表しています。
ロードインデックスとは
ロードインデックスは、そのタイヤが何kgまでの負荷に耐えられるかを表しています。数字が大きくなるほど、大きな負荷に耐えることが出来ます。
ロードインデックスの見方
ロードインデックスはリム径の次に記載されているタイヤがほとんどです。数値は指数ですので「91」という数値が91kgの負荷まで耐えられる、というような記載ではありません。「91」の場合は負荷能力が615kgを意味します。数値毎の負荷能力はタイヤカタログやタイヤメーカーのWebサイトで確認することが出来ます。
⑥速度記号
ロードインデックスに続けて記載されているアルファベットが速度記号です。
タイヤの速度記号とは
速度記号は、そのタイヤが何km/hの最高速度まで対応可能かを表しています。
タイヤの速度記号の見方
今回の参考例ではロードインデックスの「91」に続けて「W」が記載されています。「W」は最高速度270km/hまで対応可能なタイヤに記載されるアルファベット表記です。
⑦タイヤ外径
タイヤ外径とは
タイヤ外径はタイヤの直径です。外径により自ずとタイヤが1回転した場合の長さ=タイヤの円周の長さも決まってきます。新車装着時のタイヤやその車種に標準設定されているタイヤの外径と大きく数値の異るタイヤを装着すると、1回転した場合の長さも変わってきますのでスピードメーター表示に誤差が生じます。
タイヤ外径の見方
タイヤ外径はタイヤカタログに記載されています。単位はmm。外径 607mmなどと記載されています。
⑧製造年月日
タイヤの製造年月日は「製造した週を2桁の表示+製造した年を西暦の下2桁で表示」されています。
タイヤの製造年月日とは
タイヤは溝が減っていなくてもゴムが劣化して硬くなったりして所定の性能が維持できなくなります。耐用年数は4年から5年とされています。製造年月日から計算することで残りの耐用年数が逆算可能です。
タイヤの製造年月日の見方
タイヤサイズとは離れた場所に、製造年月日は記載されています。「2718」と記載されている場合は「27週目、2018年」という意味から、2018年の27週目に製造されたと確認することが出来ます。
タイヤサイズを変更する方法
ここまでタイヤサイズの見方を詳しくご紹介しましたが、ほとんどの方はタイヤに表示されているサイズと同じものを選んでいただければ問題ないでしょう。
しかし、中にはタイヤやホイールをカスタムしたいと考えている方もいらっしゃると思います。そんな場合には、外径はほぼ同じに保ったまま、リム径と扁平率を変更する必要があります。
インチアップ
より大きなホイールを装着し、その分はタイヤを薄くする=扁平率の低いタイヤに交換するのがインチアップです。
詳しくは「車のタイヤをインチアップする方法」で紹介されています。
インチダウン
小さなホイールに変更して、その分はタイヤを厚くする=扁平率の高いタイヤに交換するのがインチダウンです。インチダウンを検討する場合はホイールがブレーキキャリパーに干渉しないか注意が必要です。
ルールがわかればタイヤサイズの見方は簡単!
タイヤサイズの見方や表記の意味を解説しました。記事中で用いた表記例(215/45R17 91W XL)のような数字とアルファベットの組み合わせによる表示には、そのタイヤに関するサイズやスペックなどの情報が含まれています。その記載の仕方のルールがわかればタイヤサイズも簡単に確認できます。
タイヤ交換を検討する際の、タイヤサイズの見方として活用してみてください。