夏タイヤは国産タイヤだけではなく輸入タイヤも含めて多くのタイヤメーカーがラインナップしています。また、1つのメーカーでも複数のブランドを用意しているところもあります。さらに、夏タイヤを選ぶ際に重要視する点(タイヤの性能)もユーザーによって異なります。

そのため、どのタイヤを選べばいいのかわからず困ってしまうことがよくあります。

そこで今回は、夏タイヤ選びに必要なタイヤサイズ、購入先、製造国、装着車両、タイヤメーカーの5つのポイントをご紹介していきます。ぜひタイヤ選びの参考にしてください。

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夏タイヤの選び方①タイヤサイズを確認する

まずはタイヤサイズを確認しましょう。タイヤサイズはタイヤの側面に215/45R17 91W XLのように記載されています。この表示には下記の情報が含まれています。

  • 215:タイヤの幅
  • 45:タイヤの扁平率(数字が小さくなるほど薄くなる)
  • R17:適合するホイールの径(インチ)
  • 91:荷重指数
  • W:速度記号
  • XL:エクストラロード(通常よりも高荷重に耐えられる)

新車で購入した場合は、同じサイズのタイヤを選んでいただければ大丈夫です。

もし、中古車を購入した場合は標準装着サイズとは異なるタイヤ&ホイールに交換されている場合がありますので注意が必要です。

自動車メーカーが指定している標準タイヤサイズは、フロントドアを開けた際に確認できるBピラー(フロントサイドウィンドウとリアサイドウィンドウの間の柱)に貼られている空気圧指定シールに記載されています。

そちらに記載のないタイヤサイズの場合は、インチアップされていたり別のサイズに交換されているので、走行性能や安全性能に問題はないか購入店舗に確認してみましょう。

夏タイヤの選び方②価格で比較する

夏タイヤのタイヤサイズがわかったら次に気になるのは価格ではないでしょうか。ここでは、どこで夏タイヤを購入するか?購入するのにお買い得な時期はあるのか?を確認してみます。

店舗とインターネット通販の違い

購入先としてはカーショップやガソリンスタンド、ディーラーなどの実店舗と、インターネット通販に分けられます。実店舗で購入するメリットとしてはタイヤサイズの確認、タイヤの脱着と交換、指定空気圧への調整まで全て行ってくれる点があります。

対してインターネット通販のメリットとしては実店舗より価格が安い点です。デメリットとしてはタイヤサイズの確認を自身で行う必要があること、購入したタイヤを交換してくれるタイヤショップを自身で見つける必要があることです。

国産タイヤと輸入タイヤの違い

国産タイヤと輸入タイヤでも価格が異なります。特に、韓国や中国、インドネシアなどアジア圏で作られているアジアンタイヤと呼ばれている輸入タイヤは、国産タイヤメーカーや欧米の輸入タイヤメーカーの製品と比べて価格が安いのが特徴です。

また、以前は取り扱っているカーショップやタイヤショップも少なく品質への不安もありましたが、今では多くのショップや通販にて販売されています。アジアンタイヤでもレース活動を行い、高性能タイヤを開発しているメーカーも出てきていますので、タイヤ交換費用を抑えたい方にはおすすめです。

輸入タイヤ(アジアンタイヤ)と国産タイヤの性能比較」ではおすすめの輸入タイヤ(アジアンタイヤ)をご紹介していますので、ぜひチェックしておきましょう。

夏タイヤの安い時期

以前は、スタッドレスタイヤに切り替わる冬を前にした時期は安い、決算時期である3月が安いと言われていたときもありましたが、今では一部でそうした在庫品限りの特売を除き、全てのタイヤが安くなる時期は見られません。タイヤを安く購入するならインターネット通販やアジアンタイヤを選ぶのがおすすめです。

インターネットでタイヤを安く買う方法は、「タイヤ交換はネット通販で購入すれば安くなる!」こちらで確認することができます。

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夏タイヤの選び方③車種別設計のタイヤを比較する

このところタイヤメーカー各社がラインナップ拡大に力を入れているのが車種別設計のタイヤです。昔は車のボディータイプ自体が少なかったり、ミニバンの購入層は商用目的だったりしたので一つのタイヤブランドで多くの車種をカバーしていました。

しかし今は販売台数が最も多い軽自動車や、セダンよりもユーザー層が増えているミニバンやSUVなどユーザー層が細分化されています。車種が異なれば車重や重心位置も違ってきますので、求められるタイヤの性能も異なってきます。

そうした課題の解消に向けてラインナップが増えているのが車種別設計のタイヤというわけです。車種別に、どのような特徴を持ったタイヤがラインナップされているのか確認してみましょう。

軽自動車

軽自動車の中でも最近人気なのが広い車内空間を実現するハイトワゴンタイプです。ハイトワゴンタイプは車幅に対して車高が高く、それによって重心も高くなりがちです。重心が高くなると横風を受けた時の直進安定性が不安定になります。

また、タイヤから重心位置までが離れていますので路面のうねりやギャップがあった際に大きく車が揺さぶられます。これらの点からハンドリングの安定する=安定した走行を実現するハイトワゴンタイプが最適です。

セダン・ワゴン

ボディータイプとして最も標準的なセダンタイプや、セダンをベースとしたワゴンタイプ向けには多くのタイヤブランドが用意されています。セダンタイプの車も多様化しており、同じ車種の中でハイブリッドエンジンを搭載したモデルから、V型6気筒3.5リッターエンジンを搭載したハイパワーモデルまで用意されている場合があります。

このようなケースではハイブリッドエンジン搭載者には低燃費タイヤ、ハイパワーモデルにはスポーツタイヤが装着されている場合があります。これらのタイヤはタイヤサイズが同じでも特徴が異なりますので新車装着時のタイヤブランドを基準に同じ銘柄を選択するのが安心です。

セダンタイプ及びセダンをベースとしたワゴンタイプ向けのブランドとしては静粛性を売りにしたタイヤブランドも用意されています。

ミニバン

ミニバンもボディー形状や重心位置などの特徴という点では軽自動車のハイトワゴンタイプに共通する点が多くあります。そのため、ミニバン向けタイヤでもハンドリングのふらつきを抑え、直進安定性を向上させるのを謳い文句にしているケースが多いのが特徴です。

ただし、軽自動車と比べて車幅に対する車高の比率は低めで、重心位置が軽自動車のハイトワゴンタイプほど高くないこと、キャンプや多人数乗車などで車重が重くなりがちな点から、ハイトワゴン向けとは異なるミニバンにあわせた専用設計がなされています。

SUV

世界的にも人気が高まっており、カーメーカー各社がラインナップを増やしているのがSUVです。車格的にもセダンをベースに車高を高めたような設計がなされていることから、タイヤの基本特性としてはセダン向けとミニバン向けの中間のようなものが多いようです。

ただし、SUVの使用目的としてはオンロード走行ではなくオフロード走行を強化したモデルも用意されています。そうしたモデルでタイヤに求められる性能は、未舗装の泥濘路や砂利道での走行性能が求められますので、タイヤのブロックが大きいゴツゴツしたような専用タイヤが推奨されます。

通常のタイヤのような細かい溝の入ったタイヤでは砂利道や荒れ地の走行ではタイヤの表面のゴムが早期に摩耗してしまう事もあるからです。

夏タイヤの選び方④性能で比較する

タイヤに求める性能から、どの夏タイヤを選ぶか比較検討する事もあります。タイヤに一般的に求められる性能、特徴からどのようなユーザーにマッチするのかを確認してみました。

低燃費タイヤ(エコタイヤ)

ハイブリッドカーの普及とともに新車装着時のタイヤに選ばれるケースが増えているのが低燃費タイヤです。低燃費タイヤは、タイヤが回転する時の転がり抵抗を抑えるように作られています。この転がり抵抗とウェットグリップ性能を数値化して等級をつけたのがタイヤのグレーディングシステムというものです。

低燃費タイヤはこのグレーディングシステム(等級制度)にて、転がり抵抗性能が「AAA」「AA」「A」、ウェットグリップ性能がd以上のものとされています。新品の低燃費タイヤには表面に貼られているシールに「低燃費タイヤ統一マーク」が表示されています。

静粛性

高級セダンなどでは静粛性を高めたタイヤが好まれる傾向にあります。タイヤメーカー各社では、静粛性を高めるために「ノイズを発生させにくいタイヤパターン(表面のゴムのデザイン)を採用する」、「ノイズを分散させる溝の設計を導入する」、「タイヤ内部にノイズを吸音するスポンジなどを装備する」などによって静粛性を高めています。

乗り心地

静粛性を高める工夫と一部共通するのが乗り心地を高める工夫です。こちらもやはり、セダンタイプでより乗り心地の良い、路面の凹凸を乗り越えた際の衝撃の少ないタイヤを好むユーザー向けにオススメです。

乗り心地はタイヤ側面のゴムの厚さなども関係しますが、一般的にはタイヤ表面のトレッドパターンに刻まれた溝を多めにして、路面に接したときにしなやかにゴムが変形するようにした設計がなされています。

乗り心地については低燃費タイヤのようなグレーディングシステムはなく、カタログから確認できる特徴にて言及されていることから判断します。

ウェット性能

雨天時の走行性能、ブレーキング性能も安全性には重要なポイントです。ウェット性能はトレッドパターンのデザイン、次にゴム(コンパウンド)の性能に左右されます。スポーツタイヤやサーキット走行向けタイヤにはウェット性能の低いタイヤ(ドライ性能に特化したタイヤ)がありますので注意しましょう。

グリップ性能

晴天時のコーナリング性能に影響を与えるのがグリップ性能です。グリップ性能には、ゴム(コンパウンドの柔らかさや特徴)とトレッドパターンのデザインが大きく影響します。スポーツタイヤや、溝の少ないトレッドパターンのタイヤほど路面とゴムが接する面積や抵抗が大きく、グリップ性能が向上する傾向にあります。

グリップ性能を高めると静粛性や転がり抵抗が低下する傾向にありますが、スポーツカーの場合にはグリップ性能に優れたタイヤが新車時に装着されていることがあります。

夏タイヤの選び方⑤タイヤメーカーで選ぶ

タイヤメーカーも国産、輸入タイヤを含めて多くありますが、特別希望するメーカーがなければここまでお伝えしてきたような、タイヤサイズや価格を中心に選んでいただければいいでしょう。

クルマ好きの方は、レース活動と実績、憧れの車に標準装着されているなどの理由で選ぶ方も多くいます。そうした場合には各社のタイヤカタログを見て、愛車に合ったタイヤが出ているのか確認してみましょう。

まとめ

夏タイヤを選ぶ際に検討するべき5つのポイントについて確認してきましたがいかがだったでしょうか。愛車に装着されているタイヤと次に選ぶ夏タイヤに求めるポイントなどを比較検討する際に参考にしてみて下さい。

また、タイヤカタログにはグレーディングシステムやタイヤブランド毎の特徴が記載されています。また、Webサイトなどではそのタイヤのインプレッション動画なども掲載されていますので、こちらも参考にしてみましょう。

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