ホイールの修理といえば、一昔前はガリ傷を研磨して傷を目立たなくする程度のものでしたが、最近の修理はもはや「修理」というレベルを超えています。
「バージョンアップ修理」という言葉をご存じですか?古いホイールを、ほとんど新品同様の状態、もしくは全く違ったホイールに変化させてしまうほど、現在の金属加工技術は向上しています
もしあなたが、これから紹介するようなホイールのバージョンアップ修理について詳しく知れば、それほどお金を掛けずに、ホイールを別物に生まれ変わらせることも可能です。
この記事ではあなたの大切なホイールを美しくバージョンアップ修理する9つの方法について詳しく説明させていただきます。ぜひ、参考にしてあなたのカーライフに役立ててください。
1. ホイールの「バージョンアップ修理」
ホイールを新品同様の状態にすること、もしくは別物のホイールに生まれ変わらせるような修理を「バージョンアップ修理」と呼びます。
最近の加工技術や塗装技術の発達はめざましく、私のガレージでも「これが本当に俺のホイールなの?」と、驚かれる方が続出しています。
2. バージョンアップ修理、その9つの種類とは
これから、その「バージョンアップ修理」について、詳しく説明させていただきます。
9種類の方法がありますが、どれを選択するかは、あなたの好み次第となります。
2-1. ホイールのオーバーホール(リメイク)
長年大切にしてきたあなたのホイール。まだまだ現役の相棒ではありますが、劣化や損傷が激しくて、お困りではないですか?
そんな時には、アルミホイールのオーバーホール(レストア)がオススメです。いわゆる、ホイールのリメイクを行えばサビが消え、美しい光沢を放つホイールがよみがえります!
そう高くはないお値段で、新品同様の状態に戻すことが可能です。ぜひ一度、ご相談下さい。
2-2. ホイールのブラッシュド
「ホイールのディスク面が劣化したのでは?」と気にしているあなた。ブラッシュドという加工法を使えば、ホイールの金属面を無加工のような、鈍く光る仕上がりにすることができます。
ブラッシュドとは文字通り、金属面をヤスリで磨いたかのような無骨な仕上がりにすることです。ホイール面にワイヤーブラシで傷をつけたような加工仕上げが可能になります。
もちろん透明クリア加工で、もっと滑らかな光沢を持つ仕上がりにすることもできます。
2-3. ホイールのバレル研磨
ホイールの光沢感をキラキラ光る、アメリカンな感じのホイールにしたいというあなた。ホイールを丸ごとポリッシュ加工すれば、そのような加工もできます。
私のガレージでは「バレル研磨機」という、ホイールを丸ごとつけ込んで、ポリッシュ加工する機械があります。この機会を使えば、ホイールを丸ごと塗装、加工することも可能です。
ただし、事前に手作業による地道な研磨で下地作りを行う必要があり、これが技術者泣かせの辛い作業です。せっせと磨き続ける根気強さが要求されます。
2-4. ホイールのダイヤモンドカット
あなたのホイールの光沢具合はいかがでしょう。美しく輝いていますか?ダイヤモンドカットという作業工程を踏んでホイールを研磨加工すれば、銀色の輝きを放つホイールが生まれます。
ダイヤモンドカットとは特殊な旋盤にて、ディスク面に切削ラインを残すことで、光加減や角度によって光沢の見え具合が変化する工法です。
文字通り、特殊な切削技術を用いて、ホイールをダイヤモンドのような輝きを放つまで研磨していく工法です。非常に手間が掛かるため、少々割高にはなりますが、その仕上がり具合は、本当に「美しい」の一言に尽きます。
レクサスやクラウンなど、高級車のホイールによく用いられる特殊加工と言えば分かってもらえるでしょうか?
2-5. ホイールの修理全般
アルミホイールのディスク面やリムの変形で頭を抱えているあなた。その他にもホイールの歪み、へこみ、割れ、クラック、ひび割れ、ガリ傷などでお困りでは・・・?
これらの修理は、現在の金属加工技術を使えば、割と簡単に修復することができます。
素人目には「いくら何でも無理だろう」というものでも、我々の手に掛かれば、ものの1時間もすれば、修理できてしまうものばかりです。
「餅は餅屋」です。諦めて大切なホイールを廃棄してしまう前に、まずは専門家の私たちにご相談下さい。
ちなみに、あなたがお金を払って廃棄したあのホイールですが、専門業者は1時間も掛けずに新品同様に加工して、中古ホイールとしてネット上で売りさばいているという実態を、この場を借りてご報告しておきます。
お金をもらって仕入れた上に、自社のガレージで加工し、結構なお値段で売って、さらに儲ける。まるで時代劇の悪代官のような所業です(汗)
2-6. ホイール塗装(一般塗装)
あなたのホイールは、ご自分のお気に入りの色ですか?それともホイールの色を変えられたらいいのにと、お悩みではありませんか?
実は、現在の技術を使用すれば、ホイールをどんな色にでも変更することが可能です。金色でもガンメタでも赤でも黄色でも何でもOKです。これからご紹介する、パウダーコート加工を使えば、キレイな色のホイールに仕上がります。
また、細かい傷や汚れが気になる場合は、丁寧に磨き上げた後に、クリア塗装を施せば、お気に入りのホイールが新品同様の輝きを持って生まれ変わります!
2-6-1. ホイールに使用される塗装
ホイールの塗装は、一般的に「パウダーコート」が使用されています。パウダーコートはホイールに直に焼き付ける塗装法で、その焼き温度は200℃に達します。
「丈夫で剥がれにくい」そして「美しい仕上がり」というホイール塗装に求められる2点を最高の状態で発揮できる塗装法だと言って良いでしょう。
2-6-2. カラーの種類について
パウダーコートは、ウレタン塗装のように複数の色を混ぜ合わせて、新しい色を作る、いわゆる“調色”ができません。しかしパウダーコートには、数百種類のカラーが用意されています。よって、あなたの希望に近いカラーは確実に準備できると考えてもらって良いでしょう。
2-7. ホイール塗装(キャンディー・カラー塗装)
現在のホイールの塗装技術は、一昔前とは比べものにならないほど発達しています。ほぼ、どんな色にでも調色できるというのが実情です。昔は絶対に無理だと言われていましたが、現在では簡単に調色できるものに「キャンディー塗装」と言われるものがあります。
文字通り、キャンディーのようなキラキラしたピンクやグリーンの色彩を放つこのカラー。焼付塗装を行えば、とてもキレイで幻想的な色に仕上がります。
2-8. ホイールスペック加工
ホイールの見えにくい箇所の加工。例えば、アルミホイールのオフセットやハブ径の変更、ピッチ(PCD)やハブボルト穴、ホイールナットなどでお困りの方には、ご相談に乗らせていただき、ワンオフで加工することも、必要なナットや新しいハブなどを取り寄せることも可能です。
現在、ホイールに関してできない加工法はないと自信を持って言い切れます。「無理じゃないかな?」と自分で決めて諦める前に、何でも一度ご相談下さい。
2-9. リム交換(リバレル)
リム(ホイールの外枠)を、縁石にぶつけて曲がってしまったあなたに朗報です。リムを修理することももちろん可能ですが、リムだけ新品を取り寄せることも可能ですし、社外品のリムを取り寄せて交換し、新しいホイールにリビルドすることも可能です。この際、思い切ってリムを交換し、全く新しいホイールに生まれ変わらせてみませんか?
2-10. ガラスコーティング
新品のホイールを手に入れた方、またはお気に入りのホイールをいつまでも使いたいという思い入れのある方にオススメする最高のコーティング法、それが「ガラスコーティング」です。
何年か使用したホイールであっても、その表面を磨き、そこにガラスコーティングを掛ければ、新品と見間違うほどの美しい光沢を放ちます。
この記事の最後に紹介するだけあって、これまでに紹介した修理法の中でも、最もオススメの方法です。
ガラスコーティングは今考えられる全てのコーティングの中でも最高に優れたもので、少なくとも3~5年はあなたのホイールを確実にカバーしてくれます。
私自身、このガラスコーティングの素晴らしさに惚れ込んでしまい、全てガラスコーティングの作業しかしない時期もあったほど、徹底していました。技術屋には、最高のサービスしか、お客さまに提供したくないというコダワリがあるのです。
ホイールの仕上がりや美しさ、輝きを維持できる期間の長さ、どれをとっても現時点で考えられる最高のコーティング方法。それがガラスコーティングだと断言できます。
一本あたり1万円からで施工することができますので、新しいホイールを購入した方、またはずっと使っているホイールをいつまでも大切に使いたいという方には、とっておきの方法だと言えます。
3. ガラスコーティングの威力
私がオススメするガラスコーティング剤は、硬度9H以上、5年以上皮膜が剥れ落ちない、完全無機質で紫外線による劣化を防ぐ最高のものです。
完全無機質のガラスコーティング剤は、皮膜が完全なガラスになりますので、皮膜も剥がれ落ちにくく、ブレーキダストや油汚れなどを完全に弾き飛ばす、優れたコーティングと言えます。
これは元々、高級車の車体を保護するために開発されたものですが、あまりのクオリティの高さにより、現在ではホイールにもその技術が転用されているのです。
4. まとめ
ホイールの「バージョンアップ修理」いかがだったでしょうか?
「ホイールをオーバーホールしたい」「いや、色を変えたい」この記事を読んだ途端に様々な夢が広がったのではないでしょうか。
どのバージョンアップ修理を選択しても結構です。あなたの車にピッタリの、素敵なドレスアップをしていただければ、私としてもこれほど嬉しいことはありません。