車の運転が上手い人、というのは異性、同性に限らずカッコよく見えませんか?
逆に運転がギクシャクしている人の隣にはなるべく乗りたくないものですね。当記事では普段の運転でも使えるドライビングテクニックを紹介します。
1. ドライビングテクニックとは
・より正確かつ安全に、その上で速く走るテクニック
ドライビングテクニックというと、レースなどで速く走るためだけのもの、というイメージがあるかもしれません。
しかし、レースで速く走るためには、アクセル・ブレーキ・ハンドルを「正確に操作すること」が必要となり、その技術は公道を安全に走るためにも応用出来るものです。
2. シートポジションの大切さ
安全な運転を行う為には、正確な操作が必要になります。そのためには正しいシートポジションを出して操作しやすい体勢で運転することが必要です。
安全・快適なドライビングポジションで運転する為のシート調整手順を説明します。
- シートの前後位置を調整します。シートに深く腰掛けて、アクセル・ブレーキを置くまで踏み込んだ時に膝が伸び切らない位置に調整します。
- シートバックの角度を調整します。シートバックに背中をピッタリつけて座り、ハンドルを大きく切っても肩がシートから離れないように調整します。
- シート高さが調節可能な場合は、視界を妨げず頭上が狭くならない程度に調整しましょう。バックミラー、サイドミラーを調節して、頭を動かさなくても後方確認出来るようにします。
3. 初心者でも出来るドライビングテクニック
・スピードを保つ難しさ
加速も減速もせず、一定の速度を保つアクセルワークを「パーシャルスロットル」と呼びます。停車時と同じく前後に荷重が掛かっていない自然な状態で、安定してコーナリングするために必要なテクニックです。
上り坂など、状況によってパーシャルスロットルのアクセル踏み込み量は変わるため実際にやってみると難しいです。後述するアクセルワークの練習で、どんな時でもパーシャルスロットルが安定して出来るようにしておきましょう。
・運転中の目線
一般的に運転中の目線は30m先にあると言われています。この視線を遠くに置くことで、目に入る情報量が増え、コーナリングのライン取りを組み立てやすくなります。また、遠くの危険を早めに察知することが可能です。
一般道より速度域が速い高速道路やサーキットなどでは、クラッシュを発見してから到達するまでの時間が短くなるため、さらに早めの発見が必要になります。普段から意識して遠くを見る習慣をつけておきましょう。
・ドラテクに乗っ取ったアクセルの踏み方
繊細なアクセルワークは早く安全に走るための基本テクニックです。
発進時はゆっくりとアクセルを踏み込み、ホイールスピンしないように加速します。コーナリング中は、急なアクセルオン/オフを避け一定の速度を保ちます。
減速時にブレーキをかけるときは、急にアクセルを離すとエンジンブレーキが強く効くため、ゆっくりとアクセルを離してブレーキに踏み変えましょう。
・ドラテクに乗っ取ったブレーキの踏み方
ブレーキを踏むと荷重が前輪に移動し、体が前のめりになるのを感じると思います。この状態でブレーキを強めたり、弱めたりすると車体が前後にフラフラしてしまい安定しません。
また、急ブレーキを踏むといきなり後輪の荷重が抜けてスリップしてしまう事もあります。踏み始めはゆっくりと踏み、一定の強さをキープするようにしましょう。
・ドラテクに乗っ取ったハンドルの切り方
ハンドルを急に切ると、車体がタイヤの動きについて行けず、フロントタイヤがスリップしてしまいます。ゆっくりとハンドルを切り始め、車体が曲がり始めるのを感じたらハンドルを曲げたい角度まで持っていきましょう。
ハンドルを戻す時も同じようにゆっくりと戻します。途中で曲率が変わるカーブなどでは、ハンドル舵角を変えなければなりませんが、この時も急なハンドル操作は避けましょう。
4. 中級者以上のドライビングテクニック
・シフトチェンジの難しさ
MT車ではクラッチ・アクセル・シフトノブを同時に操作してシフトチェンジを行う必要があります。
アクセルを離し→クラッチを切り→シフトノブでギアを変え→アクセルを吹かしながらクラッチをつなぐ。この複雑な動作をスムーズに行うのは、初心者の方でなくても難しいものです。
特にクラッチ操作がうまく出来ないと、シフトチェンジ時にギクシャクしてしまいがち。停車時にギアを入れてクラッチを切ったり繋いだりしながら、繋がるポイントや感覚を練習すると良いでしょう。
・ブリッピング
ブリッピングとは、MT車のシフトダウン時に使う技術で、クラッチを切って、アクセルを吹かし、回転数を上げてクラッチを繋ぐことを言います。スムーズなシフトダウンのために必要な技術です。
シフトダウンをするとエンジン回転数が上がり、エンジンブレーキが効きます。この時シフトダウン前後の回転数の差が多いほど、強力なエンジンブレーキが掛かって、エンジンやミッションなどにダメージを与えます。
そこでブリッピングを使うことで、回転数の差を少なくしてスムーズにギアを繋ぐことが出来ます。使用するギアや、速度によって最適な回転数は変わります。安全な場所で、いろいろなギアで練習しましょう。
・ヒール・アンド・トゥ
コーナーで減速しながらシフトダウンを行う為に必要な技術がヒール・アンド・トゥです。ブレーキを踏みながらクラッチを切り、ブレーキを踏んだまま右足のかかとでアクセルを吹かしクラッチを繋ぎます。
本来はレースなどで素早く減速するための技術ですが、公道でもスムーズに走る技術として応用できます。
・ライン取り
コーナリング中に車が通る位置を一本の線に見立てて、コーナリングラインと呼びます。どのようなラインを通るかをライン取りといい、コーナーのイン側に一番近づくポイントをクリッピングポイントといいます。
コーナーを早く走り抜けるために、基本の「アウトインアウト」と呼ばれるライン取りを覚えましょう。コーナーを前半・中盤・後半の三つに分けて、前半は外側、中盤でイン側、後半は外側を走るのがアウトインアウトです。なるべく緩やかなラインを描き、スピードを乗せたままコーナーを抜けることが出来ます。
コーナー後にストレートがある場合は、クリッピングポイントを奥にとることでストレートに向けてさらに速度を乗せることが出来ます。状況によっていろいろなラインを研究してみましょう。
5. 実際に運転してドラテクを磨く
・公道でも出来る練習
普段の運転中、安全な速度でも出来る練習を紹介します。慣れないうちは見晴らしがよく広い道路で、前後左右の車を確認してから行うようにしましょう。
【アクセルワークの練習】車間距離を一定に保つ
アクセルワークだけで、車間距離を一定にコントロールする練習です。ブレーキを踏んだり、アクセルから足を離したりせずに、アクセルの踏み込み量の調整だけで速度をコントロールします。
アクセルの踏み方が雑だと難しく、細かなアクセルワークが身につき、普段の運転でも乗り心地の良い運転が出来るようになります。サーキットでのスポーツ走行時にも、ホイールスピンしづらくなり、効率の良い走りにつながります。
【ブレーキングの練習】一定の踏み込みで停止線にぴったり停める
交差点などで停止するときに、ブレーキを踏んでから一定の踏み込み量で停止線に止める練習です。最初のうちは手前で止まりそうになったり、停止線を超えそうになったりすると思います。
安定して出来るようになると、車体を前後に揺らさずにスムーズに停車出来るようになります。サーキットでも、コーナー手前のブレーキングで安定した荷重移動を行えるようになり、スムーズなコーナー進入が可能になります。
【コーナリングの練習】一定の速度で狙ったライン通りに曲がる
一定の速度を保ちながら、ハンドルの切り込み量を変えずにコーナーを曲がりきる練習です。タイヤが鳴るような限界速度ではなく、サスペンションの沈み込みを感じ取れるくらいの速度で行いましょう。
慣れないうちはハンドルを切りすぎてイン側に切り込みすぎたり、切り足りずにアウト側に膨らんでしまったりすると思います。コーナリング中にハンドルを大きく操作すると車体が揺られて安定感がなくなります。なるべく少ないハンドル操作で曲がれるようにしましょう。
・レース場での練習
サーキットなどクローズドコースでは、公道と違うルールがあり注意が必要です。講習やレッスンを開催しているサーキットが多いので、初めての方は積極的に利用しましょう。
プロの走行に同乗出来るプランを用意しているサーキットもあります。上手い人の運転を真似するのが上達の早道ですので、こちらもぜひ体験してみましょう。
6. シュミレーターでドラテクを磨く
・織戸学さんプロデュース「YOKOHAMA 130R」
http://130r-yokohama.com/
スーパーGTなどで活躍するプロレーシングドライバーの織戸学さんから、直接講習を受けられる本格的レーシングシミュレーション施設が130R横浜です。
シミュレーターを操作するためのラインセンスをしっかりと講習してくれるので、初心者の方でも安心して楽しむことが出来ます。グローブやシューズを無料で貸し出してくれるので、手ぶらでも体験出来るのはうれしいポイント。
走行データをもとに、改善点もしっかりアドバイスしてくれるのでテクニックを磨くのにぴったりです。初心者のサーキット走行へのステップアップにもピッタリです。
7. まとめ
いろいろなドライビングテクニックを紹介してきました。どのテクニックも少しの意識で、普段の運転に活かすことが出来ます。ぜひ習得して安全で楽しい車ライフを楽しんでください。