ドライブレコーダーが壊れてしまう理由の多くに「熱暴走」が挙げられています。このところ夏の最高気温は上昇の一途をたどり、車内の温度は70℃を超えることも少なくありません。そんな過酷な状況下に置かれるドライブレコーダーは精密機械のひとつです。そのまま放置していては、さまざまな部品の老朽化を早めることにつながり、いざという時に録画されていなければ役に立たず、悔しい思いをすることになりかねません。
そこで今回は、簡単にできるドライブレコダーの熱対策を6つご紹介していきます。是非チェックしてドライブレコーダーのトラブルを未然に防いでいきましょう。
ドライブレコーダーに熱対策をするメリット
夏の車内温度は想像以上に高くなっており、外気温が35℃にもなると車内温度は70℃を超えることもあります。そんな過酷な環境にあるドライブレコーダーは、熱によってトラブルを起こしてしまうことがあります。特に、SDカードは熱による破損が生じやすく、記録の消失や誤作動を起こすことがあります。
万が一の交通事故やあおり運転、いたずらや車上荒らしなどの証拠となるようにドライブレコーダーを設置されているはずですが、その証拠映像を保存しておくSDカードが壊れてしまってはもとも子もありません。
大切な愛車、そしてご自身やご家族を守るためにも、ドライブレコーダーの熱対策が大切になります。
ドライブレコーダーを守る5つの熱対策
まず、これからドライブレコーダーを購入される方は、作動温度範囲が60℃以上に設定されたものを選ぶと熱暴走によるSDカードの破損を防ぐ対策になるでしょう。多くのドライブレコーダーは、高温時の作動温度範囲が−10℃~60℃くらいに設定がされていますので購入前にチェックしておきましょう。
ただし、先ほどもお伝えしたような真夏の車内は70℃以上の高温になります。この過酷な環境ではドライブレコーダー自体も熱を持つこともあるため、あまりにも温度が上昇すると自動で停止する機能が設置されています。度々停止を繰り返すと故障の原因にもなりかねません。
そのため、熱対策をされているドライブレコーダーを購入していても、次のような6つの熱対策も一緒に行うことが大切になってきます。
高耐久SDカードを利用する
先ほどドライブレコーダーの作動温度範囲についてお伝えしましたが、SDカード自体の耐久性も重要になってきます。過酷な環境でも大切な映像を守るために、例えば写真のような−25℃ 〜 85℃の動作範囲に対応したものがあります。
ドライブレコーダーに使用するSDカードには、こうした高耐久性のものを選ぶ方が安心です。通常のものと比較すると価格はやや高くなってしまいますが、下のモデルであれば価格差は500円程度です。安心、安全を考えると高耐久SDカードを選んだ方がいいでしょう。
サンシェードを利用する
夏になると多くの人がフロントガラスにサンシェードを使用しているのを見かけますが、ドライブレコーダーを守るためにも役立ちます。ただし、ガラスとシェードの間になるべく隙間を作らないようにすることが重要です。隙間の部分はフロントガラスに照り付ける直射日光とシェードの反射熱がぶつかり合って、車内内部よりも高温になってしまうことが予測できます。
このフロントガラスとサンシェードの隙間にドライブレコーダーが取り付けられていれば熱によって故障する可能性が高くなるといえるでしょう。必ずサンシェードよりも内側(車内側)にドライブレコーダーがあるようにしてください。
もしもサンシェードとドライブレコーダーが干渉してしまうようでしたら、ドライブレコーダーの部分に切り込みをいれたりくりぬいたりして、サンシェードを加工するといいでしょう。
また、下の写真のようなフロントガラスの外側(車外)に設置するサンシェードもあります。これならドライブレコーダーと干渉することもありませんし、加工する手間もありませんのでチェックしてみてください。
車をできるだけ日陰に駐車する
車内温度の上昇を完全に抑えることはできませんが、直射日光を遮るだけでもドライブレコーダーにかかる負担を小さくすることは可能です。なるべく屋内駐車場や日陰に車を止めましょう。
駐車時にドアウィンドウを少し開けておく
セキュリティ上の問題もあるため状況に応じてということになるかもしれませんが、ドアウィンドウを1㎝~2㎝ほど開けておくと、車内温度の上昇を抑えることができるでしょう。
ヒートシンクを取り付ける
ヒートシンクとは金属の熱伝導性を利用して、熱を外部に放出する部品のことです。ヒートシンクを取り付けることによって、ドライブレーダーの熱が分散されやすくなります。さまざまな種類のヒートシンクを自分のドライブレコーダー用に加工して取り付けている人が多いようです。
カーナビ用のカバーを流用
後付けのカーナビもダッシュボードなどに装着すれば、熱対策は必要なものです。そのため熱を伝えにくく、紫外線を軽減させる素材を使用しているものが多くあります。カーナビ用なので、カバーの後ろにはスタンドにつながるアームを通すためのスリットの部分が開けられています。本来カーナビとして使用するカバーを逆さまに使用して、スリットの部分にドライブレコーダーのカメラを合わせれば、そのまま使用することができます。
ドライブレコーダーの種類によっては使用できないものもあるかもしれませんが、カーナビ用のカバーは種類が豊富なので加工しやすいといえるでしょう。
夏を迎える前にドライブレコーダーの熱対策を!
ドライブレコーダーの故障を早めてしまう原因のひとつに、高温による熱暴走が挙げられます。有名メーカーの製品も高価なものを購入しても、精密機械であるため熱に強いわけではありません。
夏ごとに最高気温が更新されていく昨今、車内の温度変化も上昇する一方です。気温が上昇する前にドライブレコーダーの何らかの熱対策を施すことが重要だといえるでしょう。