数あるエンジンオイルから良いものを見つけるのは難しいことです。みなさんは人から聞いたり、話題のオイルがあればネットで情報を集めてみたりしているのではないでしょうか?何が購入の決め手になるかは人それぞれかもしれませんが、メーカー独自に研究開発されたものがあると気になるものです。
バーダル(BARDAHL)もまた古くから独自の技術を持ち、世界中で高い評価を得てきました。その実力はレース界を皮切りに世界の自動車メーカー、そしてNASAにまで認められています。日本ではまだまだ認知度は低いかもしれませんが、これらの情報を聞いているといったいどんなオイルなのかと気になるのではないでしょうか?
そんなバーダル(BARDAHL)のエンジンオイルを詳しく紹介していきます。
バーダル(BARDAHL)のエンジンオイルとは?
創業者であるオレ・バーダルが1939年にアメリカワシントン州シアトルに「バーダルマニュファクチュアリングコーポレーション」を設立したことから始まります。もともと車や工業機械を扱っていた経験から、独学で摩擦や摩耗、不純物の発生を防ぐ潤滑システムを開発しました。
今や世界90か国で使用されるに至り、各国の公的機関やさまざまな産業で高い評価を得ています。アメリカ国内では自動車メーカーのエンジン組み立てラインでも使用されており、その実績は広く世界中で認められているのです。もちろん日本国内のショップや整備工場でも取り扱っており、車好きなら知っている人もいるメーカーでしょう。
バーダルはモータースポーツへの参戦の歴史も古く、1960年代にF2でヨーロッパ選手権に出場したり、航空機レースにも協賛したりしています。現在でもアメリカ国内を中心に開催されている「ストックカーレース」や、フォーミュラカーを使用する「インディカー・シリーズ」などのレースにもスポンサーとして参戦を続けているのです。
バーダルのエンジンオイルの特徴と性能
金属でできているエンジンのさまざまなパーツは、どんなに精巧に仕上げられていても擦れ合う部分では摩擦が起こり摩耗していきます。金属の摩擦を防止するためにはエンジンオイルを潤滑させて焼き付きや出力損失を防ぐ必要があるのです。
オイルを原因とするエンジンのトラブルにはどんなものがあるでしょうか?
まず「ドライスタート」はエンジン内の金属表面にエンジンオイルがほとんど付着していない状態、つまり乾いているような状況でエンジンをスタートさせてしまうことです。ドライスタートでエンジンを始動させると、さまざまなパーツにかかる負担は非常に大きく、場合によってはエンジンが壊れてしまう可能性もあります。
そのほかには高負荷がかかったエンジンはクランクシャフトやカムシャフトが高回転運動を繰り返すために、金属疲労や発熱を起こし、運動エネルギーを無駄に消費してしまうこともあります。
これらのトラブルを防ぐためにバーダルが開発したのは「ポーラーアトラクション被膜」です。エンジンオイルだけではカバーすることが難しい金属の表面に潤滑被膜を形成することができ、徹底的に摩耗を防ぐことを可能にしました。
通常のエンジンオイルはエンジンを停止時するとオイルギャラリーやフィルター、ポンプ、ストレーナーなどに残ったオイルは重力で落下し、ほとんどがオイルパンに集められます。しかし「ポーラーアトラクション被膜」はエンジンのさまざまな場所に残り続けることができ、ドライスタート時でもエンジンを保護してくれるものです。
「ポーラーアトラクション被膜」は分子レベルでの極吸着作用が認められ、持続性も高いものです。また500℃の熱にも変質しない強い油膜を形成します。そしてさらにバーダル独自の摩擦緩和剤を使用して油膜のバリアを二重にした二層分子被膜を採用しました。
通常の潤滑油の成分は固形物がほとんどで、沈殿や目詰まりなどのトラブルが報告されていますが、バーダルは液体成分であるので分子レベルまで吸着することが可能になり、トラブルの原因とはなりません。
そのほかの特徴として「DNTフラーレンC60」を配合しています。これはナノレベルの超微粒子をDNTという技法を用いてエンジン内に浮遊させ、エンジンをコーティングするものです。こまかな各パーツの隙間に入り込むことで、潤滑効果を高めることができました。ポーラーアトラクション被膜が形成されることで摩耗がなくなるだけでなく、油膜切れもほとんど発生することはありません。
バーダルのエンジンオイルの評判
巷で聞こえてくるバーダルの評判をまとめてみました。さまざまな意見があるので参考にしてみてください。
- まだまだ日本ではマイナーな潤滑油の会社ですが、使ったことのあるオイルの中ではずば抜けています。
- 最近の軽自動車にはバーダルのようなオイルが必要です。現在の普通乗用車と軽自動車はあまり変わりがない分、エンジンへの負担は大きいような気がしています。
- 相性の良くないオイルにみられる高回転域でのノイズが激減しました。5w-40のレンジなので燃費の向上はあまり見られませんが、メリットの大きいオイルだと実感しました。
- いいオイルなのに取扱店が少なすぎる。ネット通販だけでも取り扱いが増えると嬉しい。
- バーダルを使用するショップからは、日本では知名度は低いですがハイクオリティでリーズナブルなオイルだという声も聞かれます。
- ドイツ車の中でも認証規格の厳しいメルセデス・ベンツの「MB229.1」をクリアしているほかBMWやアウディなどの認証規格もクリアしているのです。酸化安定性を向上させ、オイル交換期間を延長することができます。
さまざまな声が聞かれますが、バーダルを使用することで性能の向上を感じているユーザーは多いようです。もう少し日本での知名度が向上して、身近なところで購入できることを望む人もいました。
バーダル(BARDAHL)と他社のエンジンオイルの違い
アメリカ航空宇宙局、通称NASAは誰もが知る宇宙開発にかかわる連邦機関ですが、バーダルはNASAのテストにパスしている実力を持っています。10年間の効果保証が認められて、人工衛星で使用されているベアリングの潤滑を任されているのです。
ほかにはアメリカ国内はもちろんのこと、ヨーロッパでも主要な自動車メーカーから純正指定を受けています。またOEM供給も行っているなど信頼のブランドメーカーとして世界中で活躍を続けています。
バーダル(BARDAHL)のエンジンオイルの種類と性能一覧
バーダルのエンジンオイルの種類はそれほど多くありません。しかしそのひとつひとつに厳選された素材を使用し、エンジン性能を極限まで高める技術が結集されています。公式価格は公表されていませんが、さまざまな通販サイトで購入することは可能です。
シンパルサーN 5W-30
価格
26,787円~32,486円(税込)/20L
性能
シンパルサーNはすべてのグレードで厳選された素材を使用して開発されています。世界最高水準の技術で5つのベースオイルをブレンドした「クインティプルブレンド」製法を採用し、高性能化学合成オイルとして製造されたものです。
特に他界潤滑性能を必要とするターボチャージャー、スーパーチャージャー、マルチバルブなどの最新世代の高出力エンジンにおすすめします。
密度 ㎏/L @15℃ |
0.851 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
63.1 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
11.0 |
粘度指数 |
168 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
4120 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
3.7 |
シンパルサー 5W-40
価格
32,486円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.854 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
84.8 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
14.0 |
粘度指数 |
170 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
4700 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
4.0 |
シンパルサーN 5W-50
価格
23,760円~26,786円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.856 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
118.1 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
18.0 |
粘度指数 |
170 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
5700 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
4.9 |
シンパルサーN 流通限定製品 0W-20
価格
10,500円(税込)/4L
性能
STOP&GOを繰り返すことが多い運転や高回転、高温域で過酷な高速走行までのあらゆる場面で、エンジンの潜在能力を引き出すことができるエンジンオイルです。
密度 ㎏/L @15℃ |
0.844 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
43.1 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
8.25 |
粘度指数 |
169 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
- |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
- |
シンパルサーN 流通限定製品 5W-30
価格
2,700円(税込)/1L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.851 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
63.1 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
11.0 |
粘度指数 |
168 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
4120 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
3.7 |
シンパルサーN 流通限定製品 5W-40
価格
10,500円(税込)/4L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.854 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
84.8 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
14.0 |
粘度指数 |
170 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
4700 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
4.0 |
スーパーパルサーN 5W-20
価格
22,632円~34,198円(税込)/20L
性能
スーパーパルサーNは「API規格」に規定されている性能を大幅に超える性能をすべてのグレードで発揮することができます。アメリカはもちろんヨーロッパや日本の車に使用可能です。
またターボチャージャーを搭載してる高回転型のエンジンにも使用でき、酸化安定性が向上しているためオイル交換時期を延長することができるロングライフなエンジンオイルに仕上がりました。
温度変化に伴う粘度の変化を少なくすることで、潤滑性能の向上、摩擦や摩耗を防止しエンジンの焼き付きから保護します。
密度 ㎏/L @15℃ |
0.8613 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
59.68 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
8.5 |
粘度指数 |
145 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
6600 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
- |
スーパーパルサーN 5W-30
価格
22,000円~44,712円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.860 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
63.6 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
10.9 |
粘度指数 |
165 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
5700 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
3.2 |
スーパーパルサーN 5W-40
価格
24,126円~44,712円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.865 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
85.9 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
14.5 |
粘度指数 |
176 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
5600 |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
3.8 |
スーパーパルサーN 10W-40
価格
22,632円~44,712円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.870 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
100.1 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
14.6 |
粘度指数 |
151 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
- |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
3.9 |
スーパーパルサーN 15W-50
価格
16,581円~44,712円(税込)/20L
性能
密度 ㎏/L @15℃ |
0.878 |
動粘度 ㎟/s @40℃ |
133 |
動粘度 ㎟/s @100℃ |
17.6 |
粘度指数 |
146 |
冷間時の粘度cP @-30℃ |
- |
高温時の高せん断粘度cP @150℃ |
4.3 |
まとめ
車メーカーで純正指定されているだけでなく、さまざまな分野で活躍の場を広げているバーダル(BARDAHL)は、NASAで使用されていることだけに留まらず、いまや世界中で高い評価を得るまでに成長しています。
70年歴史の中でバーダル(BARDAHL)にしかない「ポーラーアトラクション被膜」や「DNTフラーレンC60」などの新しい技術を開発しました。その潤滑油がエンジンにもたらす高い効果は燃費性能低下の軽減、エンジン音の静音化、ロングライフになったオイル性能などの実現です。
オイルを変えただけでも、本来のエンジン性能を発揮することができるバーダル(BARDAHL)ならば、運転が楽しくなるかもしれません。アクセルを踏み込むときに気づく楽しさをぜひ確かめてみてはいかがでしょうか?