レッドラインオイルがベースオイルに使用しているのは、ポリオールエステルとコンプレックスエステルです。これによって強靭な油膜と高い洗浄効果が期待でき、初期性能の維持を可能にしたことで交換サイクルを長期化することに成功しました。
今までなんとなくしか知らなかった化学合成油のこと、エステルのことを理解することができれば、自分の車に必要なオイルがどんなものなのか分かってくるのではないでしょうか?
レッドライン(RED LINE)のエンジンオイルとは?
1971年にアメリカ、カリフォルニアで設立された「レッドラインセティックオイルコーポレーション」は、化学合成オイルを専門に製造しているオイルメーカーです。
車や2輪車をはじめ海洋業界まで幅広く支持を得ており、アメリカ国内のみならずヨーロッパ、オーストラリア、日本など数多くに国々にその信頼を届けてきました。「NASCAR」を代表に世界中のレーシングトップチームが使用していることからも、その性能の高さが理解できるのではないでしょうか。
設立当初からフルシンセティックオイルである化学合成油100%にこだわり、開発を進めてきました。ベースオイルの中でも高品質ものだけを使用し、独自の製法とブレンドで一線を画すオイルを作り出すことに成功したといえるでしょう。
レッドラインは高性能オイルを供給するためにベースオイルにこだわり、高温で安定した被膜強度を持ち、低温でも流動性を持つ性能を兼ね備えています。エンジン性能を100%引き出すために、状況に応じて豊富なアイテムからチョイスすることができ、最適なオイルチューニングを可能にしました。
レッドラインのエンジンオイルの特徴と性能
エンジンオイルに使用されるものの中で、化学合成油は鉱物油に比べて可動温度を下げるだけでなく、パワーを引き出す力が強いものです。しかし化学合成油といっても原材料がすべて同じものではありません。
まず鉱物油と化学合成油が使用されているベースオイルの違いを一覧表にしてみましょう。これはAPIと呼ばれ、米国石油協会によって5つのグループに分類されたものです。
グループ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ |
---|---|---|---|---|---|
原材料 |
重質油 |
重質油 |
重質油 |
ナフサ |
植物油など |
種類 |
鉱物油 |
高度精製基油 |
高粘度指数基油 ・VHVI |
化学合成油 ・PAO(ポリアルファオレフィン) |
化学合成油 ・エステル |
表示 |
鉱物油 ミネラル |
高度精製鉱物油 ミネラル |
合成油 シンセティック |
化学合成油 シンセティック |
化学合成油 シンセティック |
上記の分類を見るとⅠ~Ⅲは鉱物油をベースオイルにしています。化学合成油といわれるのはⅣ、Ⅴですが、よく見るとポリアルファオレフィンとエステルを使用しているものではグループが異なっています。
レッドラインがこだわっているのは、グループⅤのエステルです。またエステルの中でもポリオールエステルとコンプレックスエステルを採用していることで、さらに性能を向上させています。
ポリオールエステルは潤滑性、耐熱性、低温流動性、難燃性など優れた性質を持っていることからエンジンオイルに最適なのですが、寿命の短さが欠点です。それをカバーするためにコンプレックスエステルを組み合わせることで高性能化を可能にしました。
そのほかの特徴として、他社のオイルには増粘剤が含まれているものが多く見られます。増粘剤は分子構造が大きく、温度の上昇とともに形を変えることよってオイルの粘度を上昇させ、強靭な油膜を形成しエンジンを保護しているのです。しかし増粘剤の大きな分子構造は、エンジン内の一番負荷が大きくかかる場所で剪断されることがあります。一度剪断されてしまったオイルは粘度が不安定になってしまうため、摩耗の原因にもなりかねません。
増粘剤を使用しないレッドラインはオイルをフルに活用することができ、高回転域でもエンジンの性能を発揮させることができる数少ないオイルといえるでしょう。
レッドラインのエンジンオイルの評判
レッドラインオイルに皆さんはどんな感想を持っているのか、少し紹介していきます。
- レッドラインのオイルを入れると、エンジンの滑らかさが2ランクほど上がったような極上のフィーリングになります。
- ドリフトしても油圧が下がりにくく、最高なオイルでした。日本では知名度が低いかもしれませんが、「WAKO’S(ワコーズ)」や「MOTUL(モチュール)」などと同じくらいいいオイルです。
- 米国最高峰のオイルブランドにふさわしいレッドラインオイルは、一度使用すると忘れられないオイルです。
・10w40…大型バイク
・10w30…ターボ車
・5w20・5w30…NA車におすすめします。
- サーキット走行などをする場合には1つ上の粘度が良いでしょう。まるで別の車に乗って
- いるような気がするかもしれません。
ほかには数々のオイルを扱うショップからの声もあります。
- 取扱商品の中でリピーターが多いのはレッドラインオイルです。中でもジムカーナなどの走行会に出ているユーザーからは「ほかのオイルは使えない」という嬉しい言葉をもらっています。もちろん通勤車として通常の走行をしているユーザーからも「レッドラインだと車の調子が良い」といわれることが多く、好評です。
レッドラインオイルに関する絶賛の声が多く聞かれています。表示粘度より軽いにもかかわらず、油膜切れを起こすことのない超高性能オイルだということができそうです。
レッドライン(RED LINE)と他社のエンジンオイルの違い
レッドラインオイルを使用することで、通常走行の場合12,000マイル(19,200㎞)の距離までオイル交換の時期を延ばすことが可能になりました。またシャシーダイナモ試験において、レッドラインオイルは1~3%の馬力アップをすることができます。
「シボレー社」の大ブロックエンジン(460立方インチ)で試験を行ったところ、油温79.5℃の時5,500rpmまで回転数を上げると、鉱物油系30WTレースオイルでは526.8馬力です。でも同じ30WTでもレッドラインオイルを使用した場合には534.4馬力まで上昇することに成功しました。
レッドラインエンジンオイルは最高のベースオイルの開発を行うことで、レースエンジンから一般乗用車までさまざまなニーズに応えることを可能にしています。
レッドライン(RED LINE)のエンジンオイルの種類と性能一覧
レッドラインオイルがラインアップしている製品の数々を詳しくご紹介していきましょう。
レッドライン(RED LINE)5w20
性能
省燃費エンジンのために開発されたオイルです。クラス最高水準といえるでしょう。
レッドライン(RED LINE)5w30
性能
摩耗などのフリクションを最大限に抑えることで始動性、燃費性能を向上させるだけではなく、なめらかなアクセルレスポンスを実感することができるでしょう。鉱物系オイル10w40以上の油膜を保持していることから、高温、高負荷なコンディションでもエンジンを保護、潤滑させることができます。もちろん高温時だけでなく、低温時の流動性もクイックな始動性能を実現しました。
レッドライン(RED LINE)10w30
性能
鉱物油特有の分子の大きさは隙間を作ることができるため冷却性が高く、結合力も高いため強靭な油膜を形成されるといわれています。そんな鉱物系オイル10w40の油膜以上の強さを持ち、エンジンの保護、潤滑を可能にしています。高温から低温まで幅広い温度域で安定性を保つことができるオイルです。
レッドライン(RED LINE)0w40
性能
日本の正規代理店のみが販売できるオリジナル粘度0w40です。低温流動性が高いことから始動性能の良さを発揮するとともに、高温時も安定した性能を維持することができます。
レッドライン(RED LINE)5w40
性能
鉱物系オイル10w40と比較すると油膜強度を25%向上させることに成功しました。高温高負荷の厳しい条件下であってもエンジンを保護、潤滑させる高い技術力を発揮しています。
フリクションを抑えることが可能なため、最大限のエンジンパワーを引き出すことや燃費性能の向上など幅広い性能を持っています。
レッドライン(RED LINE)10w40
性能
鉱物系オイル10w50の固い油膜以上の強度を維持することができます。高温時の高負荷状態にも低温時の低温流動性も両立させた高性能オイルです。
レッドライン(RED LINE)15w50
性能
レッドラインエンジンオイル20w50と同様に鉱物系オイル20w50の油膜強度を25%向上させています。高温負荷の状況時に高い潤滑性能を発揮するだけではなく、洗浄力の強さがエンジンが持っている本来の性能を引き出し持続させることを可能にしました。
レッドライン(RED LINE)20w50
性能
優れた保護・潤滑性能で高温時に高い安定性を実現します。エンジンが持っている本来の性能を引き出し、走行性能の向上が期待できる製品です。
レッドライン(RED LINE)10w60
性能
アメリカ自動車技術協会SAEが決定している粘度や効果があります。
- 冷間時…0W,5W,10W,15W,20W,25W
- 温間時…20,30,40,50,60
0Wや20など数字が大きいほど粘度が高く、固いオイルです。この冷間と温感の粘度の組み合わせでオイルを選びます。この10w60は高温時のレンジを60まで引き上げることを可能にしました。高温負荷の状況下でもエンジンを確実に保護するとともにエンジンの高性能を引き出し、さらに持続させることができるでしょう。
まとめ
化学合成油にこだわり開発を続けてきたレッドラインオイルは、米国を代表するオイルメーカーです。モータースポーツの世界で実績を積み超高性能オイルとしての地位を不動のものにしています。日本での認知度はあまり高くないかもしれませんが、知る人ぞ知るハイスペックオイルです。
先進的なシンセティックオイルテクノロジーは今までのオイルとは一線を画す存在と言えます。もし、今使用しているエンジンオイルに少しでも不満を持っているなら、一度試してみる価値があるかもしれません。