車はきちんと手入れをしておかないと傷がついてしまったり、汚れがついてしまったりします。車の手入れの中でとても重要なのが洗車です。洗車はいつ、どのくらいのペースですればよいのでしょうか?
1. 洗車頻度はどのくらいがいい?
洗車のタイミングとしては、汚れたときがそのときです。雨の直後、悪路走行後、凍結防止剤だらの雪道走行後だけなく汚れる機会は走っていればいくらであります。だからと言って毎日洗車するわけにもいきません。
それでは世間の人たちはどのくらいの頻度で洗車を行なっているのでしょうか?またどのような理由があるのでしょうか?まずはアンケートから平均的な洗車回数を見てみましょう。
洗車の頻度やその頻度の理由について車のカラー別に紹介していきます。
1-1. 世間の洗車頻度とは(web上アンケート参照)
以下の表は平均的な洗車頻度を表しています。
全国平均 | 北海道・東北 | 車好き | 車に興味なし | |
1か月に1回 | 27% | 30% | 31% | 19% |
3ヶ月に1回 | 28% | - | - | - |
不定期 | 25% | - | - | - |
半年に1回 | - | - | - | 25% |
1年に1回 | - | - | - | 25% |
※webアンケートより
あなたはどこに分布しているでしょうか?それぞれライフスタイルに即した洗車頻度で、とりわけ偏りがあるわけでもなさそうです。大きく月に1回、3ヶ月に1回、不定期という3パターンにほぼ均等に分布しています。
1-2. 理想の洗車回数とその理由
理想的な洗車回数はあるのでしょうか?あるとすれば、そこにはどういった理由があるのでしょうか?
結論からすると、洗車も過度に行うとクルマへのダメージもあるため適度に行うことがポイントです。そして望ましい頻度は車体のカラーによっても異なります。
ただし、ここではクルマの美観を整えることを目的にした洗車の場合に絞って解説します。
1-2-1. 黒ボディの場合
黒ボディは黒い汚れは目立ちにくいのですが、雨の直後など水垢、黄砂や花粉などをかぶると汚れた表情になりがちです。美観を意識した場合には、洗車努力が他のカラーよりも多いと言えます。
日本での天候を考えた場合、黄砂は2月〜5月、花粉も春、秋、平均的な降水日数は100日前後あるとすれば年間のうち半分は汚れる可能性の高い日があることになります。だとすれば、2週間に1回最低でも1ヶ月に1回の頻度が適切だと言えます。
美観を維持したい場合には、表面に乗っている汚れを落とす水洗いのみの洗車でも1週間に1回必要になることも想定されます。
1-2-2. 白ボディの場合
白ボディの場合は黒い汚れがとくに目立ちやすくなってしまいます。とくに黒い筋の汚れは悩みの一つに含まれることも多いでしょう。その他、道路から巻き上がって付着するピッチ・タールと呼ばれる汚れや、線路沿いや工場地帯で多く舞っている鉄粉汚れなどスポンジではおちない汚れも蓄積されてきます。
ピッチ・タール汚れは専用の洗剤も流通しています。鉄粉はトラップ粘土と呼ばれる専用の粘土や鉄粉除去剤で落とすことも可能です。黒い筋は、シャンプー洗車が原因となっていることがあります。ライトレンズや際に残るシャンプーを含んだ水がボディーに垂れたときに汚れを巻き込み固着していることがあります。さらにそこに撥水シャンプーなどで汚れがコーティングされてしまい落としにくいこともあります。
対策として、シャンプーは油汚れが気になってきたときに使用し、使用するシャンプーは特別な機能が含まれない中性洗剤を利用することが推奨されます。通常は水洗いを心がけパーツの隙間の水も極力残さない心がけで黒い筋の汚れを減少させることができます。
1-2-3. コーティング車の場合
施工されたコーティング剤や施工車の技術にもよるため頻度としては判断が難しいところです。しかし、汚れたら洗車するのが基本です。コーティング車の場合はいわゆるシャンプーで洗うというよりも水だけで汚れが落としやすい傾向にあります。
気をつけなければならないのは、コーティングをしてもクルマは汚れるため洗車が必要だということを忘れないでください。また多くのコーティング剤には防汚を目的にしたフッ素や、光沢演出のためのポリマーなど不純物が含まれています。
これら不純部は紫外線により破壊されるため、コーティングも結果的に剥がれてしまいます。そのためコーティングは定期メンテナンスを設け再施工が必要です。
紫外線で剥がれないコーティングを選ぶ際には、不純物を含まない無機質のガラスコーティング剤となります。注意点としては、表記と実際の品質が異なる製品も存在していることです。
施工されているコーティング剤や施工店で推奨される洗車方法に基づいて洗車を行うのが得策です。
2. 要注意!洗車のし過ぎはボディを傷める
日常使いに利用される車は、目安として最低でも月に1回は必要だということが見えてきました。場合によっては月に2回、あるいは週に1回など多くの頻度で洗車するケースもあります。
適度に行うことがポイントですが、気にしすぎにも注意が必要です。
2-1. 洗車で傷が増える
小石や砂などがこすれてこすれて逆に傷をつけてしまうこともあるため適切なアプローチで洗車を行うことが肝心です。どれだけ注意しても多かれ少なかれ洗車キズを避けるのは至難の業です。
洗車キズと呼ばれるスポンジやウエスに巻き込まれた砂などでキズは、洗車するたびにリスクがあります。そのためゴシゴシするよりはできるだけ力まず行うのがコツです。また機械洗車もキズの原因となることがあります。
2-2. スクラッチについて
気がついたらボディにたくさんの細い線キズがあることに気がつきます。スポンジや、水の拭き取り時に、砂を巻き込むことなど、固形物がボディに乗った状態で押し付けることによって発生するキズがスクラッチとして残ります。
小石や砂だけでなく、タオルのタグやフチでもキズがつくこともあります。
2-3. カーシャンプーの弊害
カーシャンプーの説明書には「使用後はしっかりと水で洗い流してください」と記載されています。その理由として、汚れを落とすために強い酸やアルカリが用いられた場合に塗装にダメージを与えることもあります。その他、ライトレンズなどパーツの隙間に残ったシャンプーを含む水が後に汚れを巻き込み垂れ、それが蒸発したときに汚れとて固着することもあります。
撥水性を加えたもの、コンパウンドが含まれているものなど多くの機能が含まれる製品もありますが目的の用途にあっているものを選ぶようにしましょう。ボディーカラーなど指定があることもあるので愛車に合うか事前に確認が必要です。シャンプーとしては中世洗剤が過不足なく安心して利用できるスタンダードな洗剤となります。
2-4. ワックスの弊害
ワックスがけを行う場合は、野外で行われるケースが大多数です。ワックスに限ったことではありませんが、ボディをこする作業中に砂を巻き込むと線キズの原因となります。
その他、ワックスは雨や紫外線などの影響を受けやすく持ちとしては長くはありません。そのため定期的な洗車に加えてその度にワックスもかける場合には手間と注意が余計に必要になります。
そのワックスの次世代ツールとして、コーティングが誕生しました。現在ではコーティングをする方も多い一方でワックスがけの情緒を大切にしている愛好家も少なくありません。それぞれの一長一短を見極めながら、カーライフにあったアイテムをチョイスしていきましょう。
3. 頻度関係なく洗車した方がいい場合
これから紹介するケースは、汚れとして残りやすいものです。そのため下記の場合はできるだけ時間をおかずに洗車をすることが推奨されます。参考にしてみてください。
3-1. 雨が降ったあと
雨が降ったあとはその雨がボディについて水あかになってしまったり、汚れが水あかと共に付着してしまって取れにくくなってしまいます。
雨に含まれる汚れは環境によって異なります。まず純水ではないためミネラル分がふくまれています。その他、空気中に含まれるチリや油など道路環境に浮遊するものが水に含まれボディに止まり、そして水が蒸発したあとに残るのが汚れです。
そこで撥水性のシャンプーやワックス、あるいはコーティングが好まれる傾向にあります。一方で、撥水性になったボディには水が止まりやすいのが特徴です。撥水性とは異なり、水の束を作りボディから水が流れ落ちる『親水性(疎水性)』のものもあります。双方を試し、よいものを選びましょう。
3-2. 悪路を走ったあと
悪路を走ったあとは跳ね返りによってボディが汚れてしまいます。これもまたそのままにしておくと車に傷がついてしまったり、見た目もとても汚いです。この場合は放置をせずに早めに洗車をするようにしましょう。泥汚れはホースや高圧洗浄機など水洗いだけで落とせる汚れのため多くの時間をさかずとも綺麗にすることができます。
3-3. 融雪剤
融雪剤というのは実は塩と同じような成分です。塩は鉄を錆びさせる作用があります。それは車にとっても大敵です。融雪剤をまいた道路を走行した後は、ボディの他に足回りや車の下も洗うことが推奨されます。
3-4. 潮風
潮風も融雪剤と同様にサビの原因となります。特に台風など海水を巻き上げた風雨を受けたあとは洗車が推奨されます。海沿いにお住いの方は特に錆びやすい環境にあるためマメな洗車を心がけている方が多く存在しています。メッキモールなど錆びやすく、輸入車では特に交換費用も高額となるため、剥がれない、あるいは剥がれにくいコーティング剤、さらには防サビ性のエビデンスが取れているコーティング剤であれば防御策として有効です。
3-5. 鳥の糞
鳥フンは見つけたらすぐに除去してください。放置することで、クリア層にダメージを与え跡に残るためクルマの天敵とも言えます。発見時にすでに乾燥している場合は、一度ふやかしてから取り除くことをおすすめします。付着したフンを強くこすって落とそうした場合にキズを残すことがあります。ティッシュを被せた上に水やキリを吹きかけ数分放置してから取り除くなどワンクッション置くことで除去しやすくなります。また、ウェットタイプの車用シートを常備しておくのもいいでしょう。
4. まとめ
頻度しては汚れたタイミングで、適度に行なっていきます。通常であれば月に1回の洗車を行なっていれば年間を通じて綺麗な車を楽しむことができるでしょう。
ただし、ボディに汚れとして残りやすいシャンプー汚れ、水垢やサビの原因となる凍結防止剤や潮水、またクリア層にも致命的なダメージを与える鳥フンを見つけた場合などには間をあけずに洗車をするのが得策です。
綺麗な車を維持してく目安として参考にしてください。