高い技術力を要する冷凍機油を製造しているスノコ(SUNOCO)は、エンジンオイルでも好評を得てきました。日本で販売されるスノコは、海外ブランドメーカーで唯一、全てを日本で製造している確かな品質があります。
スノコ(SUNOCO)エンジンオイルでしか体感できない技術力はどこにあるのでしょうか?詳しく紹介していきます。
スノコ(SUNOCO)のエンジンオイルとは?
スノコ(SUNOCO)は1886年アメリカペンシルバニア州フィラデルフィアで油田を発見したことから創業が始まった石油会社です。
原油からさまざまな化学製品が生み出されますが、スノコ(SUNOCO)は世界に先駆けて冷凍機油「SUNISO」を開発しました。冷凍機油とは、冷凍空調機器に使用するコンプレッサーの潤滑油のことです。冷凍空調機器は10年~20年の耐用年数があり、その間にオイル交換をしない前提にあります。
そのため、冷凍機油は高度な耐久性が要求される特殊な潤滑油ということができるでしょう。またスノコ(SUNOCO)は世界初の接触分解装置の実用化に成功しています。この装置は原油をガソリンや灯油などさまざまなものに分解するものです。現在ではスタンダードになったこの装置ですが、当時は画期的な発明でした。
特殊な冷凍機油で絶大な信頼を得ているスノコ(SUNOCO)だからこそ、エンジンオイルにおいても安定した品質を提供することができるのです。
スノコのエンジンオイルの特徴と性能
スノコ(SUNOCO)社のアジア拠点として「日本サン石油株式会社」が設立され、千葉県市川市に工場が作られています。日本で販売されるスノコ(SUNOCO)エンジンオイルはすべてメイド・イン・ジャパンです。
スノコ(SUNOCO)はベースオイルを全合成にし、エステルを配合することで低温時から高温時にかけて幅広い温度域でその性能を発揮します。オイルをブレンドする際には「ドライエア方式」を採用し、精製方法にも冷凍機油で培った技術が活かされています。このドライエア方式は、タンクの底から乾燥した空気を送り込んでかき混ぜる方法で、不純物を嫌う冷凍機油で採用しているものです。一般的にはプロペラで混ぜるのですが、機械部分に付着している油分や水分が混入する可能性があります。そのためドライエア方式で行えば、不純物の混入を限りなく防ぐことが可能になるのです。
冷凍機油の技術はほかにも使用されています。「ES-TECH」はスノコ(SUNOCO)独自のエステル技術で、複数の特殊なエステルを最適化し、エンジン内部の金属表面を保護することを可能にしました。これは潤滑性を高めるだけでなく、厳しい条件下でもオイルの蒸発を防ぐ耐蒸発性にも優れています。
スノコのエンジンオイルの評判
スーパーGTで活躍する「つちやエンジニアリング」はGT300で優勝経験もあるレーシングチームです。ここではスノコ(SUNOCO)のエンジンオイルが使用されています。土屋氏はプライベーターと呼ばれるメーカーの資金を元にしないレース活動を行っているため、エンジンオイルの選択も真剣そのものです。
レースではエンジンの限界に近い性能を1時間以上必要とし、壊れることなくゴールできることが絶対条件になります。高性能であることは言うまでもありませんが、ライフ性能が短ければ交換時間もコストも必要です。
スノコ(SUNOCO)のエンジンオイルは、高性能でありながらライフ性能も長いオイルだと土屋氏は言います。面白いエピソードとして「スーパーGT」のテスト走行に出かけたときに、新人メカニックがトラックにオイルを積み忘れてしまいました。その際に一般のショップにスノコ(SUNOCO)の「BRILL(ブリル)」を買いに行ったことがあると語っていました。
つまり普通に市販されているエンジンオイルがレースカーに使用できるハイレベルなものだということになります。スノコ(SUNOCO)は冷凍機油を扱う会社なので、車のエンジンオイルとしてはオーバースペックなものです。だからと言ってまさかそのまま、レースで使用できるレベルのものだと知らなかった人も多いのではないでしょうか?
巷からはこんな声が届いています。
- 滑らかで低速トルクから高速まで幅広い範囲でよく回せるオイルです。
- オイル交換から3,000㎞ほど走行しているが初期のフィーリングが持続している。
- エンジン回転数の上昇が早い印象。
- エンジン始動時のスムーズさがなんとも気持ちがいい。
など高い評価の声が届いています。
スノコと他社のエンジンオイルの違い
世界有数のエネルギー会社である米国SUNOCO社のアジア拠点として設立された日本サン石油株式会社は50周年を迎えています。高品質なエンジンオイルをはじめとするさまざまな潤滑油は千葉県市川市にある自社工場で製造され、他社にはまねのできないメイド・イン・ジャパン品質を作り上げました。
市川工場ではISO9001、IOS14001を取得し、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムを取得し品質や環境保全に心がけた製品づくりを行っています。アメリカでは「NASCAR」で公式燃料サプライヤーとして供給されているほか、日本でも多くのモータースポーツに参加、その実力が発揮されてきました。
SUPER FORMULA
1955年から「全日本F3000選手権」に参戦し、「Team LeMans」とパートナーシップを結び「フォーミュラー・ニッポン」「スーパーフォーミュラー」でタイトルを2回獲得しています。
SUPER GT
2006年から土屋武士氏をテクニカルアドバイザーに迎え、SUPER GTを戦ってきました。2009年以降はSUNOCO市販製品である「BRILLシリーズ」を使用し、2009年にGT300でシリーズタイトル獲得に貢献しています。
D1 GRAND PRIX
2011年よりドリフトにも参戦してきました。チューニングされた市販車のエンジンを「BRILLシリーズ」で支えるとともに、特殊燃料「RACE FUELS/GT PLUS」の使用で更なるポテンシャルを引き出しています。
RODO RACE
2013年からホンダレーシング(HRC)「ライダーズサロン横浜」とのパートナーシップを開始しました。2016年からは「全日本ロードレース選手権」に参戦した「MotoMap SUPPLY」に市販製品を提供し、「鈴鹿8時間耐久ロードレース」で5位入賞に貢献しています。
スノコのエンジンオイルの種類と性能一覧
スノコ(SUNOCO)エンジンオイルの種類とそれぞれの性能について詳しくご紹介していきましょう。
BRILL(ブリル) 0W-20
最強レーシングオイルはBRILLシリーズの中で用途に合わせて混ぜることができるため、ドライバー個々の要望に応えるオイルを作ることが可能になりました。
性能
SUNOCO独自のES-TECHを採用し、ノンポリマーで仕上げています。低粘度でありながら強い油膜を持ち、せん断性に優れています。
適合車両
- NA
- ガソリンエンジン
- ロータリーNA
BRILL(ブリル) 12.5W-40
性能
「SUPER GT」や「スーパー耐久」などのレース実績によって導き出された粘度です。ES-TECHによってタービン軸受けまでしっかりと保護することができます。
適合車両
- NA
- ガソリンエンジン
- ディーゼルエンジン
- ロータリーターボ
- 水平対向
- ターボ
- 輸入車
BRILL(ブリル) 17.5W-50
性能
ビッグトルクの高回転時でも安定した油膜を確保することが可能です。
適合車両
- ガソリンエンジン
- ディーゼルエンジン
- ロータリーターボ
- ターボ
BRILL(ブリル) 20W-60
性能
ドリフトやタイムアタックなど1000馬力を超えるハイパワー向けエンジン使用です。卓越した耐熱性と強い油膜でハイパワーエンジンを保護できます。フェラーリ、ランボルギーニなどのスポーツカーにもお勧めです。
Svelt 0W-16
ストリート用プレミアムオイルSveltシリーズはベストコンディションを維持することを可能にしたオイルです。
性能
最新のSAE粘度である0W-16を実現しました。Sveltシリーズ最高の省燃費性能を持ち0W-16や0W-8などのオイル指定車に適応します。化学処理が施されているため、鉱物油よりは性能が高いものといえるでしょう。
エステル配合でスラッジを抑え、幅広い温度域でエンジンを保護することを可能にしました。0W-20以上の指定車には使用することができません。
適合車両
- 0W-16
- 0W-8
- ガソリンエンジン
Svelt(スヴェルト) 0W-20
性能
環境保護エンジンの最高峰です。車の省燃費性能を発揮しエンジンの保護を行います。2018年に付加されたAPI新規格のSN PLUSにも対応しているためハイブリッドを含みエコカーや直噴ターボ車にも使用できます。
適合車両
- 低排出ガス車
- ガソリンエンジン
- ハイブリッド車
Svelt(スヴェルト) 5W-30
性能
長距離、坂道、悪路などのシビアコンディションに特化し、エンジンの保護を強化しました。直噴ターボ車両の低速度域で負荷がかかると、ピストンやコンロッドにダメージがかかる低速異常燃焼にも対応しています。
適合車両
- 低排出ガス車
- ガソリンエンジン
- ハイブリッド車
airy(エアリー) 0W-20
価格と品質のバランスがとれたスタンダードオイル「airy」シリーズです。
性能
エステルを配合した部分合成油です。エコカーエンジンに必要な省燃費性能を発揮しながらも経済的なスタンダードグレードに仕上がりました。0W-20指定車はもちろんのこと5W-20指定車でも使用することができます。
適合車両
- 低排出ガス車
- ガソリンエンジン
- ハイブリッド車
airy(エアリー) 5W-20
性能
エンジン部品である金属表面にエステルが吸着することにより、エンジン保護を可能にしました。そのためドライスタートで受けるダメージを最小限で食い止めることができます。
適合車両
- 低排出ガス車
- ガソリンエンジン
- ハイブリッド車
airy(エアリー) 5W-30
性能
国産車をはじめ欧州車の高い省燃費性能と、せん断性を実現しました。5W-30指定車や10W-30指定車にもお勧めです。
適合車両
- 低排出ガス車
- ガソリンエンジン
- ディーゼルエンジン
airy(エアリー) 10W-40
性能
年式の古い旧車や走行距離が多い車にお勧めします。10W-40という高粘度で、耐熱性に優れるためエンジン保護を確実にし、さらに静粛性を高めることが可能です。
適合車両
- ガソリンエンジン
- ディーゼルエンジン
- ターボ
まとめ
アメリカで130年の歴史を持つ世界有数の総合エネルギーメーカースノコ(SUNOCO)は、海外オイルブランドでは唯一日本に自社工場を持っています。日本サン石油株式会社もまた、高い開発力と技術力を持ち、さまざまなレースでその実績を得てきました。
冷凍機油で培ったオイル精製方法を取り入れ、ほかではまねのできないエンジンオイルを作り出しています。レースで使用されるオイルをぜひ実感してみてください。