車のタイヤ交換はカー用品店などに依頼すると工賃が発生します。タイヤ4本の脱着だけでも2000〜4000円くらい必要になりますが、自分で交換すれば費用を抑えることができます。

しかし、初心者の方にとってはタイヤ交換の手順がわからなかったり、間違った方法で故障したらどうしようといった不安があると思います。

そこで今回の記事では、初心者の方でもできる安全なタイヤ交換方法について解説していきますので、ぜひあなたも自分でタイヤ交換にチャレンジしてみましょう。

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タイヤ交換を自分でやる前の注意事項

タイヤ交換は車載工具を使えば誰でもできるようになっています。しかし、車載工具は必要最低限のものなので、使い方を間違えてしまうと車がぐらついて倒れそうになったり、タイヤを正しく装着できなくなってしまいます。

そのため、事前に安全なタイヤ交換ができるように注意事項を確認しておきましょう。

タイヤ交換の手順

タイヤ交換を自分でやるための方法は以下の8つの手順になります。

  1. タイヤに輪止めをセットする
  2. ジャッキをかける
  3. ナットを軽く緩める
  4. 車体をジャッキアップする
  5. ナットを外してタイヤを交換する
  6. ナットを取り付けて仮締め
  7. ジャッキを下ろす
  8. ナットを本締めする

この中で最も注意しなくてはならない作業が、車体を持ち上げるジャッキアップです。タイヤを外すためには地面からタイヤを浮かせなければなりません。万が一、ジャッキアップ中に車の下に手や足を入れていて、急に車体が落下したら下敷きになってしまいます。そのためジャッキアップ作業中は、細心の注意を払って行いましょう。

タイヤ交換に必要な工具

車載工具だけでもタイヤ交換は可能ですが、より安全に、そして効率よく作業するために、次のような工具の準備をおすすめします。

  • 車載工具(ジャッキ、レンチ)
  • 十字レンチ
  • 輪止め
  • トルクレンチ
  • ウマ

車載工具に含まれているジャッキとレンチに関しては、ほとんどの車がトランクルームの収納スペースにあります。車載レンチはジャッキを使用する際にハンドルとしても使用するので、出来れば別に十字レンチ(クロスレンチ)を準備しておくとホイールナットを緩める作業がかなり楽になりますよ。

「輪止め、トルクレンチ、ウマ」に関しては必須ではありませんが、準備しておきたい工具です。輪止めは車体を持ち上げた際に車のバランスが崩れジャッキごと倒れるのを防止する役割があります。

トルクレンチはホイールナットを規定トルクで締め付けることが出来るので、走行中にナットが緩みボルトが折れるような心配がなくなります。

ウマは車体の落下防止の役割があります。ジャッキが倒れたりしても車を受け止めてくれるため、車の下敷きになるような危険を回避することができます。自分でタイヤローテーションやスタッドレスタイヤの履き替えを行うなど、頻繁にタイヤ交換をする予定があれば用意しておいた方が安心です。

工具の詳しい説明は、「タイヤ交換に必要な工具と詳しい使い方」で確認しておきましょう。

タイヤ交換を自分でやる場合には作業場所に注意!

タイヤ交換を行う際は地面がコンクリートで、水平な場所で行います。もし地面が土や砂利の場合、ジャッキが不安定になり危険です。また、地面が水平でないとジャッキアップした際に車体の重みでジャッキが倒れる危険があるため注意してください。

ただし、駐車場などは水の流れを作るために微妙に傾斜がついています。完全に水平な場所を探すのは難しいですが、可能な限り水平な場所で行うようにしましょう。

上記の工具類でも説明した「ウマ」に関しては、どうしても作業場所が不安定な場合にも重宝する落下防止工具になります。

タイヤ交換を自分でやるための安全な方法

それでは、タイヤ交換を自分でやるための具体的な方法について解説していきます。

まず、ギヤをP(パーキング)に入れエンジンを停止します。この時サイドブレーキ(フットブレーキ)はいつもより強めにかけて下さい。しっかりとサイドブレーキをかけることでタイヤの空転を防ぎ、ナットを緩めるのが楽になりますし、車が動く心配も少なくなります。これをするだけでも、FF車(前輪駆動)である軽自動車やミニバンは前後のタイヤとも空転しなくなるので、作業がスムーズに進みます。

準備ができたら以下の手順でタイヤ交換を始めましょう。

①タイヤに輪止めをセットする

まず車体を持ち上げた際、タイヤが動かないよう輪止めをします。この輪止めをセットする位置には決まりがあり、ジャッキアップする箇所の対角に位置するタイヤにセットして下さい。

例えば左後ろのタイヤを交換しようとする時は、右前のタイヤ正面にセットします。また、輪止めが車の外側にくるようにセットして下さい。実際に車体を持ち上げた事を考えるとわかる通り、後ろが持ち上がると車は前方に進もうとしますが、その力を輪止めで止めるようなイメージです。

②ジャッキをかける

次にジャッキをセットしていきます。ジャッキのセット方法が悪いと車体を持ち上げた際にバランスが崩れて倒れたり、ジャッキに負荷がかかって破損の原因になります。そのため、ここからの作業はより集中して行うべき工程になります。

車載ジャッキはトランクルームの床下に収納されていることが多いですが、一部の車種では給油口の横や助手席の下に収納されている場合もあります。収納場所がわからない場合は取扱説明書を確認して下さい。

車載ジャッキを確認すると中央が切り欠きのようになっています。この切り欠き部分をジャッキアップポイントへセットします。交換するタイヤからサイドステップ下を覗き込むと、鉄板に5cm間隔くらいで切り欠きが入っているのがジャッキアップポイントになります。こちらにジャッキが軽く触れるまでセットします。

また、ジャッキを取り出した段階では最も低い状態のため、ジャッキ横にあるレンチの差込口を時計回りに回してジャッキを高くしましょう。

ジャッキアップポイントの下にセットしたら、しっかりと目で確認しながらジャッキを上げていきます。この時は手で回らなくなるまで回してください。少し離れて確認した時にジャッキが地面に対して直立しているか確認して下さい。もし斜めになっていたら、少しジャッキを下げて修正して下さい。

③ナットを軽く緩める

ジャッキアップの準備は整いましたが、その前にタイヤを固定しているナットを少しだけ緩めておきます。タイヤが宙に浮いた状態だと空転して緩められなくなるからです。

タイヤの中央付近に4〜5個のナットが取り付けられていて、かなりの力で締まっています。車載レンチのようなL字タイプでも構いませんが、できる事なら十字レンチを準備した方が軽い力で緩めることが可能になります。

レンチの先端をタイヤのナット深くまで差し込んでから反時計回りに回して緩めて下さい。この時は、ほんの少し緩めるだけで大丈夫です。緩めすぎるとナットを締め付けているハブボルトに負荷がかかり、傷付きやボルト折れの原因になります。そのため約90°緩める程度にして下さい。

もしくは、一旦ナットを緩めてから軽い力で締まるところまで戻してあげると完璧です!ハブボルトやホイールへの負担も少なく、なおかつジャッキアップした時に確実にナットを緩めることが出来ますよ。この手順でタイヤを固定している全てのナットを緩めて下さい。

万が一ナットが緩まない場合は、無理やり外そうとしないようにしてください。故障の原因になったり、修理費用が必要になってしまうかもしれません。このような場合には「車のタイヤ交換時にナットが外れない場合の対処法」こちらを確認していただくといいでしょう。

④車体をジャッキアップする

次にジャッキアップで車体を持ち上げるために、車載ジャッキと一緒に収納されているハンドルを使います。

ジャッキアップ用のハンドルは折りたたみタイプと分割タイプがあります。ハンドルが直角に曲がるようにセットし、先端のフック部をジャッキの穴に引っ掛けて準備OKです。あとは片手でハンドルを支え、もう片方の手で回していきます。

ハンドルを回している最中は常にジャッキの状態に注意して下さい。ジャッキが不安定になっていないか?徐々に斜めに傾いていないか?をチェックするようにしましょう。異常がある場合、一旦ジャッキを下ろしてから再度ジャッキのセット位置を確認して修正して下さい。

軽自動車のような小型車の場合は小さな力でジャッキアップできます。しかし、大型車の場合はハンドルを回すのに力が必要になります。そんな時はハンドルで円を描くように回すのではなく、四角を描くように直線的に力をかけると楽になります。右手のみに頼らず、ハンドルを支えている左手にもうまく力を加える事がコツですね。

そして、タイヤが地面から完全に離れるまでジャッキアップして下さい。地面から1cmくらい離れる程度でも十分です。

⑤ナットを外してタイヤを交換する

レンチをナットにセットして反時計回りに緩めて外していきます。ジャッキアップの前にナットは緩めているため、軽い力で緩める事ができるでしょう。どうしてもレンチを回した際にタイヤも共回りしてしまう場合は、手の平でレンチを叩くように力を加えてみて下さい。

最後のナットを緩めていく際にタイヤがガタンとズレ落ちる場合があるため、タイヤを支えながらナットを外していくとより安全です。

タイヤの脱着を行う際の持ち方は、両手でタイヤ外周を挟むように持って下さい。ホイールのスポーク部分に手を入れて持ち上げる人が多いですが、余計に力が必要になりブレーキ等で指を挟む危険もあるのでおすすめしません。

また、タイヤを引きずるように取り外すと、ホイールでハブボルトのネジ部を傷つけてしまう恐れがあります。そのためタイヤを少し持ち上げるようにして外して下さい。

万が一ホイールが外れない場合には、「タイヤ交換したいのにホイールが外れない場合の対処法」こちらを確認してください。

ホイールが外れて交換するタイヤをセットする時は、ホイール面がしっかりと着座するまで押し込んで下さい。ホイールのセンターズレを防止するハブリングがあるので、最後のひと押しは少し固く感じるかもしれません。そのため、タイヤのガタつきが無いかもしっかり確認しておく必要があります。

⑥ナットを取り付けて仮締めする

タイヤにナットを仮締めしていきます。この時、ナットの向きには十分注意して下さい。特に貫通ナットの場合はテーパー状になっている方をホイール面に向けて取り付けます。

まずは全てのナットを手で軽く取り付けます。少しネジがかかる程度で大丈夫です。次にレンチを使用してナットを仮締めしていきます。ナットを締め付ける際には順番があり、守らないと均等にトルクがかからず危険ですので良く確認しておきましょう。

ナットの締め付けは対角の順番で締め付けていきます。例えばナットが5本の場合、一筆書きで星を描くような順番で締め付けを行います。

この段階ではまだトルクはかけませんが、ジャッキアップを下ろした際にタイヤがガタつかないようにしなくてはなりません。タイヤが共回りしたところから、手でレンチをポンポンと叩く感じでナットを締めて下さい。

最後にタイヤのガタつきが無いかを確認して下さい。もしガタつきがあるようでしたらまだ締め付けが足りていません。もう1周ナットの仮締めを行なって下さい。

⑦ジャッキを下ろす

ジャッキを下ろしていく前に、車の下に工具類などが無いか確認して下さい。その後、ジャッキハンドルを反時計回りに回して車体を下ろしていきます。ジャッキアップの時とは違い力は必要ありませんが、急に下ろすのではなく、ゆっくり操作していきましょう。

⑧ナットを本締めする

ジャッキを下ろしてもナットはまだ仮締め状態です。最後にトルクレンチを使用して本締めを行なっていきます。ここで本締めを忘れてしまうと、走行中にナットが緩んでしまい、タイヤが外れてしまう恐れがあるので、必ず忘れないようにしてください。

一般的なナットの締め付けトルクは「約108N・m」ですので、トルクレンチ取手部のダイヤルを回して設定します。

そして、仮締めと同じように対角の順番で本締めを行います。片方の手でトルクレンチ先端を支え、体重をかけながらゆっくりと締めていきます。「カチッ」と音が鳴ったらトルクがかかった証拠ですので力を緩めて下さい。

トルクレンチの使い方のポイントとしては、反動的な力を加えないことです。なぜなら、規定トルクに達していないのに「カチッ」となってしまう場合があったり、均等にトルクがかからない原因にもなりますので、ジワ〜と体重をかけながら締め付けるようにしましょう。

1周本締めが完了したら、もう1周トルクレンチで締め付け確認を行なって下さい。これで1本のタイヤ交換作業が完了しました。残り3本も同様の手順で交換していきましょう。

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タイヤ交換を自分でする場合の注意点

タイヤ交換の方法を書いてきましたが、最後に注意点や今後の対応について抜粋してご紹介します。

ナットの締め付け順番

ナットの締め付けは対角の順番で行います。例えばナット5本の場合、一筆書きで「星」を描くような順番で締めていきます。ナット4本の場合は、「X」を書くような順番で行います。

ナットの締め付けトルク

ナットの締め付けトルク(規定トルク値)は「約108N・m」で設定すれば問題ありません。しかし、一部車種や外車の場合は規定トルクが異なる場合があります。

詳しくは、「車のタイヤ交換時に知らないと危険な「締め付けトルク」とは?」でご紹介していますので、自分でタイヤ交換する方は必ず確認しておきましょう。

タイヤ交換後の増し締め

タイヤ交換をしてから約100km走行したらナットの増し締めが必要になります。特にナット、ホイールやハブボルトが変わっている場合は、あたりが出ていないので緩みやすいです。そのため確実な増し締めが必要になります。

詳しい増し締めの方法や注意点は、「タイヤ交換後の「増し締め」の正しい方法」で解説していますので、こちらもチェックしておきましょう。

ナットの向き

ホイールナットの向きはテーパーになっている方をホイール側に向けて取り付けます。また、メーカーごとに特殊なナットを使用している場合がありますので、その場合は取扱説明書を確認して下さい。

詳しくは、「タイヤ交換時に知りたいホイールナットの取り付け向きとは?」で解説していますのでチェックしておきましょう。

タイヤローテーションの方向

タイヤの位置を定期的に入れ替え寿命を伸ばすローテーションですが、タイヤの入れ替え方に決まりがあります。

FF車(前輪駆動)の場合は前輪をそのまま後輪へスライドさせ、後輪を前輪に取り付ける際には対角に入れ替えます。FR車(後輪駆動)は逆で後輪をそのまま前輪へスライド、前輪をクロスさせ後輪へ取り付けます。

また、タイヤによって回転方向が決まったタイヤがあり、側面に「ROTATION」と表記があるタイヤは左右での入れ替えが出来ないため、前後での入れ替えのみとなる点にご注意下さい。

タイヤ交換後の処分方法

交換したタイヤの処分方法はカー用品店やガソリンスタンドにて有料で引き取ってもらえます。タイヤ1本あたり250〜500円くらいが相場です。

詳しい処分方法は「タイヤを廃棄するには? 4つの方法をご紹介!」こちらでチェックしてください。

正しい方法を確認してタイヤ交換を自分でやってみよう!

初心者の方でも安全にタイヤ交換ができるように解説をしてきました。

タイヤ交換作業を難しくとらえる人も多いですが、正しい手順で作業することで誰でも安全に作業出来ます。またトルクレンチなどの便利な工具を使用すると、規定トルクでの締め付けも簡単にできるため、より確実性が高まります。

今回の記事を参考にしていただき、ぜひタイヤ交換に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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