車に乗っているからにはタイヤ交換は避けられません。例えば、スタッドレスタイヤへの交換やサマータイヤへの戻しなど、年2〜3回程度はタイヤの脱着作業をする人も多いでしょう。また、ドレスアップでホイールを交換するとなると、タイヤ交換の機会も更に増えます。

しかし、タイヤ交換作業を量販店などでやってもらうと、その度に工賃が発生してしまいます。もし、車のタイヤ交換を自分で行うことが出来れば、節約にもなり車の知識もついて良いことばかりですよ。

ただ、自分でタイヤ交換をしてみたいけど、

「難しそうだから・・・」

と、ついついお店任せになって、余分な費用を支払っている方が多いかもしれません。確かに間違った方法をしてしまうと、時間もかかりますし、車を傷つけたり怪我をする危険もあります。

しかし、しっかりとした工具と作業手順がわかっていれば、誰でも安全にタイヤ交換することが可能です。

そこで、今回はタイヤ交換に必要な工具類と使い方についてご紹介していきます。

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タイヤ交換に必要な工具一覧

では、早速ですがタイヤ交換に必要な工具類を見てみましょう。

  • ジャッキ
  • ウマ(リジットラック)
  • 輪止め
  • レンチ(トルクレンチ)

この4つの工具があれば、タイヤ交換を自分で行うことができます。

タイヤ交換に絶対必用なジャッキレンチに関しては、車に標準で装備されています。しかし、より安全に早く交換作業をするためにウマ、輪止め、トルクレンチなどの工具類があると便利になりますので、各工具の使い方について詳しく見ていきましょう。

タイヤ交換の工具①「ジャッキ」

ジャッキとは車体を持ち上げるための工具になります。持ち上げるというよりは、タイヤを地面から宙に浮かす役割といった感じですね。どんな車にも基本的に標準装備されており、トランクルーム下に収納されている車種が多いです。

安全に使うための注意点としては、ジャッキにも適応荷重が設定されていることです。そのため、ジャッキは車に標準装備されたものを使用する。、または、それ相応の適応荷重のものを使用する事が重要になります。

車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)とは?

車に標準で装備されているジャッキを車載ジャッキとも言いますが、パンタグラフジャッキがよく使われています。

こちらは、簡易的に使うことが目的で、ジャッキアップした際は車体が不安定になりますので、あくまでもタイヤ脱着専用と考えておいて下さい。

間違っても車載のパンタグラフジャッキを使用した状態で、車体の下に潜ってはいけません。万が一バランスが崩れジャッキが倒れたりしたら、そのまま下敷きになる恐れがあるので大変危険だからです。

車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)の使い方

パンタグラフジャッキの使い方は、ジャッキ横のネジ部分を回すことによって車体を持ち上げる事ができます。

まずは、車体にジャッキをセットしますが、その際のジャッキアップポイントは4箇所あります。詳しいジャッキアップポイントは、車の取扱説明書に必ず記載されているので確認してほしいのですが、ほとんどの車が左右のサイドステップ前後くらいにあります。

交換したいタイヤ付近から下を覗き込むと、2箇所の切り欠きが入った部分があるはずです。そこがジャッキアップポイントとして指定されており、パンタグラフジャッキ先端がはまり込むようにセットします。

ジャッキを水平な場所に置き、ジャッキアップポイント付近にセットしたら、横にあるネジを手で回して車体に軽く当たるまでジャッキを上げていきます。

手で回せないくらいになったら、ジャッキが斜めになっていない事やガタツキが無いことを確認した後、車載ジャッキと一緒に装備されている連結棒をネジの穴に入れ回していきます。

この連結棒の回し方のコツとしては、ペダルを漕ぐように力を加える事です。通常右手のみで回そうとする方が多いのですが、それだと結構な力が必要です。連結棒を支えてる左手も同様に力をかけると、比較的楽にジャッキアップができます。

あとは、回すように力を加えるよりも、「下→左→上→右」という感じで、1回転あたり4回にわけて力をかけた方が小さい力で済みます。円運動より直線運動の方が力をかけやすいというわけですね。

クルマ好きなら揃えておきたい油圧フロアジャッキ

メルテック ローダウンフロアージャッキ(2t) ローダウン対応 油圧式 最高値:330mm/最低値:80mm/ストローク:250mm アタッチメント付・サドル30mm Meltec F-70

パンタグラフは車のタイヤ1箇所しかジャッキアップできませんが、同時に2本のタイヤをジャッキアップできるフロアジャッキ(ガレージジャッキ)というものがあります。こちらは、油圧が使われており、連結棒を上下に動かすだけで軽く車体を持ち上げる事ができるのでおすすめです。

「緊急時にしかジャッキアップしないよ。」という方には、必要ないかもしれませんが、今後もタイヤ交換を自分で行ったり、車のメンテナンスをやろうと考えるならば用意しておきたい工具になります。

おすすめなのは、アルミ製のローダウンジャッキで、2トン用くらいを購入しておけば万能に使えます。ただ、サイズもそれなりに大きいので保管場所が確保できない人は購入前に検討すると良いと思います。

注意点としては、車載ジャッキとはジャッキアップポイントが異なることです。フロアジャッキのジャッキアップポイントは、フロント側はエンジンの下あたり、リヤ側はデフBOXや牽引フックなどと車種により異なっています。フロアジャッキの場合も取扱説明書に記載がありますので、必ず確認してから行なって下さい。

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タイヤ交換の工具②「ウマ(リジットラック)」

BAL ( 大橋産業 ) ジャッキ キーパーマン2T 920

パンタグラフジャッキ、フロアジャッキともに言えますが、あくまでも車体を持ち上げる事が目的なので、不安定なのは変わりません。そんな時に活躍するのがウマ(リジットラック)になります。ウマの役割は落下防止で、ジャッキアップポイントなどにウマをかませることにより車体を持ち上げた状態でも安定させる事ができます。

タイヤ交換くらいでは必要ないかもしれませんが、あった方が確実に安全です。車載ジャッキで上げただけの状態だと、ホイールナットを緩めるタイミングでジャッキが倒れる可能性も少なからずありますが、ウマをかけることでこうした危険を防ぐことができます。

また、ウマを使用して車体を持ち上げた状態にすれば、車体下に潜ることが出来るようになります。そのため、マフラー交換やオイル交換などの車いじりも出来るようになるので、車好きなら用意しておきたい工具と言えるでしょう。

注意点としては、ウマを装着する際はフロント・リヤ側の左右で1セットでなければいけません。右前だけの1箇所や車の右側の前後といった使用は大変危険になるのでNGです。ちなみにウマを4つ用意すれば、車体を完全に持ち上げておくことも可能になります。

タイヤ交換の工具③「輪止め」

エーモン タイヤストッパー 折りたたみ式 E186

輪止めとは、タイヤの転がりを防ぐ工具になります。普通車や軽自動車に使うイメージは無いかもしれませんが、貨物トラックなどにはよく使わていますね。ゴムブロック式や金属のプレート式など形状材質はさまざまですが、正しく使用すればどんな輪止めでも大丈夫です。

安全なタイヤ交換のためには輪止めが大切

タイヤ交換をするには必ずジャッキアップをしますが、タイヤが地面から離れる瞬間にタイヤが動く危険があるので輪止めが役に立ちます。

例えば、サイドブレーキをかけ忘れた場合や、FR(後輪駆動)車のフロントタイヤなどは手でも回せるくらい軽いです。ジャッキアップする反対側のタイヤがこのような状態だと、車体が上がった瞬間に動いてしまう可能性があり、特に車載ジャッキの場合は前後の揺れに弱いので、倒れる危険性も考えられます。

しかし、輪止めを利用すれば車が動かないように固定できるため、より安全なタイヤ交換が可能になります。

輪止めの使い方

輪止めの使用方法は、ジャッキアップするタイヤと対角線にあるタイヤにセットすれば大丈夫です。

例えば右後ろタイヤのジャッキアップをする際は、左前タイヤの前側に輪止めを置けばOKです。後ろを持ち上げれば前に動く、前を持ち上げれば後ろに動くという考えを持っていれば、自然とどこにセットすればよいか理解出来るようになります。

タイヤ交換の工具④「レンチ」

レンチはホイールナットを緩めたり締めたりするための工具です。ホイールナットにも17、19、21mmとサイズがあるので、自分の車に合ったレンチを用意する必要性があります。

L字もしくは十字レンチ

エーモン アルミホイール用クロスレンチ 17・19・21・21mm 3サイズ薄口形状 1492

レンチにもL字レンチと十字レンチ(クロスレンチ)があります。車載されているレンチはL字タイプが多いですが、これだと力がかけづらくナットを緩めるのに苦労すると思います。

一方、十字レンチは両手で力を加える事ができるため、楽にナットを緩める事がかのうになります。また、4つの口を備える事ができるので、すべてのナットサイズをカバーしてくれるのも嬉しいですね。

安全なタイヤ交換のために用意したいトルクレンチ

エマーソン トルクレンチセット EM-29 ソケット5個付(14/17/19/21薄口ロング/24mm)+エクステンション ケース付 40-200N・m対応 EMERSON EM29

トルクレンチとは、決まった力でナットを締め付けるための工具になります。

例えば、ナットの締め付けが弱すぎると走行中にナットが緩んで外れる危険があります。逆に締め付けが強すぎるとハブボルトが切れたりネジ部が欠けたりする恐れもあります。

また、ホイールナットはタイヤ1本あたり4〜5個装着されており、すべてのナットを均等な力で締め付ける事も大切になります。1箇所だけ緩いとそこから連鎖のように緩みが進行する危険があるからです。

これらのリスクを防ぐためにもトルクレンチは重要な工具となります。

トルクレンチの正しい使い方

トルクレンチも間違った使い方をすると、規定トルクが掛からないので注意が必要です。

使い方の手順としては

  1. トルク設定を合わせる(取手部のダイヤルを回す)
  2. 左手でソケット側(トルクレンチ先端)を支える
  3. 体重を乗せながらゆっくり締めていく
  4. 「カチッ」と音がなるところまで締める

間違えやすいポイントは、勢いよくレンチを締めてしまうことです。これだと一瞬トルクが出ているだけで、正確に締め付けることができていません。そのため、ジワ〜っとゆっくり締めていくのがコツになります。

ちなみにトルクレンチ使用後は、トルク設定を0に戻しておく事も忘れずにしましょう。トルクレンチの仕組みとしてスプリングが使われています。設定トルクまで締めていくと内部のスプリングが縮んでいきます。この状態のまま長期間放置すると、スプリングがヘタって正確なトルクが出なくなる可能性があるからです。

より詳細な解説は「車のタイヤ交換時に知らないと危険な「締め付けトルク」とは?」こちらが参考になりますので、使い方に不安のある方は必ずチェックしていただくことをお勧めします。

トルクレンチがない場合

タイヤのパンクなどの緊急時やトルクレンチを持っていない場合でも、車載レンチを正しく使えばほぼ規定トルクをかける事が可能でよ。

車載レンチの全長は基本的に25cm程度です。実際に手を添える部分が先端から22cmくらいだとして、そこに50kgの重みをかけると約108N.mというトルクがかかることになります。計算式としては「(50kg×9.8kgf・m)×0.22m=107.8N.m」です。

50kgは成人男性の体重より10〜20kg軽いくらいなので、自分の体重をグッとかけるくらいになります。自動車メーカーもこれらを見越してレンチの長さを決めたのでしょう。よく作られていますね。

タイヤ交換時のインパクトレンチ使用は要注意!

タイヤ交換時のナット脱着時にインパクトレンチを使用する際は注意が必要です。当然ながら規定トルクはかかりませんし、ネジ山がが破損してしまう可能性があるからです。また、大切なホイールのナットホール内に傷が入ってしまう場合があります。

最近では傷防止で外側が樹脂コーティングされていたり、薄口タイプになってるものもありますが、人の手による作業ですので100%はありません。

インパクトレンチは力も不要で便利ですが、これらのリスクがある事を理解しておいた方が良いですね。

タイヤ交換に必要な工具と正しい使い方情報まとめ

タイヤ交換に必要な工具とその使い方について書いてきました。

適当にジャッキアップしたり、ナットを締めたりすると危険である事がわかっていただけたのではないでしょうか?同時に、正しい工具で安全で確実な作業が出来ることも理解していただけたと思います。

車いじりはとても楽しいですが、間違った使い方で怪我をしたら元も子もありません。正しい工具を正しく使う事が大切なので、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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