「スポーツカー=2シート」と考えるのは、実用性だけで言えばちょっともったいない考えです。

確かにスポーツ走行をする上では運転席のスペースにある程度の余裕がある方が、操縦のしやすさなどから見ても重要であることは間違いありません。

でもあえて後部座席があるからこそ、ただのスポーツカーではないというところが86の魅力でもあります。では実際に後部座席を利用する際には、どのような実用性があるのでしょうか?

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1. トヨタ86の後部座席には実用的な居住性はある?

カタログ上では、大人2名が寿分に座れるスペースがあるということになっています。実際に大人2人が後部シートに座ってみるとかなり窮屈です。

子どもであればそれほど気にならないスペースですが、天井が低く前のシートとの距離が近いためかなりの圧迫感があります。

1-1. トヨタ86後部座席の乗車定員

大人2名です。

1-2. トヨタ86後部座席の広さの目安

後部座席と前のシートまでの幅は約1mあります。シートの長さは約1.4mです。ただし天井部分はかなり低くなっているので、実際に乗り込んでみると前方と頭上にかなり圧迫感があります。

子供が座った場合

子どもが後部座席に座ることについては、それほど問題はありません。ただし子どもの年齢によってはチャイルドシートが必要になります。限られたスペースですので、子どもの年齢によってはかなり狭く感じるかもしれません。

しかも後部座席の空間が狭いだけでなく天井も低く設定されているため、かなり圧迫感を感じます。さらにタイヤから伝わる振動も子どもにストレスを与えます。

そのためスペース的には問題はないものの、子どもにとってはかなりストレスのかかる空間といえます。

チャイルドシートは使える?

チャイルドシートの場合は、装着時の向きによっても違いがあります。前向きに装着するのであれば、助手席でも運転席側の後部座席でも可能です。

ただし後ろ向きに付けるのであれば、助手席に着けた方が子どもを乗り降りさせる際などに便利です。

子どもとのコミュニケーションが取りやすいという点からいえば、前向きに取り付ける方がおすすめです。ただしチャイルドシートそのものの安全性から考えれば、前向きに取り付けるのは生後9か月以降が良いとされています。

さらに安全性を追究するのであれば、助手席側よりも運転席側に取り付けた方がより安全です。

ですからお子さんが生後9か月以上であれば、「後部座席の運転席側に前向きで装着する」という方法が一番安全でしかも子連れのドライブとしては楽しめるのではないかと思います。

大人が座った場合

後部座席に大人が乗ったとしても定員上では問題がありません。ただし実際に乗ってみると2つのデメリットが出てきます。

まず1つは、運転席側のスペースが狭くなるということです。そもそも86の後部座は、大人が乗って快適に過ごせるようには設計されていません。

子どもの場合は大人のような広い居住スペースが必要ではありませんから、それほど運転席側に影響はありません。

ただ大人が後ろに座るとなると、どうしても運転席側のシートも前に寄せて乗ることになります。特に86のオーナーはMT好きが多いですよね?

MTの場合はどうしてもシフトレバーの操作などである程度のスペースが必要になります。狭くなった運転席では操作も窮屈になりますから、運転時間が長くなるほど体への負担も大きくなります。

2つ目は「後部座席はかなり暑い」という点です。86の場合は気流をコントロールするために後部座席の天井にリアウィンドウがかなり迫っています。

もちろん直射日光ももろに入ってきますから、暑さ対策をしっかりしていないと暑さですっかりバテてしまいます。

しかも2ドアクーペですから、窓を開けて室温を調整するという方法もあまり効果は期待できません。

見た目を気にしなければカーシェードをリアウィンドウに取り付けてしのぐという方法もありますが、せっかくの86ですからさすがに見た目にはこだわりたいはずです。

結論から言うと86の後部座席に大人が座るのは、ドライバーにとっても同乗者にとってもあまりお勧めできないというわけです。

1-3. トヨタ86の後部座席への乗り方

そもそも大人が後部座席に座るという設定でデザインされたものではありませんから、後部座席に乗る時はかなり大変です。まずは、助手席のシートを倒して侵入スペースを確保します。

そのあとは体を小さくしかがんだ状態で右足から車内に侵入します。体半分が車内に入ったら、おしりをシートにのせ体をねじ込むようにして奥へと入っていきます。

ちなみに後部座席のチャイルドシートに子どもをのせる時も、同じ要領で行います。

かなり体の柔軟性が求められるので、子どもが小さなうちは良いですが月齢があがってくると体重も増えますので体への負担はより増してくるでしょう。

2. 大人は乗れない!トヨタ86の後部座席の実用的な使い方

カタログ上では後部座席に大人2人が乗っても十分なスペースがあると書かれているのですが、実際には人が乗ることを前提にした設計とは言い難いです。

でもそんなスペースだからこそ、実用的な使い方が86にはあるのです。

2-1. トヨタ86の後部座席を倒すとトランク容量が増える

大人が乗り込むとかなり窮屈な後部座席ですが、シートを倒すとトランクルームとつながります。だからビックリするほど大容量の収容スペースが出来るのです。

後部座席の倒し方

後部座席は、リクライニングをマックスにして倒すとトランクルームまでがフラットになります。こうすれば、トランクだけだとおさまらない荷物も余裕で収納することが出来ます。

2-2. 緊急時の予備シートとして利用

よほどのことがなければ86で車中泊をしようと思う人はいないでしょうが、緊急時であれば予備シートとして活用することが出来ます。

後部座席を倒してトランクルームまでをフラット状態にすれば、一般的な身長の人であれば十分に体を横にして休むことが出来ます。

ただしトランクルームそのものはとても狭いですから、圧迫感は出てきます。あくまでも「緊急時の予備シート」という意味で使ってくださいね。

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3. トヨタ86の後部座席は不要?取り外してもOK?

人が乗るとかなり狭く、乗り降りも不便な86の後部シート。荷物の収納スペースの為だけであればトランクルームだけで十分という人もいるはずです。

では後部座席を取り外した場合のメリットとはどこにあるのでしょうか?

3-1. 後部座席を取り外すメリット

軽量化できる

そもそも走りを楽しむための車が86なのですから、不要なものを取り外して軽量化すればさらに思い通りの走りと加速が楽しめるはずです。

荷物もトランクルームに収まる程度以外は要らないというのであれば、思い切って取り外してしまった方が86の真の面白さに近づくはずです。

3-2. 後部座席を取り外す時の注意点

シートを取り外すということは、「定員4名→2名」に変更するということになります。この場合はきちんと「構造変更」の申請をしなければ、そのままでは車検に通りません。

ちなみに構造変更の申請は書類審査ですから、必要な書類を事前に準備する手間もかかります。

そもそも構造変更というのは、「大幅な改造を行いました」ということを申請するものです。「シートを取り外すだけ」と思うかもしれませんが、車の定員が変わるということは大幅な改造とみなされます。

ですからきちんと申請をしなければ「違法改造」とされてしまいます。

4. トヨタ86の後部座席の使い方まとめ

人が乗るというよりは、非常用シートとして使う方が実用的な86の後部シート。

「走りを楽しむ車」というコンセプトがある分どうしても乗車スペースとしては問題がありますが、大容量の収納スペースにもなると思えば意外と実用的に使えますよ。

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