自動車のホイールは、車を走らせるたびに、泥水、砂利、ピッチ、タール、ブレーキダストなどにさらされる環境にあります。そのまま放置しておくとどんどんと汚れ、傷ついてしまいます。
ホイールコーティングをしておくことで、キズや汚れがつきにくくなり、その後のお手入れが楽になります。
1. なぜホイールコーティングが必要なのか?
車のボディをせっかくコーティングしても、タイヤが泥だらけ傷だらけであれば、せっかくの自慢の車の印象が悪くなってしまいます。車体だけでなく、ホイールもコーティングすることで、洗浄の手間も省け、車がいつまでもきれいに見えます。
走れば必ず汚れがつきますから、放置しておくと汚れがこびりついて、きれいにするのが大変になります。ホイールコーティングをすることによって、ホイールの表面を保護するとともに、ブレーキダストなどの汚れがつきにくくなり、劣化を防止します。その後のお手入れもやりやすくなります。
2. コーティングをするタイミングはいつ?
まだコーティングをしていないのであれば、タイヤ交換の時にコーティングすることをお勧めします。
ホイールのコーティングをするときに、ディスク面の見える部分だけをコーティングをしてしまいがちですが、ホイールの内側もコーティングするといいです。
それをしておくと、その後のお手入れがとても楽になります。水を流すだけで内側の汚れも落ちやすくなります。汚れるスピードも遅くなり、メインテナンスが楽になります。
3. ホイールが汚れる原因は?
車を走らせると、タイヤは必ず地面と接触し、擦りあいます。当然のことですが、走れば走るほど、泥やブレーキダストで汚れていきます。
汚れの一番の原因は、ブレーキダストによるものです。
ブレーキダストとは、ホイールにこびりついている細かい黒や茶色の汚れです。ほとんどの車が現在「ディスクブレーキ」というブレーキシステムを用いています。
回転しているローターとブレーキパッドとの間で摩擦を生じさせて車を止めるのですが、その時の摩擦によりダストが生じます。これがブレーキダストです。
ローターもブレーキパッドも金属でできています。そのため摩擦することによって削られ、粉塵となった金属がホイールに付着します。そして時間が経つと錆びついてこびりついてしまいます。そうなるとカーシャンプーで落とすことができなくなります。
3-1. 欧州車のホイールは汚れやすい?
欧州車のホイールは汚れがつきやすいと言われています。
ヨーロッパの高速道路では日本よりもスピードを出せます。場所によっては、速度200km/h以上で走ることもできます。車の性能もそれに合わせて作られています。
スピードを出すことができるのですから、ブレーキもしっかりと効かないと危ないことになります。
ブレーキパッドやディスクローターは放熱性を保ち、ブレーキパッドとローターを柔らかい素材にして削れやすくすることで制動力を増し、高速で走っていてもブレーキを踏んだら止まることができるよう、設計されています。
その分、ダストも出やすく、ホイールが汚れやすくなってしまいます。とくに、ドイツ車のBMWやベンツなどのホイールの汚れは落ちにくいと言われています。
4. コーティングをする前にしておくべきこと
きれいにコーティングをするために事前にしておかなければならないことがあります。
コーティングは本体の上に膜を作って覆いますから、塗る前に、下の部分から雨でついた輪ジミやブレーキダスト、油脂などを取り除いてきれいにしておくと美しく仕上がります。
下地をきちんして、塗装についているダストなどをきれいにとっておくと、コーティングは長持ちします。
4-1. タイヤとアルミホイールの汚れを落とす
コーティングをする前には必ず、ホイールの汚れをしっかり落としてきれいにしておきましょう。でないと汚れごとコーティングしてしまいます。
まずはタイヤ、ホイールにホースで水を流して、ホコリや泥などをきれいに落とします。その後、カーシャンプーで洗浄します。これできれいに汚れが落ちればOKですが、ブレーキダストはなかなか落ちません。その時は市販のホイールクリーナーや鉄分除去剤を使って落としましょう。
ホイールの素材は、アルミだけでなく、スチール、マグネシム、カーボン、チタンなどいろいろとあります。洗浄時には、あなたの車の素材にあったホイールクリーナを使いましょう。
ホイールが薬品の力で変色することがありますので、まずは弱めのクリーナーから使っていきます。
ホイールを掃除したウエスには細かい鉄粉がついていますから、ボディを掃除するのと違うウエスを使いましょう。洗浄が終わりましたら、洗剤が残らないように最後に入念に水で洗い流します。
4-2. コーティング剤の選び方
コーティング剤には、「ポリマー系コーティング」「フッ素系コーティング」「ガラス系コーティング」「セラミック系コーティング」などがあります。
ホイールコーティングには高硬度の皮膜を形成するガラス系のコーティングがいいでしょう。ホイール専用のコーティング剤もあります。
ガラスコーティングは皮膜の強度に優れていますので、ブレーキダストで出る鉄粉をつきにくくします。汚れが取れやすくなり、楽にお手入れができるようになります。また光沢もあり、それが人気となっています。
通常、ポリマーコーティングが多いのですが、1年ぐらいしか持ちません。
ボリマー系コーティングは樹脂ですから熱に弱いし、強度もそんなに強くありません。
ガラス系のコーティングはもっと長持ちしますが、業者に任せると数万円かかります。
またワックスとコーティングは違います。
ワックスは雨や洗車で落ちてしまいますので、その都度塗る必要が出てきますが、コーティングはもっと強い膜ですので長持ちし、その後のお手入れが楽になります。
5. ホイールコーティングの手順
コーティングを塗る前に、すでにホイールがきれいであることがコーティングを引き立たせますので、しっかりと汚れを落とします。その準備が終わったらコーティングをしていきます。
業者に任す方法もありますが、ここでは自分が行う場合の手順を書いていきます。
①ホイールを洗浄後、水できれいに流した後は拭いて、水分をとります。ホイールコーティング剤は水分があると密着しないので、よく乾ふきし、完全に乾かします。
②使用するホイールコーティング剤の説明書を読んでそれに従ってください。コーティング剤によって若干使用が異なっていますが、スポンジにコーティング液を染み込ませ、できるだけ薄く塗り込んでいきます。
③塗った後は、完全に乾いて硬化してしまわないうちに柔らかい素材のクロスでコーティング剤を軽く拭き上げます。拭き残しや一箇所に固まっていることのないようにスムーズに吹き伸ばします。完全硬化時間を説明書を見ておきます。通常24時間ぐらいです。その間は車を走行させたり、雨に晒したりするのは避けるようにしましょう。
6. ホイールコーティングを長持ちさせる方法
コーティングを長持ちさせたいと思うなら、洗浄時の洗剤に気をつけてください。
洗浄時の刺激が強いと、せっかく塗ったコーティングが薄くなり、汚れがつきやくなっていきます。日常で使うアルカリ性の洗剤は、少し刺激が強すぎる場合もあります。
コーティングをしている業者が勧める洗剤を購入する方がコーティングは長持ちします。
またブレーキダストは必ず出てきます。そのまま放っておくと酸化共鳴を起こし、錆びついていきますので、定期的に洗車を行うようにしましょう。
コーティングメンテナンス剤などで皮膜を作っておくと、メインテナンスがやりやすくなります。
7. まとめ
ホイールコーティングをする前に、しっかりときれいにホコリや汚れを洗い落としておくことが大事です。コーティング前に新車のようにきれいになっていれば、コーティング後もその姿を保つことができます。
コーティングをしても少しずつ汚れはついてきます。適度に洗車をしてメインテナンスすることできれいな状態を長く保てます。コーティングをすれば、汚れが少なく、落ちやすいですから、洗車もずいぶんと楽になるでしょう。