雪道を安全に走行するにはスタッドレスタイヤが必要です。もしも夏タイヤで雪道を走ろうとすると、スリップして発進できない、ブレーキをかけても止まらない、カーブでハンドルが効かずスリップしてしまう、など多くの危険性があります。
一方で、スタッドレスタイヤなら雪道でもスリップすることなく、安全性はぐっと高まりますので、最適なタイミングで交換することが重要になってきます。
この記事ではお住まいの地域別に、スタッドレスタイヤの交換時期を解説しますので参考にして下さい。
夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換する時期
夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換する時期は、初雪が降る前に早めに行うのがおすすめです。各地域ごとの交換時期を確認していきましょう。
地域別の交換時期
まずは地域別に一般的なスタッドレスタイヤの交換時期を解説します。ただし、暖冬の影響などで以前よりも初雪の観察時期が遅れていますので、平野部ではなく高い山への初雪の観察情報なども参考にしてください。
北海道・東北地方
北海道では10月下旬、東北では11月上旬になると平野部での初雪が観察されます。ここから考えると、それより2週間前に余裕を持って交換するのがおすすめです。
北海道では10月中旬、東北では10月下旬になったらスタッドレスタイヤへの交換を検討しましょう。
甲信越地方
甲信越地方は降雪の傾向が東北地方に似ています。ですので、10月下旬にはスタッドレスタイヤへの交換を検討するのがおすすめです。
関東地方
関東地方にお住まいで冬に他の地域に出かけない方の場合は、天気予報を参考にしましょう。関東地方平野部で降雪が観測されるのは1月や2月が多くなります。
しかし、具体的な時期はその年によっても異なり、降雪量もまちまちです。関東北部では山々への降雪を一つの目安に、関東地方平野部では関東北部での降雪の観測からスタッドレスタイヤへの交換を検討しましょう。
ただし、仕事などで関東北部や甲信越地方を訪れる方、ウィンタースポーツを楽しむために甲信越地方や東北地方を訪問予定の方は、訪問先の天気予報や路面状況を確認し、余裕を持ってスタッドレスタイヤに交換する方が安全です。
東海地方
太平洋に面した地域は温暖で雪が降ることも稀ですので、週間天気予報や降雪地域を訪問する予定があるかどうかで検討してみましょう。
東海地方でも関ヶ原など一部のエリアは降雪の頻度も高めですので10月下旬になったら月間天気予報を確認し、一日の最低気温がマイナスになるまえに交換しましょう。
北陸地方
北陸地方は甲信越地方に傾向が似ています。10月下旬にはスタッドレスタイヤへの交換を検討し始めるのが安全です。雪が積もっていなくても、最低気温がマイナスになると濡れた路面は凍結します。
近畿地方
近畿地方は日本海側と瀬戸内海側とでは傾向が大きく異なります。日本海側に面した地域にお住まいか、日本海側に出かける予定がある方は10月下旬には月間天気予報を確認し、スタッドレスタイヤの準備を進めておいたほうが安全です。
瀬戸内海側などの温暖な地域でも関東平野部のように年に1、2回は雪が降ることもあります。天気予報を参考にして、車の使用がどうしても必要な場合は余裕を持ってスタッドレスタイヤに交換しましょう。
中国地方
中国地方も日本海側の山陰地方と瀬戸内海側では大きく異なります。山陰地方では10月下旬にはスタッドレスタイヤへの交換も考えておいたほうが安全です。
瀬戸内海側では年に1、2回の降雪を天気予報から考えて判断しましょう。
スタッドレスタイヤが安い!交換におすすめの時期
スタッドレスタイヤは一定期間のフェアでもない限りは、特定のお買い得時期はありません。スタッドレスタイヤを安く購入するなら、カー用品店やタイヤショップよりもインターネット通販がおすすめです。
ただし、初雪が降って大勢がショップに殺到すると、タイヤの在庫が無いなど、値段どころではない困った状況にもなりますので、早めの購入・交換を検討しましょう。
タイヤを安く買うならこちらfa-angle-double-rightTIREHOOD|タイヤフッド
新品スタッドレスタイヤは慣らし走行(皮むき)が大切!
タイヤは下ろしたての状態より、100km程度走って表面が路面との摩擦で摩耗した(一皮むけた)状態の方が本来の性能を発揮し始めます。ましてや、乾いた路面よりもスリップしやすい雪道を走るスタッドレスタイヤでは、夏タイヤよりも慣らし走行が重要になります。
そこで、新品のスタッドレスタイヤに履き替えたら、乾いた路面で200km以上の慣らし走行を重ねて雪道での走行に備えておきましょう。そのためにも、実際に雪が降る前の装着が重要になります。
慣らし走行の詳細は、「タイヤ交換後の慣らし走行とは?耐久性や安全性能を引き出すコツ」こちらで詳しく解説されていますので、参考にしてください。
スタッドレスタイヤから夏タイヤに交換する時期
次に、スタッドレスタイヤで冬を乗り切り、夏タイヤに交換する場合はどうでしょうか。夏タイヤに交換する時期は、最低気温が重要になります。
最低気温がマイナスになる場合は、雪がなくても濡れた路面や水たまりが凍結している事があります。特に、路面温度の下がりやすい橋などは凍結しやすい環境であり、夏タイヤに交換したばかりの時期のスリップ事故が多くなっています。
そのため、夏タイヤに交換する際は、以下のように判断できる時期になったら検討しましょう。
- 最低気温がマイナスまで下がらなくなった
- 今シーズンは雪が降る地域に行く予定がない
スタッドレスタイヤ交換後の保管方法
スタッドレスタイヤを外したら、まずは釘が刺さっていないか、サイドウォール(タイヤのサイド面)に傷はないかを確認して全体を洗浄します。その後、空気圧を1.5kg〜1.8kg程度に減らした状態で保管するのがタイヤの初期性能を維持する上で有効です。
また、タイヤは横に倒して平らな場所に積み上げましょう。縦に並べておくと同じ場所に負荷がかかっている状態になりますので、タイヤが変形する原因にもなります。
詳細は、「スタッドレスタイヤの正しい保管方法」こちらで解説されていますので、スタッドレスタイヤの寿命を長くするためにも確認しておきましょう。
スタッドレスタイヤの「一年中履きっぱなし」は危険!
春になって雪が溶け、乾いた路面になったらスタッドレスタイヤから夏タイヤに交換する必要があります。気温が高いとスタッドレスタイヤのゴムは柔らかくなりすぎてグリップ性能が低下してしまうからです。また、夏タイヤよりも柔らかい分、溝が減るのも早くなりますし、変形しやすいので高速走行時のハンドル操作がふらつきやすい傾向にもあります。
つまり、季節に合わせてスタッドレスタイヤから夏タイヤに交換する必要があるということです。一年中スタッドレスタイヤを履きっぱなしという車を見かけることがありますが、それは大変危険ですのでやめましょう。
スタッドレスタイヤの寿命
スタッドレスタイヤの寿命に最も影響を与えるのは耐用年数です。使用期間が夏タイヤより短いため、溝が減って寿命を迎えるユーザーは少ないようです。
スタッドレスタイヤの場合、溝が多く残っていても製造年月日からの時間の経過とともにゴムが硬くなっていきます。ゴムの柔らかさがスタッドレスタイヤの性能を発揮する重要な要素ですので、タイヤメーカーが推奨する耐用年数である3年〜4年を寿命、交換時期の目安と考えましょう。
スタッドレスタイヤの交換時期を見極めて安全運転を!
今回は地域別のスタッドレスタイヤへの交換時期について解説しました。ポイントは、初雪が降るまで夏タイヤで粘るよりも、余裕を持った早めの交換をすることです。初雪の日にはどこのタイヤショップやガソリンスタンドもスタッドレスタイヤへの交換作業で大混雑しますので、愛車のサイズにあったスタッドレスタイヤが手に入らなくなってしまうかもしれません。10月中旬を過ぎたら週間天気予報や山々への初冠雪の情報を参考にスタッドレスタイヤへの交換を検討しはじめましょう。