タイヤから異音がした場合、なぜ異音が聞こえるのか原因が気になったり、心配になってしまいますよね。この記事では、タイヤ異音の種類別に原因と解決策を解説しています。
タイヤから異音がする場合は即座に点検をしなくてはいけませんが、音の種類と原因を知っておく事で、ご自身でも簡単に点検できたり解決する場合もあります。また、場合によってはすぐにタイヤを交換しなくてはいけない緊急を要する場合もあります。
そういった急を要する事態なのかどうなのか、といった事を判断する一つの目安としても、音の種類とその原因を覚えておく事でスムーズに解決へと導く事が出来るので、是非タイヤの異音トラブルとその原因を知識としてインプットしておきましょう!
タイヤからの異音①「ウォンウォン」
タイヤに何も異常が無くても、ある程度はロードノイズ(走行中のタイヤが発する音)が発生します。そのロードノイズに混じって「ウォンウォン」といった異音が発生する場合があります。
特徴としてはタイヤの回転(車速)に比例して、ロードノイズに似ている低くて鈍い音が断続的に発生します。
原因
タイヤが何らかの理由で変形した場合に、通常のロードノイズと少し違った「ウォンウォン」という異音を発生する場合があります。
こういった異音は偏摩耗によるものが原因です。偏摩耗とはタイヤの内側だけや外側だけなど、部分的に極端に摩耗してしまう事です。均等に摩耗せず部分的に偏って摩耗していく事で、タイヤが接地面に対して斜めに摩耗してしまい徐々に変形していきます。
解決策
偏摩耗によって異音が発生している場合は、偏摩耗の原因となっているアライメントの不良を正常値に戻す必要があります。偏摩耗が軽度なものであれば、タイヤをローテーションする事でバランスよく摩耗させる事ができます。
タイヤからの異音②「カタカタ」「コトコト」
タイヤから「カタカタ」「コトコト」などと硬い物が接触しているような異音が発生している場合には、どのような原因が考えられるのでしょうか。
こういった異音はタイヤを駆動させている駆動系や、タイヤのショックを吸収している足回りなどが原因というケースが多いです。
もしこういった異音がタイヤから発生している場合には、重大事故に繋がる可能性を秘めたトラブルが車に起こっているかもしれません。
原因
タイヤから「カタカタ」「コトコト」といった金属が干渉しているような異音が発生している場合には、ホイールナットの緩みが原因と考えられます。
タイヤを取り付ける際にホイールナットの締め付け方や、締め付けトルクが弱かったりすると走行しているうちにナットが緩んできてこのような異音が発生します。
解決策
ホイールナットが緩んでしまう原因には、締め付けトルクや締め付け方法に問題がある事が考えられるので、タイヤを正しく取り付けてから規定トルクで締め付けをします。
トルクとはボルトやナットを締め付ける強さの事で、規定トルクはサービスマニュアルで確認するか、ディーラーで確認する事が出来ます。トルクの確認は、トルクレンチという任意のトルクで締め付けが出来る工具があるので、それを使用します。
また、最初から規定トルクで締め付けをせず、ナットを対角で順番に強く締め付けていき、最後にトルクレンチで締め付けをします(4穴であれば左上→右下→右上→左下のように)。
そして、一度走行してから再度増し締めをします。この増し締めというのはあくまでも規定トルクの範囲で行うものであり、規定トルク以上で締め付けるという意味ではありません。
タイヤからの異音③「ゴトゴト」「ボコボコ」
タイヤから「ゴトゴト」「ボコボコ」といった異音が発生している場合は、タイヤが変形している可能性があります。タイヤは特定の条件下で僅かに変形してしまう事があり、外観では判断する事が出来ない僅かな歪みであっても、異音を発生してしまう場合があります。
原因
車のタイヤは長期間動かさずに駐車していたり、歪んだ状態で保管した場合に変形してしまうことがあります。車は長期間動かさずに駐車していると、タイヤの接地面が地面に接したフラットな状態で形が戻らなくなる場合があります。
他にも、タイヤを保管する際に、歪んだ形のまま保管する事でも変形してしまう場合もあります。
解決策
一度変形してしまったタイヤは元に戻す事が難しい為、タイヤ交換が必要となってしまいます。日常的に長期間車を移動させない場合は、週に一度か少なくともひと月に一度は車を動かすように気を付ける事で、変形を防ぐ事ができます。
また、駐車時には輪止めにタイヤを押し付けるようにして駐車したり、段差に乗り上げて駐車せずに、平面に駐車するように心掛けましょう。
タイヤを保管する際は、横積みにして形が崩れないように適切に保管しなくてはいけません。
タイヤからの異音④「パタパタ」
タイヤから「パタパタ」といった何かをはたいているかのような異音がした場合、タイヤにコブができている可能性があります。
タイヤにはコブ状の突起物が出来てしまう場合があり、そのコブが徐々に大きくなってくると異音も同じく大きくなってきます。
原因
タイヤの内部には、カーカスコードというタイヤの強度を保つ目的を持った骨格のようなコードが内蔵されています。縁石や輪止めなどの障害物などに強くぶつけてしまう事で、このカーカスコードが損傷してしまいます。
カーカスコードが損傷してしまった部分は、強度が下がってしまいタイヤ内部の空気圧に耐えられなくなってしまいコブ状に膨らんでしまいます。
解決策
タイヤにできたコブは小さくても、徐々に大きくなって最終的にはバーストを起こしてしまいます。一度コブができたタイヤを元に戻す事は難しく、タイヤを交換しなくてはいけません。
段差に強く乗り上げたり、障害物にぶつけてタイヤに強い衝撃を与えないように運転する必要があります。また、古いタイヤでは経年劣化により、自然にカーカスコードが損傷してしまう事もあるので、5年以上経過している場合はタイヤ交換をオススメします。
タイヤからの異音⑤「カチカチ」
走行していると、歯切れのよい「カチカチ」という異音が聞こえる場合があります。
この異音はポピュラーなもので、街中を走っていてもカチカチという異音を発しながら走行している車を見かけた方も多いのではないでしょうか。
原因
「カチカチ」という異音は、溝に石がはまった事によって発しているのが大半ですが、まれに釘が刺さっている場合もあります。
解決策
石がはまっている場合は、その石を取れば異音は改善しますが、手では取れない場合もあります。そういった場合は、マイナスドライバーやペンチなどの工具を使用して取り外します。出先で工具が無いという場合は、カギの先端でも取る事ができる場合があります。
釘がささっている場合は、自動車工場などでパンク修理をしてもらう必要があります。
タイヤから異音が聞こえたらすぐに点検を!
これまでタイヤの異音についてお話してきましたが、音の聞き取り方や表現には個人によって違いがあるので、この記事を見て原因が分かったと過信せずに必ず目視で原因を特定する事をオススメします。
自己診断の時にどのタイヤから聞こえているのか分からない場合は、誰かに助手席や後部座席などに座って聞いてもらうと分かる場合があります。一人の場合は、運転席のみ少し窓を開けた時と、助手席のみ少し窓を開けた時を聞き分ける事で、左右のどちらから聞こえているのかを絞り込む事も出来ます。
また、目視で原因を特定できない場合は、足回りや駆動系の部品に異常がある可能性もあるので、すみやかに整備工場にて点検してもらいましょう。