タイヤのメンテナンスといえば、油性タイヤワックスが代表的です。良く知られているし使っている人も多いのに、なぜか嫌われているのが油性タイヤワックスです。

でも油性タイヤワックスが嫌われる理由が分かれば、実は効果的に使うこともできるのです。つまり「タイヤワックスのデメリットさえ理解できていればうまく付き合うことが出来る」というわけです。

そこで今回は油性タイヤワックスのデメリットから、効果的なタイヤワックスの使い方と使う時のポイントを見ていきます。

1. 油性タイヤワックスが嫌われる理由とは?

タイヤワックスには「油性タイプ」と「水性タイプに分かれます。もちろんこの2つには大きな違いがありますから、ユーザーが何を求めているのかによって使い分けるという必要があります。

それにしてもそれぞれにメリットがあるのですが、なぜか水性タイプよりも油性タイプの方が嫌われているのでしょうか?

不自然すぎるツヤが嫌われる

ワックスといえば「つやが出る」と考えるのは当然ですよね?確かにタイヤワックスを塗ると、ビックリするようにツヤが出ます。これは溶剤に含まれているシリコンの効果です。

ちなみに油性タイプの場合は、シリコンを石油系溶剤に溶かしています。つまり「シリコンのツヤ」に「石油のテカリ」がプラスされるということです。そのため油性タイプの場合は不自然すぎるツヤが出ます。

もちろん「ピッカピカなツヤが欲しい!」という人にはピッタリのワックスなのですが、思っている以上にピカピカしているので逆にそのテカリが気になるという人も多いです。

特にボディーよりもタイヤの方がピカピカして見える場合は、全体のバランスが全くあっていませんから「不自然すぎるテカリが気持ち悪い!」となってしまいます。

独特な臭いがする

特に女性や高齢者は、「タイヤワックスの独特な臭い」に対してNOを出しています。ワックスの臭いは「油性タイプだから」というわけではありません。でも油性タイプの場合は石油系の溶剤が使われているため、石油の嫌な臭いが強いことは確かです。

どんなに効果があったとしてもやはり「臭いがイヤ!」となれば、使い続けるのはちょっと無理ですよね?そう考えれば、この臭いも油性タイプが嫌われる1つの原因といえそうです。

塗る手間がかかる

タイヤワックスはタイヤの表面に膜を作ってコーティングすることで、その効果を発揮します。そのため油性・水性問わず「タイヤを洗ってからワックスを塗る」ということが必要になります。

でもタイヤを洗うって、意外と大変です。タイヤの汚れは簡単に落ちるものもありますが、中には頑固な汚れも混じっています。でもきちんと汚れを落としてからでなければ、汚れの上にワックスを塗ることになるので意味がありません。

このようにタイヤワックスを塗る場合は、塗る前の段階から大変です。さらにタイヤに塗った後には拭き取りをし、最後に仕上げで乾拭きをしなければいけません。この作業にかかる時間を「どれくらい短縮できるか」は、ワックスに対するユーザーの意見にも大きく影響します。

油性タイプにもいろいろなタイプがあります。でも「ワックス=固形ワックス」というイメージが強い人は「油性タイプのワックスだと時間がかかる」と思い込んでいるため、「油性タイプは嫌い」となる傾向にあります。

タイヤの劣化につながる

油性ワックスが最も嫌われる理由は、タイヤの劣化につながるといわれているからです。これは油性ワックスに含まれている石油系溶剤がタイヤの内部に浸透し、ゴムの組織に直接ダメージを与えてしまうからです。

もともと油性タイプは、タイヤの表面に強力な油膜でコーティングすることによってツヤ出しをします。ところがこの油膜があるために、タイヤ自身が持っているタイヤの保護成分がタイヤの中に閉じ込められてしまいます。

閉じ込められてしまった保護成分は外に出られませんから、タイヤはどんどん劣化していきます。

さらに悪いことに、油性タイプはタイヤの内部に浸透してしまう特徴があります。そのため表面だけでなく内部にも、ゴムが最も苦手な石油系溶剤が入り込んでしまいます。ですから「表面だけでなく内部からもタイヤの劣化が始まる」といえます。

つまり「タイヤの保護を目的にワックスを使いたい」というユーザーにとってこのような油性タイプのデメリットは、「使う以前の問題!」ということなのでしょう。

2. 油性タイヤワックスと水性タイヤワックスの違い

油性タイプと水性タイプのタイヤワックスの最大の違いは、やはりタイヤへの影響度にあるといえます。

水性タイプの場合は、シリコンを水に溶かして作ります。そのためワックスの持ちは悪いのですが、タイヤの内部に浸透する前に落ちてしまうため直接ゴムに悪影響を及ぼすことはありません。

ところが石油タイプの場合は、石油系溶剤にシリコンを溶かして作っているため水にも強くコーティング力もかなり強いです。しかもじわりじわりとタイヤの内部に石油系溶剤が浸透してしまうため、ゴムに直接ダメージを与えてしまいます。

ツヤ感にも違いがある

ワックスのツヤ出し効果にも、水性タイプと油性タイプでは違いがあります。

水性タイプの場合はゴムの劣化防止として使われることが多いので、どちらかというとツヤは控えめな印象です。言い換えれば「ナチュラルな仕上がり」といえます。

これに対して油性タイプは石油成分で油膜を作っているので、テッカテカなカンジになってしまいます。このテカリを言い換えるとすれば「不自然なツヤ」といえます。

もちろんボディーもピカピカならばこのツヤもピッタリとはまるのですが、タイヤだけがピカピカになってしまうとバランスが悪くなってしまいます。

3. 油性タイヤワックスはデメリットばかり?メリットはないの?

立て続けに油性タイプのデメリットばかりを挙げていますが、もちろんメリットだってたくさんあります。

そこで今度は「油性タイプは嫌われているといわれているのに、なぜ今でもユーザーから一定の支持を受けているのか」という疑問に対して、油性タイプのメリットを挙げながら解説していきましょう。

とにかくピッカピカになる

タイヤワックスを使うのなら、誰だって「ツヤ」が欲しいに決まっています。堂々と「最強のツヤが欲しい!」と言い切れる人であれば、はっきり言って水性タイプのようなツヤでは満足しません。

ギッラギラでテッカテカなツヤだからこそ、「これぞタイヤワックスのツヤ!」と自慢できるわけです。これがなければ、わざわざ高いワックスを買って時間をかけて塗る必要などなにもないのです。

「見た目を重視して何が悪い!」という気持ちはどのユーザーも持っているはずです。でも油性タイヤの悪い評判が先にインプットされてしまっているので、どうしてもその先に進むことが出来ないのです。

もしもこれから先あなたがこのセリフを堂々と言えるようになれたなら、あなたも油性タイプのワックスの魅力にハマるはずです。

油性タイプなら面倒な洗浄・拭き取り要らずのものもある

タイヤワックスを使う時は、「洗浄・拭き取り」が基本です。でもこれがハッキリ言って面倒ですよね?でもこの問題を解決してくれるのが、油性タイプでもあるのです。

スプレータイプの場合、基本的に石油系溶剤が入っています。ですからタイプからいえば油性になります。このスプレータイプのワックスの中には、「洗浄・拭き取り不要」という奇跡のようなタイヤワックスもがあります。

つまり手軽さを追究したいという人にとっては、水性タイプよりも油性タイプの方が自分のライフスタイルに合ったワックスを見つけることが出来るということです。

ワックスの効果が長持ちする

油膜でしっかりとタイヤの表面をコーティングする油性タイプは、雨にも強いです。ほとんどの場合、雨でも1か月程度は効果が持続します。

これに対して水性タイプは水に弱いため、雨が2~3回続くとすぐに落ちてしまいます。落ちてしまえば、また塗り直さなければ効果はありません。

タイヤに影響がないといっても、使う頻度が多ければ水性タイプであってもタイヤにストレスを与えます。本来であれば何も使わない方がタイヤには良いのです。

そう考えれば長期的に見ると、油性タイプを使ってもタイヤへのダメージは少ないといえます。

4. 油性タイヤワックスの使い方まとめ

「油性タイヤワックスは嫌われ者」というイメージが強いと思いますが、実際にデメリットとメリットを並べてみると「使い方次第だ」とわかるはずです。

水性であってもデメリットはたくさんあります。逆に嫌われ者の油性であってもメリットはたくさんあります。「どちらがあなたのカーライフに合っているのか」ということがタイヤワックスの賢い使い方のポイントです。

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