タイヤの溝はまだまだ十分にあるのにひび割れや亀裂が入っていて、心配になったり、ガッカリした経験はないでしょうか。
タイヤの材質の多くはゴムで構成されているので、経年劣化による影響を受けやすいです。また、ひび割れ・亀裂の原因には、日々の何気ない行動でその劣化を早めてしまうものも多くあり、無意識にタイヤの寿命を縮めてしまっている事もあります。
こちらの記事では、そんなタイヤのひび割れや亀裂が起こる原因と防止策をご紹介していきます。タイヤを長持ちさせるために早速チェックしていきましょう。
タイヤのひび割れの原因とは?
そもそも、タイヤにひび割れ・亀裂が起こってしまう原因とは何なのでしょうか。防止策を実践する前に、まずはその原因を知る事が大切です。タイヤがどういった理由で劣化してしまうのかを把握して、寿命を縮めてしまわないようにケアをしていきましょう。
経年劣化
直射日光、気温、雨など、屋外にはタイヤの劣化を早めてしまう要素がたくさんあるため、たとえ走行距離が少なくても年数が経過する事で自然と劣化します。この経年劣化はある程度しかたがないものですが、タイヤワックスを正しく使うことでタイヤの寿命を縮めないようにすることができます。
また、スタッドレスタイヤなどの保管方法も重要です。保管方法が間違っていると劣化を早めてしまいひび割れや亀裂が生じてしまい、寿命が短くなってしまいます。
fa-angle-double-rightタイヤワックスの正しい使い方
fa-angle-double-rightタイヤの正しい保管方法
洗車シャンプーやワックスによる劣化
車のボディ用のシャンプーで洗車をしている時、ついでにそのままタイヤを洗ってしまいたくなりますが、この洗車の仕方はタイヤの劣化を早める原因となってしまいます。カーシャンプーには、ボディの汚れを落としやすくする為に化学物質が含まれており、タイヤのゴムに悪影響を及ぼすからです。どうしてもシャンプーを使用したい場合は、使用後に水で綺麗にシャンプーを除去するか、アルカリ性の洗剤は避けましょう。
fa-angle-double-rightタイヤを劣化させない洗い方
空気圧不足によるタイヤの負担
空気圧が不足していると、適正値の時と比べてタイヤのたわみが大きくなります。直線を走っているだけでも抵抗が大きくなりますし、コーナーを曲がる時にも余計な負担がタイヤにかかってしまいます。それらがタイヤへの疲労を蓄積させて、ひび割れや亀裂の原因となってしまいます。
荷重過多によるタイヤの疲労
空気圧不足と同様に荷重過多はタイヤのたわみが大きくなってしまいます。空気圧を高めに設定すればたわみは少なくなりますが、いずれにしてもタイヤへの疲労が大きくなってしまい、タイヤを傷めてしまいます。
縁石や分離帯などへの衝突
縁石や分離帯などに激しくタイヤを衝突させてしまう事で、亀裂が走ってしまう場合もあります。特に、サイドウォール(タイヤサイズが表記されている面)部分は、トレッド(路面に接地している面)よりも衝撃に弱く、車もサイドからの衝撃を吸収する構造になっていない為、タイヤに障害物をぶつけないように注意する必要があります。
タイヤのひび割れの危険性
タイヤにひび割れや亀裂があると、次の3つのリスクがあります。
タイヤのバースト
ひび割れや亀裂があるタイヤで最も危険なことはバーストです。バーストとは走行中にタイヤが風船のように破裂してしまうため、コントロールを失って大事故へと発展してしまう可能性があります。
もしバーストについて詳しく知らないという方は、「タイヤバーストの原因と万一に備えて知っておきたい対応策」を必ず確認しておきましょう。
タイヤ寿命の低下
タイヤの寿命は、本来であれば溝がスリップサインに到達するまで使用する事が出来ます。しかし、ひび割れや亀裂がひどいと、スリップサインが見える前にタイヤを交換が必要になる(タイヤの寿命が短くなる)ことがあります。
fa-angle-double-rightスリップサインの見方
車検に落ちる
軽度のひび割れであれば車検に落ちるという事はありませんが、内部のコードが露出するような深いひび割れや亀裂になると、車検に落ちる場合もあります。タイヤの溝のように、明確な数値としての規定はありませんが、検査員がタイヤに著しい破損が見受けられると判断を下した場合には車検に落ちてしまいます。
タイヤのひび割れ補修は難しい
以上のように、タイヤのひび割れや亀裂の原因や危険性を確認してきました。では、もしもこれらのトラブルが見られた場合にはどうしたらいいのでしょうか?
実は、ひび割れや亀裂の補修は難しいため、交換が必要になるケースが増えてしまいます。補修用の製品はありますが、見た目は補修されたように見えてもタイヤ内部の亀裂や損傷の進行具合を隠してしまう結果となるのでオススメしません。補修用品も応急処置であり、完全に元通りにはならないので、タイヤ交換が必要になります。
タイヤのひび割れを防止する方法
このように、一旦タイヤにひび割れ・亀裂が起こってしまった場合は、完全に補修する事が難しく、タイヤ交換となれば費用もかかってしまいます。そのため、こうしたトラブルを未然に防ぐ事が重要になります。
また、既にひび割れ・亀裂がある場合でも、進行を遅らせるために有効な方法でもあるので、手遅れと諦めずにすぐに実践しましょう。
空気圧点検
空気圧不足がタイヤのひび割れ・亀裂の原因の一つなので、定期的に空気圧を点検して適正値に保つことが最も大切です。少なくとも月に一度は空気圧のチェックをして、空気圧不足の状態で走行し続けないように気を付けましょう。ガソリンスタンドなどでは無料で空気圧の点検や充填を行うことができますので、給油の度にチェックするように気をつけましょう。
適切なメンテナンス
タイヤの洗車やケアグッズには豊富な種類があります。その数あるグッズの種類を大別すると二つに分かれます。
一つはタイヤを綺麗に魅せる見栄え重視のグッズのもの、そしてもう一つはタイヤの品質を保護する目的を重視したグッズです。見栄え重視の製品はタイヤを綺麗に魅せるという点では優れていますが、タイヤの品質においては、あまり好ましくない成分が混ざっている場合もあります。そのため、製品を選ぶ際にはどういった目的の製品なのかをチェックするのがポイントです。
保管方法
タイヤの保管方法は、下記のような場所が適しています。
- 直射日光が当たらない
- 高温にならない
- 風通しがよい
ガレージや納屋のような屋内が望ましい保管場所ですが、タ最適な場所で保管出来ない場合もあります。やむを得ず屋外で保管する場合は防水・紫外線をカットしてくれるタイヤカバーが市販されているので、なるべく日陰になる場所へ保管しましょう。
ただし、カバーをしてもタイヤにとっては最善とは言えない環境なので、タイヤを預かってもらえるサービスを提供しているお店もあるので、そういった施設を利用する事もおすすめです。
日常点検でタイヤの状態をチェックしよう!
日頃の何気ない行動でも、タイヤにとっては悪影響となるものがたくさんある事が分かりました。
タイヤのメンテナンスを少しでも怠ったからといって、すぐにタイヤにひび割れ・亀裂が起こる事はありません。しかし、些細な事でも積み重なると、タイヤの寿命を大きく縮めてしまう事になり兼ねません。
日常点検をきちんと行ってタイヤのケアをする事で、タイヤを長持ちさせる事となります。それは、費用面でも嬉しいだけではなく、安全面を考慮した上でもとても大切な事です。
この機会にタイヤの日常点検をはじめてみましょう!