安全性や快適性のために高性能・高品質なタイヤを選ぶ人が増えています。でも、このようなタイヤは値段が高いのがネックですよね?しかも、タイヤは1度購入すればよいというわけでなく、定期的に交換しなければいけない消耗品だということも悩みどころです。

だからこそ「タイヤの劣化は出来るだけ防ぎたい」というのがユーザーとしての本音だと思います。タイヤの劣化防止としてポピュラーなものといえば、タイヤクリーナー(タイヤワックス)を塗る方法があります。でも、正しく使用しないとイヤが劣化する原因になるという話もよく聞きます。

今回はその原因と劣化防止方法についてご紹介していきます。

スポンサーリンク

タイヤワックスが劣化の原因になる理由

まず、タイヤワックスが劣化の原因だといわれる理由は、主に次の2つがあります。

ワックスが落ちると同時にタイヤの紫外線防止剤も流れ出てしまう

紫外線はタイヤの劣化の原因となります。そのため現在販売されているほとんどのタイヤには紫外線防止剤が含まれています。紫外線防止剤が含まれていることによって紫外線によるタイヤの劣化を防いでいるのですが、使い続ければその効果も自然に落ちていきます。

ところが、この劣化スピードを加速させてしまうのがタイヤワックスといわれています。なぜなら、タイヤワックスは車が発する熱や雨の日の走行などによってもワックスは流れ落ち、同時にタイヤの紫外線防止剤も流れ出てしまうと言われているからです。

また、紫外線防止剤と同じように、劣化防止剤もほとんどのタイヤに含まれています。劣化防止剤もタイヤワックスの成分とともに外に流れ出てしまう性質を持っています。そのため劣化防止剤が減っていけば、その分タイヤが劣化するスピードも早まります。

石油系溶剤がタイヤを劣化させている

タイヤのワックスには、油性ワックスと水性ワックスの2種類があります。水性ワックスはシリコンを水に入れて溶かします。油性ワックスの場合はシリコンを石油系溶剤の中に入れて溶かします。

この石油系溶剤(油性ワックス)は、タイヤにとって大きなストレスになります。そもそもタイヤには劣化防止剤や紫外線防止剤など、タイヤを長持ちさせるための成分が含まれています。そんなタイヤにストレスが加われば、劣化速度が速くなるのは当然です。

一方で、水性ワックスの場合は石油系溶剤がほとんど使われていません。そのためタイヤワックスが劣化の原因だといわれるのは、油性ワックスのことを指していることがほとんどです。タイヤへの悪影響が心配であれば水性ワックスを利用するのがいいでしょう。

タイヤワックス否定派の意見

そのほかにも、以下のようなタイヤワックスに対する否定派の意見が聞かれます。

  • タイヤワックスの油成分のせいでひび割れを起こす
  • タイヤワックスは見栄えが良くなるだけでタイヤには良くない
  • タイヤ本来の性能を維持したいなら水洗いだけで十分キレイになる
  • 使えば使うほどタイヤへのダメージはひどくなる
スポンサーリンク

タイヤワックス賛成派の意見

タイヤワックスの否定派の意見も確かに一理ありますが、使い方によってはタイヤの劣化を防ぐことができるのもタイヤワックスです。そこで今度はタイヤワックス肯定派の意見をまとめてみます。

  • 水性ワックスなら問題ない
  • タイヤ交換時のメンテナンスとしては最適
  • タイヤワックスを塗った方がグリップ力は長持ちする
  • 石油系溶剤が入っていないワックスを選べば劣化とは関係ない

そもそも、なぜタイヤは茶色く変色したり色褪せるの?

新品で購入した時にはツヤのある真っ黒な色をしているタイヤですが、使っているうちに茶色く変色するなどの色あせが目立つようになってきます。ではなぜタイヤは使い続けるほど、変色したり色褪せしたりするのでしょうか?

タイヤの性能を維持するための成分が化学反応を起こすから

タイヤには種類によって様々な性能があります。これらの性能をきちんと発揮させるために、タイヤを作る時には様々な保護成分が使われています。代表的なものといえば劣化防止剤や紫外線防止剤です。

こうしたタイヤの保護成分は、使い続けているうちにタイヤの表面にしみ出してきます。特にサイドウォールと呼ばれるタイヤの側面は、他の部分に比べてより多くの成分と接します。このタイヤの保護成分が染み出してくると化学反応を起こして茶色に変色していきます。

ブレーキダストがタイヤに付着してしまうから

ブレーキに使われている金属どうしの摩擦によって生じる粉塵がブレーキダストと言われるものですが、ホイールを真っ黒に汚してしまう原因になっています。実は、このブレーキダストはタイヤのサイドウォールにも付着しており、その状態のままで車を走らせているとブレーキダストは錆びて茶色に変色します。これが、タイヤが茶色に変色する2つ目の理由です。

タイヤワックスを使わず洗車でタイヤを黒くする方法

タイヤワックスを使わなくても、定期的な洗車でタイヤの色を黒くする方法があります。といっても特別なことではありません。「どの部分を重点的に洗うのか」ということがポイントになります。

タイヤ劣化の原因である保護成分がしみ出す部分も、ブレーキダストによって茶色に変色する部分も、いずれもサイドウォール(タイヤの側面)に集中しています。さらに紫外線にさらされるのも路面に設置している部分ではなく、タイヤの側面であるサイドウォールが中心になります。

だからこそ洗車の際にはボディーやホイールの汚れだけでなく、タイヤのサイドウォール(タイヤの外側の部分)もきちんと洗ってあげることが大切になります。タイヤの黒い色が復活するだけでなく、タイヤの劣化スピードを抑える効果もあります。

タイヤの洗車方法については、「車のタイヤ汚れの落とし方|綺麗に掃除するための3つのコツ」で詳しく解説されていますので確認してみてください。

タイヤの劣化を防ぐおすすめの方法

タイヤの劣化を完全に止めるということは不可能です。でも劣化のスピードを落とすことはできます。その一つがタイヤワックス(タイヤクリーナー)です。

タイヤワックスには水性ワックスと油性ワックスの2種類ありますが、水性ワックスはタイヤの石油系溶剤がほとんど含まれていませんのでタイヤの保護成分に影響を与えるリスクが減ります。また、紫外線吸収剤など劣化を防止するための保護成分も含まれているのでおすすめです。

ただし水性ワックスは水に弱いため、油性ワックスのように効果が長持ちしません。そのため、定期的にメンテナンスすることをおすすめします。タイヤを劣化させないためのタイヤワックス選びは「水性タイヤワックスおすすめ11選!」こちらが参考になりますので、チェックしておきましょう。

劣化が心配ならタイヤワックスの使用は慎重に!

タイヤはあくまでも消耗品ですが、タイヤワックスを使ったり、こまめにタイヤを洗うことで劣化を予防することができます。

ただしタイヤワックスには「見栄え重視型」と「劣化防止型」の2つに分かれます。劣化防止のためならどんなタイヤワックスを使っても良いということではありません。劣化防止に適したタイヤワックスを選ばなければ、逆効果になってしまうこともあります。

まずはあなたの車のタイヤの状態をしっかりとチェックしてみてください。その上でタイヤワックスを使用した方が良いのか、水洗いだけでも十分なのかを判断してみてください。

タイヤワックスの効果は非常に高いですが、その分リスクもあります。だからこそタイヤワックスは、使う前に慎重に検討してくださいね。

スポンサーリンク
おすすめの記事