タイヤは身近なものだと思いますが、意外に知られていなのが「種類、構造、選び方」なんです。夏・冬タイヤ以外に、ラジアルタイヤから最新のランフラットタイヤまでの知識や違いなど、あまり知られていなことが沢山あります。そんなタイヤの知識などを紹介いたします。

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1. タイヤには複数の種類がある!

1-1. ラジアルタイヤ

一口にタイヤと言っても様々な種類があります。一般的に乗用車に装着されているタイヤはラジアルタイヤです。タイヤの構造によって名称が変わり、バイアス・チューブレス・Sタイヤなどがあります。

通常皆様が装着するタイヤは、ラジアルタイヤなので各種の構造など、あまり必要性が無いので割愛しますが、簡単に説明すると各種あるタイヤの構造から安全性、走行性能、耐久性、量産性などの総合的に選別した結果、一般的にラジアルタイヤが装着される様になったのです。

1-2. 夏用タイヤと冬用タイヤ

文字通り夏用、冬用と季節、路面によって使い分けるタイヤですが、夏用はラジアルタイヤ、冬用はスタッドレスタイヤになります。同じ自動車用のタイヤですが、この2つは全く種類が違います。

夏用タイヤは、基本的にアスファルトや土の上を走行する為につくられたタイヤなので路面に対してのグリップ力、雨天時の水はけの良さを考慮して製造されています。最近では、ミニバン用やセダン、軽自動車用などの車種により乗り心地の良い構造のタイヤも多く販売されています。

一方のスタッドレスタイヤは冬季の雪上、氷上走行を前提に製造されているタイヤです。夏用タイヤと一番違う内容は、まずゴム質、トレッドパターンと言われるタイヤの溝部分です。

スタッドレスタイヤはラジアルタイヤに比べゴム質はとても柔らかく、雪上・氷上に吸い付く様なゴム質です。トレッドパターンもラジアルタイヤよりもサイプ(溝)が細かく深く、より雪、氷上の水膜を吸い上げるようなパターンになってます。

分かりやすく説明すると冬用タイヤはゴム質が柔らかく、密着度が高く雪・氷上に吸い付き、吸い上げるタイヤ。夏用タイヤは、高温に強くゴムしつの剛性が高く路面の水膜をはじき飛ばしグリップ力を向上される。

一番の違いは、路面の水膜に対して、「冬用は吸い上げる」「夏用ははじき飛ばす」と言うことです。

1-3. 低燃費タイヤ

人気の高い「低燃費タイヤ」ですが、普通のタイヤと何が違うの? と思われる方も多いと思います。難しい解説は後にして簡単に説明すると「より丸く、水膜に強い」タイヤの事を言います。「より丸い」ですが、タイヤは普通丸いですよね。

これは、「転がり抵抗性能」と表記され、「水膜に強い」は「ウェットグリップ性能」と表記されます。

「転がり抵抗性能」とは、難しい話ですが、転がり抵抗と転がり抵抗係数によって算出されます。これには等級があり、上からAAA・AA・A・B・Cにランク付けされます。

JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)がグレーディングシステム(等級制度)にて定めますが、「A」ランク以上が低燃費タイヤとなります。また、「ウェットグリップ性能」も同じく、路面が濡れた状態でグリップ力(制動グリップ力など)によりランク付けされ、a.b.c.d.と別れd以上のタイヤが低燃費タイヤと認定されます。

新品のタイヤにステッカーが貼られていると思いますが、低燃費タイヤの場合「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」のランクが表示されてますので、Aランク以上、dランク以上であれば「低燃費タイヤ」であると言えます。

どれだけの燃費効果があるのかも興味ありますよね。こ難しい算出方法は専門サイトにお任せすることにして「タイヤ公正取引協議会」の実証実験の結果は、運転、路面状況にもよりますが、AAAクラスで燃費が4%改善されます。

ガソリン1リットル当り(1リットル130円として)の改善金額は、4%改善で5.2円。年間で6.240円と言われてます。CO2削減にも貢献できるのでエコなタイヤと言う訳ですね。

1-4. ランフラットタイヤ

最近注目度の高いタイヤで「ランフラットタイヤ」があります。

このタイヤは安全性重視で万が一走行中にタイヤがパンクしても一定の距離を走行できるタイヤです。これによって車体にスペアタイヤを装備する必要がなくスペースを有効に使うことができラゲッジなど大きくすることが可能になります。

当然、通常のラジアルタイヤなどですと、走行中にパンクや空気圧が低下しバーストを引き起こした場合、大変な事故に繋がる可能性があります。しかし、ランフラットタイヤですと一定の距離を走行できるので安心、安全であると思います。安全性に強いドイツのBMWが多く純正タイヤ採用するなど次世代のタイヤと言えるでしょう。

但し、デメリットもあります。パンクや空気圧が下がっても走行できるタイヤなのでラジアルタイヤとは構造も大きく変わります。流通されているタイプは、サイドウォール強化タイプがほとんどです。要はタイヤの側面部分を強化しています。

デメリットは幾つかありますが、ラジアルタイヤに比べ乗り心地が悪くなる点です。このサイドウォール強化によりゴムの弾力性が失われるためです。特に車重の重い車種は顕著に乗り心地の悪さが出ます。

また、以前よりも流通量が増えてきたとはいえラジアルタイヤよりも高価でメンテナンス性の悪さも大きなデメリットではないでしょうか。最近ではラジアルタイヤも格段に安くなり一昔前の中古品の金額で立派な新品が買えるくらいです。

それに比べランフラットタイヤはまだまだ高価なタイヤと言えます。メンテナンス性ですが、ラジアルタイヤであれば側面以外のパンクは修理可能で、その後の使用可能ですがランフラットタイヤは一度パンクすると一定距離(80~100Km程度)は走行可能ですがパンク状態で走行するためサイドウォール(側面)が損傷してしまいます。

ほとんどの場合、修理不可能でタイヤ交換になる場合が多いのです。タイヤ交換時期に関してはラジアルタイヤとあまり変わりはないので、ラジアルタイヤと同じ様にスリップサインを目安に交換すると良いと思います。

但し、ランフラットタイヤの場合、ラジアルタイヤより気にしないといけないのがタイヤの空気圧です。ラジアルタイヤよりデリケートなので空気圧を常に適正にしておかないと一番の特性であるパンクしても走行できることが保証されません。

まだ歴史の浅いタイヤなのでこれかもっと価格が下がり、乗り心地も改善されていくタイヤだと思います。安全性を考えるととても良いタイヤですので今後改良され普及していくタイヤだと考えます。

1-5. その他のタイヤ

ここでは、最近良く見かける激安輸入タイヤについてです。

ネットショップやオークションで「えっ!これで4本の値段!」と思うぐらいで販売されているタイヤがあります。欧米、アジア系メーカーがほとんどですが大丈夫? と思われている方の多いのではないでしょうか。

激安タイヤの出始めたばかりの頃はタイヤが丸くない、インチが微妙に狂っててホイールに組み込めないとかバーストするなどのトラブルはありましたが、最近はあまり聞きません。

特に韓国製のタイヤメーカーは日本製とあまり変わらないような性能のタイヤもあるようです。その分価格は高くなっているようですが。しかし、一部のメーカーの商品ではロードノイズがうるさい、片ベリがするなどのデメリットは聞かれます。

ゴム質の良し悪しだと思いますが。あまり聞いたことの無いメーカーや激安のなかでも更に信じられないほどの価格のタイヤはさすがに避けた方が良いと思います。まだ夏用タイヤならば多少ロードノイズがうるさい程度ならガマンも出来ますが、冬用タイヤだとそうは行きません。

スタッドレスも激安タイヤは販売されているようですが、ゴム質や性能上で「お勧め出来ません」。販売店様に営業妨害だと怒られそうですが、日本でも厳冬地域に住む方々にはお勧め出来ません。

それなら中古品でも国産メーカーのスタッドレスを装着します。あまり積雪量もなく凍結しない地域での使用でなら良いでしょうが、北海道、東北地方にお住まいの方々はご注意下さい。夏用タイヤであれば殆ど問題ないと思います。

2. 複数タイヤを賢く使う!

2-1. このタイヤ持っておくべき!

今や全国的降雪する地域が増えていると思います。北海道・東北地区は、夏冬タイヤ2セットを用意しておくのは当たり前で春と秋にタイヤ交換をします。

しかし、今年も東京でも降雪し交通が麻痺してしまったり、高速道路も歩いている方が早い位の速度でしか走行出来なかったりとニュースでも流れていました。北海道・東北地区程では無いにしろ冬用タイヤが必要な地域も多くなってきていると思います。

そこで普段スタッドレスタイヤになじみの無い方々の為に、スタッドレスって何を買えば良いのかをご説明します。

先にも少し触れましたが、スタッドレスは国産メーカーがお勧めです。スタッドレス選びで重要なのが、「氷上性能」です。圧雪した路面では、輸入タイヤ・中古タイヤでもさほど変わりません。

大事なのは路面が凍っている状態でどれだけグリップするかの「氷上性能」です。各メーカーは、ほぼ毎年新商品を導入してきます。スタッドレスに馴染みの有る地域の人でも迷うくらいです。

しかし、やはりナンバー1のスタッドレスは「ブリジストン ブリザックVRX2」です。確かに価格もぶっちぎりにお高いのですが安全性と安心を求めるとこのタイヤになります。「止まる」「曲がる」「進む」どれを取っても一番です。

快適性もあり静寂性能も高く静かなタイヤで磨耗率もよく長持ちしてくれます。もし、スタッドレスを購入する機会があれば絶対お勧めの1本です!

2-2. タイヤで安全性や乗り心地も違ってくる

自動車自体の安全性は、まずタイヤの安全性能からだと思います。

舗装された道路をただ真直ぐ走るだけなら、そんなに性能を考えることはありませんが、未舗装道路、濡れた路面、きついカーブに急な坂などタイヤには様々な状況に応じた性能を要求されます。

直進性能、曲がり抵抗性、排水性、そして磨耗性などの要素が備わって初めて安全なタイヤとなります。一番重要な部品であるはずのタイヤですが案外雑に扱われている場合が多く見られます。ぱっと見てまだタイヤの溝が残っているから大丈夫。

見た目で潰れてないから空気圧も大丈夫など。でも自動車部品の中でも一番酷使されている部品であることを忘れてはいけません。溝が残っていても古くなってしまえばゴムなので劣化してひび割れがしてきます。

正確に空気圧が入っていなければバーストする原因になります。また、燃費や乗り心地にも影響してきます。高級なタイヤであれ何であれきちんとメンテナンスしてなければ安全性も乗り心地も悪くなります。知識を高めタイヤを選ぶのも良いですが、タイヤメンテナンスをすることが安全性、乗り心地を向上させる一番の方法だと思います。

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3. 種類別おすすめタイヤはコレ!

ラジアルタイヤでおすすめなタイヤは幾つかありますが、車種によっても違ってきますので大きく分けてご紹介します。

軽自動車

ヨコハマ BluEarth AE-01 (ブルーアース エーイーゼロワン)

低燃費タイヤランク「AA」を獲得しているタイヤでサイドウォール(横の部分)が柔らかく乗り心地の良いタイヤです。

乗用車

ミシュラン ENERGY SAVER+ (エナジーセイバープラス)

ベースグレードのタイヤですが、転がり抵抗性能「AA」。ウェットグリップ性能「b」の低燃費タイヤです。特にお勧めする理由は、磨耗寿命で他メーカーの同クラスのタイヤよりも長持ちします。年間走行距離が多い方にお勧めです。静寂性も良いタイヤです。

ミニバン

ブリジストン playz PX-RV (プレイズ ピーエックス アールブイ)

「疲れにくい、安全性」をブリジストンが揚げたタイヤです。ミニバン特有のコーナリングでの揺れを抑制して操縦性能向上させ、乗車定員が多くても安定性を保つタイヤです。転がり性能「A」ウェットグリプ性能「b」。

ミニバンには絶対の一本ですね。

SUV/クロカン

ブリジストン DUELLER H/L 850 (デューラー エイチエル ハチゴーマル)

最低限の悪路走行性能を持ち、オンロード重視のSUVタイヤ。燃費性能良く、少し位の雪なら十分走行可能です。

4. まとめ

タイヤにも色々な構造や種類や使い方があることは多少ご理解頂けたでしょうか。ラジアルタイヤ、低燃費タイヤやランフラットタイヤなど様々です。愛車や趣味趣向に合ったタイヤを選ぶ際に参考になれば幸いです。

タイヤはクルマに乗っている人の命を預ける大切な部品です。たかがタイヤ、されどタイヤなのです。これからのカーライフを安全快適にする為にも、正しくご自身、愛車に合ったタイヤを選びドライブをお楽しみ下さい。

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